税理士法人プライムパートナーズ

特定同族会社と同族会社との違いとは?判定基準や税金対策を解説

2026-04-17
目次

会社を経営されていると、税金のお話の中で同族会社特定同族会社という言葉を耳にすることがあるかもしれません。ご自身の会社がどちらに当てはまるのか、そしてどのような税金の影響があるのか、不安に感じることもありますよね。実は、特定同族会社は同族会社の一部であり、該当すると追加で税金がかかる特別なルールが設けられています。この記事では、特定同族会社と同族会社の違いや判定方法、そして会社を守るための対策について、優しく分かりやすく解説していきます。

同族会社とは?基本的な定義と該当する条件

まずは、同族会社の基本的な定義から確認していきましょう。同族会社とは、少数の特定の株主とその親族などによって、会社の経営権が握られている状態の会社を指します。具体的には、3つ以下の株主グループが、発行済株式の50%を超える株式を保有している場合に同族会社となります。日本の中小企業の多くは、社長ご自身やご家族で株式を保有しているため、この同族会社に当てはまることが非常に多いです。

同族関係者にあたる個人の範囲

同族会社かどうかを判定する際、株主ご本人だけでなく、特別な関係にある人も「1つの株主グループ」としてまとめて計算します。これを同族関係者と呼びますが、個人において同族関係者となるのは以下の通りです。

対象者 具体的な範囲
親族 配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族
事実上の婚姻関係 婚姻の届出をしていないが、事実上夫婦と同様の関係にある方
生計を維持している方 個人株主の使用人や、株主からの金銭で生活を維持している方

このように、血のつながりだけでなく、生活を共にしている方なども同じグループとして扱われますのでご注意ください。

同族関係者にあたる法人の範囲

株主に別の会社(法人)が含まれている場合も、その法人が実質的に支配されていれば同族関係者として扱われます。具体的には、株主の1人(その親族なども含みます)が、別の会社の発行済株式の50%を超える株式を保有して支配している場合、その別の会社も同じ株主グループに含まれます。このようにして、複雑に株式を分散させていても、実質的な支配者が同じであればまとめて計算される仕組みになっています。

相続税の非上場株式評価の同族株主との混同に注意

税金の世界には、同じような言葉でも意味が違うケースがあります。相続税を申告する際に、非上場株式の評価額を計算するため同族株主という言葉を使いますが、これは法人税の同族会社の定義とは少し異なります。相続税の場合は、会社の規模や株主の構成によって評価方法(原則的評価方式や配当還元方式など)を分けるための基準です。法人税の同族会社とは目的や判定の仕方が違いますので、混同しないように気をつけましょう。

特定同族会社とは?同族会社との決定的な違い

同族会社の意味がわかったところで、本題の特定同族会社についてご説明します。特定同族会社とは、同族会社の中でもさらに株主が集中している会社のことを指します。一番の大きな違いは、同族会社が「3つ以下の株主グループ」で株式の50%超を保有しているのに対し、特定同族会社はたった1つの株主グループで発行済株式の50%を超える株式を保有している会社(被支配会社)のことを言います。社長お一人、あるいはご家族だけで株式の過半数を持っている会社がこれに当たります。

特定同族会社に該当する具体的な要件

1つのグループで過半数の株式を持っているからといって、すぐにすべての会社が特定同族会社になるわけではありません。会社の規模(資本金)による条件があります。具体的には、資本金が1億円以下の会社は、原則として特定同族会社には該当しません。ただし例外として、資本金が5億円以上の大きな会社(大法人)に自社の株式を100%保有されている完全子会社の場合は、資本金が1億円以下であっても特定同族会社に該当することになります。

特定同族会社の判定方法を分かりやすく解説

ご自身の会社が特定同族会社に当てはまるかどうかは、いくつかのステップを踏んで順番に判定していきます。少し難しく感じるかもしれませんが、一つずつ確認していけば大丈夫です。

同族会社にあたるかどうかの確認

まずは、第一ステップとして同族会社かどうかを確認します。持株割合が多い株主のグループを順番に並べ、上位3つのグループの持ち株割合を合計します。その合計が発行済株式の50%を超えている場合、その会社は同族会社となります。自社で保有している自己株式は計算から除外して判定してください。

被支配会社にあたるかどうかの確認

次に、第二ステップとして被支配会社かどうかを確認します。今度は上位3つのグループではなく、トップの1つの株主グループだけを見ます。そのトップの1グループだけで、発行済株式の50%を超えている場合、その会社は被支配会社となります。

特定同族会社にあたるかどうかの最終判定

最後のステップです。トップの1グループの中に、別の法人株主が含まれている場合に確認が必要です。その法人株主が誰の支配も受けていない独立した法人(被支配会社でない法人)である場合、その独立した法人をグループから除外して再計算します。除外してもなお、残りのメンバーだけで株式の50%を超えている場合、最終的に特定同族会社と判定されます。少し複雑ですが、特定の個人や家族だけで完全に支配しているかを厳格に見極めるための仕組みです。

特定同族会社と税金に関する特別なルール

なぜ特定同族会社かどうかが重要になるのでしょうか。それは、少数の人たちで経営を自由に決められるため、意図的に税金を減らすことができないように、税法上の特別なルールが設けられているからです。

