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葬祭費用と葬祭費は違う?相続で損しないための給付金と控除の知識

2025-12-09
目次

ご家族が亡くなられた後、葬儀の準備などで慌ただしい中、お金の話は後回しになりがちですよね。でも、「葬祭費用」「葬祭費」といった似た言葉の違いを知っておくだけで、受け取れるはずの給付金をもらい損ねたり、払いすぎる必要のない税金を納めてしまったりすることを防げます。この記事では、これらの言葉の違いを分かりやすく解説し、ご遺族の負担を少しでも軽くするためのポイントをお伝えします。

「葬祭費用」「葬祭費」「埋葬料」言葉の違いを整理しよう

まずは、よく似た3つの言葉「葬祭費用」「葬祭費」「埋葬料」の違いをはっきりさせましょう。これらを混同してしまうと、手続きで混乱してしまうかもしれません。それぞれの意味を理解することが、損をしないための第一歩です。

葬祭費用とは?

葬祭費用とは、お通夜や告別式、火葬など、葬儀全体にかかる費用の総称です。具体的には、式場使用料、祭壇の費用、飲食費、返礼品代、お布施などが含まれます。一般的に「お葬式代」と言われるものがこれにあたり、後で説明する相続税の申告で遺産から差し引くことができる「葬式費用」とほぼ同じ意味で使われます。

葬祭費とは?

葬祭費とは、故人が国民健康保険後期高齢者医療制度に加入していた場合に、葬儀を行った人(喪主)に対して市区町村から支給される給付金のことです。葬儀にかかった費用の一部を補助してくれる制度で、ご自身で申請する必要があります。

埋葬料とは?

埋葬料とは、故人が会社員や公務員などで、協会けんぽや組合健保といった社会保険に加入していた場合に、健康保険組合などから支給される給付金です。こちらは、故人によって生計を維持されていた遺族に支払われるのが原則です。これも「葬祭費」と同様に、申請しないと受け取ることができません。

【健康保険別】あなたがもらえるのは「葬祭費」?それとも「埋葬料」?

「葬祭費」と「埋葬料」は、故人がどの公的医療保険に加入していたかによって、どちらか一方が支給されます。両方を受け取ることはできません。故人がどちらの保険に加入していたかを確認して、正しく申請しましょう。

葬祭費が支給されるケース(国民健康保険・後期高齢者医療制度)

故人が自営業者、フリーランス、パートタイマー、年金受給者などで国民健康保険に加入していた場合、または75歳以上で後期高齢者医療制度に加入していた場合は、「葬祭費」の対象となります。

支給対象者 葬儀を行った人(喪主)
支給額 市区町村によって異なりますが、3万円〜7万円が一般的です。例えば東京都23区では一律7万円、多くの市町村では5万円が支給されます。
申請先 故人の住民票があった市区町村の役所(国民健康保険課など)
申請期限 葬儀を行った日の翌日から2年以内

埋葬料が支給されるケース(社会保険)

故人が会社員や公務員で、協会けんぽ、組合健保、共済組合などの社会保険に加入していた場合は、「埋葬料」の対象です。また、被保険者の扶養に入っていたご家族が亡くなった場合は、「家族埋葬料」として同様の給付が受けられます。

支給対象者 故人に生計を維持されていた人(配偶者、子、父母など)
支給額 一律5万円です。加入している健康保険組合によっては、独自の付加給付が上乗せされる場合もあります。
申請先 故人が加入していた健康保険組合や、全国健康保険協会(協会けんぽ)の支部
申請期限 故人が亡くなった日の翌日から2年以内

「埋葬費」という制度もある?

埋葬料を受け取れる遺族(生計を維持されていた人)がいない場合でも、諦める必要はありません。友人や遠い親戚など、実際に埋葬を行った人が申請できる「埋葬費」という制度があります。こちらは、埋葬にかかった実費を上限5万円まで支給してくれるものです。領収書など、費用を証明する書類が必要になります。

葬祭費・埋葬料の申請方法と必要書類

これらの給付金は、待っているだけでは支給されません。申請期限は2年間ありますが、葬儀後の忙しい時期に忘れてしまわないよう、早めに手続きを済ませることをおすすめします。申請先や必要書類を確認しておきましょう。

葬祭費の申請

申請先は市区町村役場です。必要な書類は自治体によって多少異なりますので、事前にホームページで確認するか、電話で問い合わせておくと安心です。

【主な必要書類】

  • 葬祭費支給申請書(役所の窓口やホームページで入手)
  • 故人の保険証(国民健康保険または後期高齢者医療制度)
  • 申請者(喪主)の本人確認書類(運転免許証など)
  • 申請者(喪主)名義の預金通帳など振込先がわかるもの
  • 葬儀を行ったことと喪主が確認できる書類(葬儀社の領収書、会葬礼状など)

