「親から相続した実家、どうしたらいいんだろう…」
空き家になった実家の扱いに、お悩みではありませんか?
住む予定がないなら売却を考える方も多いはず。でも、ちょっと待ってください!
相続した家を売るときには、税金について知っておかないと、思わぬ損をしてしまうかもしれません。
この記事では、相続した家を売却する際にかかる税金の種類や計算方法、そして、税金の負担を軽くするための控除や特例について、わかりやすく解説していきます。
一緒に、損をしないための知識を身につけましょう!
相続した家を売ると、どんな税金がかかるの?
相続した家を売却すると、いくつかの税金がかかる可能性があります。
「税金って難しそう…」と不安に感じるかもしれませんが、大丈夫!
一つずつ、わかりやすくご説明しますね。
不動産売買契約書には「印紙税」
まず、不動産の売買契約書には、「印紙税」がかかります。
これは、契約書に印紙を貼って納税するもので、契約金額によって税額が変わります。
例えば、契約金額が…
- 100万円超500万円以下なら:2,000円(軽減税率適用で1,000円)
- 500万円超1,000万円以下なら:1万円(軽減税率適用で5,000円)
- 1,000万円超5,000万円以下なら:2万円(軽減税率適用で1万円)
…といった具合です。(令和9年3月31日までの間に作成される契約書には軽減税率が適用されます。)
印紙は郵便局などで購入できますよ。
売却益が出たら「譲渡所得税」と「住民税」
次に、家を売って利益が出た場合、「譲渡所得税」と「住民税」がかかります。
「譲渡所得」とは、売却価格から、家の取得費や売却にかかった費用を差し引いたものです。
計算式:譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:親がその家を購入した時の価格や、相続時にかかった登記費用など。
- もし、親が家を購入した時の価格がわからない場合は、売却価格の5%を取得費とすることができます。
- 譲渡費用:仲介手数料や測量費など、売却のために直接かかった費用。
譲渡所得税と住民税の税率は、家の所有期間によって異なります。
- 所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得):
- 譲渡所得税:15%
- 住民税:5%
- 所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得):
- 譲渡所得税:30%
- 住民税:9%
(※所有期間は、亡くなった親が家を取得した日から計算します。)
さらに、令和19年までは、復興特別所得税(所得税額×2.1%)もかかります。
名義変更には「登録免許税」
相続した家を売るには、まず、亡くなった親から相続人へ名義変更(相続登記)をする必要があります。
この名義変更の際に、「登録免許税」がかかります。
計算式:登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%
固定資産税評価額は、市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書で確認できます。
税金の負担を減らす!知っておきたい控除と特例
「税金がたくさんかかるのは困る…」
そんなあなたに朗報です!
相続した家を売る際には、税金の負担を軽減できる様々な控除や特例があります。
賢く利用して、税金の負担を減らしましょう。
3000万円まで控除!「居住用財産の3000万円特別控除」
もし、あなたが相続した家に住んでいた場合、「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除」が利用できる可能性があります。
これは、譲渡所得から最大3000万円を控除できるという、非常に大きな控除です。
適用条件(主なもの):
- 自分が住んでいた家であること(一時的な仮住まいはNG)
- 売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えていること
- 売却価格が1億円以下であること
空き家でも使える!「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」
相続した家が空き家の場合でも、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」が利用できる場合があります。
この特例も、譲渡所得から最大3000万円を控除できます。
適用条件(主なもの):
- 亡くなった親が一人で住んでいた家であること
- 昭和56年5月31日以前に建築された家であること(耐震リフォーム済みの場合はOK)
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 売却価格が1億円以下であること
- 相続してから売却するまで、空き家の状態であること(事業用や賃貸用にしないこと)
相続税を支払ったなら「取得費加算の特例」
相続税を支払った場合、「取得費加算の特例」が利用できる可能性があります。
