税理士法人プライムパートナーズ

へそくりでためたお金は自分の財産か?相続と生前対策

2026-04-24
目次

毎日の生活費を上手にやりくりして、こっそりためたへそくり。「へそくりでためたお金は自分の財産か?」と疑問に思うことはありませんか。実は、ためたお金の出どころや状況によっては、ご自身の財産ではなく配偶者の財産とみなされることがあるのです。ここでは、へそくりが誰の財産になるのか、そして相続税や贈与税との関係について詳しくお話ししていきますね。

へそくりの出どころによって変わる財産の扱い

へそくりが誰の財産になるかは、そのお金の元々の持ち主が誰であったかが重要なポイントになります。日本の法律では夫婦であっても別々の財産を持つという考え方があります。

生活費の節約によってためたお金

専業主婦の方が、配偶者から受け取った生活費を節約してためたへそくりは、原則として配偶者の財産とみなされます。元々のお金が配偶者の給与などから出ているため、口座の名義がご自身であっても、実質的な所有者は配偶者と判断されるからです。

パートや内職でご自身が稼いだお金

ご自身がパートや内職をして得たお給料をためたへそくりは、正真正銘のご自身の財産となります。自分が働いて得た収入は固有の財産として認められるため、配偶者の財産に含まれることはありません。

親からの相続や贈与で受け取ったお金

ご自身の親から相続した遺産や、贈与として受け取ったお金も特有財産と呼ばれ、ご自身の財産になります。結婚前から持っていた貯金なども同様に、夫婦の共有財産や配偶者の財産にはなりません。

へそくりと相続税の深い関係性

万が一配偶者が亡くなられた場合、へそくりが配偶者の財産とみなされると、相続税の課税対象になります。これを名義預金と呼びます。

名義預金とみなされる具体的な基準

名義預金とは、口座の名義人と実質的な所有者が異なる預金のことです。専業主婦の方の口座に、ご自身の収入以上の多額の預金がある場合、税務署は配偶者の収入から流れた名義預金であると判断する可能性が高くなります。

財産の種類 実質的な所有者
配偶者の給与からためたへそくり 配偶者(名義預金)
ご自身のパート収入や親からの相続 ご自身(特有財産)

配偶者の税額軽減と申告の必要性

相続税には配偶者の税額軽減という制度があります。配偶者が相続する財産が1億6000万円まで、あるいは法定相続分までであれば相続税はかかりません。しかし、この特例を利用して税額が0円になる場合でも、必ず税務署への相続税申告が必要になります。

隠していたへそくりが税務署に見つかる理由

「内緒の口座だから見つからないはず」と思うかもしれませんが、税務署は強い調査権限を持っています。

過去10年間の入出金履歴の調査

税務署は、亡くなった方だけでなくご家族名義の口座についても、過去10年程度の入出金履歴を調査することができます。配偶者の口座から引き出されたお金が、同じタイミングでご自身の口座に入金されていれば、すぐに把握されてしまいます。

収入と財産の不自然なバランス

税務署は国税総合管理システムというデータベースで過去の所得状況を管理しています。ご自身の過去の収入額に対して、現在の預金残高が不自然に多い場合、「配偶者からの資金移動があったのではないか」と疑われるきっかけになります。

重いペナルティ!申告漏れのリスク

へそくりを自分の財産だと思い込み、相続財産に含めなかった場合、後から税務署に指摘されると重いペナルティが課せられます。

追加で支払う加算税の種類

申告漏れが発覚すると、本来納めるべき税金に加えて、過少申告加算税(追加税額の10%から15%)や無申告加算税(15%から30%)がかかります。

悪質な場合の重加算税とは

もし、意図的にへそくりを隠したと判断された場合、最も重い重加算税が課せられます。この場合、過少申告で35%、無申告で40%もの高い税率が上乗せされ、金銭的な負担が非常に大きくなります。

ペナルティの種類 上乗せされる税率の目安
過少申告加算税 10%から15%
重加算税(意図的な隠ぺい) 35%から40%

へそくりをご自身の財産にするための生前対策

配偶者がお元気なうちに対策をしておけば、へそくりを正当にご自身の財産にすることができます。

年間110万円の暦年贈与を活用する

最も確実な方法は、暦年贈与の制度を利用することです。1年間(1月1日から12月31日)に受け取った金額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。配偶者から年間110万円の範囲内で贈与を受け続けることで、ご自身の財産として蓄えることができます。

贈与契約書の作成と口座の自己管理

贈与を確実なものにするため、毎回「いつ、誰から誰へ、いくら贈与する」という贈与契約書を作成しましょう。また、お金は手渡しではなく銀行振込にし、通帳や印鑑は必ずご自身で管理することが重要です。

まとめ

へそくりでためたお金は自分の財産かという疑問についてお話ししてきました。生活費からためたお金は配偶者の財産となり、相続税の対象になる可能性が高いです。後々のトラブルを防ぐためにも、ご夫婦でお金のことについて話し合い、年間110万円の贈与枠を使うなどの生前対策をしっかりと行っておくことをおすすめします。

参考文献

国税庁:No.4105 相続税がかかる財産
国税庁:No.4402 贈与税がかかる場合

へそくりと税金のよくある質問まとめ

Q.配偶者の生活費からためたへそくりは自分の財産になりますか?

A.いいえ、配偶者の収入からためたお金は、口座の名義がご自身であっても実質的な所有者は配偶者とみなされ、配偶者の財産として扱われます。

Q.へそくりが税務署に見つかることは本当にありますか?

A.はい、見つかる可能性は高いです。税務署は過去10年程度の預金口座の入出金履歴を調査する権限があり、収入と不釣り合いな預金残高から発覚します。

Q.タンス預金でへそくりを隠していれば税金はかかりませんか?

A.タンス預金でも相続財産に含まれるため相続税がかかります。亡くなる直前の多額の現金引き出し履歴などから税務署に把握されることが多いです。

Q.へそくりを相続財産として申告しなかった場合どうなりますか?

A.税務調査で申告漏れが指摘されると、本来の税金に加えて過少申告加算税(10%から15%)や、意図的な隠ぺいとみなされた場合は重加算税(35%から40%)が課せられます。

Q.へそくりを非課税で自分の財産にする方法はありますか?

A.年間110万円までの非課税枠を利用した暦年贈与が有効です。毎年配偶者から贈与を受ける形にし、贈与契約書を作成してご自身で口座を管理しましょう。

Q.配偶者の税額軽減を使えばへそくりの申告は不要ですか?

A.いいえ、1億6000万円まで非課税になる配偶者の税額軽減を利用して最終的な税額が0円になる場合でも、必ず期限内に相続税の申告書を提出する必要があります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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