ご家族が亡くなられた後の手続きは本当にたくさんありますよね。その中で、意外と忘れがちだったり、どうすればいいか迷ったりするのが、故人の運転免許証の扱いです。「返却は義務なの?」「どこで手続きするの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、相続後の運転免許証の返却手続きについて、必要なものから注意点まで、一つひとつ丁寧に解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
運転免許証の返却は義務?手続きの基本
まず一番に気になるのが、「故人の運転免許証は絶対に返さなければいけないの?」という点ですよね。結論からお伝えすると、法律で定められた義務ではありません。ですが、そのままにしておくと少し困ることもあるため、手続きの基本を知っておくことが大切です。詳しく見ていきましょう。
返却手続きは義務ではない
警視庁のホームページにも明記されていますが、亡くなられた方の運転免許証をご家族が返納する法的な義務はありません。運転免許は、持ち主の方が亡くなられた時点で自動的に効力を失う(失効する)からです。ですから、「返却していないから法律違反になる」と心配する必要は全くありませんよ。
手続きをしない場合のデメリット
返納義務がないとはいえ、手続きをしないでいると、いくつかのデメリットが考えられます。一番大きなものは、運転免許証の有効期限が来るまで、更新のお知らせハガキが届き続けてしまうことです。ご家族にとっては、そのたびに故人を思い出して辛い気持ちになったり、郵便物の管理が少し手間になったりするかもしれません。また、万が一免許証を紛失してしまった場合、身分証明書として悪用されてしまうリスクもゼロとは言えません。
手続きの正式名称は「失効手続き」
亡くなった方の運転免許証に関する手続きは、一般的に「返納」と呼ばれていますが、警察での正式な扱いは「失効手続き」や「通知停止の手続き」となります。この手続きを行うことで、ご自宅に更新通知が届かなくなり、免許証が悪用される心配もなくなるため、多くの方が手続きをされています。
運転免許証の返却(失効)手続きの方法
それでは、実際に運転免許証の返却(失効)手続きはどこで、どのように行えばよいのでしょうか。手続きの場所や必要なものを具体的にご説明します。事前に知っておけば、スムーズに進められますよ。
手続きができる場所
手続きは、全国の警察署、運転免許センター、運転免許試験場で行うことができます。故人の住所地である必要はなく、手続きに行かれるご家族のお住まいの近くの窓口で大丈夫です。受付時間は施設によって異なりますので、訪れる前にホームページなどで確認しておくと安心ですね。
| 施設の種類 | 受付時間の目安 |
| 警察署 | 平日の日中(例:午前8時30分~午後4時30分) |
| 運転免許センター・試験場 | 平日の日中(一部では日曜日も受付可能な場合があります) |
手続きに必要なもの
手続きに行く際には、以下のものを持参しましょう。忘れ物をしてしまうと、また足を運ぶことになってしまうので、お出かけ前にしっかりチェックしてくださいね。
| 必要なもの | 補足説明 |
| 故人の運転免許証 | 返却する免許証そのものです。もし見つからない場合は、窓口で相談すれば大丈夫です。 |
| 故人が亡くなったことを証明する書類 | 死亡診断書のコピー、住民票の除票、戸籍謄(除籍)本など、いずれか1点で問題ありません。 |
| 手続きに行く方の本人確認書類 | ご自身の運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など、窓口に行く方の身分を証明するものです。 |
| 印鑑 | 認印で大丈夫です。自治体によっては不要な場合もありますが、念のため持っていくと安心です。 |
手続きの流れと所要時間
窓口での手続きはとてもシンプルです。運転免許の窓口で「亡くなった家族の免許証の失効手続きをお願いします」と伝えれば、担当の方が案内してくれます。申請書に必要事項を記入し、持参した書類を提出すれば手続きは完了です。窓口が混んでいなければ、10分から30分程度で終わることがほとんどです。もちろん、手続きに手数料はかかりません。
返却した運転免許証は形見として持っておける?
