乳がんは、日本人女性が最もかかりやすいがんであり、9人に1人が生涯のうちに乳がんと診断されると言われています。身近な病気だからこそ、「自分はいつ頃から気をつけたらいいの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、乳がんになりやすい年齢や、リスクを高める要因、そして私たちが日々の生活でできることについて、優しく分かりやすく解説していきますね。
乳がんになりやすい年代は?【年齢別リスク】
乳がんのなりやすさは、年齢とともに変化します。まずは、どの年代で特に注意が必要なのかを見ていきましょう。ご自身の年齢と照らし合わせながら、参考にしてみてくださいね。
30代からリスクは上がり始める
乳がんの罹患率(病気になる割合)は、30代後半から少しずつ増え始めます。20代で乳がんになる方は比較的少ないですが、30代になると決して他人事ではなくなってきます。この時期から、自分の体に関心を持ち、セルフチェックなどを始めることが大切です。
40代後半~50代前半が最初のピーク
日本人女性の場合、乳がんの罹患率は40代後半から50代前半で最初のピークを迎えます。この年代は、お仕事や家事、子育てなどで忙しい毎日を送っている方が多く、ご自身の体の変化を見過ごしてしまいがちです。だからこそ、意識的に検診を受けるなど、自分の体をいたわる時間を作ることがとても重要になります。
閉経後も油断は禁物!60代も注意が必要
「閉経したら、女性ホルモンが減るから安心」と思っていませんか?実は、乳がんのリスクは閉経後も下がるわけではありません。ピークを過ぎた後も罹患率は高いまま推移し、60代後半で再び小さなピークを迎えます。年齢を重ねても、定期的な検診を続けることが、早期発見の鍵となります。
乳がんのリスクを高める要因とは?
乳がんのなりやすさには、年齢だけでなく、体質や生活習慣など、さまざまな要因が関わっています。ここでは、特に重要とされる要因について見ていきましょう。
女性ホルモン(エストロゲン)との関係
乳がんの発生には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが深く関わっていることが分かっています。生涯でエストロゲンにさらされる期間が長いほど、乳がんのリスクが高まると考えられています。具体的には、以下のような方が当てはまります。
| リスクを高める要因 | 具体的な内容 |
| 初潮年齢が早い | 11歳以下で初経を迎えた方 |
| 閉経年齢が遅い | 55歳以降に閉経した方 |
| 出産・授乳経験 | 出産経験がない、または初めての出産が30歳以上の方、授乳経験がない方 |
| ホルモン補充療法 | 閉経後にホルモン補充療法を長期間受けている方 |
遺伝との関係
ご家族、特にお母さまやお姉妹、娘さんに乳がんになった方がいる場合は、ご自身のリスクも高くなる可能性があります。遺伝的な要因が関わる乳がんは、全体の5~10%程度と言われています。ただし、乳がんになった方の多くは家族歴がないため、遺伝的な要因がないからといって安心できるわけではありません。
生活習慣も乳がんリスクに関係する?
