大切な親御様が突然亡くなられたとのこと、心からお悔やみ申し上げます。悲しみの中で、何から手をつけていいのか分からず、途方に暮れてしまいますよね。この記事では、そんな時にまずやるべきことを、時系列に沿って分かりやすく解説します。少しでもあなたの心の負担が軽くなるよう、一緒に確認していきましょう。
まずは落ち着いて、最初の連絡を(死亡直後~1日)
悲しみで冷静でいられないかもしれませんが、最初に行うべき連絡があります。どこで亡くなられたかによって連絡先が異なりますので、状況に合わせて対応しましょう。
死亡診断書(死体検案書)の受け取り
病院で亡くなられた場合は、医師から「死亡診断書」を受け取ります。自宅で亡くなられた場合は、かかりつけ医、もしいなければ警察に連絡します。警察が介入した場合は「死体検案書」が発行されます。これは後の手続きで必ず必要になる大切な書類ですので、なくさないように保管してください。
近親者への連絡
まずは家族や特に親しい親族に連絡をします。故人との関係性や伝えるべき内容を整理してから連絡すると落ち着いて話せます。遠方の親戚には、葬儀の日程が決まってから連絡する方が親切な場合もありますので、状況に応じて判断しましょう。
葬儀社の手配
遺体の搬送や安置、葬儀の準備のために葬儀社へ連絡します。もし生前に決めていた葬儀社があればそちらに、なければ複数の葬儀社から見積もりを取ることも可能です。病院から紹介されることもありますが、必ずしもそこにする必要はありませんので、ご家族で相談して決めましょう。
役所への届け出と手続き(~7日以内)
死亡を知った日から7日以内に、役所へ届け出が必要です。手続きは複雑に感じるかもしれませんが、葬儀社が代行してくれることも多いので、まずは相談してみることをおすすめします。
死亡届の提出
医師から受け取った死亡診断書(または死体検案書)の左側が死亡届になっています。必要事項を記入し、市区町村役場に提出します。提出先は、故人の本籍地、死亡地、または届出人の所在地のいずれかの役所です。
火葬許可証の受け取り
死亡届を提出すると、「火葬許可証」が交付されます。これがないと火葬ができないため、必ず受け取りましょう。火葬後に火葬執行済の印が押され、「埋葬許可証」となります。納骨の際に必要になるので、こちらも大切に保管してください。
世帯主変更届や年金受給停止手続き
故人が世帯主だった場合は、14日以内に世帯主変更届が必要です。また、年金を受け取っていた場合は、年金事務所または年金相談センターで受給停止の手続きを行います(厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内)。
ライフラインや各種契約の解約・名義変更(~1ヶ月程度)
公共料金や通信サービスなど、故人名義の契約は解約や名義変更が必要です。請求書や郵便物を確認しながらリストアップすると、手続きの漏れを防ぐことができます。
公共料金(電気・ガス・水道)
契約会社に連絡し、名義変更または解約の手続きをします。同居家族が引き続き住む場合は名義変更、空き家になる場合は解約となります。お客様番号がわかる検針票などを手元に用意しておくとスムーズです。
通信・放送(電話・携帯電話・インターネット・NHK)
固定電話や携帯電話、インターネットプロバイダーなども解約または名義変更が必要です。特に携帯電話は、他のサービスのログイン認証に使われていることもあるため、すぐに解約せず、必要な情報を確認してから手続きを進めるようにしましょう。
その他の契約
クレジットカード、賃貸住宅、各種会員サービスなども忘れずに手続きしましょう。特にクレジットカードは、不正利用を防ぐためにも、できるだけ早くカード会社へ連絡することが大切です。
金融機関での相続手続き
故人名義の預貯金口座は、金融機関が死亡の事実を知った時点で凍結されます。入出金や引き落としができなくなるため、相続手続きを進める必要があります。
口座凍結と残高証明書の発行
まずは取引のあった金融機関に連絡し、亡くなったことを伝えます。相続手続きに必要な書類を案内してもらえます。遺産分割や相続税申告のために、死亡した日時点での「残高証明書」を発行してもらいましょう。
相続手続きに必要な書類
手続きには多くの書類が必要です。遺言書の有無などによって異なりますが、一般的には以下の書類が求められます。
主な必要書類 | 取得場所 |
故人の出生から死亡までの戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場 |
相続人全員の戸籍謄本 | 各相続人の本籍地の市区町村役場 |
相続人全員の印鑑証明書 | 各相続人の住所地の市区町村役場 |
