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児童手当と扶養控除の関係は?年齢別の要件や金額を解説

2025-09-08
目次

お子様を育てていると、児童手当の金額や税金が安くなる扶養控除の仕組みが気になりますよね。令和6年10月に児童手当の制度が大きく変わり、扶養控除との関係も少し複雑になりました。この記事では、児童手当と扶養控除の基本的な関係や、お子様の年齢別にもらえる金額と控除される金額を、具体的な数字を交えてわかりやすく解説します。

児童手当と扶養控除の基本的な違いと関係性

児童手当は国や自治体から直接現金がもらえる制度です。一方で、扶養控除は支払うべき所得税や住民税の負担を軽くするための制度です。もともとは全ての子供に扶養控除が適用されていましたが、児童手当が充実するのに合わせて制度が見直され、現在では児童手当と扶養控除の関係は子供の年齢によって適用されるものが変わる仕組みになっています。

児童手当の対象と支給される具体的な金額

児童手当は、0歳から18歳に達する日以降の最初の3月31日(高校生年代)までのお子様を育てている方に支給されます。支給される具体的な金額は年齢によって異なります。

年齢 支給額(月額)
0歳から2歳(3歳未満) 15,000円
3歳から高校生年代 10,000円
第3子以降 30,000円

扶養控除の仕組みと控除される具体的な金額

扶養控除とは、お子様を養っている方の税金計算のベースとなる所得から、一定の金額を差し引くことができる制度です。これにより、結果的に支払う所得税や住民税が安くなります。

お子様の年齢 所得税の控除額
16歳未満 0円(控除なし)
16歳から18歳 38万円
19歳から22歳 63万円

16歳未満の子供が扶養控除の対象外である理由

表を見て、なぜ16歳未満は控除がないのかと疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。実は平成23年までは16歳未満のお子様にも38万円の扶養控除がありました。しかし、中学生までのお子様に対して手厚い児童手当が支給されるようになった代わりとして、16歳未満の扶養控除は廃止されました。つまり、児童手当がもらえる代わりに税金の控除がなくなったというのが、現在の制度の成り立ちです。

年齢別で見る児童手当と扶養控除の適用状況

お子様の成長に合わせて、家計をサポートする制度は少しずつ変化していきます。ここでは、年齢ごとにどちらの制度が適用されるのかを具体的に見ていきましょう。

0歳から15歳(中学生)までの適用状況

0歳から中学校を卒業する15歳までのお子様は、児童手当のみの対象となります。この期間は、月に10,000円または15,000円の現金が直接支給されます。その代わり、所得税や住民税の計算において扶養控除を受けることはできません。年末調整や確定申告で扶養親族として申告しても、税金が安くなる効果はない点にご注意ください。

16歳から18歳(高校生)までの適用状況

高校生にあたる16歳から18歳までのお子様は、児童手当と扶養控除の両方の対象となります。令和6年10月の改正により児童手当の支給対象が高校生年代まで延長されたため、月に10,000円(第3子以降は30,000円)を受け取りつつ、所得税で38万円の扶養控除も適用され、税金の負担も軽くなります。

19歳から22歳(大学生)までの適用状況

高校を卒業した後の19歳から22歳までのお子様は、児童手当の支給が終了します。しかし、この時期は教育費が最もかかる時期であるため、税金の負担を大きく減らす特定扶養親族としての扶養控除が適用されます。所得税では通常の38万円から上乗せされて63万円の控除が受けられるため、税金面でのサポートが最も手厚くなる期間です。

高収入の方向けの制度と所得制限の撤廃について

これまでは収入が高い方に対して制度の制限がありましたが、令和6年10月の法改正により仕組みが大きく変わりました。

令和6年10月からの児童手当の所得制限撤廃

以前の児童手当には、年収が960万円や1200万円などの基準を超えると手当が減額されたり、全くもらえなくなったりする所得制限がありました。しかし、令和6年10月分の支給からは児童手当の所得制限が完全に撤廃されました。これにより、親の収入がいくらであっても、対象となる年齢のお子様がいれば満額の児童手当を受け取ることができるようになっています。

