年末調整の書類提出、お疲れ様です。でも「しまった!住宅ローン控除の書類を出し忘れた…」と焦っていませんか?大丈夫です、まだ間に合いますよ。年末調整で不動産ローン控除(住宅ローン控除)の申請がもれてしまっても、確定申告をすれば同じ効果を得られます。この記事では、その具体的な手続きや注意点について、分かりやすく解説していきますね。
年末調整で住宅ローン控除がもれた!大丈夫、確定申告で取り戻せます
「年末調整で手続きを忘れたら、もう控除は受けられないの?」と不安に思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。もし会社の年末調整で住宅ローン控除の申請がもれてしまっても、ご自身で確定申告を行うことで、納めすぎた税金はきちんと還付されます。つまり、損をすることはないので安心してくださいね。
なぜ確定申告で大丈夫なの?
年末調整は、会社が従業員に代わって行う簡易的な所得税の精算手続きです。一方で、確定申告は一年間の所得とそれに対する税額を計算し、国に報告・納税する正式な手続きです。そのため、年末調整で漏れてしまった控除があっても、確定申告で正しく申告し直すことで、最終的な税額をきちんと確定させることができます。このように、納めすぎた税金を返してもらうための確定申告を特に「還付申告」と呼びます。
確定申告と年末調整の効果は同じ?
はい、最終的に得られる減税効果は全く同じです。住宅ローン控除によって控除される税金の計算方法は、年末調整で行う場合も確定申告で行う場合も変わりません。そのため、手続きの方法が違うだけで、あなたの手元に戻ってくる還付金の額や、納める税金が減る額に差は出ません。ただし、還付されるタイミングが少し異なり、年末調整の場合は12月か1月の給与で調整されるのが一般的ですが、確定申告の場合は申告手続き後、およそ1ヶ月から1ヶ月半ほどで指定した口座に振り込まれます。
いつまでに申告すればいいの?(還付申告の期限)
「すぐに申告しないと!」と焦る必要はありません。通常の確定申告期間は、所得があった年の翌年2月16日から3月15日までですが、税金が戻ってくる還付申告の場合は、もっと長い期間が設けられています。具体的には、対象となる年の翌年1月1日から5年間申告することが可能です。例えば、2023年分の控除を忘れた場合、2024年1月1日から2028年12月31日まで申告できます。時間に余裕をもって、落ち着いて準備を進めましょう。
住宅ローン控除の確定申告、具体的な手続き方法
それでは、実際に確定申告を行うための手順を見ていきましょう。初めての方でも、一つひとつ進めれば難しくありません。
必要な書類を準備しよう
まずは申告に必要な書類を集めましょう。多くの書類は勤務先や金融機関、法務局などから取り寄せることになります。
| 書類名 | 入手先 |
| 確定申告書 | 税務署、国税庁のウェブサイト |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署、国税庁のウェブサイト |
| 勤め先の源泉徴収票 | 勤務先 |
| 住宅ローンの年末残高等証明書 | 借入先の金融機関 |
| 土地・建物の登記事項証明書 | 法務局 |
| 売買契約書や工事請負契約書のコピー | 契約した不動産会社など |
| 本人確認書類(マイナンバーカードなど) | – |
※土地・建物の登記事項証明書や契約書のコピーは、住宅ローン控除を受ける最初の年の確定申告で提出済みであれば、2年目以降の申告では不要です。
確定申告書の作成方法
書類の作成は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するのが最も簡単で便利です。ウェブサイト上で画面の案内に従って、源泉徴収票や残高証明書の内容を入力していくだけで、複雑な税額計算はすべて自動で行ってくれます。計算ミスもなく、初めての方でも安心して申告書を作成できますよ。
申告書の提出方法
作成した申告書は、以下のいずれかの方法で提出します。
1. e-Taxで電子申告
マイナンバーカードと対応するスマートフォンやICカードリーダライタがあれば、自宅のパソコンから24時間いつでも提出できます。還付までの期間が約3週間と最も早いのがメリットです。
2. 税務署へ郵送
管轄の税務署宛に郵送します。提出日の証明となる消印が押されるよう、郵便局の窓口から送るのが確実です。控えが必要な場合は、切手を貼った返信用封筒を同封するのを忘れないようにしましょう。
3. 税務署の窓口へ持参
直接、管轄の税務署の窓口に提出します。開庁時間内に行く必要がありますが、時間外の場合は「時間外収受箱」に投函することも可能です。
2年目以降の手続きはどうなる?
