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相続した株を売却!税金はいくら?年金や扶養への影響も解説

2024-11-29
目次

親などから相続した大切な株式。いざ売却するとなると、「税金はどれくらいかかるの?」「確定申告は必要?」「年金や社会保険に影響はないかな?」など、たくさんの疑問が浮かびますよね。知らずに手続きを進めてしまうと、思わぬ負担増につながることも。この記事では、相続した株を売却した際の税金と、年金や社会保険への影響について、わかりやすく解説していきます。

相続した株の売却にかかる税金

まずはじめに、相続した株を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して税金がかかります。これは、財産を相続したときにかかる相続税とは別の税金です。売却によって得た利益は、あなたの所得として課税の対象になる、ということを覚えておきましょう。

どんな税金がかかるの?

株式を売却して得た利益は「譲渡所得」と呼ばれ、「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3つの税金がかかります。税率は合計で20.315%です。利益が100万円だった場合、約20万円が税金として引かれる計算になりますね。

税金の種類 税率
所得税 15%
復興特別所得税 0.315% (所得税額の2.1%)
住民税 5%
合計 20.315%

税金の計算方法

税金の計算の基になる譲渡所得は、以下の式で計算します。

譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)

それぞれの項目を簡単に見ていきましょう。

  • 売却価格:株を売って実際に得た金額です。
  • 取得費:ここが相続した株のポイントです。取得費は、亡くなった方(被相続人)がその株を購入したときの価格を引き継ぎます。昔のことで購入価格がわからない場合は、売却価格の5%を「概算取得費」として計算することもできます。
  • 譲渡費用:株を売却するために直接かかった費用のことです。例えば、証券会社に支払った売買手数料などがこれにあたります。

節税に役立つ特例

相続した株を売却する場合、ぜひ知っておきたいのが「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」です。これは、支払った相続税の一部を、株の取得費に上乗せできるという制度です。取得費が増えることで、計算上の利益(譲渡所得)が少なくなり、結果として税金を抑えることができます。

この特例を使うためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. その株を相続したことにより、相続税を支払っていること
  2. 相続が開始された日の翌日から、3年10ヶ月以内にその株を売却していること。

相続税を支払った方は、この特例が使えないか必ず確認しましょう。

株の売却益と確定申告

相続した株を売却して利益が出た場合、原則として確定申告が必要になります。ただし、利用している証券口座の種類によっては、手続きが少し異なります。

確定申告は必要?不要?

確定申告の必要性は、お持ちの証券口座の種類によって変わります。

口座の種類 確定申告の要否
特定口座(源泉徴収あり) 原則として不要です。利益が出ると証券会社が自動で税金を計算し、差し引いてくれるためです。ただし、「取得費の特例」を使いたい場合や、他の口座での損失と相殺したい場合は、確定申告をする必要があります。
特定口座(源泉徴収なし)
一般口座
ご自身で利益を計算して、確定申告をする必要があります。

「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでいても、節税の特例を使うためには確定申告が必要になる、という点を覚えておいてくださいね。

確定申告の方法と期限

確定申告は、株を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。申告方法は、インターネットで完結する「e-Tax」が便利ですが、税務署の窓口に直接提出したり、郵送したりすることも可能です。

扶養に入っている場合の注意点

もしあなたが配偶者やお子さんなどの扶養に入っている場合、株の売却には特に注意が必要です。売却益によっては、扶養から外れてしまう可能性があります。

税法上の扶養から外れる可能性

税法上の扶養の判定には「合計所得金額」が使われます。株の売却益は、この合計所得金額に含まれます。合計所得金額が48万円を超えてしまうと、扶養控除の対象から外れてしまいます。その結果、扶養している方(世帯主など)の所得税や住民税が増えてしまう可能性があるのです。

ただし、前述の「特定口座(源泉徴収あり)」で利益が出て、確定申告をしない(申告不要制度を選択する)場合は、この合計所得金額には含まれません。そのため、扶養の判定に影響を与えずに済みます。特例を使いたくて確定申告をするか、扶養内に収まるように申告不要を選ぶか、慎重な判断が必要です。

配偶者控除・配偶者特別控除への影響

配偶者の扶養に入っている場合も考え方は同じです。合計所得金額が48万円を超えると配偶者控除は受けられなくなります。ただし、所得が48万円を超えても133万円以下であれば、所得金額に応じて配偶者特別控除が受けられます。それでも、控除額が減ることで世帯全体の手取りが減ってしまう可能性がありますので、注意しましょう。

