ご家族が亡くなられて相続が発生し、相続税の申告を準備している中で「申告書にマイナンバーって書くの?」「一体、誰の番号が必要なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。マイナンバーは大切な個人情報なので、取り扱いには特に注意が必要ですよね。この記事では、相続税申告で必要なマイナンバーについて、誰の番号を、どこに、どのように書けばいいのか、そしてマイナンバーカードがない場合の対処法まで、わかりやすく解説していきます。
相続税申告にマイナンバーはなぜ必要?
2016年から始まったマイナンバー制度により、税金の申告手続きにもマイナンバーの記載が義務付けられました。これは、行政が手続きを効率化し、公平な課税を実現するためのものです。相続税申告書にマイナンバーを記載することで、税務署は相続人の情報を正確に把握し、相続財産や過去の贈与などを確認しやすくなります。法律で定められた義務ですので、正しく記載して提出しましょう。
記載が必要なのは「相続人全員」のマイナンバー
相続税申告書に記載が必要なのは、亡くなった方(被相続人)のマイナンバーではなく、財産を相続する「相続人全員」のマイナンバーです。被相続人のマイナンバーは死亡届が提出されると失効するため、申告書に記載する必要はありません。相続人が複数いる場合は、一つの申告書に全員分のマイナンバーを記入する必要がありますので、お互いに協力して準備を進めることが大切です。
準確定申告でも相続人のマイナンバーが必要
亡くなった方の所得税の申告(準確定申告)を行う場合も、相続税申告と同様に、手続きを行う相続人のマイナンバーの記載が必要です。ここでも、亡くなった方のマイナンバーは不要です。準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行う必要があるので、忘れないようにしましょう。
マイナンバーを記載しないとどうなる?
国税庁は、マイナンバーの記載がない場合でも申告書を受理するとしていますが、記載は法律上の義務とされています。記載がないと、後日税務署から確認の連絡が来ることがあります。手続きをスムーズに進めるためにも、正確にマイナンバーを記載して提出することが大切です。ちなみに、税務職員が電話で直接マイナンバーを聞き出すことは絶対にありませんので、不審な電話には十分注意してくださいね。
相続税申告書へのマイナンバーの記入方法
実際に相続税申告書にマイナンバーを記入する方法はとても簡単です。申告書のどこに書けばよいのか、具体的な場所と書き方のポイントを確認していきましょう。
申告書第1表に記入する
マイナンバーは、「相続税の申告書(第1表)」に記入します。財産を取得した人(相続人)の氏名や住所を記入する欄の下に、12桁の個人番号を記入する欄があります。相続人ごとに記入欄が設けられていますので、それぞれの欄にご自身のマイナンバーを正確に記入してください。
書き方のポイントと注意点
マイナンバーを記入する際は、マス目の一番右から詰めて記入し、左側の空いたマスは空欄のままにしておきます。もし書き間違えてしまった場合は、二重線で訂正すれば問題ありません。訂正印は不要です。また、申告書の控えにはマイナンバーを記載する必要はありません。他の相続人の個人情報保護のため、控えの作成や保管には十分注意しましょう。
マイナンバーの確認方法と本人確認書類
相続税申告書を提出する際には、記載したマイナンバーが正しいものであることを証明するための本人確認が必要です。マイナンバーカードを持っている場合と持っていない場合で、用意する書類が異なりますので、ご自身の状況に合わせて準備しましょう。
自分のマイナンバーを確認する方法
ご自身のマイナンバーがわからなくなってしまった場合、以下の書類で確認できます。
| 確認書類 | 説 明 |
| マイナンバーカード | カードの裏面に12桁の個人番号が記載されています。 |
| 通知カード(※) | 緑色の紙製のカードで、マイナンバーが記載されています。 |
| 住民票の写し | 市区町村の役所で「マイナンバー記載あり」で請求すると取得できます。 |
※通知カードは2020年5月25日に廃止されたため、新規発行や再発行はできません。お手元の通知カードの記載情報(氏名・住所など)が現在の住民票と一致している場合のみ、番号確認書類として利用できます。
マイナンバーカードを持っている場合の提出書類
マイナンバーカードをお持ちの場合、本人確認はとてもスムーズです。マイナンバーカードの表面(顔写真側)と裏面(個人番号側)の両面のコピーを申告書に添付します。これ1枚で「番号確認」と「身元確認」の両方が完了するのでとても便利です。
マイナンバーカードを持っていない場合の提出書類
マイナンバーカードがない場合は、以下の2種類の書類を組み合わせて本人確認を行います。
| 番号確認書類(いずれか1点のコピー) | 通知カード または マイナンバーが記載された住民票の写し |
