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祖父母から孫へ!留学費用を非課税で贈与するポイントと注意点

2026-02-14
目次

かわいいお孫さんの留学の夢を、資金面でサポートしてあげたいと考えるおじいちゃん、おばあちゃんはたくさんいらっしゃいますよね。実は、海外留学の費用であっても、ルールをしっかり守れば贈与税をかけずに援助することができるのです。この記事では、具体的な金額や条件を交えながら、留学費用を賢く贈与する方法について優しく分かりやすく解説していきます。

留学費用を非課税で贈与する2つの主な方法

孫の留学費用を援助する場合、贈与税がかからないようにするには、主に2つの方法があります。それぞれの特徴を理解して、ご家庭に合った方法を選ぶことが大切です。

必要な都度援助する都度贈与

扶養義務者である祖父母から、生活費や教育費として通常必要と認められる費用を、必要なタイミングでその都度贈与する場合は、金額の上限なく非課税となります。これを都度贈与と呼びます。例えば、留学先の学校へ支払う年間数百万円の授業料や入学金を、支払いの時期に合わせて直接金融機関から振り込むようなケースです。ただし、数年分をまとめて渡したり、孫の預金口座にまとめて貯金したりすると課税の対象になってしまうため注意が必要です。

贈与の方法 非課税となる条件
教育費の都度贈与 必要な時期にその都度、直接教育費や生活費として支払うこと
暦年贈与 1月1日から12月31日までの1年間で合計110万円以下であること

教育資金の一括贈与の非課税措置

もう一つの強力な方法が、教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置です。これは、30歳未満の孫へ教育資金としてまとめてお金を贈与する場合、孫1人につき最大1500万円までが非課税になる制度です。留学の予定が少し先であっても、おじいちゃんやおばあちゃんが元気なうちに一括で資金を準備してあげられるのが大きなメリットです。この制度は2026年3月31日までの期間限定の適用となっているため、早めに検討して手続きを行うことをおすすめします。

教育資金の一括贈与で留学費用は対象になる?

教育資金の一括贈与を利用する場合、すべての留学費用が無条件で1500万円の非課税枠に収まるわけではありません。留学先や支払う内容によって、適用される上限金額が変わります。

1500万円まで対象となる正規留学

留学先の学校が、現地の教育制度にきちんと位置づけられている学校等に該当する場合、そこに直接支払う入学金や授業料、施設設備費などは最大1500万円まで非課税となります。海外の幼稚園、小学校、中学校、高校、大学などに通う、現地の生徒と同じカリキュラムを受ける正規留学がこれにあたります。

500万円の枠になる語学学校などのケース

一方で、学校の授業やカリキュラムの一環ではない個人的な語学学校への留学、ホームステイ、ワーキングホリデー、留学あっせん業者へのサポート費用の支払いなどは、学校等以外への支払いとみなされます。この場合でも非課税制度は使えますが、上限額は1500万円の全体の枠のうち500万円までとなります。

留学の支払先 非課税となる上限額
海外の正規の学校(現地の大学や高校など) 最大1500万円まで
語学学校、留学あっせん業者への支払いなど 1500万円の枠内のうち最大500万円まで

渡航費や滞在費の扱いはどうなる?

留学先へ行くための飛行機代などの渡航費や、現地の寮費などの滞在費も非課税の対象に含めることができます。渡航費については、留学先の学校等に直接支払う費用であるか、または日本の学校の授業の一環としての留学である場合に、1回の留学につき1往復分が認められます。この場合、領収書に加えて、在籍証明書や航空券の写しなどの書類を金融機関に提出して証明を行う必要があります。

教育資金の一括贈与を利用するための具体的な手続き

1500万円までの非課税枠を利用するには、ただお金を孫の口座に振り込むだけでは制度が適用されません。金融機関を通じた正しい手続きが必須です。

専用口座の開設と契約期間

まず、銀行や信託銀行などの金融機関の窓口で、お孫さん名義の教育資金専用口座を開設し、教育資金管理契約を結びます。そこに祖父母からお金を一括で入金します。この手続きの際には、お孫さんの戸籍謄本など、祖父母と孫の関係を証明する公的な書類が必要になります。

