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年金とアルバイト代だけなら確定申告は不要?必要なケースを解説

2024-11-10
目次

年金をもらいながらアルバイトをしている方、多いですよね。「年金とアルバイト代だけだけど、確定申告って必要なのかな?」と疑問に思っていませんか?実は、確定申告が必要な場合と、しなくても良い場合があります。この記事で、あなたがどちらに当てはまるのか、分かりやすく解説していきますね。

年金とアルバイト収入がある場合、確定申告は必要?

年金とアルバイト、両方から収入があると、基本的には確定申告が必要になることが多いです。でも、安心してください。収入の金額によっては確定申告をしなくても良い「確定申告不要制度」というものがあるんです。まずは、ご自身が確定申告が必要かどうか、基本的なルールから見ていきましょう。

まずはここをチェック!確定申告が必要になる2つの条件

確定申告が必要になるのは、主に次の2つの条件のどちらかに当てはまる場合です。とても大切なポイントなので、ご自身の状況と照らし合わせてみてくださいね。

公的年金等の収入金額 年間400万円を超える場合
公的年金等以外の所得金額 年間20万円を超える場合

「所得」という言葉が少し難しいかもしれませんが、アルバイト代の場合は「給与収入」から「給与所得控除」という経費のようなものを差し引いた金額のことです。この2つのどちらかに当てはまると、原則として確定申告が必要になります。

遺族年金や障害年金は申告不要です

ここで一つ注意点です。受け取っている年金が遺族年金や障害年金の場合、これらは税金がかからない非課税所得ですので、確定申告をする必要はありません。今回の話は、老齢基礎年金や老齢厚生年金といった「公的年金等」を受け取っている場合のお話になります。

確定申告をしないとどうなるの?

もし確定申告が必要なのに申告を忘れてしまうと、本来納めるべき税金に加えて、「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティが課されてしまう可能性があります。余計な税金を払うことにならないよう、ご自身が申告対象かどうかをしっかり確認することが大切です。

【具体例】確定申告が「不要」になるケース

それでは、どんな場合に確定申告が不要になるのか、具体的な金額を交えて見ていきましょう。国税庁が定めている「確定申告不要制度」に当てはまれば、申告の手間を省くことができます。

年金収入400万円以下 & アルバイト所得20万円以下

確定申告が不要になるのは、「公的年金等の収入金額が400万円以下」で、かつ「アルバイトなどの所得が年間20万円以下」という両方の条件を満たす場合です。

アルバイトの「所得」が20万円以下というのは、年間の「収入」にするといくらになるのでしょうか?給与所得控除額は最低55万円なので、アルバイトの年間収入が75万円以下であれば、給与所得は20万円以下(75万円 – 55万円 = 20万円)となり、確定申告は不要です。

条件① 公的年金等の収入が年間400万円以下
条件② アルバイトの年間収入が75万円以下(所得20万円以下)

この両方に当てはまる方は、原則として確定申告は必要ありません。

【特例】65歳以上で年金収入110万円以下の場合

65歳以上の方には、さらに特別なケースがあります。もし、年間の公的年金等の収入が110万円以下の場合、公的年金等控除(110万円)によって年金の所得は0円になります。この場合、所得はアルバイト代(給与所得)のみとなるため、アルバイト先で年末調整をしていれば確定申告は不要になります。65歳未満の方は、この基準が年金収入60万円以下となります。

注意!確定申告が不要でも住民税の申告は必要な場合も

所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が別途必要になることがあります。確定申告をすれば、その情報がお住まいの市区町村に共有されるため住民税の申告は不要ですが、確定申告をしない場合は、ご自身で市区町村の窓口で申告手続きが必要になるケースがありますので注意しましょう。お住まいの自治体にご確認ください。

【具体例】確定申告が「必要」になるケース

次に、確定申告が必要になるケースを具体的に見てみましょう。先ほどの「不要なケース」に当てはまらない場合は、こちらに該当する可能性が高いです。

アルバイトの所得が20万円を超える場合

公的年金等の収入が400万円以下であっても、アルバイトの所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。先ほどお伝えしたように、アルバイトの年間収入が75万円を超えると、給与所得が20万円を超えることになります(収入75万円超 – 控除55万円 = 所得20万円超)。

例えば、65歳以上で年金収入が200万円、アルバイト収入が年間90万円の場合を考えてみましょう。

  • 年金収入: 200万円(400万円以下)→ OK
  • アルバイト所得: 90万円 – 55万円 = 35万円(20万円超)→ 申告必要

この場合、アルバイトの所得が20万円を超えているため、確定申告が必要です。

公的年金等の収入が400万円を超える場合

アルバイトの所得が20万円以下であっても、公的年金等の収入が年間400万円を超える場合は、確定申告が必要です。年金収入が多い方は、こちらの条件に当てはまる可能性がありますので、年金の源泉徴収票で金額を確認してみましょう。

確定申告をした方がお得になるケースも!

