税理士法人プライムパートナーズ

源泉徴収票のサイズはA5|A6から変わった理由とA4印刷の可否

2025-03-20
目次

年末調整の時期になると、会社から渡される「給与所得の源泉徴収票」。「A4用紙を4つに切ったような小さい紙」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。ところが、現在の源泉徴収票の用紙サイズはA5(A4の半分)で、かつてのA6(A4の4分の1)から一回り大きくなっています。この記事では、源泉徴収票のサイズがどう決まっているのか、なぜA6からA5へ変わったのか、そして「A4に印刷してもいいの?」「コピーでもいいの?」といった実務的な疑問まで、わかりやすくご説明しますね。

源泉徴収票の用紙サイズは?現在はA5、以前はA6

結論からお伝えすると、源泉徴収票の大きさは会社が自由に決めているわけではなく、法律で様式そのものが定められていることに由来します。そして現在使われている様式は、A5サイズ(148mm × 210mm)です。決して、会社が経費削減のために紙を小さく切っているわけではないんですね。

紙のサイズ早見表(A4・A5・A6)

まずは、混同しやすい3つのサイズを整理しておきましょう。

サイズ 寸法 A4との関係 源泉徴収票との関係
A4 210mm × 297mm 基準となる大きさ 国税庁の様式が配布される用紙
A5 148mm × 210mm A4の2分の1 現在(平成28年分以降)の様式
A6 105mm × 148mm A4の4分の1 平成27年分以前の様式

様式は「所得税法施行規則」で定められている

源泉徴収票の様式は、「所得税法施行規則」という法律のルールの中で、別表第六(一)という箇所に細かく定められています。記載しなければならない項目や欄の並びまで決まっているため、会社が独自のレイアウトで作ることは基本的にできません。私たちが受け取る源泉徴収票がどの会社のものでもよく似ているのは、このためなんですね。

平成27年分まではA6サイズだった

かつての源泉徴収票は、A4用紙をちょうど4分割したA6サイズ(105mm × 148mm)でした。「源泉徴収票は小さい紙」「細長い紙」というイメージは、この時代のものです。手書きで書類を作成していた時代に、大量の書類を効率よく作成・保管・管理するには、このコンパクトなサイズが適していたという歴史的な経緯があったのでしょう。

なぜA6からA5に大きくなったのか

サイズが変わったのは、平成28年分の源泉徴収票からです。マイナンバー(個人番号)の記載欄が新たに設けられたほか、16歳未満の扶養親族の氏名を書く欄が広がるなど、記載事項が大幅に増えたためです。限られたA6の紙面では収まりきらなくなり、面積が2倍のA5へと拡大されたというわけですね。なお、マイナンバーは税務署へ提出する分には記載しますが、従業員本人へ交付する分には記載しない取扱いになっています。

A4に印刷したりコピーしたりしても大丈夫?

「手元にあるのがA4に印刷されたものだけれど、これで問題ないの?」というご質問はとても多いです。ここを整理しておきましょう。

そもそも国税庁の様式はA4用紙で配布されている

国税庁が配布している給与所得の源泉徴収票の様式には、「様式はA4用紙1枚に税務署提出用及び受給者交付用の各1枚が印刷されますので、裁断の上ご利用ください」という注意書きが付いています。つまり、A4用紙に印刷してから裁断してA5にするという使い方が、もともと前提になっているのです。A4用紙1枚に2枚分が並ぶ、という点からも、1枚あたりがA5サイズであることがわかりますね。

大切なのはサイズより「記載事項がそろっているか」

給与計算ソフトからA4用紙のまま1枚ずつ印刷されたり、PDFで交付されたものをご自身でA4に印刷したりするケースも一般的です。実務上は、用紙の大きさそのものよりも、様式で定められた記載事項がもれなく印字されているかのほうが重要になります。とはいえ、金融機関や役所など提出先によっては原本を求められることもありますので、提出先の指定がある場合はそちらに従ってくださいね。判断に迷うときは、所轄の税務署か税理士にご確認ください。

確定申告では源泉徴収票の添付そのものが不要

意外と知られていないのですが、平成31年4月1日以後に提出する確定申告書からは、給与所得の源泉徴収票の添付・提示が不要になりました。そのため「コピーでいいのか、原本が必要なのか」で悩む場面自体が減っています。ただし、申告書を作成するときには記載内容を書き写す必要がありますので、手元には必ず保管しておきましょう。

源泉徴収票と給与支払報告書は何が違うの?

