税理士法人プライムパートナーズ

日本産業分類ってなに?調べ方や補助金での活用法を分かりやすく解説

2026-03-18
目次

会社を経営していると、補助金の申請や税金の申告書類などで「日本産業分類(日本標準産業分類)」という言葉を目にすることがありますよね。自分の会社がどれに当てはまるのか、迷ってしまった経験はありませんか。この記事では、日本産業分類の基本的な仕組みから、正しい分類コードの探し方、そして事業再構築補助金や税制優遇での具体的な活用方法までを、初めての方にも分かりやすくお話ししていきます。

日本産業分類(日本標準産業分類)の基本的な仕組み

まずは、日本産業分類とはいったいどのようなものなのか、基本となるルールや作られた目的について一緒に見ていきましょう。国が定めた大切な基準ですので、仕組みを知っておくと様々な場面で役立ちますよ。

日本標準産業分類の定義と作られた目的

日本標準産業分類とは、モノやサービスを生産したり提供したりする事業所の経済活動を、種類ごとに分かりやすく分けた国の統計基準です。もともとは総務省が統計調査の結果を正確に表示するために作ったものですが、現在では補助金の申請や税制優遇の要件確認など、幅広い目的で使われています。自分の会社がどの業種に該当するのかを客観的に証明するための、大切なものさしと言えますね。

大分類から細分類まで4つの階層構造

この分類表は、事業の大きさに応じて4つの階層に分かれています。一番大きな枠組みである大分類はアルファベットで20種類に分けられており、そこから中分類、小分類、細分類と進むにつれて、事業の内容がより具体的に枝分かれしていきます。たとえば、野菜を育てる農業であれば、大分類は「A 農業、林業」、細分類までいくと「113 野菜作農業」というように、細かく指定される仕組みになっています。

階層の種類 具体的な内容と例
大分類(アルファベット1桁) 製造業、建設業、情報通信業など全20種類
中分類(数字2桁) 大分類をさらに分けたもの(例:01農業、02林業など)
小分類(数字3桁) 中分類を細分化したもの(例:011耕種農業など)
細分類(数字4桁) 最も細かい分類(例:0113野菜作農業など)

業種と事業という言葉の違い

補助金や制度の案内書類を読んでいると、「業種」や「事業」という言葉がよく出てきますよね。実は、日本産業分類のルールにおいて、この2つの言葉は明確に使い分けられています。業種とは、大分類で示される20種類の産業のことを指します。一方で事業とは、中分類、小分類、細分類で示される、より具体的な産業のことを指すのです。この違いを理解しておくと、申請書類を読むのがぐっと楽になりますよ。

自社の分類コードを正確に探す手順

分類の仕組みが分かったところで、次は実際に自分の会社の分類コードを探してみましょう。インターネットを使えば、誰でも簡単に正しいコードを見つけることができますよ。

政府統計の検索システムを活用する方法

分類コードを探すときは、政府が運営している「政府統計の総合窓口(e-Stat)」というサイトを活用するのが最も確実です。このサイトには便利な検索機能があり、たとえば検索窓に「米」と「水」という具体的なキーワードを入力するだけで、関連する分類項目が一覧で表示されます。検索結果には、その事業が含まれる具体的な事例や、逆に含まれない事例も詳しく書かれているので、迷わずに選ぶことができますよ。

複数の事業を行っている場合の判定方法

「うちは製造業と飲食業の両方をやっているけれど、どちらを選べばいいの?」と悩まれる経営者の方も多いですよね。このように複数の事業を行っている場合は、直近の決算期において売上高の構成比率が最も高い事業を、会社の「主たる事業(主たる業種)」として判定します。感覚で決めるのではなく、実際の売上金額という具体的な数字で判断することが大切です。

事業ごとの売上高(直近決算期) 主たる事業の判定結果
製造業が6,000万円、飲食業が4,000万円 売上高が最も高い「製造業」が主たる事業となる
建設業が3,000万円、不動産業が8,000万円 売上高が最も高い「不動産業」が主たる事業となる

事業再構築などの補助金申請での重要性

日本産業分類は、国の補助金をもらう際にも非常に重要な役割を果たします。ここでは、約1兆1,485億円の大規模な予算が組まれたことでも話題になった「事業再構築補助金」を例に、具体的な要件を見ていきましょう。

申請要件となる業種転換と事業転換

事業再構築補助金に申請するには、自社の取り組みがどの類型に当てはまるかを選ぶ必要があります。その中で、日本産業分類が直接関わってくるのが業種転換事業転換です。業種転換は、新しい製品を作って大分類の枠組み自体を変えるような大きな挑戦です。一方、事業転換は、大分類はそのままに、中分類や小分類などの事業の枠組みを変更する取り組みを指します。

事業再構築の類型 求められる具体的な条件
業種転換 新製品などを提供し、主たる業種(大分類)を変更すること
事業転換 主たる業種は変えず、主たる事業(中分類以下)を変更すること