今回、年末調整の漏れで確定申告をした場合、その後の手続きがどうなるのかも気になりますよね。ご安心ください、手続きはまた簡単になります。
翌年からは年末調整でOK
年末調整の漏れを確定申告でリカバリーした場合でも、その翌年以降は再び勤務先の年末調整で手続きが可能になります。毎年10月頃に税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類が、金融機関から「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が送られてきます。この2つの書類を会社の年末調整の担当者に提出するだけで手続きは完了です。
住宅ローン控除1年目の人は注意!
ここで一つ注意点です。そもそも住宅ローン控除は、適用を受ける最初の年(入居した年の翌年)は、全員が必ず確定申告を行う必要があります。これは、住宅が控除の要件を満たしているかなどを税務署が最初に確認するためです。つまり、1年目の方は年末調整では手続きができません。もしあなたが控除の1年目で、年末調整で手続きできると思っていた場合は、今回の記事を参考に確定申告の準備を進めてくださいね。
確定申告する際の注意点
せっかく確定申告をするなら、いくつか知っておきたいポイントがあります。少しの手間で、さらにお得になるかもしれません。
ふるさと納税との併用
もしあなたが「ワンストップ特例制度」を利用してふるさと納税をしている場合、住宅ローン控除のために確定申告をすると、そのワンストップ特例が無効になってしまいます。そのため、確定申告をする際には、住宅ローン控除とあわせて、ふるさと納税の寄付金控除の申告も必ず行うようにしてください。忘れてしまうと、ふるさと納税の控除が受けられなくなってしまいます。
医療費控除など他の控除も一緒に
確定申告は、年末調整では申告できない他の所得控除を申請する絶好の機会です。例えば、一年間の医療費が10万円(または所得金額の5%)を超えた場合に受けられる「医療費控除」や、特定の市販薬の購入費が対象になる「セルフメディケーション税制」などがあります。ご自身や家族の状況を振り返り、他に申告できるものがないか確認してみましょう。
住宅ローン控除の控除額はいくら?
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末時点の住宅ローン残高に応じて、所得税や住民税が還付されるとても大きな節税制度です。ここで、どのくらいの控除が受けられるのか、基本的な計算方法を確認しておきましょう。
控除額の計算方法と上限
住宅ローン控除の年間の控除額は、基本的に以下の式で計算されます。
控除額 = 年末の住宅ローン残高 × 0.7%
ただし、控除の対象となるローン残高には上限(借入限度額)が設けられています。この上限額は、取得した住宅の種類(省エネ性能など)や入居した年によって異なります。そのため、ご自身の状況に合わせて上限額を確認することが重要です。
【早見表】住宅の種類・入居年別の借入限度額
以下は、新築住宅を取得した場合の主な借入限度額と控除期間です。ご自身の住宅がどれに当てはまるか、契約書などで確認してみてください。
| 住宅の種類 | 借入限度額(令和4・5年入居) |
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 |
| その他の住宅 | 3,000万円 |
| 住宅の種類 | 借入限度額(令和6・7年入居) |
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 |
| その他の住宅 | 0円(※条件により2,000万円) |
※控除期間は原則13年です(その他の住宅は条件により10年)。中古住宅の場合は限度額が異なります。
まとめ
年末調整で住宅ローン控除の手続きがもれてしまっても、全く心配する必要はありません。確定申告(還付申告)をすれば、年末調整と全く同じ減税効果を得ることができます。還付申告の期限は5年間と長いため、焦らずに必要な書類を準備して手続きを進めましょう。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、初めての方でも簡単に申告書が作成できます。この機会に、医療費控除など他の控除も一緒に申告できないか確認してみることをおすすめします。この記事が、あなたの不安を解消する一助となれば幸いです。
参考文献
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
住宅ローン控除と確定申告のよくある質問まとめ
Q.年末調整で住宅ローン控除を忘れたらどうなりますか?
A.確定申告(還付申告)をすれば、納めすぎた税金が戻ってくるので問題ありません。
Q.確定申告と年末調整で、控除される金額は変わりますか?
A.いいえ、計算方法は同じなので、最終的に控除される税額は変わりません。
Q.確定申告の期限はいつまでですか?
A.控除を忘れた場合の還付申告は、対象の年の翌年1月1日から5年間行うことができます。
Q.住宅ローン控除1年目ですが、年末調整でできますか?
A.いいえ、住宅ローン控除の適用を受ける1年目は、必ずご自身で確定申告を行う必要があります。
Q.確定申告に必要な「年末残高等証明書」をなくしてしまいました。
A.ローンを組んでいる金融機関に依頼すれば、再発行してもらえます。
Q.ワンストップ特例でふるさと納税をしましたが、確定申告をするとどうなりますか?
A.確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。ふるさと納税の寄付金控除も、確定申告書に記載して再度手続きする必要があります。