遺産分割協議書(作成した場合) | 相続人全員で作成・実印を押印 |
遺言書(ある場合) | 故人の保管場所、法務局など |
戸籍謄本の収集は時間がかかることもあるので、早めに準備を始めることをお勧めします。
預貯金の仮払い制度
口座が凍結されても、葬儀費用や当面の生活費が必要な場合、「預貯金の仮払い制度」を利用できます。遺産分割協議が終わる前でも、一定額まで引き出すことが可能です。上限額は「死亡時の預金残高 × 1/3 × 仮払いを求める相続人の法定相続分」または150万円のいずれか低い方の金額です。この手続きは金融機関ごとに行えます。
相続の確定と税金の申告(~10ヶ月以内)
遺産相続には期限が設けられている手続きがあります。特に相続税の申告は重要ですので、期限をしっかり確認しておきましょう。
相続人と相続財産の調査
戸籍謄本を取り寄せて、法的に誰が相続人になるのかを確定させます。同時に、預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もすべて調査し、財産目録を作成します。
相続放棄・限定承認の検討(~3ヶ月以内)
もし故人に借金などマイナスの財産が多い場合、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所で「相続放棄」または「限定承認」の手続きができます。この期間を過ぎると、すべての財産と借金を相続する「単純承認」とみなされるので注意が必要です。
遺産分割協議
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行います。全員が合意したら、その内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成し、全員が署名・押印(実印)します。
相続税の申告・納付(~10ヶ月以内)
相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納付が必要です。期限を過ぎると延滞税などが課されるため、早めに税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
親が亡くなった直後は、悲しみに加え、やらなければならない手続きの多さに圧倒されてしまうかもしれません。しかし、一つひとつ期限を確認しながら、順番に進めていけば大丈夫です。
期限 | 主な手続き |
死亡後すぐ | 死亡診断書の受け取り、近親者への連絡、葬儀社の手配 |
7日以内 | 死亡届の提出、火葬許可申請 |
10日・14日以内 | 年金受給停止、世帯主変更届など |
3ヶ月以内 | 相続放棄・限定承認の検討 |
10ヶ月以内 | 所得税の準確定申告、相続税の申告・納付 |
随時 | ライフライン・各種契約の変更、金融機関の手続きなど |
すべてを一人で抱え込まず、ご家族やご親族と協力し、必要であれば専門家の力も借りましょう。この記事が、大変な時期を乗り越えるための一助となれば幸いです。
参考文献
親が亡くなった後の手続きに関するよくある質問まとめ
Q.親が亡くなったら、まず最初に何をすべきですか?
A.まずは医師から「死亡診断書(または死体検案書)」を受け取ります。この書類は、死亡届の提出や保険金請求など、今後のあらゆる手続きで必要になる最も重要な書類です。
Q.死亡届はいつまで、どこに提出すればよいですか?
A.死亡の事実を知った日から7日以内に、故人の本籍地、死亡地、または届出人の所在地の市区町村役場に提出します。通常は葬儀社が代行してくれることも多いです。
Q.誰に訃報の連絡をすればよいですか?
A.まずは近親者に連絡し、その後、親しい友人・知人、故人の勤務先、自分の勤務先、町内会や大家さんなどに連絡します。事前に連絡する範囲と順番を決めておくと落ち着いて対応できます。
Q.葬儀社はすぐに決めなければいけませんか?
A.慌てて決める必要はありません。病院から紹介された葬儀社にそのまま依頼せず、複数の葬儀社から見積もりを取り、サービス内容や費用を比較検討することをおすすめします。
Q.故人の預金口座はすぐに引き出せますか?
A.金融機関が死亡の事実を把握した時点で口座は凍結され、入出金や引き落としができなくなります。相続手続きが完了するまで、原則として預金を引き出すことはできません。
Q.会社には何を連絡し、どのような手続きが必要ですか?
A.忌引休暇の取得申請が必要です。また、健康保険や厚生年金の資格喪失手続き、死亡退職金の有無、扶養家族の変更手続きなどについて、速やかに上司や人事・総務担当者に連絡して確認しましょう。