税理士法人プライムパートナーズ

忘年会等のイベントでの景品は課税される?具体例と非課税の条件

2026-04-16
目次

忘年会や社内イベントで景品を用意する際、「この景品には税金がかかるのかな?」と疑問に思うことはありませんか。せっかく従業員に喜んでもらうためのイベントですから、後から税金のトラブルになるのは避けたいですよね。実は、景品の内容や渡し方によっては、給与として所得税が課税されてしまうケースがあります。この記事では、どのような景品なら課税されないのか、具体的な金額や条件をわかりやすく解説していきます。

忘年会などのイベント景品は原則として課税されない

社内イベントの景品は、基本的には給与として課税されることはありません。これは、従業員の慰安やレクリエーションを目的とした社会通念上一般的な行事であれば、少額な景品に対しては強いて課税しないという国税庁のルールがあるからです。ただし、この非課税の恩恵を受けるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

景品が非課税になるための4つの条件

景品が給与として課税されないためには、以下の4つの条件をすべて満たしている必要があります。

条件 具体的な内容
1.対象者が限定されていない 全従業員に参加の機会が平等に与えられていること
2.金額が高額すぎない 1人あたりの景品代が5,000円から10,000円程度に収まること
3.現金や商品券ではない お金やお金と同じように使えるものを渡さないこと
4.業績に対する報酬ではない ビンゴ大会など偶発的に当選者が決まること

これらの条件を満たせば、会社の経費である福利厚生費として処理でき、従業員に所得税がかかる心配もありません。

具体的な非課税の金額目安はいくら?

金額について高額すぎないと言われても、いくらまでなら大丈夫なのか迷ってしまいますよね。税法上に「いくらまで」という明確な上限金額は書かれていませんが、実務上は1人あたり5,000円から高くても10,000円程度までの景品であれば、妥当な範囲として非課税と判断されるのが一般的です。もし数万円もするような高級家電や旅行券を渡してしまうと、給与として課税されるリスクが高まるので注意しましょう。

現金や商品券はなぜNGなの?

好きなものを買えるからと現金や商品券、Amazonギフト券やクオカードなどを景品にしたくなりますが、これらは税務上給与と同じ扱いになってしまいます。なぜなら、現金や商品券は金額が明確であり、何にでも自由に使えるため、実質的にお給料を上乗せして支払ったのと同じ状態になるからです。そのため、景品を選ぶときはカタログギフトや日用品、お菓子などの物品にするのが安全です。

例外的に景品が給与として課税されてしまうケース

基本的には非課税となる景品ですが、渡し方や内容によっては給与所得とみなされ、源泉徴収が必要になるケースがあります。どのような場合に課税対象となってしまうのか、具体的な失敗例を見ていきましょう。

参加しなかった人へ現金を渡した場合

忘年会などのイベントに参加できなかった従業員に対して、景品の代わりに現金を渡そうと考えるかもしれませんが、これはやってはいけません。不参加者へ金銭を支給してしまうと、参加者と不参加者の全員に対して、その現金と同額の給与を支払ったものとみなされてしまいます。イベントはあくまで参加することに意義があるため、不参加の代償としてお金や物を渡すのは避けましょう。

業績優秀者だけを対象にした表彰の景品

今月営業成績がトップだった人や、特定のプロジェクトメンバーだけを対象としたイベントで景品を渡す場合、これは福利厚生ではなく勤務の対価とみなされます。全従業員に平等な機会が与えられていないため、いくら5,000円程度の少額の品物であっても給与として課税の対象になります。ゲームの勝敗や抽選など、業務の成績とは無関係な理由で当選者を決めることが大切です。

ゴルフコンペの景品費用

社内の親睦を深めるためであっても、ゴルフコンペは一般的なレクリエーション行事とはみなされません。一部の愛好者だけで行われることが多いためです。したがって、会社がゴルフコンペの景品代やプレー代を負担した場合は、原則として参加した従業員への給与として処理され、課税の対象となります。

景品が高額すぎる場合はどうなるの?