会社は、年末調整が終わると、従業員一人ひとりについて書類を作成します。この書類は、渡される私たちだけでなく、税金を計算する行政機関にも提出されています。どこに、どの書類が提出されているのかを知ると、仕組みがよくわかりますよ。

誰に、どの書類を提出している?

会社が作成する書類は、基本的に以下の3つの宛先に提出されます。内容はほとんど同じですが、提出先によって書類の名称が変わります。

提出先 書類の名称
従業員本人 給与所得の源泉徴収票
税務署 給与所得の源泉徴収票
市区町村 給与支払報告書(個人別明細書)

このように、同じ情報が国の機関(税務署)と地方の機関(市区町村)の両方に共有されることで、所得税と住民税が正しく計算される仕組みになっているんですね。市区町村へ提出する「給与支払報告書(個人別明細書)」も、地方税法のルールによって源泉徴収票とほぼ同じ様式・同じ大きさと定められています。ちなみに、以前は市区町村へ2枚提出する必要がありましたが、令和5年提出分からは1枚に変更されています。

税務署への提出は全員分ではない

会社は、すべての従業員の源泉徴収票を税務署に提出しているわけではありません。税務署へ提出する義務があるのは、年間の給与支払額が一定の金額を超える場合など、所得税法で定められた範囲に限られています。具体的には、以下のケースが該当します。

対象者 年間の給与等支払額
法人の役員 150万円を超える
弁護士、税理士などへの報酬 250万円を超える
上記以外の一般の従業員 500万円を超える
年末調整をしなかった法人役員・乙欄適用者 50万円を超える
年末調整をしなかった従業員(中途退職者など) 250万円を超える

なお、この提出範囲は今後大きく変わります。令和9年1月1日以後は、同一人に対するその年中の給与等の支払金額が30万円以下であるものを除き、原則としてすべての源泉徴収票を税務署へ提出することとされていますので、経理のご担当者の方は早めに準備しておくと安心です。

市区町村へは原則全員分を提出

税務署とは対照的に、市区町村へ提出する「給与支払報告書」は、原則として給与を支払ったすべての従業員(年の途中で退職した人も含む)の分を提出する必要があります。たとえ給与の支払額が少なくても提出しなければなりません。なぜなら、この給与支払報告書が、翌年度の住民税を計算するための最も重要な基礎資料になるからです。私たちが確定申告をしなくても住民税の通知が届くのは、会社がこの書類を市区町村に提出してくれているおかげなのです。

小さな1枚に凝縮された重要な情報

あの1枚の紙には、私たちの1年間の収入と税金の情報がぎゅっと詰まっています。特に重要な4つの項目を見てみましょう。

支払金額

いわゆる「年収」にあたる部分です。1月1日から12月31日までの1年間に、会社から支払われた給与や賞与などの合計額が記載されています。税金や社会保険料が引かれる前の、総支給額となります。

給与所得控除後の金額

「支払金額」から「給与所得控除額」を差し引いた金額です。給与所得控除は、会社員にとっての必要経費のようなもので、収入額に応じて自動的に計算されます。この金額が、税金を計算する上でのスタートラインになります。

所得控除の額の合計額

社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除など、個人の状況に応じて適用されるさまざまな所得控除の合計額です。この金額が大きいほど、税金の負担は軽くなります。

源泉徴収税額

その1年間にあなたが納めた所得税(+復興特別所得税)の合計金額のことです。

ペーパーレス化の波と源泉徴収票の未来

これまで紙で受け取ることが当たり前だった源泉徴収票ですが、近年はペーパーレス化、つまり電子化が急速に進んでいます。紙のサイズを気にすることも、だんだんと少なくなっていくかもしれません。

電子交付(PDFなど)が当たり前に

実は2007年(平成19年)から、従業員の同意があれば、源泉徴収票を紙ではなく電子データで交付することが認められています。メールにPDFファイルを添付したり、社内システムからダウンロードしたりする方法が一般的です。電子交付には、以下のようなメリットがあります。