利益の貯め込みに対する留保金課税

特定同族会社に該当した場合、もっとも注意しなければならないのが留保金課税です。会社が出した利益を、株主に配当として還元せずに会社の中に貯め込んだ場合、その貯め込んだ利益(留保金額)に対して通常の法人税とは別に追加で税金がかかります。具体的な特別税率は、以下の通り金額に応じて段階的に高くなります。

課税対象となる留保金額 追加される特別税率
年3,000万円以下の部分 10%
年3,000万円超から1億円以下の部分 15%
年1億円超の部分 20%

課税対象となるのは、所得金額から一定の控除額(所得金額の25%や年2,000万円など、いずれか大きい金額)を差し引いた後の金額です。

行為又は計算の否認という規定

同族会社や特定同族会社では、経営陣が自由に取引の価格や条件を決めやすいため、税務署のチェックが厳しくなります。もし、税金を不当に減らす目的で、相場とかけ離れた価格で親族と取引をしたり、不自然な経費を計上したりした場合は、税務署からその取引の行為または計算を否認され、適正な価格で税金を計算し直されることになります。

役員の範囲に関する特別な規定

社員(使用人)としてお給料を支払っていても、一定の要件を満たすと同族会社のみなし役員として扱われることがあります。具体的には、その会社の株式の5%を超える割合を保有しており、特定の株主グループで株式の50%超を保有しているなどの条件を満たし、さらに会社の経営に従事している場合です。役員とみなされると、支払ったボーナス(賞与)が経費として認められなくなるなど、税金面で不利になることがあります。

会社を守るための具体的な税金対策

特定同族会社に該当すると税金の負担が増える可能性がありますが、事前にしっかりと対策をしておけば、会社の大切な資金を守りながらスムーズな経営や事業承継を進めることができます。

株主構成の見直しによる特定同族会社の解消

一番確実な対策は、株主の割合を見直して特定同族会社の要件から外れることです。例えば、トップの株主グループが保有する株式の割合を50%以下になるように、信頼できる従業員や取引先、あるいは別の親族グループに株式を譲渡する方法があります。株式を分散させることで留保金課税の対象外にすることができますが、会社の経営権が弱まるリスクもあるため、慎重に進める必要があります。

役員報酬と配当金のバランス調整

留保金課税は、利益を会社に貯め込みすぎることで発生します。そのため、適切に役員報酬を増やしたり、株主へ配当金を出したりすることで、会社に残る利益を減らし、留保金課税を回避することができます。ただし、役員報酬や配当金を増やすと、今度は受け取った個人の所得税や住民税が高くなります。法人の税金と個人の税金のトータルでの負担を計算して、一番バランスの良い金額を設定することが大切です。

まとめ

ここまで、特定同族会社と同族会社の違いや、判定方法、留保金課税などの特別なルールについて解説してきました。同族会社は3つ以下の株主グループで株式の50%超を保有する会社ですが、特定同族会社はさらに集中して1つの株主グループで50%超を保有する会社を指します。資本金が1億円を超える場合は留保金課税の対象となるため、株主構成の見直しや利益の配分方法など、早めの対策が不可欠です。会社の未来を守るために、ぜひ税理士などの専門家と相談しながら、最適な経営判断を行ってください。

特定同族会社に関するよくある質問まとめ

Q.特定同族会社と同族会社の違いは何ですか?

A.同族会社は3つ以下の株主グループで発行済株式の50%超を保有する会社ですが、特定同族会社はその中でもさらに1つの株主グループだけで株式の50%超を保有している会社を指します。

Q.資本金が少ない会社でも特定同族会社になりますか?

A.原則として、資本金が1億円以下の会社は特定同族会社にはなりません。ただし、資本金5億円以上の大法人の完全子会社である場合などは例外的に該当することがあります。

Q.留保金課税とはどのような税金ですか?

A.特定同族会社が利益を配当として還元せず、会社内に一定額以上貯め込んだ場合に、通常の法人税に加えて課される追加の税金のことです。金額に応じて10%から20%の特別税率がかかります。

Q.同族関係者には誰が含まれますか?

A.株主本人のほか、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族、事実上婚姻関係にある方、およびその株主から生計を維持している方などが同族関係者に含まれます。

Q.特定同族会社を避けるための対策はありますか?

A.トップの株主グループの保有割合が50%以下になるよう、信頼できる従業員や第三者に株式を譲渡して株主構成を見直す方法や、適切に役員報酬・配当金を支払い留保金を減らす方法などがあります。

Q.同族会社のみなし役員とは何ですか?

A.社員として働いていても、会社の株式の5%超を保有し、特定の株主グループで50%超を所有しているなどの条件を満たして経営に従事している場合、税法上で役員とみなされ、ボーナスが経費にならないなどの制限を受ける仕組みです。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

\ 相続の不安、専門家にまずは無料相談 /
相続税申告でお困りの方へ
土日無料相談会 受付中!
今日からできる相続対策
プライム相続クラブ
士業の先生向け専門家AI
士業AI【税務】