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固定資産税の評価額と課税標準額、その違いを分かりやすく解説!

2025-06-14
目次

毎年春ごろに届く固定資産税の納税通知書。中を見てみると、「評価額」や「課税標準額」といった、少し難しそうな言葉が並んでいますよね。「この2つの金額、似ているけど何が違うの?」「どうして金額が違うことがあるの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、固定資産税の「評価額」と「課税標準額」の決定的な違いについて、図や表を使いながら、誰にでも分かるように優しく解説していきますね。

固定資産税の基本!税額はどうやって決まるの?

まず、固定資産税がどのように計算されるのか、基本的な仕組みからおさらいしましょう。固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋などの固定資産を所有している人に対して、その資産価値に応じて課される税金です。税額の計算式自体は、実はとてもシンプルなんですよ。

固定資産税額 = 課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)

この計算式に出てくる「課税標準額」こそが、税金の額を決めるための、とても重要な金額になるんです。そして、この課税標準額を算出するための元になるのが「評価額」です。この2つの違いをしっかり理解することが、固定資産税を把握する第一歩になります。

「評価額」と「課税標準額」の決定的な違い

納税通知書を見ると、評価額と課税標準額がそれぞれ記載されています。この2つの言葉は似ているようで、実は役割が全く異なります。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。

固定資産税評価額とは?|資産の「価値」そのもの

固定資産税評価額は、一言でいうと「その固定資産がどれくらいの価値があるか」を示した金額のことです。お住まいの市町村(東京23区の場合は東京都)が、国が定めた「固定資産評価基準」というルールに基づいて、土地や家屋一つひとつの価値を評価して決定します。

土地の場合は、国が公表する地価公示価格などを参考に、その土地の場所や形、道路との接し方などを考慮して評価されます。一般的に、実際の取引価格(時価)の70%程度が目安とされています。一方、家屋の場合は、同じものをもう一度新築したらいくらかかるか(再建築価格)を基準に、建ててからの年数による価値の減少(経年減点補正)を考慮して評価されます。こちらも新築時の建築費の50%~70%程度が目安になります。

この評価額は、原則として3年に一度、評価額を見直す「評価替え」が行われます。

課税標準額とは?|税金を「計算」するための金額

一方、課税標準額は、「実際に税率を掛けて税額を計算するための金額」を指します。先ほどの計算式「固定資産税額 = 課税標準額 × 税率」で使われる、まさに税金の計算の基礎となる数字ですね。

「それなら、評価額と課税標準額は同じ金額じゃないの?」と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。特に土地の場合、税金の負担を軽くするための特例措置などが適用されることで、課税標準額は評価額よりも低い金額になることがほとんどです。建物については、基本的に評価額と課税標準額は同額となりますが、新築住宅の減額措置などが適用される場合は税額そのものが減額されます。

評価額と課税標準額の関係まとめ

ここで、2つの関係性を表で分かりやすく整理してみましょう。

項目 内容
固定資産税評価額 固定資産そのものの「価値」を示す金額です。(時価の7割程度が目安)
課税標準額 実際に税金を「計算」するための基礎となる金額です。(特例適用で評価額より低くなることがあります)

基本的には「評価額」を基にして、特例などを適用した後の「課税標準額」が算出され、その課税標準額に税率を掛けて最終的な税額が決まる、という流れを覚えておきましょう。

なぜ評価額と課税標準額は違う金額になるの?

では、なぜ評価額と課税標準額は違う金額になるのでしょうか。それは、納税者の負担が急に重くなりすぎないようにするための、いくつかの軽減措置が設けられているからです。特に影響が大きい代表的なものを2つご紹介しますね。

住宅用地の特例措置

人が住むための家が建っている土地(住宅用地)は、税金の負担が軽くなる特別なルールが適用されます。この特例によって、課税標準額が評価額よりも大幅に低く抑えられるんです。

住宅用地の種類 課税標準額の計算方法
小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下の部分) 評価額 × 1/6
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 評価額 × 1/3

