確定申告の内容に間違いを見つけて修正申告をした後、「追加で納める税金はいつまでに払えばいいんだろう?」「もしかして、もう延滞税がかかってる?」と不安になりますよね。修正申告は、申告と納税がセットです。この記事では、修正申告をした後の納税期限や、延滞税がかかり始めるタイミング、そしてその計算方法について、わかりやすく解説します。ペナルティを最小限に抑えるためのポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
修正申告の納税期限は「申告書を提出した日」
修正申告をした場合、追加で納めることになった税金の納税期限は、原則として修正申告書を税務署に提出した日と同じ日です。確定申告のように「〇月〇日まで」といった明確な期間が設けられているわけではありません。申告と同時に納税を済ませるのが基本と覚えておきましょう。
なぜ申告書提出日が納税期限なの?
修正申告は、本来の申告期限(これを「法定納期限」といいます)に納めるべきだった税額が不足していたことを訂正する手続きです。つまり、追加で発生した税額は、すでに納付が遅れている状態と見なされます。そのため、間違いに気づいて申告書を提出した日が、その追加税額の新たな納付期限となるのです。
納税が遅れるとどうなる?
修正申告書の提出日に納税ができないと、その翌日から納付が完了する日までの期間に対して、さらに延滞税がかさんでしまいます。延滞税は日割りで計算されるため、1日でも早く納付することが大切です。「税務署から納付書が届くまで待とう」と考えていると、その間にも延滞税は増え続けてしまいますので、自分で速やかに納税手続きを進めましょう。
納税方法
追加の税金と延滞税は、通常の国税と同じ方法で納付できます。金融機関や税務署の窓口での現金納付のほか、ご自宅から手続きできるクレジットカード納付やコンビニ納付、e-Taxを利用したダイレクト納付など、さまざまな方法が用意されています。ご自身の都合の良い方法で、期限内に納付を済ませましょう。
延滞税はいつからかかる?
修正申告で追加の税金が発生した場合、延滞税は本来の申告期限(法定納期限)の翌日からかかり始めます。修正申告をした日からではない、という点に注意が必要です。例えば、令和6年分の所得税(法定納期限:令和7年3月15日)について、令和7年8月1日に修正申告をした場合でも、延滞税は令和7年3月16日から計算が始まります。
延滞税の計算方法
延滞税は、以下の計算式で算出されます。
(追加で納める税額) × (延滞税の利率) × (延滞した日数) ÷ 365日
計算する際のポイントは以下の通りです。
- 追加で納める税額は、1万円未満の端数を切り捨てて計算します。
- 計算して割り出された延滞税の額が1,000円未満の場合は、延滞税を納める必要はありません。
- 最終的な延滞税の額は、100円未満の端数を切り捨てます。
延滞税の利率は2段階
延滞税の利率は、期間によって2段階に分かれています。この利率は金融情勢に合わせて見直されるため変動しますが、令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間は以下の通りです。
| 期間 | 利率 |
|---|---|
| 納期限の翌日から2か月を経過する日まで | 年2.4% |
| 納期限の翌日から2か月を経過した日以後 | 年8.7% |
ここで重要なのは、表の中の「納期限」が、修正申告の場合は「修正申告書を提出した日」になるという点です。つまり、法定納期限の翌日から修正申告書を提出し、そこからさらに2か月が経過するまでは、低い方の利率(年2.4%)が適用されることになります。これは納税者にとって有利な仕組みなので、覚えておきましょう。
計算例で見てみよう
具体的な例で延滞税がいくらになるか計算してみましょう。
【モデルケース】
- 本来の納期限(法定納期限):令和6年3月15日
- 修正申告書の提出日と納税日:令和6年6月15日
- 追加で納める税額:50万円
【計算】
- 延滞日数の計算
法定納期限の翌日である令和6年3月16日から、納税日である令和6年6月15日までの日数を数えます。この場合、92日間となります。 - 適用利率の確認
修正申告書の提出日(=納期限)から2か月以内に納税しているため、低い方の利率である年2.4%が適用されます。 - 延滞税額の計算
500,000円 × 2.4% × 92日 ÷ 365日 ≒ 3,024円 - 最終的な納税額
計算結果の100円未満は切り捨てられるため、納める延滞税は3,000円となります。
延滞税の計算には特例がある
延滞税の計算には、納税者の負担を過度に重くしないための特例が設けられています。特に、自分から正直に修正申告を行った場合には、有利な扱いが受けられることがあります。
1年を超えた期間は計算されない「除算期間」