どうしてもビンゴ大会の目玉として、5万円や10万円の高級ホテル宿泊券や最新家電などを用意したい場合もありますよね。このように1万円程度という金額を大きく超える景品を渡した場合はどうなるのでしょうか。

一時所得として扱われる可能性

業務と関係のない抽選などで高額な景品が当たった場合、給与ではなく一時所得として扱われる可能性があります。一時所得とは、労働の対価ではなく、偶発的に得た臨時収入のことです。一時所得には最高50万円の特別控除があるため、その年の他の一時所得と合わせて50万円以下であれば、結果的に所得税はかかりません。

一時所得と給与所得の境目

ただし、高額な景品が常に一時所得になるわけではありません。イベントの実態として、実質的に給与の代わりとして渡していると税務署に判断された場合は、給与所得として課税されます。例えば、毎年のように全員に数万円相当の豪華な景品が行き渡るような仕組みになっていると、給与とみなされるリスクが高くなります。

会社側の経理処理はどうすればいい?

景品を購入した会社の経理担当者は、どのような勘定科目で処理をすればよいのでしょうか。課税関係を正しく整理するためには、適切な仕訳を切ることが重要です。

福利厚生費として計上できる条件

景品代を福利厚生費として会社の経費に落とすためには、これまでお伝えしたように、全従業員を対象としていること、1万円程度までの常識的な金額であること、現金や商品券ではないことという条件を満たす必要があります。これらを満たしていれば、消費税の仕入税額控除の対象にもなります。

交際費に該当してしまうケース

忘年会に取引先などの社外の人が参加しており、その人たちにも景品を渡す場合は、従業員分は福利厚生費、取引先分は交際費として明確に区分する必要があります。また、社内イベントであっても、役員だけ、あるいは特定の部署だけで行った飲み会の景品は、福利厚生費としては認められず、交際費や給与として処理しなければならないので注意しましょう。

税務調査で指摘されないための対策

税務調査において、福利厚生費や交際費、給与の区分は非常によくチェックされるポイントです。後から給与だと指摘されて追徴課税を受けないように、事前の対策をしっかり行いましょう。

案内状や参加者名簿の保管

イベントが全従業員を対象としたものであることを証明するために、社内掲示板での告知文やメールの案内状、当日の参加者名簿を必ず保管しておいてください。誰にどのような景品が当たったのかがわかるリストもあると、より説得力が増します。

景品の購入明細を明確にする

領収書やレシートには、何を購入したのかが具体的に記載されている必要があります。品代とだけ書かれた領収書では、税務署から商品券などを疑われる可能性があります。購入した品物の詳細がわかる明細書を一緒に保管しておくことが大切です。

まとめ

忘年会等のイベントでの景品が課税されるかどうかは、渡し方と内容によって大きく変わります。全従業員を対象とした偶発的なゲームで、1万円程度までの物品を渡すのであれば、非課税で福利厚生費として処理できます。一方で、現金や商品券、業績に応じた景品、不参加者への現金支給などは給与として課税されてしまうので絶対に避けましょう。ルールをしっかり守って、従業員全員が心から楽しめるイベントを作ってくださいね。

参考文献

国税庁:No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行

国税庁:No.5261 交際費等と福利厚生費との区分

忘年会の景品や課税に関するよくある質問まとめ

Q.忘年会の景品で10万円のテレビを渡したら課税されますか?

A.給与所得や一時所得として課税される可能性が高いです。社会通念上妥当な金額(1万円程度)を大きく超えるため、非課税の範囲に収まらないと判断されます。

Q.アマゾンギフト券をビンゴの景品にするのは大丈夫ですか?

A.アマゾンギフト券などの商品券や現金は、給与としてみなされるため所得税の課税対象となります。物品を選ぶことをおすすめします。

Q.忘年会に参加できなかった人にだけ5千円のクオカードを渡してもよいですか?

A.不参加者への金銭や商品券の支給は給与として課税されます。さらに、参加者全員に対しても同額の給与が支給されたものとみなされるリスクがあるため避けてください。

Q.営業成績が良かった人にだけ景品を渡すのは課税対象ですか?

A.課税対象です。成績優秀者への景品は勤務の対価とみなされるため、福利厚生費ではなく給与として処理する必要があります。

Q.景品を福利厚生費とするための条件は何ですか?

A.全従業員に参加の機会が平等にあり、金額が高額すぎず、現金や商品券ではなく、ビンゴなど偶発的に当選者が決まることなどが条件です。

Q.ゴルフコンペの景品は非課税になりますか?

A.ゴルフは一般的なレクリエーションとみなされないため、会社が負担したゴルフコンペの景品代は給与または交際費として課税対象になります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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