例えば、評価額が3,000万円の200㎡の土地にマイホームが建っている場合、小規模住宅用地の特例が適用され、課税標準額は「3,000万円 × 1/6 = 500万円」となります。もしこの土地が更地だったら課税標準額は3,000万円(※)のままなので、税額に大きな差が出ることが分かりますね。(※負担調整措置などは考慮しない場合)

負担調整措置

土地の評価額は3年ごとに見直されますが、地価が大きく上昇した地域では、それに伴って評価額も急に上がってしまうことがあります。そうなると、固定資産税も一気に高くなり、納税者の負担が大きくなりすぎてしまいます。

そこで導入されているのが「負担調整措置」という仕組みです。これは、税額の上がり方を緩やかにするためのブレーキのようなもの。前年度の課税状況を考慮して、今年度の税負担が急激に増えないよう調整されるため、評価額が上がったとしても、課税標準額の上昇は一定の割合に抑えられます。この措置によっても、評価額と課税標準額に差が生まれることがあります。

納付書で評価額と課税標準額を確認する方法

ご自身の固定資産税の評価額と課税標準額を知るには、毎年4月~6月頃に市区町村から送られてくる「固定資産税・都市計画税 納税通知書」を確認するのが一番簡単で確実です。この通知書に同封されている「課税明細書」という書類に、詳しく記載されています。

課税明細書には、お持ちの土地や家屋ごとに「価格」または「評価額」という欄と、「課税標準額」という欄があります。この「価格」や「評価額」と書かれているのが固定資産税評価額のことです。この2つの金額を見比べることで、ご自身の資産に住宅用地の特例などがきちんと適用されているかを確認することができますよ。

もし納税通知書が見当たらない場合は、お住まいの市区町村の役所(都税事務所)で「固定資産評価証明書」や「固定資産課税台帳の写し(名寄せ帳)」を取り寄せることでも確認が可能です。

まとめ

今回は、固定資産税の「評価額」と「課税標準額」の違いについて解説しました。最後に大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 評価額は、土地や家屋そのものの「価値」を示す金額です。
  • 課税標準額は、税額を計算するための「基礎」となる金額です。
  • 住宅用地の特例や負担調整措置により、特に土地の課税標準額は評価額より低くなることが多くなっています。
  • 最終的な税額は「課税標準額 × 税率」で計算されます。

この2つの言葉の違いを理解するだけで、納税通知書の内容がぐっと分かりやすくなったのではないでしょうか。ご自身の資産にかかる税金の仕組みを知ることで、漠然とした不安もきっと解消されるはずです。もし納税通知書の内容で分からないことがあれば、お住まいの市区町村の資産税課などに気軽に問い合わせてみてくださいね。

参考文献

固定資産税の評価額と課税標準額に関するよくある質問まとめ

Q. 固定資産税の「評価額」と「課税標準額」は何が違うのですか?

A. 「評価額」は土地や家屋そのものの価値(時価)、「課税標準額」は税金を計算するための基礎となる金額です。多くの場合、特例措置により課税標準額は評価額よりも低くなります。

Q. なぜ課税標準額は評価額より低くなるのですか?

A. 住宅が建っている土地(住宅用地)には税負担を軽くする特例が適用されるためです。例えば、200㎡以下の小規模住宅用地では、課税標準額が評価額の6分の1に軽減されます。

Q. 固定資産の「評価額」は誰がどうやって決めているのですか?

A. 国が定めた固定資産評価基準に基づき、各市町村が決定します。土地は地価、家屋は再建築にかかる費用や経年劣化を考慮して算出されます。

Q. 実際の固定資産税はどのように計算されるのですか?

A. 「課税標準額 × 税率(標準1.4%)」で計算されます。評価額そのものではなく、軽減措置が適用された後の課税標準額を使って計算するのがポイントです。

Q. 土地の評価額が3年前より上がったのはなぜですか?

A. 土地の評価額は原則として3年に一度見直される「評価替え」があるためです。周辺の地価上昇などが評価額に反映され、税額が上がることがあります。

Q. 自分の評価額や課税標準額はどこで確認できますか?

A. 毎年送られてくる「固定資産税納税通知書」に添付されている「課税明細書」に記載されています。ここで所有する土地や家屋ごとの詳細を確認できます。

事務所概要
社名
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住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
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電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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