ご家族が亡くなられるというのは、とても悲しい出来事です。しかし、悲しみに暮れている間もなく、様々な手続きを行う必要があります。特に相続の手続きは、複雑で分かりにくいことも多く、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、親御さんが亡くなられた際に、ご遺族がどのような手続きをしなければならないのか、順を追って分かりやすく解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
親が亡くなった直後に行うこと
親御さんが亡くなられた直後は、深い悲しみの中、様々な手続きを進めなければなりません。まずは落ち着いて、一つずつ確認していきましょう。
死亡診断書の受け取り
医師から死亡診断書(または死体検案書)を受け取ります。この書類は、その後の様々な手続きで必要になりますので、大切に保管し、コピーを複数枚とっておきましょう。
関係者への連絡
親族や、親御さんと親しかった友人、勤務先など、関係者へ連絡をします。葬儀の日程などが決まり次第、改めて連絡をしましょう。
葬儀社の手配
葬儀社に連絡をして、葬儀の準備を始めます。近年は、家族葬など、葬儀の形式も多様化しています。故人の遺志やご家族の希望に沿った葬儀を行うために、葬儀社とよく相談しましょう。
役所への届け出と手続き
親御さんが亡くなられたら、様々な行政手続きが必要になります。期限が定められているものもありますので、注意が必要です。
死亡届の提出(7日以内)
死亡届は、故人の本籍地、死亡地、または届出人の所在地のいずれかの市区町村役場に提出します。死亡診断書(死体検案書)と一体になっていることが多いので、医師から受け取った書類を確認しましょう。
その他の手続き(14日以内など)
世帯主の変更、健康保険や年金の手続きなど、様々な手続きが必要になります。故人の状況によって必要な手続きが異なりますので、役所の窓口で確認することをおすすめします。
相続人の確認と遺言書の有無
相続手続きを進める上で、まず誰が相続人になるのかを確認する必要があります。また、遺言書の有無も確認しましょう。
相続人の確認
相続人は、法律で定められています。基本的には、配偶者と子が相続人になります。子がいない場合は、親や兄弟姉妹が相続人になることもあります。正確な相続人を確認するためには、戸籍謄本を取り寄せる必要があります。
遺言書の有無の確認
遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従って遺産分割を行います。遺言書は、自宅の金庫や引き出し、または公証役場などで保管されていることがあります。
相続財産の調査と評価
遺産分割を行うためには、どのような財産があるのかを把握する必要があります。
相続財産の調査
預貯金、不動産、株式、自動車など、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も調査します。通帳や不動産の権利証、証券会社の取引報告書などを確認しましょう。
相続財産の評価
相続財産の評価は、専門的な知識が必要な場合もあります。不動産の評価額などは、相続税の額にも影響しますので、専門家(税理士や不動産鑑定士など)に相談することをおすすめします。
遺産分割協議と相続手続き
相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するかを決定します。
遺産分割協議
相続人全員で話し合い、遺産分割の内容を決定します。話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、後のトラブルを防ぐためにも、必ず作成しましょう。
相続手続き(名義変更など)
遺産分割協議書に基づいて、不動産の名義変更や預貯金の解約・払い戻しなどの手続きを行います。
相続税の申告と納付(必要な場合)
相続財産の総額が一定額を超える場合は、相続税の申告と納付が必要です。相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
まとめ
親御さんが亡くなられた後の手続きは、多岐にわたります。期限がある手続きも多いので、この記事を参考に、一つずつ、落ち着いて手続きを進めてください。 相続の手続きは、専門的な知識が必要な場合も多く、ご自身で行うのが難しいと感じることもあるかもしれません。そのような場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することを検討しましょう。専門家は、あなたの状況に合わせて、適切なアドバイスやサポートをしてくれます。
相続 親が亡くなったら やることのよくある質問まとめ
Q. 親が亡くなったら、まず何をすればいいですか?
A. まずは、死亡届を7日以内に市区町村役場に提出します。その後、葬儀の手配、故人の財産や債務の確認、遺言書の有無の確認などを行います。
Q. 遺言書がある場合とない場合で、相続手続きはどう変わりますか?
A. 遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従って相続手続きを進めます。遺言書がない場合は、法定相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が何を相続するかを決めます。
Q. 相続税は必ずかかるのですか?
A. いいえ、相続税は必ずかかるわけではありません。遺産の総額が基礎控除額(3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合に、相続税がかかります。
Q. 相続手続きには期限がありますか?
A. はい、いくつか期限があります。
- 相続放棄・限定承認:3ヶ月以内
- 所得税の準確定申告:4ヶ月以内
- 相続税の申告・納付:10ヶ月以内
Q. 相続手続きを自分でするのは難しいですか?
A. 遺産の種類や金額、相続人の数などによって、手続きの複雑さは異なります。専門的な知識が必要な場合や、相続人間でトラブルになりそうな場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
Q. 相続で揉めないための対策はありますか?
A. 生前に遺言書を作成しておくこと、家族間で財産について話し合っておくこと、エンディングノートなどで意思を伝えておくことなどが有効です。