税理士法人プライムパートナーズ

車を売却した時の税金は?通勤用と趣味用の違いを徹底解説

2026-03-01
目次

車を売却しようと考えたとき、「税金はかかるのかな?」「確定申告は必要なのかな?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。実は、売却する車の用途が通勤用趣味用かによって、税金の取り扱いが大きく変わります。この記事では、車を売却した際に関係する税金について、日常的に使う車とレジャー目的の車に分けて、具体的な金額や計算方法を交えながらわかりやすく解説します。ご自身のケースに当てはめて、ぜひ参考にしてみてくださいね。

車の売却と税金の基本的な考え方

車を売却して利益が出た場合、その利益に対して税金がかかる可能性があります。しかし、すべてのケースで税金が発生するわけではありません。まずは基本となるルールを確認していきましょう。

税金がかかるかどうかは用途で決まる

個人の車を売却した際の利益は、所得税の譲渡所得という区分になります。ここで最も重要なのが、その車を何に使っていたかという「用途」です。税法上、生活に必要不可欠な資産(生活用動産)を売却した際の利益は非課税となりますが、それ以外の資産には税金がかかります。

車の主な用途 税金の取り扱い
通勤、通学、日常の買い物(生活用動産) 原則として非課税
レジャー、趣味のドライブ(生活に不要な資産) 課税対象(譲渡所得)

課税対象となる譲渡所得とは

趣味用の車などを売却して課税対象となる場合でも、売却した金額すべてに税金がかかるわけではありません。売却金額から、車を購入した時の代金(減価償却費を差し引いた現在の価値)や、売却にかかった費用を差し引いた実際のもうけ(利益)に対して税金がかかります。

自動車税などの還付について

所得税とは別に、車を売却する際には自動車税(種別割)自動車重量税自賠責保険料の未経過分(残りの期間分)が戻ってくることがあります。厳密には国から直接還付されるのではなく、買取店が査定額に未経過分の金額を上乗せして支払うのが一般的なルールとなっています。売却時には見積書の内訳をしっかりと確認してくださいね。

通勤用の車を売却したパターンの解説

ここでは、日常的に使用している通勤用の車を売却した場合の税金について、詳しく見ていきましょう。

生活に必要な車は原則非課税

通勤や通学、近所への買い物や病院への送迎など、日常生活を営む上で必要不可欠と認められる車は生活用動産に分類されます。生活用動産を売却して得た利益は、どれだけ高く売れたとしても原則として非課税となります。そのため、購入時の価格より高く売れた場合でも、所得税はかからず確定申告も必要ありません。

通勤用と認められる具体的な要件

通勤用として認められるためには、実際に毎日の通勤などで使用している実態が必要です。たとえば、平日は電車通勤で休日にしか乗らない車や、ほとんど車庫に眠っているような高級スポーツカーは、生活用動産とは認められず趣味用と判断される可能性が高くなります。ご自身の車の使い方が日常の生活に密着しているかがポイントになりますよ。

趣味用の車を売却したパターンの解説

次に、休日のドライブ専用やレジャー目的で所有している趣味用の車を売却した場合について解説します。

趣味用の車は税金がかかる可能性がある

生活に必須ではないセカンドカーや、趣味として所有しているスポーツカー、キャンピングカーなどは生活用動産には当たりません。そのため、購入時の価格(現在の価値に計算し直したもの)よりも高く売れて利益が出た場合は、譲渡所得として所得税と住民税の課税対象となります。ただし、購入価格より安く売れて利益が出なかった(損失になった)場合は、税金はかかりません。

利益から差し引ける最高50万円の特別控除

趣味用の車を売って利益が出たからといって、すぐに税金が発生するわけではありません。譲渡所得の計算には、最高50万円の特別控除という制度があります。つまり、売却による利益(売却額-取得費-譲渡費用)が50万円以下であれば、特別控除を差し引くと譲渡所得は0円になるため、税金はかかりません。利益が50万円を超えた場合のみ、その超えた部分に対して税金がかかることになります。

