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がんになったら入院はどれくらい?治療費・お金の不安を徹底解説

2024-12-24
目次

「もし、がんになったら…」と考えると、入院はどれくらい長引くんだろう、お金は一体いくらかかるんだろうと、不安な気持ちになりますよね。先の見えない不安は、具体的な情報を知ることで少し和らぐかもしれません。この記事では、がんの入院日数や治療にかかるお金について、公的な制度も交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきます。いざという時のために、一緒に知識を備えていきましょう。

がんになった場合の入院日数ってどのくらい?

まず気になるのが、がん治療でどのくらい入院する必要があるのか、という点ですよね。ひと昔前は「がんは長期入院」というイメージがありましたが、最近は少し事情が変わってきているようです。

がんの種類別に見る平均入院日数

厚生労働省の調査によると、がん(悪性新生物)による平均入院日数は14.4日(令和5年)と報告されています。これは、他の大きな病気、例えば脳血管疾患の平均68.9日と比べると、比較的短いことがわかります。もちろん、がんの種類や進行度、治療法によって日数は変わってきます。

がんの種類 平均入院日数
胃がん 22.3日
結腸・直腸がん 16.4日
肺がん 21.1日
肝臓がん 20.8日

※上記はあくまで平均的な日数であり、個人差があります。

入院日数が短期化している理由

なぜ入院日数が短くなっているのでしょうか。その背景には、医療技術の進歩があります。例えば、手術ではお腹を大きく切開する方法から、カメラを使った内視鏡手術や腹腔鏡手術が増え、患者さんの体への負担が軽くなりました。これにより、術後の回復が早まり、早く退院できるケースが増えているのです。

入院よりも通院治療が主流に

入院日数が短くなっている一方で、注意したいのが「通院による治療期間」が長くなる傾向にあることです。抗がん剤治療や放射線治療など、以前は入院が必須だった治療も、副作用を抑える薬の進歩などにより、多くが外来(通院)で行えるようになりました。そのため、退院後も定期的に通院して治療を続けるスタイルが主流になりつつあります。トータルの治療期間で考えると、決して短くなっているわけではない、ということを覚えておきましょう。

がん治療にかかる費用は平均でいくら?

次にお金の不安について見ていきましょう。がん治療の費用は、がんの種類や治療法によって大きく異なりますが、ここでは一つの目安として、入院した場合の治療費をご紹介します。

部位別・入院1件あたりの治療費の目安

がんの種類ごとに入院治療にかかる医療費の総額(10割負担の場合)の目安は以下の通りです。実際の窓口での支払いは、この金額から保険が適用された1〜3割の負担額となります。

がんの種類 入院1件あたりの治療費(総額)
胃がん 約69万円
結腸がん 約68万円
直腸がん 約79万円
肺がん 約73万円
乳がん 約62万円

例えば肺がんの場合、医療費総額が約73万円なので、自己負担が3割の方なら窓口での支払いは約22万円となります。しかし、実際には次に説明する制度があるため、負担はさらに軽くなることがほとんどです。

知っておきたい「高額療養費制度」

高額な医療費がかかったときに、私たちの負担を大きく軽減してくれるのが「高額療養費制度」です。これは、1ヶ月(1日から末日まで)の医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。
例えば、年収約370~770万円の方の場合、自己負担の上限額は「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」となります。事前に「限度額適用認定証」を健康保険組合や市役所などで申請し、病院の窓口に提示すれば、支払いを自己負担限度額までに抑えることができるので、一時的な立て替えの負担もなくなります。これは必ず知っておきたい大切な制度です。

がんの治療法別で見る費用の違い

がん治療にはいくつかの方法があり、どの治療法を選ぶかによって費用も変わってきます。ここでは代表的な治療法と費用の関係について見ていきましょう。

手術(外科治療)

がんの病巣を物理的に取り除く治療法です。先ほども触れたように、最近では体への負担が少ない鏡視下手術が増えています。国立がん研究センター中央病院の例を見ると、肺がんの「肺葉切除」という手術を受けた場合、医療費の総額は約170万円。高額療養費制度を適用すると、一般的な所得の方の自己負担額は9万円程度になります。

薬物療法(抗がん剤治療)

抗がん剤などの薬を使って、がん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする治療法です。手術で取り切れなかったがん細胞を叩いたり、手術が難しい場合に用いられます。治療が長期間にわたることが多く、新しい薬を使う場合は費用が高額になる傾向があります。こちらも高額療養費制度の対象となります。

放射線治療

高エネルギーの放射線をがん細胞に照射してダメージを与える治療法です。手術と同様に局所的な治療ですが、体を傷つけずに治療できるのが特徴です。治療期間や回数によって費用は変動します。

保険適用外の治療(先進医療など)