法定納期限から1年を経過した後に自主的に修正申告をした場合、その1年を経過した日の翌日から修正申告書を提出した日までの期間は、延滞税の計算期間に含めないという特例があります。この計算から除外される期間を「除算期間」といいます。
例えば、法定納期限から2年後に修正申告した場合でも、延滞税がかかるのは最初の1年分だけで済むということです。これは、過去のミスに気づいて正直に申告した人への配慮と言えるでしょう。ただし、この特例は税務調査の通知を受けた後や、意図的な隠蔽などの不正行為があった場合には適用されません。
延滞税だけじゃない?加算税にも注意
修正申告のタイミングによっては、延滞税のほかに「加算税」という別のペナルティが課されることがあります。加算税は、申告が適切に行われなかったこと自体に対する、いわば罰金のような性格の税金です。
過少申告加算税がかかるケース・かからないケース
本来納めるべき税額より少なく申告してしまった場合に課されるのが「過少申告加算税」です。しかし、この加算税は、税務署から調査の通知を受ける前に、自主的に修正申告をすれば課されません。
もし税務調査の通知を受けた後に修正申告をすると、追加税額に対して原則5%または10%の過少申告加算税が課されてしまいます。さらに、調査で申告漏れを指摘されてから修正申告をした場合は、税率が10%または15%とさらに高くなります。
ペナルティを最小限に抑えるには
延滞税や加算税といったペナルティを最小限に抑えるための最大のポイントは、「間違いに気づいたら、税務署から連絡が来る前に、1日でも早く自主的に修正申告し、納税すること」です。この早期の対応が、余計な税金の支払いを防ぐ最も効果的な方法です。
延滞税がかからないケース
修正申告をしても、必ず延滞税がかかるわけではありません。特定の条件下では、延滞税の納付が不要になることがありますので、確認しておきましょう。
追加で納める税額がない場合
当然のことながら、修正申告を行った結果、追加で納める税額が発生しなかった場合は延滞税はかかりません。例えば、売上の計上漏れと経費の計上漏れが同額で、結果的に所得金額や税額に変動がなかったケースなどがこれに該当します。
延滞税の計算額が1,000円未満の場合
先ほどの計算式で延滞税を計算した結果、その金額が1,000円未満だった場合は、納税は不要とされています。追加で納める税額が少額であったり、法定納期限からの日数がごくわずかだったりすると、このケースに該当することがあります。
まとめ
今回は、修正申告をした後の納税期限と延滞税について解説しました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 修正申告による追加納税の期限は「申告書を提出した日」です。
- 延滞税は、遅れて申告した日からではなく「本来の法定納期限の翌日」から計算が始まります。
- 延滞税の利率は2段階ありますが、修正申告の場合は納税者にとって有利な利率が適用されやすい仕組みになっています。
- 税務署から調査の連絡が来る前に自主的に修正申告をすれば「過少申告加算税」はかかりません。
- 申告内容のミスに気づいたら、とにかく早く行動することが最も重要です。
修正申告や延滞税の計算は少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解しておけば、落ち着いて正しく対応できます。もし手続きに不安な点があれば、一人で抱え込まずに税務署や税理士などの専門家に相談することも検討してみてください。
参考文献
修正申告後の納税と延滞税に関するよくある質問
Q.修正申告をしたら、税金はいつまでに納めればいいですか?
A.修正申告書を提出した日が納期限となります。提出と同時に速やかに納税しましょう。
Q.修正申告で追加になった税金には、いつから延滞税がかかりますか?
A.本来の法定納期限(例:所得税なら3月15日)の翌日から、修正申告の税金を実際に納付する日までの期間に対して延滞税がかかります。
Q.修正申告後の納税は、どのように行えばいいですか?
A.税務署から納付書が送付されるか、ご自身で入手し、金融機関や税務署の窓口で納付します。e-Taxやクレジットカード納付、コンビニ納付も利用可能です。
Q.延滞税の他にペナルティはありますか?
A.はい。「過少申告加算税」が課される場合があります。ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をした場合は、原則として課されません。
Q.延滞税はいくらかかりますか?計算方法は?
A.延滞税の税率は、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までと、それ以降で異なります。税率は年によって変動するため、国税庁のウェブサイトで最新情報を確認してください。
Q.追加で納める税金がすぐに払えない場合はどうすればいいですか?
A.すぐに支払うのが難しい場合は、所轄の税務署に相談することで、分割での納付(納税の猶予)が認められる可能性があります。放置せず早めに相談することが重要です。