領収書の提出ルール

お金を教育資金専用口座から引き出す際、または引き出した後には、実際に教育費として使ったことを証明するために、金融機関へ領収書の原本を提出しなければなりません。領収書には、支払年月日、金額、何に対する支払いかという摘要、支払者である孫の名前、支払先の名称の5項目が明記されている必要があります。海外の領収書で外国語で書かれている場合は、金融機関が確認できるように簡単な日本語訳を添えて提出します。

留学費用を贈与する際の重要な注意点

制度を利用する際には、後から思いがけない贈与税や相続税がかからないよう、いくつかの重要なルールを知っておく必要があります。

孫の年齢や所得の要件

お金を受け取るお孫さんには条件があります。まず、贈与を受ける年の前年の合計所得金額が1000万円以下でなければなりません。また、お孫さんが23歳以上になると、学校等に直接支払う費用以外は非課税の対象外となってしまいます。つまり23歳以上になると、個人的な語学学校の費用などを500万円の枠から非課税で引き出すことができなくなるため注意してください。

使い残しや贈与者が亡くなった場合

お孫さんが30歳になった時点で契約は終了し、口座に使いきれずに残っていたお金にはその時点で贈与税がかかります。また、契約期間中におじいちゃんやおばあちゃんが亡くなった場合、お孫さんが23歳未満であったり、学校に在学中であったりすれば非課税のままですが、それ以外の場合は残額に対して相続税が課税されます。さらに亡くなった方の課税価格の合計額が5億円を超える場合は、お孫さんが23歳未満であっても残額に相続税がかかる措置が追加されています。

暦年贈与と組み合わせる賢いやり方

教育資金の一括贈与だけでなく、他の制度と組み合わせることで、より柔軟に留学の資金援助をしてあげることができます。

教育資金の一括贈与と暦年贈与の併用

教育資金の一括贈与の最大1500万円の枠と、年間110万円までの暦年贈与、そして必要な時に直接支払う都度贈与は、すべて併用することが可能です。例えば、現地の大学の授業料などの大きな金額は一括贈与の専用口座から支払い、日々の細々とした生活費や、領収書が出ない費用については、年間110万円の範囲内で暦年贈与を利用して仕送りをする、といった使い分けが非常に効果的です。

まとめ

お孫さんの留学費用を援助する際は、必要な時に都度支払う方法と、教育資金の一括贈与制度を利用する方法があります。最大1500万円まで非課税になる一括贈与は、正規留学だけでなく語学学校への支払いでも最大500万円まで使えますが、金融機関での手続きや領収書の厳密な管理が必須です。また、2026年3月末までの期間限定であることや、お孫さんが30歳になった時点で残額に贈与税がかかる点には十分に注意しましょう。将来の夢に向かって羽ばたくお孫さんへ、ご自身の生活に無理のない範囲で、上手に税金の制度を活用しながら温かいサポートをしてあげてくださいね。

参考文献

国税庁:No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁:No.4405 贈与税がかからない場合
文部科学省:教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置

留学費用のよくある質問まとめ

Q.孫の留学費用を援助したいのですが、贈与税はかかりますか?

A.必要な時期にその都度、直接教育機関へ学費や入学金を支払う場合は上限なく非課税となります。また、教育資金の一括贈与制度を使えば最大1500万円まで非課税でまとまった資金を贈与可能です。

Q.教育資金の一括贈与で、語学学校への留学費用は対象になりますか?

A.はい、対象になります。ただし現地の正規の学校などではないため、1500万円の全体の枠内のうち最大500万円までが非課税で利用できる上限となります。

Q.留学の渡航費や飛行機代は非課税になりますか?

A.正規の学校への入学や、日本の学校の授業の一環としての留学など条件を満たせば、1回の留学につき1往復分の渡航費が非課税の対象として認められます。

Q.教育資金の一括贈与制度はいつまで利用できますか?

A.現在の税制では、2026年3月31日までに金融機関で専用の口座を開設して教育資金管理契約を結ぶ必要があります。

Q.海外の領収書は日本語以外で書かれていても受け付けてもらえますか?

A.外国語の領収書でも提出は可能ですが、金融機関が支払いの内容を正しく確認できるよう、金額や支払先などに簡単な日本語訳を添えて提出する必要があります。

Q.専用口座のお金が孫の30歳の時点で使いきれなかったらどうなりますか?

A.孫が30歳になった時点で契約が終了となり、使いきれずに専用口座に残っている残額については、その年に贈与を受けたものとみなされ贈与税の課税対象となります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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