これは、支払った相続税の一部を、家の取得費に加算できるというものです。
取得費が増えることで譲渡所得が減り、結果的に税金が安くなります。
適用条件:
- 相続税を支払っていること
- 相続開始の日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却すること
ケーススタディで確認!税金の計算シミュレーション
具体的なケースを想定して、税金がいくらになるのかシミュレーションしてみましょう。
【ケース1】
相続した実家に住んでいたAさんが、その家を4,000万円で売却した場合(所有期間15年)。
- 取得費:1,000万円(親が購入した時の価格)
- 譲渡費用:200万円(仲介手数料など)
- 譲渡所得:4,000万円 -(1,000万j円 + 200万円)= 2,800万円
- 3000万円特別控除適用:2,800万円 – 3,000万円 = 0円(控除額の方が多いので、譲渡所得は0円)
- 譲渡所得税・住民税:0円
【ケース2】
相続した実家(空き家)をBさんが5,000万円で売却した場合(所有期間20年)。
- 取得費:不明(売却価格の5%とする)→ 5,000万円 × 5% = 250万円
- 譲渡費用:300万円(仲介手数料など)
- 譲渡所得:5,000万円 -(250万円 + 300万円)= 4,450万円
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除適用:4,450万円 – 3,000万円 = 1,450万円
- 譲渡所得税:1,450万円 × 15% = 217.5万円
- 住民税:1,450万円 × 5% = 72.5万円
- 復興特別所得税: 217.5万円 x 2.1% = 4.5675万円
合計税額:約300万円弱
いつまでに、何をすればいい?手続きの流れ
- 相続登記:まず、家を親から自分名義にする(相続登記)。
- 必要書類:遺産分割協議書、被相続人の戸籍謄本、相続人の住民票など
- 法務局で手続き
- 不動産会社に売却を依頼:査定を受け、媒介契約を結ぶ。
- 売買契約:買主と売買契約を締結。
- 物件の引き渡し:残代金を受け取り、鍵を引き渡す。
- 確定申告:売却した年の翌年の2月16日から3月15日までに確定申告。
- 必要書類:譲渡所得の内訳書、売買契約書の写し、登記事項証明書など
注意点!こんなときはどうなる?
複数の相続人で分ける場合は?
複数の相続人で家を共有している場合、それぞれの持分に応じて譲渡所得を計算し、各自が確定申告をする必要があります。
売却で損が出た場合は?
売却で損が出た場合(譲渡損失)、原則として税金はかかりません。
ただし、一定の要件を満たせば、他の所得と損益通算したり、損失を翌年以降に繰り越したりできる特例があります。
まとめ
相続した家を売却する際には、様々な税金がかかる可能性がありますが、控除や特例を上手に活用することで、税負担を軽減することができます。
まずは、ご自身のケースでどの特例が使えるのか、税理士などの専門家に相談してみるのがおすすめです。
早めに相談することで、より適切なアドバイスを受けることができ、安心して売却手続きを進められますよ。
相続した家、売却時の税金どうなる? 〇〇のよくある質問まとめ
Q. 相続した家を売ると税金はかかりますか?
A. はい、原則としてかかります。「譲渡所得税」という税金で、売却益(売った金額から取得費や譲渡費用を差し引いたもの)に対して課税されます。
Q. 譲渡所得税の税率はどれくらいですか?
A. 所有期間によって税率が異なります。
- 短期譲渡所得(5年以下): 約39%(所得税30.63% + 住民税9%)
- 長期譲渡所得(5年超): 約20%(所得税15.315% + 住民税5%)
Q. 相続した家の「取得費」はどうやって計算しますか?
A. 原則として、被相続人(亡くなった方)がその家を購入した時の金額を引き継ぎます。ただし、不明な場合は、売却価格の5%を取得費とみなすこともできます。
Q. 相続した家を売る時に使える特別な控除はありますか?
A. はい、主に以下の2つの特例があります。
- 3,000万円特別控除: 一定の要件を満たす居住用財産(住んでいた家)を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
- 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例: 相続税を納めた場合、一定額を取得費に加算できます。
Q. 「空き家特例」とは何ですか?
A. 相続した空き家を売却する場合に利用できる特例です。一定の要件を満たせば、3,000万円特別控除を適用できます。耐震リフォームや解体後の売却も対象となる場合があります。
Q. 相続した家を売却する際の税金対策で、他に注意すべきことはありますか?
A. 以下の点に注意しましょう。
- 特例の適用要件をしっかり確認する。
- 売却前に税理士などの専門家に相談する。
- 確定申告を忘れずに行う。
- 共有名義の場合は、各共有者の持分に応じて税金を計算する。