毎日の生活習慣も、乳がんのリスクに影響を与えることがあります。見直せる部分がないか、一緒に考えてみましょう。
肥満と乳がんの関係
特に注意したいのが、閉経後の肥満です。閉経後は、卵巣からのエストロゲンの分泌が止まりますが、代わりに脂肪組織でエストロゲンが作られるようになります。そのため、閉経後に太ってしまうと、体内のエストロゲン量が増え、乳がんのリスクが高まることが分かっています。
食生活・飲酒・喫煙
日々の習慣も大切です。過度なアルコール摂取は、乳がんのリスクを高めることがほぼ確実とされています。また、喫煙も多くの病気のリスクを高めるため、おすすめできません。食生活については、脂肪分の多い食事に偏らず、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
乳がんのリスクをチェックしてみよう
これまでの内容を元に、ご自身の乳がんリスクをチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いからといって、必ず乳がんになるわけではありませんが、リスクを知っておくことはとても大切です。
| チェック項目 | 詳 細 |
| 年齢 | 40歳以上である |
| 家族歴 | 血縁者(母、姉妹、娘)に乳がん・卵巣がんになった人がいる |
| 出産・授乳歴 | 出産経験がない、または初産が30歳以降、授乳経験がない |
| ホルモン関連 | 初潮が12歳未満、または閉経が55歳以降である |
| 体型 | 閉経後に体重が5kg以上増加した(肥満) |
| 生活習慣 | 飲酒の習慣がある、喫煙している |
| 既往歴 | 良性の乳腺疾患(異型過形成など)と診断されたことがある |
乳がんリスクを下げるためにできること
乳がんのリスクをゼロにすることはできませんが、リスクを少しでも下げるために、今日から始められることがあります。
バランスの取れた食事と適度な運動
まずは、健康的な生活習慣を心がけましょう。特に閉経後の適度な運動は、乳がんのリスクを下げることが分かっています。ウォーキングなどの軽い運動からで大丈夫ですので、無理なく続けてみてくださいね。食事は、野菜や果物、大豆製品などをバランス良く摂ることを意識しましょう。
定期的なセルフチェックと乳がん検診
乳がん対策で最も大切なのは、早期発見・早期治療です。月に一度、生理が終わってから1週間後くらいを目安に、鏡の前で乳房の形やひきつれがないか、お風呂でしこりがないかを触って確かめる「セルフチェック」を習慣にしましょう。そして、40歳を過ぎたら、2年に1回は自治体や職場の乳がん検診(マンモグラフィ検査など)を必ず受けるようにしてください。これが、あなた自身の未来を守るための最も確実な方法です。
まとめ
乳がんは、30代後半からリスクが高まり始め、40代後半から50代にピークを迎えますが、どの年代の女性にとっても無関係な病気ではありません。ご自身の乳がんリスクを知り、肥満の予防や運動習慣、禁酒・禁煙など、できることから生活習慣を見直していくことが大切です。そして何よりも、定期的なセルフチェックと乳がん検診を忘れずに受けることで、万が一の場合でも早期に発見し、適切な治療につなげることができます。ご自身の体を大切にする習慣を、今日から始めていきましょう。
参考文献
乳がんの年齢に関するよくある質問まとめ
Q. 乳がんに最もかかりやすい年齢は何歳ですか?
A. 乳がんの罹患率は30代後半から増加し始め、40代後半から60代後半にピークを迎えます。特に、閉経前後の40代後半と閉経後の60代に2つのピークが見られます。
Q. 20代や30代の若い世代でも乳がんになりますか?
A. はい、20代や30代で乳がんを発症することもあります。これを「若年性乳がん」と呼びます。全体の割合は少ないですが、若い世代でもセルフチェックや異変を感じた際の受診は重要です。
Q. 閉経後は乳がんのリスクが下がりますか?
A. いいえ、閉経後も乳がんのリスクは下がりません。むしろ、日本人女性の乳がん罹患率は閉経後の60代にもピークがあり、高齢になるほどリスクは高まる傾向にあります。
Q. 乳がんのリスクが高まるのはどのような人ですか?
A. 家族に乳がんになった人がいる、初潮が早い、閉経が遅い、出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がない、閉経後の肥満、飲酒・喫煙習慣がある、などの場合にリスクが高まるといわれています。
Q. 乳がん検診は何歳から受けるべきですか?
A. 多くの自治体では、40歳以上の女性を対象に2年に1回のマンモグラフィ検診を推奨しています。ただし、リスクが高い方や気になる症状がある場合は、年齢にかかわらず医師に相談してください。
Q. 乳がんを予防するために、いつから何を気をつければ良いですか?
A. 特定の年齢からではなく、日頃からの生活習慣が大切です。適度な運動、バランスの取れた食事、適切な体重維持、アルコールの摂取を控えることなどが予防につながります。また、定期的なセルフチェックも早期発見のために重要です。