一日の終わりに、お酒を飲んでリラックスしたあと、お風呂でさっぱりしたいな、と感じることはありませんか?「お風呂で汗をかけば酔いが覚める」なんて話も聞きますが、実はこれはとても危険な行為なんです。お酒を飲んだらお風呂に入らない、これは体を守るための大切なルールです。この記事では、なぜ飲酒後の入浴が危険なのか、その理由と、どうしても入りたい場合の安全な対処法について、分かりやすくお話ししていきますね。
飲酒後にお風呂に入ってはいけない3つの理由
お酒を飲んだ後の入浴がなぜ危険なのか、それにはちゃんとした理由があります。体に起こる変化を知って、ご自身の体を大切にしてあげましょう。主に3つの大きなリスクが考えられます。
血圧の急激な変動による「ヒートショック」
飲酒後の入浴で最も注意したいのが「ヒートショック」です。これは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や脳に大きな負担がかかる状態のことです。
アルコールには血管を広げて血圧を下げる作用があります。一方で、熱いお湯に入ると一時的に血圧が上がり、その後体が温まると血管がさらに広がって血圧は急降下します。つまり、飲酒と入浴のダブル効果で血圧が下がりすぎてしまい、脳に十分な血液が届かず、めまいや失神を引き起こすことがあるのです。浴槽内で意識を失うと、溺れてしまう危険性もあり、命に関わる非常に危険な状態です。
アルコールの分解が遅れてしまう
「お風呂で汗をかけばアルコールが抜ける」というのは残念ながら間違いです。体内のアルコールの約90%は肝臓で分解されます。入浴すると、体の表面に近い血管に血液が集まりやすくなるため、本来肝臓に送られるはずだった血液の量が減ってしまいます。その結果、肝臓でのアルコールの分解スピードが遅くなり、かえって酔いが長引いたり、二日酔いがひどくなったりすることがあるんですよ。
脱水症状と転倒のリスク
お酒には利尿作用があるため、飲酒後は知らず知らずのうちに体内の水分が失われがちです。そこに入浴で汗をかくと、さらに水分が奪われ、深刻な脱水症状に陥る危険性があります。
また、酔っていると平衡感覚が鈍り、足元がふらつきやすくなります。濡れて滑りやすい浴室での転倒は、頭を打つなどの大怪我につながる可能性も高く、非常に危険です。飲酒によって判断力も低下しているため、とっさの対応ができずに事故につながりやすくなります。
どうしても入りたい!安全な入浴方法と時間
基本的には飲酒後の入浴は避けるべきですが、「どうしてもさっぱりしたい」という時もありますよね。そんな時は、いくつかのルールを守ることでリスクを最小限に抑えることができます。
飲酒後、何時間あければ入浴できる?
安全に入浴するためには、体内のアルコールが十分に分解されるまで時間をあけることが重要です。アルコールの分解時間は、飲んだ量や体重、体質によって個人差がありますが、一つの目安として覚えておきましょう。
体重約60kgの成人男性がアルコールを分解するのにかかる時間の目安は以下の通りです。
| お酒の種類と量(純アルコール量20g) | 分解にかかる時間の目安 |
| ビール中びん1本(500ml) | 約4時間 |
| 日本酒1合(180ml) | 約4時間 |
| チューハイ(7%)1缶(350ml) | 約3時間 |
| ワイン グラス2杯(240ml) | 約4時間 |
お酒をたくさん飲んだ日は、無理せず翌朝に入浴するのが最も安全です。最低でも飲酒後2〜3時間はあけるように心がけ、少しでも酔いが残っていると感じる場合は入浴を控えましょう。
湯船はNG?シャワーなら大丈夫?
もし時間をあけても体調が万全でない場合や、軽く飲んだだけですぐにさっぱりしたい場合は、湯船につかるのは避け、ぬるめのシャワーで済ませるのが賢明です。
シャワーであれば、水圧による体への負担や、長湯による血圧の低下、脱水のリスクを減らすことができます。この時、お湯の温度は38〜40度程度のぬるめに設定しましょう。熱いシャワーは血圧の変動を招くため危険です。また、転倒防止のために座って浴びるなどの工夫も大切です。
入浴前に必ずセルフチェックを
入浴やシャワーの前には、必ずご自身の体調を確認しましょう。以下の項目に一つでも当てはまる場合は、その日の入浴は中止してください。
- めまいやふらつきがある
- 顔が赤い、または青白い
- 動悸や息切れがする
- 吐き気や頭痛がある
- 呂律が回らない、まっすぐ歩けない
また、入浴前後にはコップ1杯以上の水やお茶を飲んで、しっかりと水分補給をすることも忘れないでくださいね。
まとめ
今回は、お酒を飲んだらお風呂に入らない方が良い理由についてお話ししました。楽しいお酒の時間を、悲しい事故につなげないために、以下のポイントをぜひ覚えておいてください。
- 飲酒後の入浴は、血圧の急変動、アルコール分解の遅延、脱水、転倒など多くの危険が伴います。
- 入浴する場合は、アルコールが分解されるまで最低でも2〜3時間以上あけましょう。
- 湯船につかるのは避け、ぬるめのシャワーを短時間で済ませるのが安全です。
- 入浴前には必ず体調をチェックし、入浴前後には十分な水分補給を心がけましょう。
ご自身の体を守るためにも、お酒を飲んだ日は無理せず体を休めることを優先してくださいね。安全で健康的なバスタイムを楽しみましょう。
参考文献
消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」
飲酒後の入浴に関するよくある質問まとめ
Q.なぜお酒を飲んだ後にお風呂に入るのは危険なのですか?
A.アルコールの影響で血圧が急激に変動し、心臓に負担がかかるためです。また、転倒や溺れるリスクも高まります。
Q.飲酒後、どのくらい時間を空ければお風呂に入っても大丈夫ですか?
A.個人差はありますが、少なくともアルコールが体から抜けるまで、数時間は空けるのが安全です。完全に酔いが覚めてから入浴しましょう。
Q.酔った状態でお風呂に入ると、どんな事故が起こりやすいですか?
A.浴室内での転倒による怪我、急な血圧変動による失神、浴槽内で眠ってしまい溺れるなどの命に関わる事故のリスクがあります。
Q.お風呂ではなく、シャワーなら大丈夫ですか?
A.シャワーでも血圧変動や転倒のリスクはあります。特に熱いシャワーは危険です。ぬるめのシャワーを短時間で済ませる場合でも、十分に注意が必要です。
Q.酔い覚ましのためにお風呂に入るのは効果がありますか?
A.逆効果です。アルコールの分解を早める効果はなく、むしろ血行が良くなることでアルコールの回りが早まり、体調不良を引き起こす可能性があります。
Q.少しだけ飲んだ場合でも、お風呂は避けるべきですか?
A.はい、少量でもアルコールは体に影響を与えます。体調やその日のコンディションによっても酔い方は変わるため、安全のため飲酒後の入浴は避けることを推奨します。