税理士法人プライムパートナーズ

【保存版】相続した不動産の取得費
正しく理解して譲渡所得税を節税!

2025-03-24
目次

「実家を相続したけど、将来売却する時の税金が心配…」
「取得費って何?相続した場合はどうなるの?」
不動産を相続した際、将来の売却に備えて「取得費」について理解しておくことはとても大切です。取得費は、譲渡所得税(不動産を売却した際にかかる税金)の計算の基になるもので、正しく把握することで税金を抑えられる可能性があります。
この記事では、相続した不動産の取得費について、どこよりも分かりやすく解説します。具体的な計算方法や、取得費に含められる費用、注意点など、あなたの疑問をスッキリ解消します!

そもそも取得費って何?基本を分かりやすく解説

取得費とは、その不動産を取得するためにかかった費用のことです。
例えば、親御さんが土地や建物を購入した時の代金や、仲介手数料、登記費用などがこれにあたります。
「え?私が払ったお金じゃないのに?」と思われるかもしれませんが、相続の場合、亡くなった方(被相続人)が支払った費用を引き継ぐことになるんです。

土地の取得費、計算方法は?

土地の取得費は、基本的に被相続人が購入した時の金額です。
売買契約書や領収書などで確認できます。もし書類が見当たらない場合は、後ほど説明する方法で調べることも可能です。

建物の取得費、計算方法は?

建物の取得費は、少し計算が必要です。
建物の購入代金から、「減価償却費」というものを差し引いた金額が取得費になります。
減価償却費とは、建物の価値が年々減少していくことを考慮した費用です。
計算式は以下の通りです。

減価償却費 = 建物の購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

償却率は、建物の構造によって異なります。
例えば、木造住宅(非事業用)の場合は0.031です。
経過年数は、被相続人が建物を取得した日から、相続人が売却した年の1月1日までの年数です。

(例)
被相続人が20年前に3,000万円で購入した木造住宅(非事業用)を相続し、
その後2年後に売却した場合の取得費は?

1. 減価償却費:3,000万円 × 0.9 × 0.031 × 20年 = 1,674万円
2. 建物の取得費:3,000万円 – 1,674万円 = 1,326万円

取得費に含められるもの、含められないもの

取得費には、購入代金以外にも含められるものがあります。
主なものは以下の通りです。

  • 購入時の仲介手数料
  • 登記費用(登録免許税、司法書士への報酬)
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 土地の造成費用、測量費用
  • 建物の取り壊し費用(一定の要件あり)

逆に、含められないものもあります。

  • 相続登記の費用(相続人が負担した場合)→ これは譲渡費用になります。
  • 遺産分割協議のための弁護士費用
  • 固定資産税、都市計画税

相続した不動産の取得費、ココがポイント!

相続した不動産の取得費は、被相続人が取得した時点の費用を引き継ぐ、という点が最大のポイントです。
つまり、相続人が支払った費用ではない、ということを覚えておきましょう。

被相続人の取得時期が重要!

相続した不動産の取得費を計算する上で、被相続人がいつその不動産を取得したか、という「取得時期」が非常に重要になります。
なぜなら、取得時期によって、譲渡所得税の税率が変わるからです。

  • 長期譲渡所得: 取得日から売却した年の1月1日までの所有期間が5年を超える場合
  • 短期譲渡所得: 取得日から売却した年の1月1日までの所有期間が5年以下の場合

長期譲渡所得の方が税率が低く、有利になります。

書類がない!取得費が不明な場合は?

「昔のことすぎて、売買契約書も領収書も見つからない…」
そんな場合でも、諦めないでください!
取得費が不明な場合は、売却価格の5%相当額を取得費とすることができます。
ただし、この方法だと、実際の取得費よりも低くなってしまう可能性が高いです。

もし、
「5%じゃ絶対に損!」
「もう少し詳しく調べたい」
という場合は、以下の方法を試してみましょう。

  1. 法務局で登記簿謄本を取得: 抵当権の設定金額から、おおよその購入価格を推測できる場合があります。
  2. 不動産会社に相談: 周辺の取引事例などから、当時の相場を調べてもらえることがあります。
  3. 税務署に相談: 過去の路線価などから、推測できる場合があります。

取得費加算の特例で、さらに節税!

相続した不動産を、一定期間内に売却する場合、「相続税の取得費加算の特例」という制度を利用できる可能性があります。
この特例を使うと、納めた相続税の一部を、なんと取得費に加算できるんです!
つまり、譲渡所得税を大幅に節税できる可能性がある、ということです。

取得費加算の特例、適用要件は?

この特例を受けるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 相続や遺贈により財産を取得したこと
  2. その財産について相続税が課税されたこと
  3. 相続開始の日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡したこと

取得費加算の特例、計算方法は?

取得費に加算できる金額は、以下の計算式で求めます。

加算できる金額 = 納めた相続税額 × (譲渡した不動産の相続税評価額 ÷ 相続財産全体の相続税評価額)

相続した空き家を売却する場合の特例も!

相続した家が空き家の場合、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」という特例を利用できる可能性があります。
この特例は、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる、というものです。

3,000万円特別控除、適用要件は?

この特例を受けるには、いくつかの要件があります。
主なものは以下の通りです。

  • 被相続人が居住していた家屋であること(老人ホーム等に入居していた場合も、一定の要件を満たせば対象)
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)
  • 相続開始から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 耐震リフォームをするか、更地にして売却すること

不動産会社や税理士に相談しよう!

相続した不動産の取得費や、各種特例の適用については、専門的な知識が必要となる場合があります。
「自分で計算するのは難しそう…」
「特例を漏れなく利用したい!」
そう思ったら、迷わず不動産会社や税理士に相談しましょう。
専門家のアドバイスを受けることで、安心して手続きを進めることができます。

まとめ

相続した不動産の取得費は、譲渡所得税の計算に大きく影響します。
被相続人が取得した時点の費用を引き継ぐこと、取得費に含められる費用をしっかり把握すること、そして各種特例を有効活用することが、節税のポイントです。
この記事で解説した内容を参考に、ぜひご自身のケースで取得費を計算してみてください。
そして、もし分からないことや不安なことがあれば、専門家に相談することを強くおすすめします。
適切な知識と専門家のサポートがあれば、相続した不動産の売却もスムーズに進められるはずです。

相続した不動産の取得費、どうなるの?よくある質問まとめ

Q. 取得費ってそもそも何ですか?

A. 取得費とは、不動産を取得するためにかかった費用のことです。購入代金だけでなく、仲介手数料、登記費用、不動産取得税なども含まれます。

Q. 相続した不動産の取得費は、どうやって計算するの?

A. 原則として、被相続人(亡くなった方)がその不動産を取得した時の取得費を引き継ぎます。

Q. 被相続人の取得費がわからない場合はどうすればいい?

A. 売却代金の5%相当額を取得費とすることができます(概算取得費)。ただし、実際の取得費がわかる場合は、そちらを優先して適用できます。

Q. 相続後にリフォームした費用は取得費に含められる?

A. はい、相続後に支出した設備費や改良費(リフォーム費用など)も取得費に含めることができます。

Q. 相続税申告で不動産の評価額を計算したけど、それが取得費になる?

A. いいえ、相続税評価額と取得費は別物です。相続税評価額は相続税を計算するためのもので、取得費は譲渡所得税を計算するためのものです。

Q. 取得費について、税理士に相談した方がいいケースは?

A. 取得費の計算が複雑な場合や、特例の適用を検討したい場合は、税理士に相談することをおすすめします。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

税理士と
30分オンラインMTG
下記よりご都合の良い時間をご確認ください。