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「再契約保証条項」の恐怖!定期借家が普通借家になり多額の立退料が発生?

2026-01-18
目次

貸主にとって安心だと思っていた定期借家契約。しかし、契約書の中にひそむ「再契約保証条項」のせいで、思いがけず普通借家契約とみなされ、数百万単位の多額の立退料を請求されてしまうケースが後を絶ちません。今回は、そんな恐怖の条項の仕組みと、確実に建物を明け渡してもらうための正しい契約方法について、優しくわかりやすく解説していきます。

定期借家契約と普通借家契約の決定的な違い

賃貸借契約には、大きく分けて「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。まずはこの2つの違いをしっかり理解しておくことが、今後のトラブルを防ぐための第一歩になりますよ。

定期借家契約の明確な終了ルール

定期借家契約は、あらかじめ決めた契約期間(例えば2年間など)が満了すると、確定期に契約が終了するという制度です。更新という概念が存在しないため、貸主が建物を返してほしいと思えば、立退料を支払うことなく確実に退去してもらうことができます。

契約の種類 契約の終了方法と立退料
定期借家契約 期間満了で確実に終了し立退料はゼロ円
普通借家契約 貸主の正当事由と多額の立退料が必要

普通借家契約における正当事由と立退料

一方で普通借家契約は、借主の権利が強く守られている契約です。契約期間が終わっても、借主が住み続けたいと希望すれば原則として更新されます。貸主側から契約を終わらせるためには、建物の老朽化や貸主自身が住む必要があるといった正当事由が必要になります。しかし、正当事由だけでは不十分と判断されることが多く、その不足分を補うために、家賃の6ヶ月分から12ヶ月分といった多額の立退料を支払わなければならなくなります。

貸主が定期借家契約を選ぶべき具体的な理由

貸主にとって、将来的に建物を建て替えたり、自分や家族が住む予定があったりする場合、確実に建物を返してもらえる定期借家契約は非常に魅力的です。例えば、3年後に必ず建物を解体してアパートを新築したい場合、普通借家契約では借主が居座ってしまい計画が頓挫するリスクがありますが、定期借家契約ならスケジュール通りに計画を進めることができます。

恐怖の「再契約保証条項」とはどのようなものか

定期借家契約をむすんだつもりでも、契約書の文言によっては大変な事態に陥ることがあります。それが今回のテーマである「再契約保証条項」です。これがどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

契約書に潜む危険な再契約の約束

再契約保証条項とは、契約書の中に「借主が希望する場合、貸主は期間満了後に再契約を必ずおこなう」というような約束を記載してしまうことです。借主を安心させるために不動産会社が良かれと思って入れてしまうことがありますが、この一文があるだけで、定期借家契約の根幹である「期間満了で確実に終わる」という大前提が崩れてしまいます。

裁判で普通借家契約とみなされてしまう理由

もし裁判になった場合、裁判官は「契約書のタイトルが定期借家契約となっていても、実質的には更新を約束しているのと同じだ」と判断します。日本の法律では、契約の名称よりも実質的な内容が重視されます。そのため、再契約が保証されているなら、それは実質的に普通借家契約であるとみなされてしまうのです。

実質的な更新と判断される最悪のケース

最悪のケースとして、貸主が「定期借家だから期間満了で出て行ってください」と伝えても、借主から「契約書に再契約すると書いてあるじゃないか。これは実質的な更新だ」と反論されてしまいます。こうなると、貸主は普通借家契約の解約手続きを行うことになり、結果として正当事由の証明や多額の立退料の支払いが必要になってしまうのです。

普通借家とみなされた場合に発生する多額の立退料

では、定期借家契約が普通借家契約とみなされてしまった場合、具体的にどれくらいの立退料を支払う羽目になるのでしょうか。具体的な金額を見ていくと、その恐ろしさがよくわかります。

住宅の立退料にかかる具体的な金額相場

一般的な居住用のマンションやアパートの場合、立退料の相場は家賃の6ヶ月分から15ヶ月分になることが多いです。例えば家賃が月額10万円のお部屋の場合、引越し代に20万円、新居の敷金・礼金などの初期費用に40万円、さらに迷惑料として40万円が上乗せされ、合計で100万円もの立退料を支払わなければならない計算になります。

立退料の内訳(家賃10万円の場合) 具体的な金額例
引越し業者の費用 約20万円
新居の契約にかかる初期費用 約40万円
立退きに対する迷惑料・慰謝料 約40万円〜90万円

店舗やオフィスでの立退料は数千万円になることも

これが飲食店などの店舗やオフィスとなると、事態はさらに深刻です。店舗の場合、移転費用だけでなく、現在の内装設備の残存価値や、移転に伴って休業する期間の利益(営業補償)まで支払う必要があります。例えば家賃30万円の飲食店で、内装工事費の残存価値が300万円、営業補償が500万円と計算されれば、合計で800万円から1,500万円近い立退料を請求されることも珍しくありません。

