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息子が先に死亡した場合、相続人は嫁?孫?代襲相続をわかりやすく解説

2026-04-07
目次

「もし自分より先に息子が亡くなっていたら、自分の相続財産は誰が相続するんだろう?」「息子の嫁や孫に相続権はあるの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?大切な財産を巡るトラブルを避けるためにも、相続のルールを正しく知っておくことが大切です。この記事では、息子さんが先に亡くなられた場合の相続について、誰が、どのくらい相続するのかを優しく解説します。

息子が先に死亡したら相続人は誰?

結論からお伝えすると、自分より先に息子が亡くなっている場合、自分が死亡したときの相続人は「お孫さん」です。息子さんのお嫁さんには、原則として相続権はありません。この仕組みを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」といいます。

相続の基本ルール「法定相続人」とは

まず、相続の基本をおさらいしましょう。法律では、誰が財産を相続できるか(法定相続人)とその順位が決まっています。

順位 相続人
常に相続人 配偶者
第1順位 子(子が亡くなっている場合は孫)
第2順位 父母(父母が亡くなっている場合は祖父母)
第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪)

配偶者は常に相続人となり、それ以外は第1順位から順に相続権が与えられます。第1順位の「子」がいる場合、第2順位の父母や第3順位の兄弟姉妹は相続人にはなれません。

息子に代わって孫が相続する「代襲相続」

今回のケースのように、本来相続人となるはずの息子さん(子)が、親御さん(被相続人)より先に亡くなっている場合、息子さんの相続権は、その子供であるお孫さんに引き継がれます。これが「代襲相続」です。お孫さんが、亡くなった息子さんに代わって相続人になる、とイメージすると分かりやすいかもしれません。

代襲相続が起こると、相続の権利は次の順位(父母や兄弟姉妹)には移りません。あくまで、息子さんの権利がお孫さんに引き継がれる形になります。

息子の嫁に相続権はないの?

残念ながら、法律上、息子さんのお嫁さん(子の配偶者)は法定相続人には含まれません。そのため、おじいさん・おばあさん(被相続人)の財産を直接相続することはできません。あくまで相続権を引き継ぐのは、血のつながりのあるお孫さん(直系卑属)だけとなります。ただし、お嫁さんに財産を残したい場合は、「遺言書」を作成するなどの生前対策で対応することが可能です。

代襲相続での相続分はどうなる?

代襲相続の場合、お孫さんがどれくらいの財産を相続できるのか、気になりますよね。ここでは、具体的な相続分(法定相続分)について見ていきましょう。

お孫さんの相続分は「息子が受け取るはずだった分」と同じ

お孫さんが代襲相続で受け取る相続分は、亡くなった息子さんが本来受け取るはずだった相続分と全く同じです。例えば、相続人が配偶者と息子さん2人だった場合、息子さん1人あたりの相続分は財産の4分の1です。もし長男が先に亡くなっていて、長男に子供(孫)が2人いる場合、この4分の1を2人で分けることになります。

具体例で見てみましょう。

【例】相続財産8,000万円、相続人は配偶者、長男(既に死亡)、次男の場合(長男には子供が2人いる)

相続人 法定相続分
配偶者 1/2(4,000万円)
次男 1/4(2,000万円)
孫A(長男の子) 1/8(1,000万円)
孫B(長男の子) 1/8(1,000万円)

このように、長男が受け取るはずだった4分の1(2,000万円)を、孫Aと孫Bが半分ずつ(8分の1ずつ)相続することになります。

孫も先に亡くなっていたら?「再代襲相続」

もし、息子さんだけでなくお孫さんも先に亡くなっていた場合、相続はどうなるのでしょうか。この場合、お孫さんの子供、つまり「ひ孫」がさらに代わって相続人になります。これを「再代襲相続(さいだいしゅうそうぞく)」と言います。子から孫、孫からひ孫へと、直系の血族である限り何代でも代襲相続は続いていきます。

代襲相続が起こる他のケース

代襲相続は、相続人が先に死亡した場合以外にも発生することがあります。知っておくべき2つのケースをご紹介します。

相続欠格

相続欠格(そうぞくけっかく)とは、特定の不正行為を行った相続人の相続権を法律上当然に失わせる制度です。例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 被相続人や他の相続人を故意に死亡させた、または死亡させようとした
  • 詐欺や強迫によって被相続人に遺言書を書かせた、または撤回させた
  • 遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した

