土地や建物、事業で使うパソコンや機械などを持っていると気になるのが「固定資産税」や「償却資産税」ですよね。これらはどうやって計算されているんだろう?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、固定資産税と償却資産税の基礎となる評価額の決まり方や税率、具体的な計算方法について、わかりやすく解説していきますね。
固定資産税と償却資産税ってどんな税金?
まずは、固定資産税と償却資産税がどのような税金なのか、基本から見ていきましょう。どちらも地方税(市町村税、東京23区は都税)で、毎年1月1日時点の資産の所有者に対して課税される点は同じですが、対象となる資産が異なります。
固定資産税の対象になるもの
固定資産税は、土地や家屋(住宅、店舗、工場、倉庫など)が対象になる税金です。毎年1月1日(これを賦課期日といいます)に、これらの資産を所有している方に課税されます。
償却資産税の対象になるもの
償却資産税は、固定資産税の一種で、事業のために使われる土地と家屋以外の資産が対象です。例えば、会社や個人事業主が事業で使っているパソコン、コピー機、機械、店舗の内装、看板などがこれにあたります。これらを総称して「償却資産」と呼びます。
二つの税金の違いをまとめると
固定資産税と償却資産税の違いを簡単に表にまとめました。基本的には、課税対象が「土地・家屋」か「事業用の設備など」かで分かれている、と考えると分かりやすいですよ。
| 税金の種類 | 対象となる資産 |
| 固定資産税 | 土地、家屋 |
| 償却資産税(固定資産税の一部) | 事業用の構築物、機械、器具・備品など(土地・家屋以外) |
固定資産税(土地・家屋)の評価額と税率
それでは、土地や家屋にかかる固定資産税の計算の基礎となる評価額と税率について見ていきましょう。
評価額(課税標準額)はどう決まるの?
固定資産税の計算のもとになるのが「固定資産税評価額」です。これは、総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各市町村(東京23区は都)が決定します。
土地は地価公示価格の70%程度、家屋は再建築価格(同じ家を新築した場合の費用)を基準に、経年劣化などを考慮して評価されます。この評価額は原則として3年に1度「評価替え」が行われ、見直されます。
実際に税額を計算する際には、この評価額に特例などを適用した後の「課税標準額」が使われます。
固定資産税の標準税率は?
固定資産税の税率は、地方税法で定められた標準税率である1.4%を採用している市町村がほとんどです。ただし、市町村の判断でこれとは異なる税率(制限税率である2.1%まで)を条例で定めることも可能です。
| 項目 | 内容 |
| 評価額の基準 | 土地は地価公示価格の70%程度、家屋は再建築価格 |
| 評価替え | 原則3年に1度 |
| 標準税率 | 1.4% |
償却資産税の評価額と税率
次に、事業で使う資産にかかる償却資産税の評価額と税率についてです。こちらは毎年申告が必要になるのが特徴です。
償却資産の評価額の計算方法
償却資産の評価額は、毎年1月1日時点の資産の状況を市町村に申告することで決まります。計算方法は、国税(法人税や所得税)の減価償却とは少し異なります。
計算式は以下の通りです。
- 前年中に取得した資産: 評価額 = 取得価額 × (1 – 減価率 ÷ 2)
- 前年より前に取得した資産: 評価額 = 前年度の評価額 × (1 – 減価率)
ポイントは、前年中に取得した資産は半年分だけ減価償却(価値が減少)したものとして計算する点です。また、評価額が取得価額の5%を下回ることはなく、事業で使っている限りは5%の価値が残るものとして計算されます。
償却資産税の税率は?