注意が必要なのが、公的医療保険が適用されない治療です。その代表が「先進医療」です。先進医療は、厚生労働省が認めた高度な医療技術ですが、その技術料は全額自己負担となります。例えば、がん治療で用いられる重粒子線治療では、約300万円ほどの技術料がかかることもあります。診察代や入院費など、通常の治療と共通する部分は保険適用されますが、技術料だけでも大きな負担になる可能性があります。

治療費以外にもかかる「見えないお金」

がん治療にかかる費用は、病院の窓口で支払う治療費だけではありません。見落としがちですが、じわじわと家計に響いてくる「見えないお金」にも目を向けておくことが大切です。

入院中に発生する費用

入院生活では、治療とは直接関係ない費用も発生します。これらは基本的に公的医療保険の対象外です。

  • 差額ベッド代:個室や少人数の病室を希望した場合にかかる費用です。1日あたり平均で約8,000円(1人部屋)ほどかかり、全額自己負担となります。
  • 食事代:入院中の食事代の一部は自己負担で、1食あたり460円(所得により異なる)が必要です。
  • 日用品費:パジャマやタオル、洗面用具、テレビカードなど、入院生活に必要な身の回りのものを揃える費用もかかります。

通院にかかる費用やその他の出費

通院治療が中心になると、その都度かかる費用も考えなくてはなりません。

  • 交通費:病院までの往復交通費です。治療が長引くと、積み重なって大きな金額になります。
  • ウィッグやケア用品代:抗がん剤の副作用で脱毛した場合のウィッグ代や、肌のケア用品なども必要になることがあります。
  • 家族の費用:遠方から家族がお見舞いに来る場合の交通費や宿泊費なども考慮しておくと安心です。

治療中の収入減少にも備えよう

支出が増える一方で、治療のために仕事を休むことによる「収入の減少」も、がん治療における大きな経済的負担の一つです。

会社員の場合「傷病手当金」

会社員や公務員の方が病気やケガで連続して3日を超えて仕事を休んだ場合、健康保険から「傷病手当金」が支給されます。支給額は、おおよそ給与の3分の2で、最長で1年6ヶ月間受け取ることができます。ただし、自営業者やフリーランスの方は国民健康保険にこの制度がないため、ご自身で備えておく必要があります。

医療費控除で税金が戻ることも

1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超えた場合、確定申告をすることで「医療費控除」が受けられます。これにより、所得税や住民税が還付・軽減される可能性があります。治療費の領収書はもちろん、通院にかかった公共交通機関の交通費も対象になるので、記録を残しておくことをおすすめします。

まとめ

今回は、がんになった際の入院日数やお金について解説しました。医療の進歩により入院日数は短くなっていますが、その分、通院での治療が長期化する傾向にあります。治療費そのものは高額療養費制度によって自己負担を大きく抑えることができますが、差額ベッド代や先進医療、交通費といった保険適用外の費用や、治療中の収入減少も考慮して、総合的に備えておくことが大切です。もしもの時に慌てないためにも、公的な制度をしっかり理解し、必要であれば民間の保険なども活用しながら、安心して治療に専念できる環境を整えていきましょう。

参考文献

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

国税庁 No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例

がんの入院と費用に関するよくある質問まとめ

Q. がんの入院期間は平均でどれくらいですか?

A. がんの種類やステージ、治療法で大きく異なりますが、平均は約17日というデータがあります。ただし近年は外来(通院)での治療も増えており、入院しない、または短期で済むケースも多いです。

Q. がんの入院や治療にかかる費用は総額でどれくらいですか?

A. 全てが保険適用内の治療であれば、高額療養費制度により自己負担は月々数万円〜十数万円程度に抑えられます。しかし、先進医療や差額ベッド代など保険適用外の費用がかかると、負担は大きく増える可能性があります。

Q. 高額療養費制度を使えば、自己負担はいくらになりますか?

A. 年齢や所得によって上限額が定められています。例えば、年収約370~770万円の方なら、1ヶ月の自己負担額は約8万円+αが上限となります。事前に「限度額適用認定証」を申請しておくと、窓口での支払いが上限額までで済みます。

Q. 治療費以外に、がん治療でかかるお金はありますか?

A. はい、差額ベッド代、入院中の食事代、通院のための交通費や宿泊費、ウィッグや下着の購入費など、治療費以外にも様々な費用がかかります。これらは公的医療保険の対象外となることが多いです。

Q. がん治療で働けない間の生活費はどうすればよいですか?

A. 会社員や公務員の場合、健康保険の「傷病手当金」を利用できます。これは、連続して4日以上仕事を休んだ場合に、給与のおおよそ3分の2が最長1年6ヶ月間支給される制度です。

Q. がん保険は入っておいた方がよいのでしょうか?

A. 公的保険でカバーしきれない費用(先進医療の技術料や治療中の生活費の減少など)に備えるために有効です。がんと診断された際にまとまった一時金が受け取れる「診断給付金」があると、治療の選択肢が広がり、経済的な安心につながります。

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