| 身元確認書類(いずれか1点のコピー) | 運転免許証 パスポート 公的医療保険の被保険者証 など |
このように、マイナンバーカードがないと2種類の書類を用意する必要があるため、少し手間がかかります。今後の手続きのためにも、この機会にマイナンバーカードの取得を検討してみるのも良いかもしれません。
電子申告(e-Tax)なら添付書類が不要に
相続税の申告は、国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用してオンラインで行うこともできます。e-Taxを利用する一番のメリットは、なんといっても本人確認書類の提出を省略できる点です。
e-Tax申告のメリット
マイナンバーカードを使ってe-Taxで申告する場合、マイナンバーカードのコピーや運転免許証のコピーといった本人確認書類を郵送したり、税務署の窓口に持参したりする必要がありません。ご自宅のパソコンやスマートフォンから申告手続きが完了するため、時間や手間を大幅に節約できます。
e-Tax利用に必要なもの
e-Taxを利用するには、基本的にマイナンバーカードと、それを読み取るためのICカードリーダライタまたは対応スマートフォンが必要です。詳しい利用方法は国税庁のe-Taxホームページで確認できますので、電子申告に興味のある方はぜひチェックしてみてください。
税理士に依頼する場合のマイナンバーの取り扱い
相続税の申告は計算が複雑なため、税理士に依頼するケースも多いでしょう。その場合、マイナンバーの取り扱いはどうなるのでしょうか。基本的な流れを確認しておきましょう。
税理士へのマイナンバーの提示
税理士に申告を代理してもらう場合でも、相続人全員のマイナンバーを税理士に伝える必要があります。税理士は、預かったマイナンバーを申告書に正確に記載して手続きを進めます。マイナンバーカードのコピーなどを税理士に渡しましょう。
税理士が提出する場合の本人確認
税理士が代理で申告書を提出する場合、相続人本人の身元確認書類(運転免許証など)のコピーを税務署に提出する必要はありません。税理士が「税務代理権限証書」という書類を提出し、税理士自身の身元確認を行うことで、相続人の本人確認がなされたものとして扱われるためです。ただし、番号確認のためにマイナンバーカードや通知カードのコピーなどは税理士に渡す必要があります。
まとめ
今回は、相続税申告におけるマイナンバーの取り扱いについて解説しました。最後に、大切なポイントをもう一度確認しましょう。
- 相続税申告書には、亡くなった方ではなく「相続人全員」のマイナンバーの記載が必要です。
- 申告書を提出する際には、マイナンバーカードや通知カードなどで本人確認を行います。
- マイナンバーカードがあれば、1枚で本人確認が完了するので便利です。
- e-Taxで電子申告すれば、本人確認書類の添付を省略できます。
マイナンバーは非常に重要な個人情報です。ご自身の番号はもちろん、他の相続人のマイナンバーの取り扱いにも十分注意しながら、期限内に正しく申告手続きを進めましょう。もし手続きでわからないことがあれば、税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
参考文献
相続税申告のマイナンバーに関するよくある質問
Q.相続税の申告で、マイナンバー(個人番号)の記入が必要なのは誰ですか?
A.相続税の申告書には、相続人や受遺者など、財産を取得した人全員のマイナンバーの記入が必要です。亡くなった方(被相続人)のマイナンバーは不要です。
Q.亡くなった人(被相続人)のマイナンバーは相続税申告書に書く必要はありますか?
A.いいえ、亡くなった方(被相続人)のマイナンバーを申告書に記入する必要はありません。記載が必要なのは、財産を受け取った相続人等のマイナンバーのみです。
Q.相続税申告書を提出する際、マイナンバーの本人確認書類も必要ですか?
A.はい、申告書を提出する相続人等については、マイナンバーカード(両面)の写し、または通知カード(または住民票の写し)と運転免許証などの身元確認書類の写しを添付する必要があります。
Q.自分のマイナンバーがわからない場合はどうすれば確認できますか?
A.ご自身のマイナンバーは、マイナンバーカード、通知カード、またはマイナンバーが記載された住民票の写しで確認できます。紛失した場合は、お住まいの市区町村役場で再発行の手続きを行ってください。
Q.相続人が海外に住んでいる場合、マイナンバーは必要ですか?
A.日本に住民票がない海外在住の相続人は、マイナンバーを持っていないため、申告書への記載は不要です。ただし、マイナンバーがない理由を申告書に記載する必要があります。
Q.相続税の申告書のどこにマイナンバーを記入すればよいですか?
A.相続税申告書の「第1表」にある「申告する人」の欄に、各相続人の氏名や住所とともにマイナンバーを記入する欄が設けられています。