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市街化区域依存型集落の土地評価は?都市計画法34条11号を解説

2025-12-12
目次

ご自身の土地が市街化調整区域にあると、「建物を建てられないし、価値も低いのかな…」なんて思っていませんか?でも、もしその土地が「市街化区域依存型集落」にあれば、話は大きく変わるかもしれません。今回は、土地の評価に大きく関わる「都市計画法第34条11号」の区域について、その仕組みから土地評価への影響まで、優しく解説していきますね。

そもそも市街化区域依存型集落ってどんな場所?

まずは「市街化区域依存型集落」という言葉から見ていきましょう。少し難しく聞こえますが、ポイントを押さえれば大丈夫ですよ。これは、市街化調整区域の中にありながら、お隣の市街化区域と生活的に深いつながりを持つ、特別なエリアのことなんです。

市街化調整区域と市街化区域の違い

都市計画では、街を計画的に発展させるために土地を大きく2つに分けています。それが「市街化区域」と「市街化調整区域」です。

市街化区域 すでに市街地になっているか、これから優先的に市街化を進めるエリアです。住宅や商業施設などを建てやすい場所ですね。
市街化調整区域 市街化を抑えるエリアです。自然環境や農地などを守るため、原則として新しい建物を建てることはできません。

このように、市街化調整区域は建物の建築に厳しい制限があるのが基本です。しかし、全ての場所で一律に禁止してしまうと、もともとある集落の活力が失われてしまう可能性があります。そこで、いくつかの例外的なルールが設けられているのです。

市街化区域依存型集落の定義

「市街化区域依存型集落」は、そうした例外が認められる「既存集落」の一種です。具体的には、各自治体が条例で定めますが、一般的に次のような特徴を持つ集落を指します。

  • 市街化区域から、おおむね1km以内の近い場所にあること。
  • おおむね50戸以上の家がまとまって建ち並んでいる(連たんしている)こと。
  • 道路や排水路、水道などのインフラがある程度整っていること。

つまり、市街化調整区域にありながら、実質的には市街化区域の便利な生活圏に含まれるような集落、とイメージすると分かりやすいかもしれません。

なぜこの制度があるの?

この制度の目的は、市街化調整区域の無秩序な開発を防ぎながらも、昔からある集落(コミュニティ)を維持・活性化させることにあります。市街化区域に近い便利な場所にある集落で、誰でも家を建てられるようにすることで、人口の流出を防ぎ、集落が将来にわたって存続できるように後押ししているんですね。

都市計画法第34条11号とは?

都市計画法第34条11号は、市街化調整区域における開発許可の例外を定めた条文です。この条文に基づき、各自治体が条例を定めることで、先ほどご説明したような「市街化区域依存型集落」などの特定の区域(11号区域と呼ばれます)で、住宅などの建築が可能になります。

条例で定める区域(11号区域)の指定要件

自治体が11号区域として指定するためには、いくつかの基準を満たす必要があります。これは法律で大枠が決められており、詳細は各自治体の条例で定められています。代表的な要件をまとめてみました。

要件項目 具体的な内容例
市街化区域からの距離 おおむね1キロメートル以内にあること。
集落の規模 おおむね50以上の建築物が連たんしていること。
宅地率 区域面積のうち、宅地が占める割合がおおむね40%以上であることなど、自治体が定める基準を満たすこと。
インフラ整備 主要な道路や排水施設、上水道が適切に整備されていること。
除外区域 土砂災害警戒区域などの災害リスクが高い場所や、守るべき優良な農地などは含まないこと。

11号区域で建築できる建物の種類

11号区域に指定されると、特定の出身要件などがなくても、誰でも建物を建てられるようになります。ただし、何でも建てて良いわけではなく、建築できる建物の用途は条例で定められています。集落の種類によって建てられるものが異なる場合もあります。

集落の種類 建築可能な建物の例
市街化区域依存型集落 ・一戸建ての専用住宅
・店舗や事務所などが付いた兼用住宅
・アパートなどの共同住宅
沿道型集落
(幹線道路沿いの集落)
上記に加えて、延床面積が200㎡以下の事務所や作業所などが建築可能な場合もあります。

※これらの内容は自治体によって異なりますので、必ず所在地の市区町村にご確認ください。

土地評価への影響は?相続税評価額はどう変わる?

