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年金は相続できる?相続税がかかるケース・かからないケースを徹底解説!

2026-03-07
目次

ご家族が亡くなられたとき、「受け取っていた年金はどうなるの?」「遺族ももらえるの?」「税金はかかるの?」といった疑問や不安を感じる方は少なくありません。実は、年金は種類によって相続税の対象になるものと、ならないものがあります。また、必要な手続きも異なります。この記事では、年金の相続に関する税金の扱いや、具体的な手続き、知っておきたい注意点について、わかりやすく解説していきますね。

年金は相続できる?種類によって相続税の扱いが変わります

一口に「年金」といっても、その種類は様々です。そして、どの年金かによって、相続税がかかるかどうかが決まります。まずは、どのような年金が相続税の対象になり、どのような年金が対象にならないのか、全体像をつかんでおきましょう。

相続税の対象となる年金 個人年金保険、企業年金・退職年金、年金形式で受け取る生命保険など
相続税の対象とならない年金 遺族年金、寡婦年金、死亡一時金、未支給年金など

このように、亡くなった方が個人的に掛けていた私的年金は相続税の対象になりやすく、国が運営する公的年金は基本的に相続税の対象外となります。次の章から、それぞれの年金について詳しく見ていきましょう。

相続税の対象となる年金(みなし相続財産)

相続税の対象となる年金は、厳密には相続財産ではありませんが、亡くなったことをきっかけにご遺族が受け取ることになるため「みなし相続財産」として扱われ、相続税が課税されます。具体的には、以下のような年金が該当します。

個人年金保険

亡くなった方が、ご自身で保険料を支払い、ご自身が受け取っていた個人年金保険は、相続税の対象となる可能性があります。具体的には、保険料の負担者、被保険者、年金受取人がすべて亡くなった方本人で、亡くなった後もご遺族が残りの期間の年金を受け取るケースです。この場合、将来にわたって年金を受け取る権利(年金受給権)を相続したとみなされ、相続税が課税されます。

企業年金・退職年金

会社員だった方が受け取る企業年金や退職年金も、亡くなった後にご遺族が引き継いで受け取る場合には、その年金受給権が「みなし相続財産」として相続税の対象となります。退職金の一部を年金形式で受け取っている途中で亡くなられた場合などがこれにあたります。

年金形式で受け取る生命保険

亡くなった方の死亡保険金を、一時金ではなく年金形式で受け取ることを選択した場合、その年金受給権は相続税の課税対象となります。ただし、注意点があります。年金として受け取る場合、初めに年金受給権に対して相続税がかかり、さらに毎年受け取る年金のうち元本を超える運用益部分については所得税(雑所得)がかかります。税金が二重にかかるように感じるかもしれませんが、税金の仕組みがこのようになっているのです。

相続税の対象とならない年金

一方で、相続税がかからない年金もあります。これらは、残されたご遺族の生活を支える「生活保障」という目的が強いため、税金がかからないように法律で定められています。

遺族年金(国民年金・厚生年金)

国民年金や厚生年金に加入していた方が亡くなったときに、一定の要件を満たす遺族に支給されるのが遺族年金です。これは、残された家族の生活を保障するためのものであり、国民年金法や厚生年金保険法によって「租税を課すことができない」と定められています。そのため、相続税も所得税もかかりません。

寡婦年金・死亡一時金

寡婦年金は、国民年金の保険料を10年以上納めた夫が亡くなったときに、一定の要件を満たす妻が60歳から65歳になるまで受け取れる年金です。また、死亡一時金は、保険料を3年以上納めた方が年金を受け取らずに亡くなった場合に、遺族が受け取れる一時金です。これらも遺族年金と同様に、遺族の生活保障としての意味合いが強く、相続税はかかりません。

未支給年金

未支給年金とは、年金受給者だった方が亡くなった際に、まだ受け取っていなかった年金のことです。例えば、年金は偶数月に前2ヶ月分が支払われるため、8月に亡くなった場合、8月分の年金は10月に支払われる予定でした。この受け取れなかった年金を遺族が請求して受け取ることができます。
この未支給年金は、亡くなった方の財産ではなく「請求した遺族自身の権利(固有の財産)」とみなされるため、相続税の対象にはなりません。ただし、受け取った遺族の「一時所得」として所得税の対象になる点には注意が必要です。年間の他の一時所得と合わせて50万円の特別控除があるため、他に一時所得がなければ50万円までは実質的に税金はかかりません。

相続税がかかる年金の評価方法

個人年金など、相続税の対象となる年金受給権は、一体いくらの価値があると評価されるのでしょうか。この評価額を計算しないと、相続税の申告ができません。評価方法は年金の種類によって異なりますが、主に以下の3つの金額を比べて、最も高い金額で評価されることになります。

① 解約した場合に受け取れる「解約返戻金」の額
② 年金を一括で受け取る場合に受け取れる「一時金」の額
③ 将来受け取る年金総額を現在の価値に割り引いて計算した額

