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証券会社の株式名義変更、手続き方法を徹底解説!相続・贈与も安心

2026-02-13
目次

ご家族から株式を引き継ぐことになったけれど、「証券会社での名義変更って、何から始めたらいいんだろう?」と不安に思っていませんか?特に、相続や贈与が関わると、手続きが複雑に感じられますよね。でも、ご安心ください。この記事では、証券会社における株式の名義変更について、必要な手続きや書類、注意点を一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読めば、手続きの全体像がわかり、スムーズに進められるようになりますよ。

株式の名義変更は「いつ」「どの株式を」引き継ぐかで変わります

株式の名義変更と一言でいっても、実はいくつかのパターンがあります。手続きを始める前に、ご自身の状況がどれに当てはまるかを確認することが大切です。大きく分けると、株式を渡す方がご存命か亡くなっているか、そしてその株式が証券取引所で売買できる「上場株式」か、そうでない「非上場株式」かによって、手続きの窓口や方法、関わる税金が変わってくるんですよ。

相続と贈与の違い

まずは、株式を引き継ぐタイミングによる違いです。亡くなった方(被相続人)から財産を引き継ぐことを「相続」といい、この場合は主に相続税が関係します。一方、ご存命の方から財産を譲り受けることを「贈与」といい、こちらは贈与税の対象となります。それぞれ手続きに必要な書類や、税金の計算方法が異なるので、どちらのケースに該当するのかを最初にしっかり把握しておきましょう。

上場株式と非上場株式の違い

次に、株式の種類による違いです。証券取引所で日々価格が公開され、誰でも売買できるのが「上場株式」です。こちらの名義変更は、故人や贈与者が取引していた証券会社が窓口になります。一方、取引所に公開されておらず、主に創業者一族などが保有している株式を「非上場株式」といいます。この場合、手続きの窓口は証券会社ではなく、その株式を発行している会社に直接問い合わせる必要があります。

相続による株式の名義変更手続き(上場株式)

ここでは、最も一般的なケースである「相続」によって「上場株式」を引き継ぐ場合の手続きについて詳しく見ていきましょう。ご家族が亡くなり、その方の証券口座に株式が残っていた、という場合ですね。

手続きの基本的な流れ

まずは、手続きの全体像を掴みましょう。基本的には以下のステップで進みます。

1. 証券会社へ連絡
故人が取引していた証券会社の支店に連絡し、口座名義人が亡くなったことを伝え、相続手続きをしたい旨を申し出ます。すると、相続手続きに必要な書類一式を送ってもらえます。

2. 必要書類の準備と提出
送られてきた案内に従って、戸籍謄本や遺産分割協議書などの必要書類を集めます。すべて揃ったら、証券会社に提出します。

3. 相続人の証券口座へ移管
書類に不備がなければ、証券会社が名義変更手続きを進めてくれます。手続きが完了すると、故人の口座にあった株式が、相続人の証券口座へと移されます(これを「移管」といいます)。もし、相続人がその証券会社に口座を持っていない場合は、新たに開設する必要があります。

必要になる主な書類

証券会社や遺言書の有無によって多少異なりますが、一般的に以下の書類が必要になります。事前に準備しておくとスムーズですよ。

書類の種類 主な内容
証券会社所定の相続手続依頼書 証券会社から取り寄せます。相続人全員の署名・実印の押印が必要です。
被相続人(故人)の戸籍謄本等 出生から死亡までの連続した戸籍謄本(または除籍謄本、改製原戸籍謄本)が必要です。
相続人全員の戸籍謄本 現在の戸籍謄本を用意します。
相続人全員の印鑑証明書 発行後6ヶ月以内のものなど、有効期限が定められていることが多いです。
遺産分割協議書 遺言書がなく、相続人同士の話し合いで株式の取得者を決めた場合に必要です。相続人全員の実印を押印します。
遺言書 遺言書がある場合はその写しを提出します。公正証書遺言以外は家庭裁判所の「検認」が必要です。

かかる税金と株式の評価方法

相続によって取得した株式は、他の預貯金や不動産などと合わせて相続税の課税対象になります。ただし、遺産総額が基礎控除額「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」以下であれば、相続税はかからず、申告も不要です。

相続税を計算する際の上場株式の評価額は、以下の4つの価格のうち、最も低い価格を選ぶことができます。

  • 故人が亡くなった日(課税時期)の終値
  • 亡くなった月の毎日の終値の月平均額
  • 亡くなった月の前月の毎日の終値の月平均額
  • 亡くなった月の前々月の毎日の終値の月平均額

少しでも税負担を軽くできるよう、有利なルールが設けられているんですね。

生前贈与による株式の名義変更手続き(上場株式)

次に、ご存命の親などから「上場株式」を譲り受ける「贈与」の場合の手続きを見ていきましょう。相続とは少し流れが異なります。

手続きの基本的な流れ

生前贈与の場合は、株式をあげる人(贈与者)ともらう人(受贈者)双方の協力が必要です。

1. 贈与契約を結ぶ
後々のトラブルを防ぐためにも、「誰が、いつ、どの株式を贈与したか」を明確にした贈与契約書を作成することをおすすめします。

2. 同じ証券会社に口座を開設する
株式の移管手続きは、贈与者と受贈者が同じ証券会社に口座を持っている必要があります。受贈者が口座を持っていない場合は、新たに開設しましょう。

