神奈川県で大切な方をお見送りする際に、避けては通れないのが火葬です。いざという時に慌てないためにも、神奈川県の火葬場の事情や費用について事前に知っておくことはとても大切です。この記事では、火葬場の種類や料金、手続きの流れ、そして費用負担を軽くするためのポイントまで、優しく分かりやすく解説していきますね。
神奈川県の火葬場の特徴とは?公営と民営の違い
神奈川県内には多くの火葬場がありますが、実は大きく分けて「公営」と「民営」の2種類があることをご存知でしょうか。それぞれの特徴を理解することが、費用を抑え、ご家族にとって最適な形でお見送りをするための第一歩になります。
費用を抑えやすい「公営火葬場」
公営火葬場は、横浜市や川崎市といった自治体が運営している施設です。最大のメリットは、なんといっても利用料金が安いことです。特に、故人様か喪主の方がその自治体の住民である場合に適用される「市民料金」は、市外の方と比べて格段に安く設定されています。そのため、多くの方が利用を希望されますが、人気が高く予約が混み合ってしまうこともあります。
設備が充実した「民営火葬場」
民営火葬場は、民間企業が運営している施設です。公営に比べて料金は高くなる傾向にありますが、その分、最新の設備が整っていたり、待合室が豪華であったり、駅からのアクセスが良かったりと、サービス面で優れている点が魅力です。また、公営火葬場の予約が取れない場合の選択肢としても考えられます。
どちらを選ぶべき?
もし費用を最も重視するのであれば、公営火葬場が第一候補になるでしょう。一方で、施設の快適さやアクセスの良さ、あるいは日程の都合で予約の取りやすさを優先したい場合には、民営火葬場も視野に入れて検討するのがおすすめです。葬儀社の担当者とよく相談しながら、ご家族の希望に最も合った火葬場を選んでくださいね。
【市町村別】神奈川県の主要な公営火葬場の料金比較
神奈川県内の公営火葬場では、住民(市民)であるかどうかで料金が大きく異なります。ここでは、県内の主要な市の火葬料金(12歳以上の方の場合)を比較してみましょう。どれくらい差があるのか、見てみてくださいね。
| 自治体名 | 市民(住民)料金 |
| 横浜市営斎場 | 12,000円 |
| 川崎市営斎苑 | 6,750円 |
| 相模原市営斎場 | 6,000円 |
| 横須賀市立中央斎場 | 10,000円 |
| 茅ヶ崎市斎場 | 10,000円 |
| 大和斎場(広域) | 10,000円 |
| 自治体名 | 市民(住民)以外 |
| 横浜市営斎場 | 50,000円 |
| 川崎市営斎苑 | 67,500円 |
| 相模原市営斎場 | 48,000円 |
| 横須賀市立中央斎場 | 60,000円 |
| 茅ヶ崎市斎場 | 70,000円 |
| 大和斎場(広域) | 50,000円 |
このように、市民料金と市外料金では数万円単位で差が出ることが一目瞭然です。特に川崎市では10倍もの差があり、住民であることのメリットが非常に大きいと言えますね。大和斎場のように、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市の4市が共同で運営している広域斎場もあります。
火葬料金以外に必要となる費用
「火葬料金」だけで火葬が完了するわけではありません。火葬当日には、他にもいくつかの費用が発生する可能性があります。事前に知っておくことで、心の準備ができますし、当日の慌ただしさを少しでも減らすことができますよ。
待合室の利用料金
火葬には1時間半から2時間ほどかかります。その間、ご遺族が待機するための待合室の利用料が必要になる場合があります。公営斎場では無料のスペースもありますが、プライベートな個室を希望する場合や、民営斎場では有料となることが一般的です。料金は斎場によって異なり、おおよそ5,000円から20,000円程度が目安です。
収骨容器(骨壷)の費用
火葬後、ご遺骨を納めるための収骨容器(骨壷)も必要になります。多くの場合、葬儀社が用意してくれるプランの中に含まれていますが、ご自身でデザインや材質を選びたいという希望も伝えられます。価格は様々で、一般的には5,000円から数万円程度です。
心付け(チップ)は必要?
