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普通借地権と定期借地権、権利金や地代はどう違う?金額の差を徹底解説!

2025-10-02
目次

土地を貸すとき、気になるのが「権利金」や「地代」のことですよね。特に「普通借地権」と「定期借地権」では、これらのお金の考え方が大きく異なります。この記事では、それぞれの違いや具体的な金額の目安を、わかりやすく解説していきます。土地活用を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

そもそも普通借地権と定期借地権って何が違うの?

まず、権利金や地代の話をする前に、2つの借地権の基本的な違いをおさらいしましょう。この違いが、権利金や地代の金額に大きく影響してくるんですよ。

契約更新の有無が最大の違い

一番大きな違いは、契約の更新があるかないかです。普通借地権は、借主さんが希望すれば原則として契約が更新されます。地主さん側から更新を断るには「正当事由」が必要で、これが認められるのは非常に難しいんです。そのため、一度貸すと半永久的に土地が戻ってこない可能性もあります。一方、定期借地権は契約期間が決まっていて、期間が満了すれば更新されることなく、必ず土地が地主さんの元へ戻ってきます

契約期間の違い

契約期間にも違いがあります。普通借地権は最初の契約期間が30年以上、1回目の更新で20年以上、2回目以降は10年以上と定められています。一方、定期借地権にはいくつか種類があり、目的によって期間が異なります。

種類 契約期間
一般定期借地権 50年以上
事業用定期借地権等 10年以上50年未満
建物譲渡特約付借地権 30年以上

地主さんと借主さんの権利の強さ

契約更新の有無からもわかるように、権利の強さが全く異なります。普通借地権は借主さんの権利が非常に強く保護されています。そのため、地主さんにとっては自由度が低い契約と言えるでしょう。対して定期借地権は、契約で定めた期間が来れば確実に土地が返還されるため、地主さんにとっては計画的な土地活用がしやすい契約と言えますね。

権利金は普通借地権と定期借地権でどう変わる?

それでは、本題の権利金について見ていきましょう。権利金は、借地権を設定する対価として、契約時に借主さんから地主さんへ支払われる一時金のことです。この権利金の有無や金額が、2つの借地権で大きく異なります。

普通借地権では高額な権利金が一般的

普通借地権では、権利金を授受するのが一般的です。なぜなら、先ほどお伝えしたように、地主さんは半永久的に土地が戻ってこない可能性のある、非常に強い権利を借主さんに与えることになるからです。その対価として、高額な権利金を受け取るわけですね。
権利金の相場は、土地の更地価格に国税庁が定める「借地権割合」を掛けた金額が目安になります。例えば、更地価格が5,000万円で借地権割合が60%の地域なら、権利金は3,000万円(5,000万円 × 60%)が相場となります。借地権割合は地域によって異なり、30%~90%と幅があります。

定期借地権では権利金がないケースが多い

一方、定期借地権では、権利金の授受がない、もしくはあっても少額なケースがほとんどです。これは、契約期間が終われば必ず土地が返ってくるため、普通借地権ほど強い権利を与えるわけではないからです。地主さんにとってのリスクが少ない分、高額な対価(権利金)は必要ない、という考え方ですね。
ただし、権利金の代わりに「保証金」を預かるのが一般的です。保証金は、地代の滞納や契約終了時に土地を更地に戻す費用などを担保するためのお金で、契約終了時には原則として借主さんに返還されます。権利金のように地主さんの収入になるわけではない、という点が大きな違いです。保証金の相場は、事業用定期借地権の場合、更地価格の10%~20%程度や、地代の数ヶ月~数年分など、契約内容によって様々です。

権利金の有無と税金の関係(認定課税)

もし、権利金を受け取る慣習がある地域で、親族間での貸し借りなどを理由に普通借地権を設定して権利金を受け取らなかった場合、どうなるでしょうか。この場合、税務署から「権利金相当額の贈与があった」とみなされ、地主さんや借主さんに思わぬ税金(所得税や贈与税)がかかる「認定課税」という問題が発生することがあります。権利金のやり取りは、税金にも大きく影響するので注意が必要ですね。

地代(借地料)の金額も大きく違う

権利金だけでなく、毎月支払う地代(借地料)の考え方も、普通借地権と定期借地権では異なります。どちらか一方が高ければ、もう一方は安くなる、というバランスで考えられています。

普通借地権の地代は比較的安め

普通借地権では、契約時に高額な権利金を支払うため、毎月の地代は比較的安く設定される傾向にあります。一般的に、年間の地代は土地の固定資産税・都市計画税の3倍~5倍程度が目安とされています。また、公租公課(固定資産税など)の変動や近隣の地代相場を参考に、数年ごとに改定されるのが一般的です。

定期借地権の地代は高めに設定される

定期借地権では、権利金がない、または少額である代わりに、毎月の地代は普通借地権よりも高めに設定されます。地主さんは権利金というまとまった収入を得られない分、毎月の地代で収益を確保する必要があるからです。
特に事業用定期借地権などでは、税務上の観点から「相当の地代」という考え方が用いられることがあります。これは、年間の地代を更地価格の6%程度とするものです。例えば、更地価格1億円の土地であれば、年間の地代は600万円(月額50万円)となります。この「相当の地代」を受け取っていれば、権利金を受け取らなくても税務署から認定課税をされる心配がありません。