埋葬料の申請

申請先は、故人が加入していた健康保険組合や協会けんぽです。勤務先を通じて手続きを行う場合もあります。申請書は、各健康保険組合のウェブサイトからダウンロードできることが多いです。

【主な必要書類】

  • 健康保険埋葬料(費)支給申請書
  • 故人の保険証
  • 死亡の事実がわかる書類(死亡診断書、埋葬許可証のコピーなど)
  • 事業主の証明(申請書に記入欄がある場合)
  • (埋葬費の場合)埋葬にかかった費用の領収書など

【相続税】葬祭費用は遺産から控除できる

最初の話に戻りますが、お葬式にかかった「葬祭費用」は、相続税を計算する際に遺産の総額から差し引くことができます。これを「葬式費用の控除」と呼びます。遺産総額が減ることで相続税の負担を軽くすることができますが、控除できる費用とできない費用が細かく決められているため、注意が必要です。

相続財産から控除できる葬式費用

控除の対象となるのは、お葬式そのものに直接かかった費用です。これらは領収書などをきちんと保管しておきましょう。

控除できる費用の例 お通夜、告別式の費用(会場費、飲食費など)
火葬、埋葬、納骨にかかった費用
お寺へのお布施、読経料、戒名料などのお礼
遺体の捜索や運搬にかかった費用

控除できない費用

一方で、以下のような費用は葬儀に直接関係ないとみなされ、控除の対象にはなりません。

控除できない費用の例 香典返しの費用
墓地や墓石の購入・建立費用
初七日や四十九日法要など、葬儀後の法事にかかる費用

何が控除対象になるか迷った場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

その他

会社から受け取る弔慰金

会社などから受け取る弔慰金は、故人への弔意を示すものであり、原則として相続税はかかりません。ただし、非課税枠が設けられており、業務上の死亡の場合は「死亡時の普通給与の3年分」、業務外の死亡の場合は「死亡時の普通給…の半年分」までとされています。この金額を超える部分は、実質的に死亡退職金と同じとみなされ、相続税の課税対象となる場合があります。

葬儀の香典

いただいた香典は、故人への弔意として贈られるものであり、遺族の所得とはみなされないため、所得税も相続税もかかりません。

まとめ

「葬祭費用」「葬祭費」「埋葬料」という3つの言葉の違いと、それぞれの手続きについてご理解いただけましたでしょうか。ご家族が亡くなられた直後は、精神的にも時間的にも余裕がないかもしれませんが、これらの知識があるだけで、金銭的な負担を大きく減らせる可能性があります。

最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 葬祭費用:お葬式全体のコストのこと。領収書を保管し、相続税の申告でしっかり控除しましょう。
  • 葬祭費:故人が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合にもらえる給付金です。
  • 埋葬料:故人が社会保険に加入していた場合にもらえる給付金です。
  • 「葬祭費」と「埋葬料」は、申請しないともらえません。申請期限は2年ですが、忘れないうちに手続きをしましょう。
  • 給付金や香典は非課税です。これらを受け取っても、葬式費用の控除額には影響しません。

ご遺族の負担が少しでも軽くなるよう、この記事がお役に立てれば幸いです。

参考文献

国税庁 No.4129 相続財産から控除できる葬式費用

国税庁 No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い

葬祭費用と葬祭費に関するよくある質問まとめ

Q.「葬祭費用」と「葬祭費」の違いは何ですか?

A.「葬祭費用」とは、お通夜や告別式など、葬儀全体にかかる費用の総称です。一方、「葬祭費」は、故人が国民健康保険などに加入していた場合に、葬儀を行った方(喪主)へ市区町村から支給される給付金の名称です。

Q.「葬祭費」は誰でも受け取れるのですか?

A.故人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合に、葬儀を執り行った方(喪主)が申請することで受け取れます。会社の健康保険の加入者だった場合は、代わりに「埋葬料」が支給されます。

Q.「葬祭費」はいくらもらえますか?

A.支給額は市区町村によって異なり、一般的に3万円~7万円程度です。申請する自治体のウェブサイトで確認するか、直接問い合わせてみましょう。

Q.葬儀にかかった費用(葬祭費用)は「葬祭費」でまかなえますか?

A.いいえ、「葬祭費」は葬儀費用の補助的な給付金のため、葬儀全体の費用(葬祭費用)をすべてまかなうことはできません。不足分は自己負担となります。

Q.「葬祭費」の申請には何が必要ですか?

A.一般的に、申請者の本人確認書類、印鑑、振込先口座情報、葬儀を行ったことがわかる書類(会葬礼状や領収書など)が必要です。詳しくは各市区町村にご確認ください。

Q.「葬祭費」の申請に期限はありますか?

A.はい、あります。葬儀を行った日の翌日から2年以内に申請しないと時効となり、受け取れなくなりますのでご注意ください。

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