③の計算は少し専門的で、終身年金か確定年金かによっても計算方法が異なります。

終身年金の場合

一生涯受け取れる終身年金の場合、③の評価額は「1年あたりの平均給付額 × 平均余命に応じた利率(複利年金現価率)」で計算します。平均余命が長いほど、評価額は高くなる傾向があります。

確定年金の場合

10年間、20年間など、受け取る期間が決まっている確定年金の場合、③の評価額は「1年あたりの平均給付額 × 残りの期間に応じた利率(複利年金現価率)」で計算します。
これらの評価は複雑なため、ご自身で計算するのは難しいかもしれません。保険会社から「相続税申告用の参考資料」を取り寄せたり、税理士などの専門家に相談したりすることをおすすめします。

年金受給者が亡くなったときの手続きと注意点

ご家族が亡くなられた後は、悲しみに暮れる間もなく様々な手続きに追われます。年金に関する手続きもその一つです。手続きを忘れると、年金が余分に支払われて後で返還が必要になるなど、手間が増えてしまう可能性があるので注意しましょう。

年金の支給を止める手続き(受給権者死亡届)

まず、亡くなった方の年金の支給を止めるために、「年金受給権者死亡届(報告書)」をお近くの年金事務所または街角の年金相談センターに提出する必要があります。提出期限は、国民年金の場合は死亡日から14日以内、厚生年金の場合は10日以内と定められています。
ただし、日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は、原則としてこの届出は不要です。

未支給年金を請求する手続き

公的年金の未支給年金を受け取るためには、遺族が自ら請求手続きを行う必要があります。この手続きは、先ほどの「年金受給権者死亡届」と同時に行うことができます。
請求できる遺族には優先順位があり、亡くなった方と生計を同じくしていた「配偶者 → 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹 → その他3親等内の親族」の順となります。同順位の方が複数いる場合は、そのうちの1人が代表して請求します。
この請求には5年の時効があるため、忘れずに手続きを行いましょう。

相続放棄をしても遺族年金はもらえる?

亡くなった方に借金が多く、相続放棄を検討している場合でも、遺族年金は受け取ることができます。なぜなら、遺族年金は相続財産ではなく、受取人である遺族固有の権利だからです。同様に、未支給年金も遺族固有の財産とみなされるため、相続放棄をしても受け取ることが可能です。

まとめ

今回は、年金の相続と相続税について解説しました。大切なポイントを振り返ってみましょう。

  • 年金の相続は、種類によって扱いが大きく異なる。
  • 個人年金や企業年金などの私的年金は「みなし相続財産」として相続税の対象になることが多い。
  • 遺族年金などの公的年金は、遺族の生活保障が目的のため非課税
  • 公的年金の未支給年金は相続税の対象外だが、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になる。
  • 年金受給者が亡くなったら、速やかに年金事務所で支給停止と未支給年金の請求手続きを行う必要がある。

年金の相続税評価や手続きは複雑で、分かりにくい部分も多いかと思います。特に相続税の申告が必要な場合は、ご自身だけで進めるのは大変です。もし不安な点があれば、相続に詳しい税理士などの専門家にご相談くださいね。

参考文献

年金の相続に関するよくある質問まとめ

Q.年金は相続財産として相続できるのでしょうか?

A.いいえ、年金を受け取る権利(年金受給権)自体は相続できません。ただし、亡くなった方が受け取っていない「未支給年金」や、遺族が受け取れる「遺族年金」があります。

Q.未支給年金とは何ですか?誰が受け取れますか?

A.未支給年金とは、亡くなった方が受け取るはずだったのに、まだ受け取っていなかった年金のことです。亡くなった方と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、3親等内の親族の順で請求できます。

Q.遺族年金と未支給年金はどう違うのですか?

A.未支給年金は「亡くなった本人分」の年金ですが、遺族年金は亡くなった方によって生計を維持されていた「遺族の生活保障のため」の年金です。受け取れる要件や金額が異なります。

Q.受け取った未支給年金や遺族年金に相続税はかかりますか?

A.いいえ、未支給年金も遺族年金も相続税の対象にはなりません。ただし、未支給年金は受け取った遺族の一時所得となり、金額によっては確定申告が必要になる場合があります。遺族年金は所得税もかかりません。

Q.年金を受け取るための手続きは何をすればよいですか?

A.故人の死亡後、年金事務所または年金相談センターに「年金受給権者死亡届」を提出します。その際、「未支給年金請求書」や「遺族年金請求書」もあわせて提出することで手続きができます。

Q.年金の手続きに期限はありますか?注意点を教えてください。

A.年金受給権者死亡届は、厚生年金は死亡後10日以内、国民年金は14日以内に提出が必要です。未支給年金や遺族年金の請求権は5年で時効となるため、早めに手続きをしましょう。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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