普通借地権と定期借地権の比較まとめ

ここまでのお話を、表で整理してみましょう。

項目 普通借地権
権利金 高額なのが一般的(更地価格×借地権割合が目安)
保証金 授受は少ない
地代(年間) 比較的安い(固定資産税等の3~5倍程度)
項目 定期借地権
権利金 なし、または少額なのが一般的
保証金 授受するのが一般的(返還義務あり)
地代(年間) 比較的高額(更地価格の2~6%程度が目安)

結局どちらを選べばいいの?地主さん・借主さんそれぞれの視点

では、地主さん、借主さんそれぞれの立場から見ると、どちらの借地権にメリットがあるのでしょうか。

地主さん側のメリット・デメリット

地主さんにとっては、計画的な土地活用がしやすい定期借地権のほうがメリットが大きいと言えるでしょう。契約期間満了後には必ず土地が戻ってくるため、「将来は自分で使いたい」「別の活用法を考えたい」といった希望も叶えられます。また、地代も比較的高く設定できるため、安定した収益が見込めます。
一方、普通借地権は一度貸すと土地の自由度が著しく制限されるため、長期的な計画が立てにくいというデメリットがあります。ただし、契約時にまとまった権利金収入が得られる点はメリットと言えるかもしれません。

借主さん側のメリット・デメリット

借主さんにとっては、長期間安定して土地を借り続けられる普通借地権にメリットがあります。正当事由なく立ち退きを求められることがないため、安心して自宅を建てたり、事業を続けたりすることができます。地代が比較的安い点も魅力です。ただし、初期費用として高額な権利金が必要になる点が大きな負担となります。
一方、定期借地権は、権利金が不要なため初期費用を抑えられるメリットがあります。しかし、契約期間が決まっているため、永続的にその土地を使い続けることはできません。特に居住用の場合は、契約終了後の住まいの問題も考えておく必要があります。

借地権に関する注意点

最後に、借地権を設定する際の注意点をいくつかご紹介します。

契約書の内容をしっかり確認する

特に定期借地権は、「更新しない」「建物の買取請求をしない」といった特約を定める必要があり、契約の形式も公正証書が求められる場合があります(事業用定期借地権など)。契約書は専門家に確認してもらい、内容を十分に理解した上で契約することが大切です。

相続時の評価が変わることも知っておこう

借地権が設定されている土地は、相続税を計算するときの評価額が変わります。地主さん側の土地(底地)は、更地に比べて評価額が低くなります。逆に借主さん側の権利(借地権)は相続財産として評価されます。将来の相続も見据えて、借地権の種類が評価額にどう影響するのかを知っておくことも重要です。

まとめ

今回は、普通借地権と定期借地権における権利金と地代の違いについて解説しました。普通借地権は「権利金は高いが地代は安い」、定期借地権は「権利金はない(か少額)が地代は高い」という関係性にあることがお分かりいただけたかと思います。この違いは、契約の更新の有無という根本的な性質の違いから生まれています。土地を貸す側も借りる側も、それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解し、ご自身の目的や将来設計に合った契約を選ぶことが何よりも大切です。もし不明な点があれば、不動産や税金の専門家に相談することをおすすめします。

参考文献

国税庁 No.3111 土地を貸し付けて権利金などをもらったとき

国税庁 No.4611 借地権の評価

国税庁 No.5730 権利金の認定課税について

国税庁 No.5732 相当の地代及び相当の地代の改訂

普通借地権と定期借地権の権利金・地代に関するよくある質問まとめ

Q.普通借地権と定期借地権の最も大きな違いは何ですか?

A.最も大きな違いは「契約の更新があるかないか」です。普通借地権は正当な事由がない限り更新されますが、定期借地権は契約期間満了で必ず土地を更地にして返還する必要があります。

Q.普通借地権と定期借地権で、権利金の金額は変わりますか?

A.はい、変わるのが一般的です。半永久的に土地を借りられる普通借地権に比べ、契約期間が決まっている定期借地権の方が権利金は安くなる傾向があります。ケースによっては権利金なしの場合もあります。

Q.地代の金額は、普通借地権と定期借地権で違いますか?

A.はい、異なる傾向があります。定期借地権は権利金が安い、もしくは無い分、月々の地代が普通借地権よりも高く設定されることが一般的です。

Q.なぜ定期借地権は権利金が安く、地代が高いのですか?

A.地主側の視点では、将来的に土地が必ず返還されるため、権利金を低く設定して借り手を集めやすくなります。その代わり、月々の地代で安定した収益を確保するため、地代は高めの設定になる傾向があります。

Q.権利金の一般的な相場はどのくらいですか?

A.地域や慣習によりますが、一般的に普通借地権の権利金は更地価格の60%~70%程度が目安とされます。一方、定期借地権はそれよりも低く設定されるか、保証金という形で預かるケースが多いです。

Q.借主にとって、どちらの借地権を選ぶべきですか?

A.ライフプランによります。長期間にわたり安定して住み続けたい場合は普通借地権、初期費用を抑えて一定期間だけ住みたい場合は定期借地権が向いています。それぞれのメリット・デメリットを理解して選ぶことが重要です。

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