社会保険(健康保険・年金)への影響

株の売却益は、税金だけでなく社会保険料にも影響することがあります。これも加入している健康保険制度によって扱いが異なります。

会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)の場合

会社員やその扶養家族が加入する健康保険の場合、影響は限定的です。

  • 被保険者(本人)の場合:健康保険料は毎月の給与(標準報酬月額)を基に計算されるため、株の売却益を申告しても、ご自身の健康保険料に影響はありません
  • 被扶養者の場合:社会保険の扶養の基準は、一般的に年間収入130万円未満(60歳以上などは180万円未満)です。株の売却のような一時的な収入を扶養判定の収入に含めるかどうかは、加入している健康保険組合によって判断が異なります。多くの組合では一時的な収入は含めない傾向にありますが、必ずご自身の健康保険組合に確認することをおすすめします。

国民健康保険の場合

自営業者や退職された方などが加入する国民健康保険は注意が必要です。国民健康保険料は、前年の所得を基に計算されます。そのため、株の売却益を確定申告すると、その所得が保険料の計算に含まれ、翌年の国民健康保険料が上がってしまう可能性があります。国民健康保険には扶養という考え方がなく、世帯全体の所得で保険料が決まるため、世帯の保険料負担が増えることになります。

後期高齢者医療制度の場合

75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度も、国民健康保険と考え方は同じです。株の売却益を確定申告すると、その所得が保険料計算の基になるため、翌年の保険料が増加する可能性があります。さらに、所得が増えることで、病院の窓口で支払う医療費の自己負担割合が1割から2割や3割に上がってしまうケースもありますので、十分に注意が必要です。

公的年金(国民年金・厚生年金)への影響は?

「株で利益が出たら、将来もらえる年金が減るのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。株の売却益によって、将来受け取る老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給額そのものが減ることはありません。年金の受給額は、これまでの保険料の納付期間や現役時代の収入によって決まるからです。株の売却益は、年金の受給額には直接影響しないと覚えておきましょう。

まとめ

相続した株の売却は、単純に利益が出て嬉しい、というだけではなく、税金や社会保険など、様々なことへの影響を考える必要があります。最後にポイントをまとめます。

  • 株の売却益には、約20%の税金がかかります。
  • 相続税を支払った方は、「取得費の特例」を使うことで節税できる可能性があります。
  • 「特定口座(源泉徴収あり)」なら確定申告は原則不要ですが、特例を使うには申告が必要です。
  • 確定申告をすると、その所得によって扶養から外れたり、国民健康保険料が上がったりすることがあります。
  • 手続きを進める前に、税金の還付額と、社会保険料などの負担増を比較して、どちらがご自身にとって有利かをシミュレーションすることが大切です。

少し複雑に感じるかもしれませんが、仕組みを理解すれば、ご自身に合った最適な方法を選ぶことができます。もし判断に迷う場合は、税務署や税理士などの専門家に相談してみるのも良いでしょう。

参考文献

国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)

国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した株の売却|税金と年金に関するよくある質問まとめ

Q.相続した株を売却したら、どんな税金がかかりますか?

A.株式の売却益(譲渡所得)に対し、所得税・復興特別所得税(15.315%)と住民税(5%)の合計20.315%の税金がかかります。譲渡所得は「売却価格 – (取得費 + 売却手数料)」で計算します。

Q.相続した株の「取得費」はいくらになりますか?

A.相続により取得した株式の取得費は、相続時点の時価(=相続税評価額)が取得費となります。

Q.相続税を支払った場合、株の売却にかかる税金を安くできますか?

A.はい、「取得費加算の特例」が使えます。相続税の申告期限から3年以内に株を売却すると、支払った相続税の一部を取得費に加算でき、売却益が減るため税金を抑えられます。

Q.株を売却して利益が出たら、確定申告は必要ですか?

A.原則として確定申告が必要です。ただし、「源泉徴収ありの特定口座」で取引した場合、金融機関が納税を代行してくれるため確定申告は不要です。特例を使う場合などは申告が必要になります。

Q.株の売却益は、配偶者の扶養や社会保険に影響しますか?

A.影響する可能性があります。合計所得金額が一定額を超えると、税法上の扶養から外れることがあります。また、健康保険の扶養の基準(年間収入130万円など)を超える場合もあるため、ご加入の健康保険組合にご確認ください。

Q.株の売却益で、将来もらえる公的年金の額は減りますか?

A.いいえ、株の売却益(譲渡所得)によって、国民年金や厚生年金の受給額そのものが減ることはありません。ただし、所得が増えることで国民健康保険料や介護保険料などが高くなる可能性はあります。

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