大切な方の運転免許証、手続きで完全に手放してしまうのは寂しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。返却した免許証を、思い出の品として手元に残しておく方法があります。
無効化処理をして返してもらえる
手続きの際に窓口の担当者へ「形見として持ち帰りたいのですが」と伝えてみてください。ほとんどの場合、免許証にパンチで穴を開けるなどの無効化処理をした上で、返却してもらえます。これにより、身分証明書としての機能は完全になくなりますが、大切な思い出の品として保管することができます。
保管する際の注意点
無効化された免許証であっても、お名前や生年月日などの大切な個人情報が記載されていることには変わりありません。万が一のことを考え、お仏壇に供える、鍵のかかる引き出しにしまうなど、ご家族が大切に保管することを心がけてくださいね。
運転免許証以外の相続後の手続き
ご家族が亡くなると、運転免許証以外にも本当に多くの手続きが必要になります。どれも大切な手続きで、期限が決められているものも多いので、ここで主なものを簡単にご紹介します。計画的に進めるための参考にしてください。
死亡直後に行う手続き
まず、亡くなられた直後から期限が迫る手続きがあります。葬儀の準備と並行して進めることが多く大変ですが、忘れないようにしましょう。
| 手続き名 | 期限の目安 |
| 死亡届・火葬許可申請 | 死亡を知った日から7日以内 |
| 年金受給停止手続き | 厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内 |
| 健康保険の資格喪失届 | 死亡日から14日以内 |
遺産相続に関する手続き
遺産相続に関する手続きは、より専門的で時間がかかるものが多いです。特に相続税の申告は期限を過ぎるとペナルティが発生する可能性があるので注意が必要です。
| 手続き名 | 期限の目安 |
| 相続放棄・限定承認 | 相続開始を知った日から3か月以内 |
| 所得税の準確定申告 | 相続開始を知った日の翌日から4か月以内 |
| 相続税の申告・納付 | 相続開始を知った日の翌日から10か月以内 |
その他の名義変更など
故人名義のさまざまな契約も、解約や名義変更が必要です。電気・ガス・水道などのライフライン、携帯電話、クレジットカード、銀行口座など、リストを作って一つずつ確認していくと漏れがなくなります。これらの手続きは、遺産分割協議が終わらないと進められないものもありますので、焦らず進めていきましょう。
まとめ
相続後の運転免許証の返却(失効)手続きは、法律上の義務ではありませんが、更新通知を止めたり、悪用のリスクを防いだりするために、行っておくと安心できる手続きです。手続きは最寄りの警察署などで簡単に行え、手数料もかかりません。また、大切な方の思い出として、無効化処理をしてもらった上で手元に残すこともできます。ご家族が亡くなられた後の手続きは本当に多くて大変ですが、一つひとつ落ち着いて進めていきましょう。この記事が、皆さまの不安を少しでも和らげるお役に立てれば嬉しいです。
参考文献
相続後の運転免許証返却手続きのよくある質問まとめ
Q.亡くなった人の運転免許証は返却が必要ですか?
A.はい、道路交通法に基づき、運転免許証を持っていた方が亡くなった場合、ご遺族などが速やかに返納することが定められています。
Q.運転免許証の返却はいつまでにすればいいですか?
A.法律上「速やかに」とされており明確な期限はありませんが、紛失や悪用を防ぐためにも、できるだけ早く手続きをすることをおすすめします。
Q.どこで手続きができますか?
A.亡くなった方の住所地を管轄する警察署の交通課窓口、または運転免許センターで手続きができます。
Q.手続きに必要なものは何ですか?
A.主に、亡くなった方の運転免許証、死亡の事実が確認できる書類(死亡診断書の写しなど)、手続きに行く方の本人確認書類が必要です。詳細は管轄の警察署にご確認ください。
Q.もし免許証が見つからない場合はどうすればいいですか?
A.免許証を紛失した場合でも、警察署や運転免許センターで「運転免許証返納届」を提出することで手続きが可能です。まずは窓口でご相談ください。
Q.免許証を返却しないとどうなりますか?
A.明確な罰則はありませんが、第三者による悪用や個人情報漏洩のリスクがあります。トラブルを避けるためにも、必ず返納手続きを行いましょう。