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空き家特例は2028年以降どうなる?売却時期と注意点を解説

2025-12-02
目次

実家を相続したけれど誰も住む予定がない場合、税金の負担を大きく減らしてくれるのが空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除(空き家特例)です。しかし、この特例はずっと使えるわけではありません。現行の制度では期限が定められており、「2028年以降はどうなるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、空き家特例の期限や2028年以降の見通し、適用を受けるための具体的な条件やスケジュールについて、分かりやすく解説していきます。手遅れになる前に、正しい知識を身につけましょう。

空き家特例の基本と2028年以降の取り扱い

実家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常は約20%の税金がかかります。しかし、空き家特例を使えば利益から最大3,000万円を差し引くことができるため、税金を大幅に節約できます。まずは、この特例の期限について確認しておきましょう。

現在の適用期限は2027年12月31日まで

空き家特例は、永遠に続く制度ではありません。これまでの税制改正で何度か延長されてきましたが、現在のルールでは2027年(令和9年)12月31日までに売却(譲渡)したものが対象となっています。つまり、期限内に引き渡しまで完了させなければ、特例を受けることができなくなってしまいます。

2028年以降は特例が使えなくなる?

現時点では、2028年1月1日以降も空き家特例が延長されるかは全くの未定です。国の政策として空き家対策は重要視されているものの、必ず延長されるという保証はどこにもありません。もし延長されずに制度が終了してしまった場合、3,000万円の控除が受けられず、数百万円単位で税金の負担が増える恐れがあります。そのため、現在空き家を所有している方は、2028年を待たずに、確実に特例が使える2027年末までに売却を完了させるスケジュールを組むことを強くおすすめします。

令和6年からの空き家特例の拡充と変更点

空き家特例は、2024年1月1日の売却分からルールが一部変更され、より使いやすくなった部分と、注意が必要になった部分があります。主な変更点を見ていきましょう。

買主が後から取り壊す場合も対象に

これまでは、古い家を売る前に、売主側(相続人)が自費で家屋を解体するか、耐震改修工事を行ってから引き渡さなければ特例の対象になりませんでした。しかし2024年1月1日以降の売却からは要件が緩和され、現状のまま空き家を売却し、売却した翌年の2月15日までに買主側が耐震改修や取り壊しを行った場合でも、特例が適用できるようになりました。これにより、売主が先に解体費用を用意する負担が大きく減りました。

相続人が3人以上の場合は控除額が下がる

使いやすくなった一方で、相続人の人数によっては控除額が減る変更もありました。これまでは相続人が何人であっても1人あたり最大3,000万円の控除が受けられましたが、2024年1月1日以降の売却では、相続人が3人以上で共有している空き家を売却する場合、1人あたりの控除額の上限が2,000万円に引き下げられました。

相続人の数 1人あたりの控除上限額
1人または2人 最大3,000万円
3人以上 最大2,000万円

空き家特例の対象となる具体的な要件

空き家特例を利用して税金を安くするには、売却する家屋や土地について、国が定めた細かな条件をすべて満たす必要があります。ご自身の実家が当てはまるかしっかり確認しましょう。

建物の建築時期とマンションの除外

対象となる家屋は、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された一戸建てに限られます。これは旧耐震基準で建てられた古い家を減らすことが目的だからです。そのため、昭和56年6月1日以降に建てられた新しい家屋は対象外となります。また、区分所有建物登記がされている建物、つまり分譲マンションは建築時期に関わらず特例の対象外となりますのでご注意ください。

老人ホームに入所していた場合の条件

亡くなった親(被相続人)が、亡くなる直前に老人ホームなどに入所していて家が空き家になっていた場合でも、以下の条件を満たせば特例が使えます。

老人ホーム入所時の要件 具体的な内容
入所前の居住状況 老人ホームに入る直前まで、被相続人が1人で住んでいたこと
入所中の家の利用状況 人に貸したりせず、被相続人の家財道具の保管などに使っていたこと

もし、親族の家に身を寄せて亡くなった場合や、一般の賃貸アパートに引っ越して亡くなった場合は、この特例の対象にはなりません。

売却スケジュールと確定申告の手続き

空き家特例には「いつまでに売るか」という期限と、税務署での手続きが必要です。期限を1日でも過ぎると特例は受けられません。

相続開始から3年目の年末が期限

空き家特例を受けるには、相続が開始した日(親が亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却を完了(引き渡し)させる必要があります。例えば、2025年8月1日に亡くなった場合、3年後の2028年8月1日が属する年、つまり2028年12月31日が売却期限となります。ただし、前述の通り制度自体の期限が2027年12月31日までとなっているため、この場合は2027年末までに売却しなければ特例は使えません。また、売却代金が1億円以下であることも必須条件です。

確定申告で提出する必須書類

家を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に、税務署で確定申告を行う必要があります。その際、市区町村役場で発行してもらう「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必須です。この確認書の発行には、申請から約3週間ほど時間がかかることが多いため、売買契約書のコピーや登記事項証明書などの必要書類を集め、早めに役所の窓口へ申請しましょう。

まとめ

空き家特例は、実家を売却した際の税金を最大3,000万円も減らせる非常に強力な制度です。しかし、現在の法律では2027年12月31日までの売却が対象となっており、2028年以降も特例が続くかどうかは分かりません。もし延長されなければ、税金が数百万円も跳ね上がる可能性があります。「いつか売ろう」と先延ばしにせず、昭和56年5月31日以前に建てられた実家を相続した場合は、特例が確実に使える期間内に売却や解体のスケジュールを立てることが大切です。

参考文献

国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置

国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 

空き家特例の2028年以降の取り扱いに関するよくある質問まとめ

Q.空き家特例は2028年以降も使えますか?

A.現在の制度では適用期限が2027年12月31日までとなっており、2028年以降も延長されるかは現時点では未定です。そのため、確実に特例を受けるには2027年末までに売却を完了させることをおすすめします。

Q.売却後に買主が家を取り壊す場合でも特例は使えますか?

A.2024年1月1日以降の売却であれば、現状のまま引き渡し、売却した翌年の2月15日までに買主が家屋を取り壊した場合は特例の対象となります。

Q.マンションを相続した場合も空き家特例の対象になりますか?

A.区分所有建物登記がされている建物は対象外となるため、分譲マンションは建築時期に関わらず空き家特例を利用することができません。

Q.親が老人ホームに入所していた実家でも特例を受けられますか?

A.入所直前まで親が1人で住んでおり、入所中も賃貸などに出さず家財道具の保管等に使用していた等の条件を満たせば、特例の対象になります。

Q.兄弟3人で実家を相続して売却する場合、控除額はどうなりますか?

A.2024年1月1日以降の売却で相続人が3人以上の場合は、1人あたりの控除上限額が2,000万円に引き下げられます。

Q.空き家特例を受けるための売却金額の上限はありますか?

A.売却代金が1億円以下であることが条件です。1億円を超えて売却した場合は、この特例を利用することができません。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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