償却資産税の税率も、固定資産税と同じく標準税率は1.4%です。市町村内にあるすべての償却資産の評価額を合計した「課税標準額」に、この税率をかけて税額を計算します。
税額の計算方法と免税点
評価額と税率がわかったところで、具体的な税額の計算方法と、税金がかからなくなる「免税点」について解説します。
固定資産税の計算式
固定資産税の税額は、以下の式で計算されます。
税額 = 課税標準額 × 税率(1.4%)
例えば、課税標準額が2,000万円の土地であれば、2,000万円 × 1.4% = 28万円が年間の固定資産税額となります。
償却資産税の計算式
償却資産税も計算式は同じです。
税額 = 課税標準額 × 税率(1.4%)
市町村内にあるすべての償却資産の評価額を合計したものが課税標準額となります。
知っておきたい「免税点」
固定資産税・償却資産税には「免税点」という制度があります。これは、課税標準額が一定の金額未満の場合には課税されない、というものです。金額は以下の通りです。
| 資産の種類 | 免税点(この金額未満は非課税) |
| 土地 | 30万円 |
| 家屋 | 20万円 |
| 償却資産 | 150万円 |
これは、同一市町村内に所有するそれぞれの資産の課税標準額の合計で判断されます。
申告は必要?固定資産税と償却資産税の手続きの流れ
税金を納めるまでの手続きは、固定資産税と償却資産税で大きく異なります。
固定資産税(土地・家屋)は申告不要
土地や家屋の固定資産税は、市町村が登記情報などをもとに評価額と税額を計算し、納税通知書を送ってくれる「賦課課税方式」です。そのため、所有者が自ら申告する必要は基本的にありません。毎年6月頃に納税通知書が届きます。
償却資産税は毎年申告が必要!
一方、償却資産税は、納税者が毎年1月1日時点の資産の状況を、1月31日までに資産が所在する市町村に申告する必要があります。この申告内容をもとに市町村が税額を計算し、納税通知書が送られてきます。申告を忘れると、延滞金などが課される場合があるので注意が必要です。
まとめ
今回は、固定資産税と償却資産税の評価額と税率について解説しました。ポイントをまとめますね。
- 固定資産税は土地・家屋、償각資産税は事業用の設備などが対象。
- 税率はどちらも標準1.4%。
- 固定資産税の評価額は市町村が決定し、3年に1度見直される。
- 償却資産税の評価額は、毎年の申告に基づいて計算される。
- 土地は30万円、家屋は20万円、償却資産は150万円の免税点がある。
- 償却資産は毎年1月31日までの申告が必須!
少し複雑に感じるかもしれませんが、評価額と税率の仕組みを理解しておけば、納税通知書の内容も納得しやすくなります。特に事業をされている方は、償却資産の申告漏れがないように気をつけてくださいね。
参考文献
国税庁 No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
固定資産税・償却資産税の評価額と税率に関するよくある質問まとめ
Q. 固定資産税の税額はどうやって決まるの?
A. 固定資産税は「課税標準額 × 1.4%(標準税率)」で計算されます。課税標準額は、市町村が決定する「評価額」を基に算出され、税率は市町村によって異なる場合があります。
Q. 償却資産税の税額はどうやって決まるの?
A. 償却資産税も「課税標準額 × 1.4%(標準税率)」で計算されます。課税標準額は、事業者が申告した資産の取得価額や耐用年数から算出されます。税率も市町村によって異なる場合があります。
Q. 固定資産の「評価額」はいつ決まるのですか?
A. 土地と家屋の評価額は、3年に1度の「評価替え」で見直されます。基準年度の1月1日時点の価格を基に市町村が決定し、原則として3年間据え置かれます。
Q. 償却資産税の対象になる資産はどんなものですか?
A. 会社や個人事業主が事業に使うパソコン、コピー機、店舗の内装、機械設備など、土地と家屋以外の資産が対象です。ただし、自動車税の対象となる車両などは除かれます。
Q. 固定資産税と償却資産税の税率はいつも1.4%ですか?
A. 1.4%は多くの市町村で採用されている「標準税率」です。しかし、市町村は条例で異なる税率を定めることができるため、必ずお住まいの自治体にご確認ください。
Q. 償却資産税の申告はいつまでに行う必要がありますか?
A. 毎年1月1日時点で所有している償却資産を、その年の1月31日までに資産が所在する市町村へ申告する必要があります。