税理士法人プライムパートナーズ

令和8年度税制改正速報!「年収の壁」対策と基礎控除の見直しを徹底解説

2026-02-22
目次

令和7年12月19日に令和8年度税制改正大綱が公表され、令和8年度から私たちの生活に影響する税金のルールが変わることになりました。特に注目なのが、パートやアルバイトで働く多くの方が気にされている「年収の壁」への対策です。この記事では、今回の改正で何がどう変わるのか、難しい専門用語をなるべく使わずに、ポイントを絞ってわかりやすく解説していきますね。

令和8年度税制改正の大きな柱:「年収の壁」対策とは?

今回の改正の目玉は、物価上昇や人手不足に対応するための「年収の壁」対策です。これまでは「年収103万円」を超えると所得税がかかり始めるため、働く時間を調整していた方も多いのではないでしょうか。この壁が引き上げられることで、より柔軟な働き方ができるようになります。具体的にどの部分が見直されたのか、3つの大きなポイントを見ていきましょう。

給与所得控除の見直し

まず、給与収入がある方全員に関係する「給与所得控除」が見直されます。これは、お給料から差し引ける経費のようなもので、この金額が大きいほど税金が安くなります。今回の改正で、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に10万円引き上げられました。特に、年収190万円以下の方がこの恩恵を受けられます。

給与収入 改正後の給与所得控除額
1,625,000円以下 改正前55万円 → 改正後65万円
1,625,001円~1,900,000円 計算式に応じ変動 → 改正後65万円

扶養親族等の所得要件の引き上げ

配偶者や子どもを扶養に入れている方にとって重要な変更です。扶養控除の対象となる家族の合計所得金額の要件が、48万円以下から58万円以下に引き上げられます。給与収入だけで考えると、これまでの「103万円の壁」が「123万円の壁」に変わるイメージです。これにより、扶養に入っている家族がもう少し多く働いても、扶養から外れにくくなります。

対象 改正後の所得要件(給与収入の場合)
同一生計配偶者・扶養親族 合計所得58万円以下(給与収入123万円以下
勤労学生 合計所得85万円以下(給与収入150万円以下

大学生の子どもがいる家庭に朗報!「特定親族特別控除」の新設

今回の改正で新たに作られたのが「特定親族特別控除」です。これは、19歳以上23歳未満の大学生などのお子さんがいるご家庭を支援する制度です。お子さんのアルバイト収入が123万円を超えて扶養控除(特定扶養親族)の対象から外れてしまっても、年収188万円(合計所得123万円)までであれば、収入額に応じて段階的に控除が受けられるようになります。これにより、お子さんが学費や生活費のためにしっかりアルバイトをしても、親の税負担が急に増えるのを防ぐことができます。

所得税の基礎控除も見直し!どう変わる?

所得税の計算で、すべての納税者が受けられる「基礎控除」も見直されました。こちらは所得税のみの変更で、住民税の基礎控除は変わりません。物価高に対応するため、特に所得が低い層の負担を軽減する目的があります。

基礎控除額の引き上げ内容

これまで合計所得金額が2,400万円以下の場合、基礎控除は一律48万円でした。令和7年分以降の所得税からは、この基礎控除額が最大95万円まで引き上げられます。ただし、所得額に応じて控除額が変わる仕組みになっており、特に所得が低い方ほど手厚い内容になっています。

合計所得金額(所得税) 改正後の基礎控除額(令和7・8年分)
132万円以下 95万円
132万円超 336万円以下 88万円
336万円超 2,350万円以下 段階的に減少(68万円~58万円)

結局、「年収の壁」はどうなるの?

今回の改正で、税金に関する「年収の壁」は大きく変わります。ただし、社会保険の壁はまた別問題として残っている点に注意が必要です。それぞれの壁がどう変わるのか、整理してみましょう。

税金(所得税・住民税)の壁の変更点

これまでよく言われていた「103万円の壁」は、扶養の範囲内で働く際の目安でした。今回の改正で、この壁は「123万円の壁」へと変わります。また、自分自身に住民税がかかり始める年収の目安も、多くの自治体で100万円から110万円程度に上がると考えられます。

壁の種類 改正後の年収目安(給与収入のみ)
住民税非課税の壁 約100万円以下 → 約110万円以下
所得税がかかる壁(扶養の壁) 103万円以下 → 123万円以下

注意!社会保険の「106万円」「130万円」の壁はそのまま

とても大切なポイントですが、今回の税制改正はあくまで「税金」の話です。社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養に入るための「130万円の壁」や、勤務先の条件によっては社会保険への加入が必要になる「106万円の壁」は、今回の改正では変更ありません。税金の扶養と社会保険の扶養は別の制度なので、働き方を考える際には両方を意識する必要があります。

まとめ

令和8年度から適用される税制改正は、特にパート・アルバイトで働く方や、大学生のお子さんがいるご家庭にとって大きな変更点が含まれています。「103万円の壁」が「123万円の壁」になるなど、働き方の選択肢が広がる嬉しい改正と言えるでしょう。ただし、社会保険の壁は変わらないため、ご自身の働き方や家庭の状況に合わせて、税金と社会保険の両面から最適な働き方を考えることが大切です。不明な点があれば、勤務先の人事担当者や税務署に確認してみてくださいね。

参考文献

国税庁:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について

国税庁:No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか

国税庁:No.1177 特定親族特別控除

令和8年度税制改正のよくある質問まとめ

Q. 今回の改正で、いわゆる「103万円の壁」はどうなりますか?

A. 扶養内で働く場合の所得税の壁は、年収103万円から年収123万円に引き上げられます。

Q. 社会保険の「130万円の壁」も変わりますか?

A. いいえ、今回の改正は税金に関するもので、社会保険の「130万円の壁」や「106万円の壁」は変更ありません。

Q. 新しい「特定親族特別控除」とは何ですか?

A. 19歳から23歳未満の子どもがアルバイト収入123万円を超えても、188万円までなら親が段階的に所得控除を受けられる新しい制度です。

Q. 住民税がかからない年収の目安は変わりますか?

A. はい、給与所得控除の引き上げに伴い、住民税非課税の年収上限も約100万円から約110万円に上がると考えられます。ただし、お住まいの自治体によって異なります。

Q. 所得税の基礎控除は誰でも増えますか?

A. 合計所得金額が2,500万円以下の方の基礎控除額が引き上げられます。特に所得が低い方ほど引き上げ額が大きくなりますが、住民税の基礎控除は変更ありません。

Q. この税制改正はいつから適用されますか?

A. 令和7年分(2025年分)の所得から適用され、住民税としては令和8年度(2026年度)の課税から反映されます。年末調整では令和7年12月に行うものから適用されます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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