昔は火葬場の職員さんへ感謝の気持ちとして「心付け」という現金を渡す慣習がありましたが、現在ではほとんどの公営火葬場で受け取りが禁止されています。民営火葬場でも不要とするケースがほとんどですので、基本的には心付けの準備は必要ないと考えて大丈夫です。
火葬までの手続きと注意点
故人様を安らかにお見送りするために、火葬までにはいくつかの手続きと知っておきたい注意点があります。大切なことなので、ここで一緒に確認しておきましょう。
火葬許可証の準備
火葬を行うためには、「火葬許可証」という書類が絶対に必要になります。これは、市区町村の役所に死亡届を提出した際に発行されるものです。通常、この手続きは葬儀社が代行してくれますが、この許可証がないと火葬ができないため、非常に重要な書類であることを覚えておきましょう。
友引の日は休業が多い
カレンダーで「友引」と書かれている日がありますね。「友を引く」という迷信から、この日を休業日に設定している火葬場が全国的に多くあります。神奈川県内の火葬場も例外ではありません。お葬式の日程を決める際には、火葬場の休業日も考慮に入れる必要がありますので、葬儀社と相談しながら進めるとスムーズです。
副葬品について
故人様が好きだったものなどを一緒に棺に納めてあげたい、と思うのは自然なことです。これを副葬品と言いますが、何でも入れられるわけではありません。ガラス製品や金属製品、プラスチック製品など燃えにくいものや、スプレー缶など爆発の危険があるものは入れることができません。もし故人様がペースメーカーを装着されていた場合は、必ず事前に葬儀社や火葬場に伝えなければなりません。
費用負担を軽減する公的な補助金制度
葬儀や火葬にはまとまった費用がかかりますが、その負担を少しでも軽くするための公的な補助金制度があります。これはご自身で申請しないと受け取れないお金なので、ぜひ忘れずに手続きをしてくださいね。
国民健康保険・後期高齢者医療制度の「葬祭費」
故人様が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀を行った方(喪主)に対して「葬祭費」が支給されます。支給額は自治体によって異なりますが、神奈川県内の多くの市では50,000円が支給されます。申請先は、故人様が住民登録をしていた市区町村の役所です。
会社員などの健康保険の「埋葬料(費)」
故人様が会社員などで勤務先の健康保険(協会けんぽや組合健保など)に加入していた場合は、「埋葬料」として一律50,000円が支給されます。また、加入者に扶養されていたご家族が亡くなった場合は「家族埋葬料」が支給されます。申請先は、故人様が加入していた健康保険組合や年金事務所になります。
葬儀費用は相続税から控除できる?
万が一、相続税がかかる場合、葬儀にかかった費用は相続税の計算上、遺産総額から差し引くことができます(債務控除)。火葬料や葬儀社への支払い、お寺様へのお布施などは控除の対象です。ただし、香典返しにかかった費用や、お墓、仏壇の購入費用などは対象外となるので注意が必要です。控除を受けるためには領収書が必須ですので、必ず大切に保管しておきましょう。
まとめ
神奈川県の火葬事情について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。大切なポイントは、公営と民営の火葬場の違いを理解し、ご家族の状況に合った場所を選ぶことです。特に、故人様か喪主の方が住民であれば、公営火葬場を利用することで費用を大幅に抑えることが可能です。また、葬祭費などの補助金制度や、相続税の控除についても忘れずに手続きを行いましょう。わからないことや不安なことがあれば、一人で抱え込まずに、まずは信頼できる葬儀社に相談してみてください。この記事が、神奈川県でのお見送りを考える際の一助となれば幸いです。
参考文献
神奈川の火葬に関するよくある質問まとめ
Q.神奈川県の火葬料金の相場はいくらですか?
A.市民(住民)料金が適用される公営斎場では無料~2万円程度、民営斎場では5万円~10万円程度が相場です。お住まいの地域や斎場の種類によって大きく異なります。
Q.神奈川の火葬場は混雑していますか?予約は取りづらい?
A.横浜市や川崎市などの都市部では火葬場が混み合う傾向にあり、希望の日時に予約が取れないこともあります。特に冬場や友引の翌日は混雑しやすいため、早めの相談が重要です。
Q.「友引」の日に火葬はできますか?
A.多くの公営斎場は「友引」を休館日としていますが、一部の民営斎場では営業しています。事前に各斎場の運営状況を確認することをおすすめします。
Q.火葬に必要な「火葬許可証」はどうやって取得しますか?
A.故人様の死亡届を市区町村役場に提出する際に、同時に「火葬許可申請書」を提出することで交付されます。通常は葬儀社が手続きを代行してくれます。
Q.神奈川県で住民以外でも利用できる火葬場はありますか?
A.はい、利用できます。多くの公営斎場では、住民以外の方も「市外(住民外)料金」で利用可能です。ただし、料金は割高になります。民営斎場は地域による制限がない場合がほとんどです。
Q.火葬中の待合室ではどのように過ごせばよいですか?
A.故人様を偲びながら静かに過ごします。多くの斎場には待合室があり、飲食が可能な場合もありますが、斎場のルールに従ってください。時間は1時間半~2時間程度が一般的です。