年収850万円を超える方が使える所得金額調整控除

給与収入が850万円を超える方で、23歳未満のお子様を育てている場合には、所得金額調整控除という税金の負担を減らす制度が使えます。具体的には、給与収入から850万円を引いた金額の10%(最大15万円)が所得から差し引かれます。この制度は夫婦のどちらか一方しか使えない扶養控除とは違い、夫婦ともに年収850万円を超えていれば、お二人とも控除を受けることができるお得な制度です。

児童手当の多子加算と今後の税制改正のポイント

お子様が3人以上いるご家庭に対する支援や、今後の税金の仕組みがどう変わっていくのかについても把握しておきましょう。

第3子以降の多子加算の要件と具体的なカウント方法

お子様が3人以上いる場合、第3子以降の児童手当は月額30,000円に増額されます。このお子様の人数の数え方は、令和6年10月からは22歳に達する日以降の最初の年度末までのお子様を含めて数えることになりました。例えば、20歳、15歳、10歳のお子様がいる場合、一番上の20歳のお子様を第1子として数えるため、10歳のお子様は第3子となり月に30,000円を受け取ることができます。ただし、22歳までのお子様を含めて数えるには、生活費の大半を親が負担しているなどの条件を満たす必要があります。

高校生年代の扶養控除に関する今後の見通し

児童手当が高校生年代まで延長されたことに伴い、現在適用されている16歳から18歳のお子様に対する扶養控除の金額を見直す議論が国で行われています。具体的には、所得税の控除額を現在の38万円から25万円に縮小する案などが出ており、今後の税金計算に影響が出る可能性があります。ニュースなどでの国の発表には注意が必要です。

児童手当と税金について知っておくべき注意点

最後に、手当を受け取った際の税金の扱いや、年末調整などの手続きに関するよくある疑問についてお答えします。

児童手当を受け取った際に税金はかかるのか

国から振り込まれる児童手当には所得税や住民税は一切かかりません。受け取った金額は非課税の収入となるため、全額をそのまま生活費や教育費、将来のための貯蓄などに充てることができます。ご自身の収入として申告する必要もありません。

年末調整や確定申告の手続きで気をつけること

16歳未満のお子様は扶養控除の対象にはなりませんが、年末調整や確定申告の書類には必ずお名前を記入するようにしてください。税金が安くなる効果はなくても、住民税の非課税限度額の計算に影響したり、お住まいの自治体の様々なサポートを受けたりする際の重要な情報となるためです。忘れずに申告の手続きを行いましょう。

まとめ

児童手当と扶養控除は、どちらも子育て世帯の家計を助ける大切な制度です。中学生までは児童手当による直接的なサポートが中心となり、高校生や大学生と成長するにつれて扶養控除による税金の軽減へとサポートの形が変わっていきます。また、令和6年の改正により所得制限がなくなり、支給期間も高校生まで延びるなど、より多くの方にとって使いやすい制度になりました。年齢ごとの仕組みを正しく理解して、家計のやりくりに役立ててみてくださいね。

参考文献

国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 No.1411 所得金額調整控除
こども家庭庁 児童手当制度のご案内

児童手当と扶養控除のよくある質問まとめ

Q.16歳未満の子供は扶養控除の対象になりますか?

A.16歳未満のお子様は扶養控除の対象になりません。その代わりに、中学生まで手厚い児童手当が支給される仕組みになっています。

Q.児童手当を受け取ると税金はかかりますか?

A.児童手当は非課税の収入であるため、所得税や住民税などの税金は一切かかりません。確定申告などでも収入に含める必要はありません。

Q.児童手当の所得制限は現在どうなっていますか?

A.令和6年10月の制度改正により、児童手当の所得制限は完全に撤廃されました。そのため、ご両親の収入がいくらであっても満額を受け取ることができます。

Q.年収850万円以上の人が使える税金の制度はありますか?

A.給与収入が850万円を超え、23歳未満のお子様を育てている方は「所得金額調整控除」を利用でき、所得税や住民税の負担を軽減することができます。

Q.第3子の児童手当が月3万円になるためのカウント方法は?

A.22歳に達する日以降の最初の年度末までのお子様を対象に、年齢が高い順から第1子、第2子と数えます。その中で3番目以降にあたるお子様が月3万円の対象です。

Q.扶養控除がない16歳未満の子供でも年末調整に書くべきですか?

A.はい、必ず記入してください。所得税の控除額は0円ですが、住民税の非課税限度額の判定などに使われるため、正しい申告が必要となります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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