過去の判例から見る立退料の高額化リスク

過去の裁判例を見ても、貸主側の都合だけで一方的に退去を求める場合、立退料は非常に高額になる傾向があります。定期借家契約のつもりで準備資金を用意していなかった貸主が、突然数百万円から数千万円の立退料を命じられ、資金繰りがショートして不動産を手放さざるを得なくなったという悲しい事例も実際に存在します。だからこそ、契約書の作り方が本当に大切なのです。

賃貸人が今すぐ確認すべき契約書のチェックポイント

多額の立退料という悲劇を防ぐためには、お手元の契約書を今すぐ確認し、危険な条項を修正する必要があります。どのような点に注意して契約書を作成すべきかをお伝えします。

再契約の義務を負わせる文言を削除する

まず一番大切なのは、貸主に再契約の義務を負わせるような文言をすべて削除することです。「原則として再契約する」「借主の申し出があれば再契約できる」といった表現は非常に危険です。定期借家契約は、あくまで期間満了で完全に終了するものであることを、契約書上で一切の曖昧さなく表現しなければなりません。

双方の合意による再契約であることを明記する

もし再契約の可能性を残しておきたい場合は、「期間満了により本契約は確定的に終了するが、貸主と借主の双方が合意した場合に限り、新たに定期借家契約を締結することができる」という表現にとどめてください。これにより、貸主側には再契約に応じる法的な義務がないことが明確になります。

再契約時の正しい手順と書面交付の徹底

実際に再契約を行う際にも注意が必要です。単に「契約を更新します」という覚え書きを交わすだけでは、普通借家契約の更新とみなされてしまいます。再契約は「前の契約が完全に終わり、全く新しい契約をゼロから結び直す」という手続きになります。そのため、必ず再度、定期借家契約であることの事前説明を行い、新しい契約書に署名捺印をもらう手順を徹底してください。

安全に定期借家契約を結ぶための必須手続き

契約書の文言だけでなく、定期借家契約を法的に有効なものにするためには、法律で定められた厳格な手続きを守る必要があります。少しでも手順を間違えると、普通借家契約になってしまうので注意しましょう。

事前説明書面の交付と対面での説明義務

定期借家契約を結ぶ際、契約書とは別に「この契約は更新がなく、期間の満了によって終了します」と書かれた独立した書面(事前説明書面)を借主に交付し、対面やオンラインなどで口頭で説明しなければなりません。この事前説明を怠ったり、契約書の中に説明を混ぜてしまったりすると、定期借家契約としては無効になり、自動的に普通借家契約となってしまいます。

必要な法的手続き 具体的な条件とタイミング
事前説明書面の交付と口頭説明 契約を締結する前までに必ず行う
期間満了の終了通知 契約終了の1年前から6ヶ月前までに行う

終了通知を契約満了の1年前から6ヶ月前までに出す

契約期間が1年以上の定期借家契約の場合、契約期間が満了する1年前から6ヶ月前までの間に、貸主から借主に対して「あと半年から1年で契約が終わりますよ」という終了通知を必ず書面(内容証明郵便などが望ましい)で出さなければなりません。この通知を忘れてしまうと、期間満了日にすぐに出て行ってとお願いすることができなくなってしまうので、スケジュール管理を徹底しましょう。

まとめ

定期借家契約は、貸主の財産を守るための非常に優れた制度です。しかし、契約書の中に「再契約保証条項」のような曖昧な約束を入れてしまうと、実質的に普通借家契約とみなされ、数百万円から数千万円という多額の立退料を支払うリスクを抱え込むことになります。契約書の文言は「双方が合意した場合のみ再契約できる」にとどめ、事前説明や終了通知といった法律で定められた手続きを一つひとつ確実に行うことが大切です。不安な場合は、専門家に相談しながら、安全で確実な賃貸経営をおこなっていきましょう。

参考文献

国土交通省:定期借家制度

定期借家契約と再契約保証条項のよくある質問まとめ

Q.定期借家契約とは何ですか?

A.契約で定めた期間が満了すると確実に契約が終了し、更新という概念がない賃貸借契約のことです。

Q.普通借家契約と定期借家契約の一番の違いは何ですか?

A.普通借家契約は借主が希望すれば原則更新されますが、定期借家契約は期間満了で退去してもらうことができ、立退料も不要である点です。

Q.再契約保証条項とはどのようなものですか?

A.契約期間満了後、貸主が借主の希望に応じて必ず再契約を行うことを約束する契約書上の文言のことです。

Q.再契約保証条項があるとどうなりますか?

A.裁判などで実質的な普通借家契約の更新とみなされ、退去を求める際に家賃の数ヶ月分から数年分に及ぶ多額の立退料を請求されるリスクが高まります。

Q.定期借家契約をむすぶ際の必須手続きは何ですか?

A.契約締結前に契約書とは別の独立した書面を交付して更新がないことを口頭で説明し、契約終了の1年前から6ヶ月前までに終了通知を出す必要があります。

Q.再契約をする際の正しい方法はありますか?

A.単なる更新手続きではなく、前の契約を完全に終わらせた上で、再度事前説明書面の交付から始めて全く新しい定期借家契約を結び直す必要があります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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