趣味用車の所有期間による税金の違い

趣味用の車を売却して50万円以上の利益が出た場合、その車を何年間所有していたかによって、最終的に課税される金額の計算方法が変わります。大きく分けて短期と長期の2つのパターンがあります。

所有期間5年以下の短期譲渡所得

車の購入から売却までの所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。この場合、計算された譲渡所得の全額がほかの給与所得などと合算され、総合課税として税金が計算されます。

計算式(所有期間5年以下) 譲渡所得 = 売却額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除50万円
課税対象となる金額 計算された譲渡所得の全額

所有期間5年超の長期譲渡所得

車の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となります。長く所有していた資産に対する優遇措置として、ほかの所得と合算される前に、譲渡所得の金額を2分の1(半分)にすることができます。つまり、短期譲渡所得に比べて税金の負担が大きく減ることになりますよ。

計算式(所有期間5年超) 譲渡所得 = 売却額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除50万円
課税対象となる金額 計算された譲渡所得の2分の1(半分)

車の売却時に注意すべきポイント

最後に、車を売却する際に損をしないための注意点や、確定申告の手続きについて確認しておきましょう。

売買契約書での還付金の取り扱い

先ほど触れた自動車税や自賠責保険料の未経過分について、買取業者によっては「車両本体の買取価格にすべて含める(コミコミ価格)」としている場合があります。後から「税金が戻ってこない」とトラブルにならないよう、契約書にサインする前に未経過分の還付相当額が査定額にいくら含まれているのかを具体的に確認するようにしてくださいね。

確定申告が必要なケースの確認

もし趣味用の車を売却して、最高50万円の特別控除を差し引いても利益が残る場合は、ご自身で確定申告を行う必要があります。申告の期間は、車を売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。申告漏れがあると無申告加算税などのペナルティが課されることもあるため、不安な場合は購入時の契約書と売却時の契約書を用意して、お近くの税務署へ早めに相談することをおすすめします。

まとめ

車を売却した時の税金について、通勤用と趣味用の違いを中心に解説しました。通勤用などの生活用動産であれば原則として非課税となり、税金の心配はいりません。一方で、趣味用の車の場合は課税対象となりますが、最高50万円の特別控除があるため、利益が50万円を超えなければ税金はかかりません。もし50万円以上の利益が出た場合は、所有期間が5年以下か5年を超えるかによって税金の計算が変わり、翌年に確定申告が必要となります。ご自身の車がどちらの用途に当てはまるのか、売却金額や購入金額はいくらなのかを事前にしっかりと確認して、スムーズに売却手続きを進めてくださいね。

参考文献

国税庁:No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁:No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)

車の売却と税金に関するよくある質問まとめ

Q.通勤用の車を売って利益が出たら税金はかかりますか?

A.通勤や日常の買い物に使用している車は「生活用動産」に分類されるため、売却して利益が出た場合でも原則として非課税となり、税金はかかりません。

Q.趣味用のスポーツカーを売った場合、必ず税金がかかりますか?

A.必ず税金がかかるわけではありません。売却額から購入費用(減価償却後)などを引いた利益に対して「最高50万円の特別控除」があるため、利益が50万円以下であれば税金はかかりません。

Q.車を売却したとき、自動車税は戻ってきますか?

A.自動車税の未経過分(残りの期間分)は、国から直接還付されるのではなく、買取店が査定額に上乗せして支払うのが一般的です。契約前に見積書を確認することをおすすめします。

Q.車の売却による所得は、どの所得に分類されますか?

A.個人の車を売却して得た利益は、所得税の「総合課税の譲渡所得」に分類され、給与所得など他の所得と合算されて税金が計算されます。

Q.所有期間が5年を超えると税金はどう変わりますか?

A.車の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、他の所得と合算される前に譲渡所得の金額を2分の1(半分)にできるため、5年以下の短期譲渡に比べて税金の負担が大きく減ります。

Q.確定申告はどのような場合に必要ですか?

A.趣味用の車などを売却し、実際の利益から最高50万円の特別控除を差し引いてもまだプラスの金額(課税対象額)が残る場合に、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告が必要になります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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