さて、ここからが本題です。11号区域に指定されていることは、土地の価値、特に相続税を計算するときの評価額にどう影響するのでしょうか。

建築可能性が評価額を左右する

土地の価値は、その土地で何ができるかによって大きく変わります。原則として家を建てられない市街化調整区域の土地は、利用価値が低いため評価額も低くなるのが一般的です。
しかし、11号区域の土地は、誰でも住宅を建てることが可能です。つまり、土地の利用価値が高いと判断され、通常の市街化調整区域の土地よりも評価額は高くなる傾向にあります。

宅地比準方式での評価

市街化調整区域にある宅地の相続税評価では、その土地がもし市街化区域にあるとした場合の価額(路線価など)を基準に、調整区域ならではの制限を考慮して減額する方法(宅地比準方式)がよく用いられます。11号区域内の土地は、建築制限が大幅に緩和されているため、この減額の度合いが小さくなり、結果として評価額が高くなるのです。

具体的な評価減の考え方

11号区域の土地は建築が可能といっても、市街化区域の宅地と全く同じではありません。例えば、以下のような制限が条例で定められていることが一般的です。

  • 敷地面積は300㎡以上でなければならない
  • 建物の高さは10m以下にしなければならない

こうした制限があるため、市街化区域の便利な宅地と比べると、利用上の制約があると言えます。そのため、相続税評価では、これらのマイナス要因を「斟酌(しんしゃく)」して、評価額を一定割合で減額します。この減額割合は土地の状況によって異なりますが、一般的には市街化区域の宅地の評価額から30%程度の減額が目安になることが多いようです。

自分の土地が対象か調べる方法

「もしかしたら、うちの土地も11号区域かも?」と思ったら、確認してみましょう。調べる方法は主に2つあります。

市区町村の都市計画課に確認

最も確実な方法は、土地がある市区町村の役所(都市計画課やまちづくり課など)の窓口で直接確認することです。土地の地番を伝えれば、その土地がどの区域に該当するのかを教えてもらえます。

自治体のウェブサイトで確認

多くの自治体では、都市計画図をウェブサイトで公開しています。地図上で区域の色分けなどがされているので、ご自宅のパソコンからでもおおよその場所を確認することが可能です。「〇〇市 都市計画図」や「〇〇市 区域指定」といったキーワードで検索してみてください。

評価する上での注意点

11号区域の土地を評価する際には、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。

条例の確認が必須

これまでお伝えしてきた指定要件や建築できる建物の内容は、あくまで一般的な例です。具体的なルールは、それぞれの市区町村が定めている条例によって異なります。評価を行う際は、必ずその土地がある自治体の条例を確認することが不可欠です。

最新の情報をチェック

区域指定は、社会情勢の変化などに応じて見直されることがあります。過去に確認した情報が古くなっている可能性もあるため、評価を行う時点での最新の情報を必ずチェックするようにしましょう。

専門家への相談も検討

市街化調整区域の土地評価は、専門的な知識が必要で非常に複雑です。特に相続税申告では、評価額が納税額に直結します。もしご自身での判断に不安がある場合は、土地評価に詳しい税理士や不動産鑑定士といった専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

市街化区域依存型集落にある土地(都市計画法第34条11号区域)は、市街化調整区域という大きな枠組みの中にありながら、例外的に建物の建築が認められている特別な土地です。そのため、相続税評価額は、建築ができない一般的な調整区域の土地よりも高くなります。ただし、市街化区域の土地と同じではなく、敷地面積や建物の高さなどに制限があるため、その点を考慮した適切な評価が必要です。ご自身の土地の評価でお悩みの際は、まずは市区町村で区域の指定状況を確認することから始めてみてくださいね。

参考文献

国税庁 財産評価>土地及び土地の上に存する権利

e-Gov法令検索 都市計画法

市街化区域依存型集落(34条11号区域)の土地評価に関するよくある質問

Q.都市計画法34条11号区域とは、どのような土地ですか?

A.市街化を抑制する市街化調整区域内でありながら、条例で指定された特定の集落区域内であれば、一定の要件を満たすことで自己用住宅などの建築が許可される土地のことです。

Q.34条11号区域の土地には誰でも家を建てられますか?

A.いいえ、誰でも建てられるわけではありません。原則として、その区域に長期間居住している親族がいるなど、条例で定められた属人的な要件を満たす必要があります。要件は自治体によって異なります。

Q.34条11号区域の土地は、通常の市街化調整区域より高く評価されますか?

A.はい、建物の建築が可能なため、建築が原則できない通常の市街化調整区域の土地よりも資産価値は高く評価される傾向にあります。ただし、建築できる人が限られるため、市街化区域の土地よりは低くなることが一般的です。

Q.この区域の土地を売却することは難しいですか?

A.建築できる人が限定されるため、買主を見つけるのが難しい場合があります。売却を検討する際は、その区域の建築要件を満たす人がターゲットになることを理解しておく必要があります。

Q.34条11号区域の土地の相続税評価はどのように行われますか?

A.建築が可能な土地であるため、近隣の宅地(市街化区域)の価額を参考に評価されます。ただし、建築要件の制限等を考慮して、一定の減額(斟酌)が行われることが一般的です。

Q.市街化区域依存型集落(34条11号区域)に土地を持つメリット・デメリットは何ですか?

A.メリットは、市街化調整区域でも住宅を建てられる点や、比較的安価に土地を取得できる可能性がある点です。デメリットは、建てられる人が限定されるため売却が難しい場合がある点や、インフラ整備が市街化区域ほど進んでいない可能性がある点です。

事務所概要
社名
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対応責任者
税理士 島本 雅史

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