実は、確定申告が不要な方でも、あえて申告をすることで税金が戻ってくる(還付される)お得なケースがあります。これを還付申告といいます。

医療費がたくさんかかった場合(医療費控除)

1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額等の5%)を超える場合、「医療費控除」を受けることができます。この控除を適用するには確定申告が必要です。ご自身だけでなく、生計を一つにする家族の医療費も合算できますので、領収書は大切に保管しておきましょう。

生命保険料や地震保険料を支払っている場合

生命保険料や地震保険料を支払っている場合も、確定申告で「生命保険料控除」や「地震保険料控除」を受けることで、税金の負担を軽くすることができます。アルバイト先で年末調整を受けていない場合や、控除の申請を忘れてしまった場合に有効です。

源泉徴収された税金が戻ってくる可能性

年金やアルバイト代からは、あらかじめ所得税が天引き(源泉徴収)されていることがあります。確定申告をして年間の所得と控除を正しく計算し直すことで、払いすぎていた税金が戻ってくることがあります。特に、各種控除を適用できる場合は、還付される可能性が高くなります。

確定申告の準備と手順

もし確定申告が必要になった場合、どうすれば良いのでしょうか。難しそうに感じるかもしれませんが、手順を押さえれば大丈夫です。

必要な書類を準備しよう

確定申告には、主に以下の書類が必要です。事前に準備しておきましょう。

公的年金等の源泉徴収票 日本年金機構などから1月頃に送られてきます。
給与所得の源泉徴収票 アルバイト先から年末~1月頃にもらえます。
マイナンバーカード 本人確認書類として必要です。
各種控除証明書 医療費の領収書、生命保険料控除証明書など。
還付金の振込先口座情報 本人名義の口座番号がわかるもの。

確定申告書の作成と提出

書類が揃ったら、確定申告書を作成します。一番簡単なのは、国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法です。画面の案内に従って数字を入力していくだけで、自動で税額を計算してくれます。

作成した申告書は、以下の方法で提出します。

  • e-Tax(電子申告): マイナンバーカードと対応スマートフォンなどがあれば、自宅から提出できて便利です。
  • 郵送: 印刷した申告書を、管轄の税務署に郵送します。
  • 税務署の窓口へ持参: 直接、税務署の窓口に提出します。

申告期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。余裕を持って準備を始めましょう。

まとめ

年金とアルバイト代がある場合の確定申告について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

まずはご自身の「公的年金等の収入金額」「アルバイトの所得(収入-55万円)」を計算して、申告が必要かどうかを確認することが第一歩です。

ポイントをまとめると以下のようになります。

  • 原則、年金収入400万円以下かつアルバイト所得20万円以下(収入75万円以下)なら確定申告は不要。
  • どちらか一方でも超える場合は、確定申告が必要。
  • 確定申告が不要でも、医療費控除などを受けたい場合は申告するとお得。
  • 申告不要でも、住民税の申告が必要な場合があるので注意。

少し複雑に感じるかもしれませんが、ご自身のケースを一つずつ確認すれば大丈夫です。もし不安な場合は、税務署の相談窓口や、確定申告の時期に開設される無料相談会などを利用するのも良いでしょう。

参考文献

国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係

国税庁 確定申告が必要な方

国税庁 No.2030 還付申告

年金とアルバイト収入がある方の確定申告 よくある質問

Q. 年金とアルバイト代がありますが、確定申告は必要ですか?

A. 公的年金等の収入が400万円以下で、かつ、年金以外の所得(アルバイト代など)が20万円以下の場合、原則として確定申告は不要です。ただし、医療費控除などで還付を受けたい場合は確定申告が必要です。

Q. アルバイト代が年間20万円以下なら、絶対に確定申告は不要ですか?

A. 公的年金等の収入が400万円以下であれば、アルバイトの所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要です。ただし、住民税の申告は別途必要になる場合がありますので、お住まいの市区町村にご確認ください。

Q. 公的年金の収入が400万円以下でも確定申告が必要なケースは?

A. はい。公的年金等の収入が400万円以下でも、アルバイトなどの年金以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。また、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合も申告が必要です。

Q. 年金受給者の「確定申告不要制度」とは何ですか?

A. 公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、それ以外の所得金額が20万円以下の場合に、所得税の確定申告が不要になる制度です。これにより、多くの方の申告手続きの負担が軽減されています。

Q. 確定申告をしない場合、住民税の申告は必要ですか?

A. 所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要になることがあります。アルバイト収入がある場合は、お住まいの市区町村役場へ住民税の申告が必要かご確認ください。

Q. 確定申告をした方が得になるのはどんな時ですか?

A. 医療費控除や生命保険料控除などを受けたい場合、確定申告をすることで納めすぎた税金が戻ってくる(還付される)可能性があります。アルバイト先で所得税が源泉徴収されている場合も、申告で還付を受けられることがあります。

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