3. 証券会社に手続きを依頼する
贈与者が利用している証券会社に連絡し、株式贈与の手続きをしたい旨を伝えます。専用の「贈与手続依頼書」などの書類を取り寄せ、必要事項を記入して提出します。

必要になる主な書類

贈与の手続きでは、相続とは異なる書類が求められます。

書類の種類 主な内容
贈与手続依頼書 証券会社所定の書類です。贈与者と受贈者の両方の署名・捺印が必要です。
贈与契約書のコピー 作成した場合に提出を求められることがあります。
贈与者の印鑑登録証明書 本人確認のために必要です。

かかる税金と株式の評価方法

個人から年間で110万円を超える財産をもらうと、もらった側に贈与税がかかります。この110万円は、株式だけでなく、現金など他の財産と合計した金額です。

贈与税には、この年間110万円の基礎控除を利用する「暦年課税」のほかに、親や祖父母から子や孫への贈与で利用できる「相続時精算課税制度」があります。これは、累計2,500万円までの贈与が非課税になる制度ですが、選択すると暦年課税に戻れなくなるなどの注意点があるため、利用する際は慎重な検討が必要です。

贈与における株式の評価方法は相続の場合とほぼ同じで、贈与された日を基準とした4つの価格のうち最も低いものを選べます。

非上場株式の名義変更はどうするの?

ご親族が会社を経営していた場合など、非上場株式を相続・贈与されるケースもあります。この場合は、手続きが大きく異なるので注意が必要です。

手続きの窓口と注意点

非上場株式の名義変更は、証券会社では手続きできません。窓口は、その株式を発行している会社になります。まずは会社の総務部などに連絡を取り、名義変更(株主名簿の書換)に必要な手続きや書類を確認しましょう。

また、非上場株式の多くは、定款で「株式の譲渡には会社の承認が必要」とする譲渡制限が設けられています。そのため、相続や贈与であっても、会社の承認(取締役会や株主総会の決議など)を得る手続きが必要になる場合があります。

株式の評価方法が複雑

非上場株式は市場価格がないため、財産価値の評価が非常に複雑です。会社の規模に応じて「純資産価額方式」や「類似業種比準方式」といった専門的な方法で計算する必要があり、一般の方がご自身で算出するのは困難です。非上場株式の相続や贈与が発生した場合は、相続税に詳しい税理士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

証券会社の名義変更で注意したいポイント

最後に、株式の名義変更手続きを進める上での共通の注意点をいくつかご紹介します。

税金の申告には期限がある

名義変更の手続き自体に明確な期限はありませんが、税金の申告・納税には厳しい期限が定められています。

  • 相続税被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内
  • 贈与税贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで

期限を過ぎると延滞税などのペナルティが発生してしまうため、手続きは計画的に進めましょう。

故人の取引証券会社がわからない場合

「どこの証券会社に口座があるかわからない…」という場合は、まずは故人の自宅に届いた郵便物を探してみましょう。「取引残高報告書」などが見つかれば、証券会社名や口座番号がわかります。

それでも不明な場合は、「証券保管振替機構(ほふり)」に情報開示請求を行うことで、故人が口座を開設していた証券会社を調べることができます。開示には6,050円(税込)の手数料がかかり、結果がわかるまで数週間程度かかります。

まとめ

今回は、証券会社における株式の名義変更について解説しました。手続きをスムーズに進めるためのポイントは、まずご自身の状況が「相続」なのか「贈与」なのか、そして対象が「上場株式」なのか「非上場株式」なのかを正しく把握することです。特に相続の場合は、戸籍謄本の収集など、時間がかかる作業も多いため、早めに準備を始めることが大切です。もし手続きでわからないことや、相続税・贈与税に関する不安があれば、一人で抱え込まずに金融機関や税理士などの専門家に相談してみてくださいね。

参考文献

証券会社の名義変更手続きに関するよくある質問

Q.証券会社の名義変更が必要になるのはどんな時ですか?

A.主に、相続で口座名義を引き継ぐ場合や、結婚・離婚などで氏名が変わった場合に必要となります。住所変更も手続きが必要ですが、名義変更とは別の届出となることが一般的です。

Q.証券会社の名義変更はどこで手続きできますか?

A.ご利用の証券会社のウェブサイト、コールセンター、または店舗窓口で手続きが可能です。オンラインで完結する場合や、所定の書類を郵送する必要がある場合があります。

Q.相続による名義変更(相続手続き)にはどのような書類が必要ですか?

A.一般的に、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書、遺産分割協議書などが必要です。証券会社によって異なるため、事前に必ず確認しましょう。

Q.結婚で氏名が変わった場合の名義変更に必要な書類は何ですか?

A.新しい氏名が確認できる戸籍謄本や住民票、変更後の氏名が記載された本人確認書類(運転免許証など)、届出印などが必要です。詳細は各証券会社のウェブサイトをご確認ください。

Q.証券会社の名義変更に手数料はかかりますか?

A.氏名変更などの手続き自体に手数料はかからないことがほとんどです。ただし、戸籍謄本や印鑑証明書といった必要書類の取得費用は自己負担となります。

Q.名義変更の手続きにはどのくらいの時間がかかりますか?

A.書類に不備がなければ、氏名変更の場合は1~2週間程度で完了します。相続手続きの場合は、必要書類が多く複雑なため、1ヶ月以上かかることもあります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
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電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。