  • 紙の書類を保管する必要がない
  • 紛失のリスクがない
  • いつでもデータを確認できる
  • 印刷や郵送のコストを削減できる

e-Taxでの確定申告がもっと便利に

電子化のメリットは、確定申告の際にも発揮されます。マイナポータルと連携したり、会社からXML形式のデータで源泉徴収票を受け取ったりすることで、e-Tax(国税電子申告・納税システム)での申告時に、源泉徴収票の内容が自動で入力されるようになりました。これにより、面倒な手入力の手間や入力ミスがなくなり、確定申告が格段に楽になります。こうした流れが加速すれば、「源泉徴収票の紙のサイズ」という話題自体が、過去のものになる日も近いかもしれませんね。

まとめ

今回は、「源泉徴収票の紙のサイズはどう決まっているの?」という素朴な疑問について深掘りしてみました。最後にポイントをまとめておきましょう。

  • 源泉徴収票の様式は「所得税法施行規則」別表第六(一)で定められており、会社が自由に決めているわけではない。
  • 現在(平成28年分以降)の用紙サイズはA5(A4の半分)。平成27年分以前はA6(A4の4分の1)だった。
  • 大きくなった理由は、マイナンバー記載欄の新設など記載事項が増えたため。
  • 国税庁の様式はA4用紙に2枚分が印刷され、裁断して使う前提。実務ではサイズより記載事項がそろっているかが大切。
  • 税務署への提出は年収500万円超など条件があるが、市区町村へは原則全員分を提出する義務がある。令和9年1月1日以後は税務署への提出範囲も大きく広がる。

小さな紙切れに見える源泉徴収票ですが、実は法律に基づいて作られ、私たちの税金の計算に欠かせない、とても重要な書類です。用紙サイズや提出範囲のルールは改正が続いていますので、会社としての対応や、ご自身の確定申告で迷うことがあれば、まずは税理士にご相談ください。状況をうかがったうえで、実務に沿った進め方をご案内いたします。

参考文献

国税庁:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)
国税庁:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等
国税庁:国税関係手続が簡素化されました

源泉徴収票のよくある質問まとめ

Q.源泉徴収票の用紙サイズは何ですか?

A.現在(平成28年分以降)はA5サイズ(148mm×210mm)で、A4用紙のちょうど半分の大きさです。平成27年分以前はA6サイズ(A4の4分の1)でした。

Q.源泉徴収票がA6からA5に大きくなったのはなぜですか?

A.平成28年分からマイナンバーの記載欄が新設され、16歳未満の扶養親族の氏名欄なども広がって記載事項が増えたためです。A6の紙面では収まらなくなり、面積が2倍のA5に拡大されました。

Q.源泉徴収票をA4用紙に印刷しても問題ありませんか?

A.国税庁の様式自体がA4用紙1枚に2枚分印刷され、裁断して使う前提で配布されています。給与計算ソフトからA4のまま出力されることも一般的で、実務上は用紙の大きさよりも様式で定められた記載事項がもれなく印字されているかが重要です。提出先から原本の指定がある場合はそれに従ってください。

Q.確定申告に源泉徴収票の添付は必要ですか?

A.平成31年4月1日以後に提出する確定申告書からは、給与所得の源泉徴収票の添付・提示は不要です。ただし申告書の作成には内容が必要ですので、手元に保管しておいてください。

Q.退職したのですが、源泉徴収票はもらえますか?

A.はい、会社(給与の支払者)は、退職した人に対して、退職後1か月以内に源泉徴収票を交付する義務があります。転職先の年末調整やご自身の確定申告で必要になりますので、必ず受け取ってください。

Q.源泉徴収票は紙ではなくデータで受け取ることはできますか?

A.はい、従業員本人の同意があれば、会社はPDFなどの電子データで交付することが法律で認められています。これを電子交付といいます。

Q.源泉徴収票をなくしてしまったらどうすればいいですか?

A.勤務先に依頼すれば再発行してもらえます。源泉徴収票の発行は会社の義務ですので、経理や人事の担当部署に遠慮なく相談してください。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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