売上高構成比率要件などの具体的な基準

補助金をもらうためには、「とりあえず新しいことを始めました」というだけでは認められません。事業計画の期間(3年から5年)が終了した時点で、新しく始めた事業の売上が、会社全体の売上の中で構成比率が最も高くなるという売上高構成比率要件をクリアする必要があります。たとえば、全体の売上が1億円になる計画なら、新しい事業の売上が5,000万円を超えてトップにならなければいけない、という具体的な目標を立てる必要があります。

税制優遇や資金調達における分類の役割

補助金だけでなく、税金を安くする制度や、銀行からお金を借りる際にも、日本産業分類はしっかりとチェックされています。どのような場面で使われているのかをご紹介しますね。

中小企業の法人税特例措置などへの影響

国は中小企業を応援するために、様々な税制優遇を用意しています。たとえば、資本金が1億円以下の法人であれば、年800万円以下の所得に対して法人税率が15%に軽減される特例などがあります。さらに、特定の設備を買ったときに税金が安くなる制度などでは、「日本産業分類の〇〇業に該当する会社」というように、対象となる業種が具体的に指定されていることが多くあります。業種の判断を間違えると、数十万円から数百万円の税金を損してしまうこともあるので注意が必要です。

税制優遇や支援制度の例 日本産業分類との関わり
中小企業向けの法人税の軽減措置 対象となる会社の規模や事業内容を業種ごとに判定する
設備投資に関する特別償却や税額控除 制度の対象となる特定の業種(製造業や情報通信業など)が指定されている

融資や各種支援制度での業種確認

金融機関からお金を借りる際や、信用保証協会の保証を受ける際にも、会社の事業内容を日本産業分類に当てはめて審査が行われます。とくに、新型コロナウイルス対策の特別融資などでは、「特定の業種に属し、売上高が前年同月比で5%以上減少していること」といった具体的な数字の要件が定められていました。正しい分類を把握しておくことは、スムーズな資金調達にもつながります。

産業分類を活用する上で気をつけたい注意点

最後に、日本産業分類を実際に活用するにあたって、間違いやすいポイントや気をつけていただきたい注意点をお伝えしますね。

最新の改定年度を確認する

日本産業分類は、時代に合わせて新しい職業が生まれたり、事業の形が変わったりするため、定期的に見直しが行われています。直近では、令和5年(2023年)7月に大きな改定が行われました。古い分類表を見て「自分の会社はこれだ」と思い込んでしまうと、申請書類の段階でエラーになってしまうことがあります。必ず最新の改定年度の分類表を使って確認するようにしてくださいね。

主たる業種と事業計画期間の整合性

補助金の事業計画書を作る際は、現在の主たる事業と、3年から5年後の事業計画終了時の主たる事業がどう変化するのかを、具体的な売上金額の予測をもとに説明しなければなりません。計画期間が終わった後に、新しい事業の売上が既存の事業の売上を上回らなければ、要件を満たしていないと判断されてしまいます。将来の売上目標(たとえば既存事業が4,000万円、新規事業が6,000万円など)をしっかりと数字で計算し、整合性のとれた計画を立てることが大切です。

まとめ

日本産業分類(日本標準産業分類)は、会社がどのような経済活動を行っているかを示す、とても大切な基準です。大分類から細分類までの4つの階層があり、政府統計のサイトを使えば誰でも簡単に正しいコードを調べることができます。複数の事業を行っている場合は、直近の決算期で最も売上高が高い事業を基準にするというルールも覚えておきましょう。事業再構築補助金のような1兆円を超える規模の支援策や、法人税の軽減税率などの優遇制度を賢く活用するためには、自社の正しい業種を把握することが第一歩となります。ぜひ最新の分類表をチェックして、今後の事業計画や申請手続きに役立ててくださいね。

参考文献

総務省:日本標準産業分類

政府統計の総合窓口(e-Stat):日本標準産業分類(令和5年[2023年]7月改定)

日本産業分類のよくある質問まとめ

Q.日本産業分類とは何ですか?

A.日本産業分類は、モノやサービスを生産・提供する事業所の経済活動を種類別に分けた国の統計基準です。

Q.大分類と中分類の違いは何ですか?

A.大分類は製造業や建設業など大きく20種類に分けたもので、中分類はそれをさらに細かく99種類に分けたものです。

Q.自分の会社の分類コードはどうやって調べますか?

A.政府統計の総合窓口(e-Stat)の分類検索システムで、事業内容のキーワードを入力することで調べられます。

Q.複数の事業を行っている場合、主たる事業はどう決めますか?

A.直近の決算期において、売上高の構成比率が最も高い事業を主たる事業として判定します。

Q.補助金の業種転換とはどのような意味ですか?

A.新しい製品やサービスを提供することで、日本産業分類における大分類(主たる業種)を変更することを指します。

Q.最新の日本標準産業分類はいつ改定されましたか?

A.直近では令和5年(2023年)7月に改定されており、最新の分類表に基づいて確認する必要があります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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