このような理由で息子さんが相続権を失った場合でも、その息子さんにお子さん(お孫さん)がいれば、代襲相続が発生します。

相続廃除

相続廃除(そうぞくはいじょ)とは、被相続人の意思によって、特定の相続人の相続権を奪う制度です。被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えた、または著しい非行があった場合に、被相続人が家庭裁判所に申し立てることで認められます。

この相続廃除によって息子さんが相続権を失った場合も、その息子さんにお子さん(お孫さん)がいれば、代襲相続が起こります。

注意!相続放棄では代襲相続は起こらない

代襲相続で最も注意すべき点は「相続放棄」です。もし息子さんが生前に「親の財産は要らない」と言っていたとしても、それは法的な相続放棄にはなりません。相続放棄は、相続が開始された後(親が亡くなった後)に家庭裁判所で手続きをする必要があります。

もし、親の相続が発生した後に、存命の息子さんが相続放棄をした場合、その息子さんは初めから相続人ではなかったとみなされます。そのため、その子供であるお孫さんに代襲相続は発生しません。財産だけでなく借金も相続したくない場合などに相続放棄は選択されますが、代襲相続との違いはしっかり理解しておきましょう。

代襲相続と相続税

代襲相続が発生した場合、相続税の計算にもいくつか影響があります。特に知っておきたいポイントを2つ解説します。

基礎控除額が増える

相続税には、一定額までは税金がかからない「基礎控除」という非課税枠があります。基礎控除額の計算式は以下の通りです。

3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

代襲相続では、法定相続人の数え方が変わります。亡くなった息子さんの代わりにお孫さん(代襲相続人)の人数を法定相続人の数に含めて計算します。例えば、息子さん1人が亡くなり、お孫さん2人が代襲相続する場合、法定相続人は1人増えることになります。その結果、基礎控除額が600万円増え、相続税の負担が軽くなる可能性があります。

生命保険金の非課税枠も使える

被相続人が亡くなったことによって受け取る生命保険金にも、非課税枠があります。計算式は以下の通りです。

500万円 × 法定相続人の数

この「法定相続人の数」には、代襲相続人も含まれます。したがって、代襲相続によって法定相続人が増えれば、生命保険金の非課税枠も増えることになります。

まとめ

息子さんが先に亡くなられている場合の相続について、ご理解いただけたでしょうか。最後にポイントをまとめます。

  • 息子が先に死亡した場合、相続人は孫になる(代襲相続)。
  • 息子の嫁に相続権はない
  • 孫が受け取る相続分は、息子が受け取るはずだった分と同じ
  • 息子が相続放棄をした場合は、孫への代襲相続は起こらない
  • 代襲相続で相続人が増えると、相続税の基礎控除額が増えるなどのメリットがある。

代襲相続は少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的なルールを知っておくことで、いざという時に落ち着いて対応できます。もし、お孫さんだけでなくお嫁さんにも財産を残したいなど、ご自身の希望がある場合は、生前に遺言書を作成しておくことを強くお勧めします。

参考文献

No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁

No.4157 相続税額の2割加算|国税庁

息子が先に死亡した場合の相続に関するよくある質問まとめ

Q.息子が私より先に亡くなりました。息子の嫁(妻)に私の財産は相続されますか?

A.いいえ、息子の嫁(妻)は法定相続人ではないため、原則としてあなたの財産を直接相続することはありません。

Q.息子が先に死亡した場合、孫が相続できると聞きました。これはどういう制度ですか?

A.はい、「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」という制度です。本来相続人となるはずだった息子さんに代わって、そのお子さんであるお孫さんが相続人になります。

Q.孫が複数人いる場合、相続する割合はどうなりますか?

A.本来息子さんが受け取るはずだった相続分を、お孫さんたちの人数で均等に分けます。例えば、息子さんの相続分が2分の1で孫が2人いれば、孫1人あたりは4分の1ずつ相続します。

Q.息子も孫も私より先に亡くなっている場合、ひ孫が相続することはありますか?

A.はい、あります。お孫さんにお子さん(あなたから見てひ孫)がいれば、そのひ孫が「再代襲相続(さいだいしゅうそうぞく)」により相続人となります。

Q.遺言書で「息子の嫁に財産を遺す」と書けば、渡すことはできますか?

A.はい、可能です。遺言書を作成することで、法定相続人ではない息子の嫁(妻)にも「遺贈」という形で財産を渡すことができます。ただし、他の相続人の遺留分を侵害しないよう注意が必要です。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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