税理士法人プライムパートナーズ

遺産分割協議
意思表示が難しい場合は?

2025-03-20
目次

ご家族が脳梗塞などで倒れられ、意思表示が難しい状態になってしまった…。そんな時、遺産分割協議はどうすれば良いのか、不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、意思表示が困難な方がいる場合の遺産分割協議書の作成方法について、分かりやすく解説していきます。ご家族を支える皆様に、少しでもお役に立てれば幸いです。

意思表示が難しい相続人がいる場合の遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員が参加し、遺産の分け方について話し合い、合意することが原則です。しかし、相続人の中に脳梗塞などで意思表示が難しい方がいる場合、そのままでは協議を進めることができません。
そのような状況で、どのように遺産分割協議を進めていけば良いのか、具体的な方法を見ていきましょう。

成年後見制度の利用を検討しましょう

意思表示が難しい相続人がいる場合、まず検討すべきは「成年後見制度」の利用です。成年後見制度とは、判断能力が不十分な方の代わりに、財産管理や契約などを行う「成年後見人」を家庭裁判所が選任する制度です。

成年後見人が遺産分割協議に参加します

家庭裁判所によって成年後見人が選任されると、成年後見人が、意思表示が難しい相続人の代わりに遺産分割協議に参加します。成年後見人は、本人の利益を最優先に考え、遺産分割協議を進めていきます。

成年後見制度の注意点

成年後見制度を利用する際には、いくつか注意点があります。

  • 申立ての手間と時間: 家庭裁判所への申立てが必要で、選任までに数か月かかることもあります。
  • 費用: 申立費用や成年後見人への報酬が発生します。
  • 後見人の選任: 家族が後見人になれるとは限りません。専門家(弁護士、司法書士など)が選任されることもあります。
  • 報酬の目安は、管理財産額が、1000万円以下の場合は、月額2万円程度、管理財産額が、1000万円を超え5000万円以下の場合には、月額3万円~4万円程度、管理財産額が5000万円を超える場合には、月額5万円~6万円程度が目安になります。

成年後見制度以外の方法

成年後見制度は、遺産分割協議を進めるための有効な手段ですが、状況によっては他の方法も検討できます。

遺言書の有無を確認

もし、被相続人(亡くなった方)が遺言書を残している場合は、遺言書の内容に従って遺産分割を行います。遺言書があれば、意思表示が難しい相続人がいても、遺産分割協議は不要となります。

家庭裁判所での遺産分割調停・審判

遺言書がない場合で、成年後見制度の利用が難しい場合は、家庭裁判所に遺産分割調停や審判を申し立てることもできます。調停や審判では、裁判官や調停委員が間に入り、相続人全員の意見を聞きながら、遺産分割の方法を決定していきます。

遺産分割協議書の作成

成年後見人が選任された場合、または家庭裁判所での調停・審判で遺産分割の方法が決まった場合は、その内容を遺産分割協議書にまとめます。

遺産分割協議書の記載事項

遺産分割協議書には、以下の事項を記載します。

  • 相続人全員の氏名、住所、生年月日
  • 被相続人の氏名、最後の住所、本籍、死亡年月日
  • 遺産の内容(不動産、預貯金、株式など)
  • 各相続人が取得する遺産の内容
  • 遺産分割協議書作成日
  • 相続人全員の署名・実印での押印(成年後見人がいる場合は、成年後見人の署名・実印での押印)

遺産分割協議書の注意点

  • 正確な記載: 遺産の内容や相続人の情報を正確に記載しましょう。
  • 実印の使用: 相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
  • 複数作成: 相続人の数だけ作成し、各相続人が1通ずつ保管します。

専門家への相談

遺産分割協議は、法律や税金に関する専門的な知識が必要となる場面も多く、特に意思表示が難しい相続人がいる場合は、手続きが複雑になることがあります。
弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、適切なアドバイスを受けることができ、スムーズな手続きを進めることができます。

専門家の選び方

専門家を選ぶ際には、以下の点を参考にしましょう。

  • 相続問題に詳しいか: 相続問題の経験が豊富な専門家を選びましょう。
  • 相談しやすいか: 親身になって相談に乗ってくれる専門家を選びましょう。
  • 費用: 費用体系が明確で、事前に見積もりを出してくれる専門家を選びましょう。

意思表示が回復した場合

遺産分割協議中に、脳梗塞などで意思表示が難しかった相続人の状態が回復し、意思表示ができるようになった場合は、改めて相続人全員で遺産分割協議を行うことができます。

成年後見の終了

成年後見人が選任されていた場合は、家庭裁判所に成年後見の終了を申し立てる必要があります。

まとめ

脳梗塞などで意思表示が難しい相続人がいる場合の遺産分割協議は、成年後見制度の利用が一般的です。
しかし、遺言書の有無や家庭裁判所での調停・審判など、他の方法も検討できます。
遺産分割協議書の作成は、専門家と相談しながら進め、ご家族皆様が納得できる遺産分割を実現しましょう。
お困りの際は、専門家へ相談することを強くおすすめします。

脳梗塞で意思疎通が難しい…どうすれば?遺産分割協議のよくある質問まとめ

Q. 脳梗塞で意思表示できない家族がいます。遺産分割協議は可能ですか?

A. はい、可能です。ただし、通常の遺産分割協議とは異なる手続きが必要になります。「成年後見制度」の利用を検討しましょう。

Q. 成年後見制度とは何ですか?

A. 認知症や脳梗塞などで判断能力が不十分な方の代わりに、財産管理や契約などを行う「成年後見人」を家庭裁判所が選任する制度です。

Q. 成年後見人は誰がなれますか?

A. 親族のほか、弁護士や司法書士などの専門家も成年後見人になることができます。家庭裁判所が本人の状況などを考慮して決定します。

Q. 成年後見人がいれば、遺産分割協議書を作成できますか?

A. はい、成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加し、遺産分割協議書を作成・署名捺印します。

Q. 遺産分割協議で、意思表示できない相続人に不利な内容にできますか?

A. いいえ、できません。成年後見人は本人の利益を最優先に考えなければならず、家庭裁判所の監督も受けるため、不当に不利な内容にはできません。

Q. 遺産分割協議がまとまらない場合はどうなりますか?

A. 家庭裁判所に遺産分割調停または審判を申し立てることができます。調停では調停委員が間に入って話し合いを促し、審判では裁判官が遺産分割の方法を決定します。

事務所概要
社名
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〒107-0052
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電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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