遺産分割協議書を自分で作成するのは難しそうだから、専門家に依頼したいとお考えではありませんか。でも、行政書士や司法書士、弁護士など、どの士業に頼めばいいのか、そして一番気になる費用がいくらかかるのか不安ですよね。この記事では、遺産分割協議書の作成を士業に依頼した際の具体的な費用相場や、状況に応じた依頼先の選び方をわかりやすく解説します。
遺産分割協議書を士業に頼むと費用はいくら?相場を解説
遺産分割協議書の作成を依頼できる主な士業は、行政書士、司法書士、弁護士の3つです。それぞれの専門家によって費用相場は異なりますので、具体的な金額を見ていきましょう。
行政書士に頼む場合の費用相場
行政書士に依頼する場合、費用相場はおおよそ5万円から10万円です。行政書士は書類作成の専門家であり、他の士業と比べて比較的安価に依頼できるのが特徴です。相続人間ですでに話し合いがまとまっていて、書類の作成だけを頼みたい場合にとてもおすすめですよ。
司法書士に頼む場合の費用相場
司法書士に依頼する場合、費用相場は7万円から15万円ほどになります。司法書士は不動産の登記手続きも得意としているため、相続財産に家や土地が含まれている場合にとても頼りになります。遺産分割協議書の作成と不動産の名義変更をセットで依頼することが多いですね。
弁護士に頼む場合の費用相場
弁護士に依頼する場合、着手金として20万円から30万円、さらに解決時の報酬金として経済的利益の10%から16%程度がかかることが一般的です。費用は最も高くなりますが、相続人同士で意見が対立している場合など、あなたの代理人として交渉できるのは弁護士だけです。
士業ごとの対応可能な業務範囲の違い
費用だけでなく、それぞれの士業がどこまでサポートしてくれるのかを知っておくことも大切です。業務範囲の違いを表にまとめましたので参考にしてくださいね。
| 士業の種類 | 主な対応業務 |
|---|---|
| 行政書士 | 遺産分割協議書の作成、自動車の名義変更 |
| 司法書士 | 遺産分割協議書の作成、不動産の相続登記手続き |
| 弁護士 | 遺産分割協議書の作成、相続人間の代理交渉・裁判 |
行政書士ができること・できないこと
行政書士は、戸籍謄本の収集や相続関係説明図の作成、そして遺産分割協議書の作成を行うことができます。しかし、不動産の名義変更(相続登記)や、相続人同士の揉め事の仲裁、代理人としての交渉は法律で禁止されているため対応できません。
司法書士ができること・できないこと
司法書士は、行政書士の業務内容に加えて、不動産の相続登記手続きを行うことができます。法務局に提出する書類の作成は司法書士の独占業務です。ただし、弁護士のように相続人の代理人として他の相続人と交渉して意見をまとめることはできません。
弁護士ができること・できないこと
弁護士は、書類作成や不動産登記の手続きはもちろん、相続人の代理人として交渉することや調停・裁判の対応など、相続に関するすべての法律事務を行うことができます。激しいトラブルが起きている場合は弁護士一択となります。
状況別:どの士業に依頼するべきかの判断基準
あなたの状況に合わせて最適な専門家を選ぶことが、費用を抑えつつスムーズに手続きを進めるポイントです。
費用を抑えたい、手続きのみなら行政書士
相続財産が預貯金のみで不動産がなく、相続人同士の話し合いも円満に終わっている場合は、行政書士を選ぶと良いでしょう。費用を最も安く抑えることができ、面倒な書類作成を正確に行ってくれます。
不動産登記があるなら司法書士
実家や土地などの不動産を相続する予定がある場合は、最初から司法書士に依頼するのがおすすめです。遺産分割協議書の作成から法務局での相続登記までをワンストップで任せることができるため、手間と時間を大きく省くことができますよ。
トラブルがある、揉めそうなら弁護士
遺産の分け方について意見が対立している、あるいは音信不通の相続人がいて話し合いができないといった場合は、迷わず弁護士に相談してください。法的な根拠に基づき、あなたに代わって他の相続人としっかり交渉を進めてくれます。
遺産分割協議書作成にかかる追加費用と実費
士業に支払う報酬以外にも、手続きを進める上で必ず発生する実費や、依頼内容によって追加される費用があります。
戸籍謄本や印鑑証明書の取得費用
役所で書類を取得するための実費がかかります。戸籍謄本は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍は1通750円、住民票や印鑑証明書は1通300円です。相続人の数や転籍の回数が多いほど、これらの実費だけで数千円から1万円程度まで膨らむことがあります。
財産調査や相続人調査の追加報酬
専門家に亡くなった方の出生から死亡までの戸籍収集(相続人調査)や、銀行口座の残高証明書の取得(財産調査)を依頼する場合、基本報酬とは別に3万円から5万円程度の追加費用がかかることが一般的です。どこまでお任せするかで総額が変わってきます。
費用を抑えつつスムーズに遺産分割協議書を作成するコツ
専門家に依頼する場合でも、ほんの少しの工夫で費用を抑え、完了までの期間を短縮することができますよ。
自分で集められる書類は事前に用意する
ご自身の戸籍謄本や印鑑証明書など、簡単に取得できる書類は自分で集めておきましょう。専門家に取得を代行してもらうと、1通あたり数千円の手数料が上乗せされてしまうため、自分で行うことで数万円の節約につながることがあります。
財産目録をあらかじめ作成しておく
亡くなった方の通帳のコピーを取ったり、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を探したりして、財産目録を自分でリスト化しておくことも有効です。財産の全容が早く専門家に伝わるため、すぐに遺産分割協議書の作成に取り掛かってもらえます。
まとめ
遺産分割協議書の作成を士業に頼む際の費用は、依頼する専門家や業務範囲によって大きく異なります。話し合いがまとまっていて費用を抑えたいなら5万円から10万円の行政書士、不動産があるなら7万円から15万円の司法書士、揉め事があるなら20万円以上の着手金がかかる弁護士と、ご自身の状況に合わせて賢く選ぶことが大切です。まずは無料相談などを活用して、具体的な見積もりを取ってみることをおすすめします。
参考文献
遺産分割協議書の作成に関するよくある質問まとめ
Q.遺産分割協議書の作成はどの士業に頼めば一番安いですか?
A.一般的に行政書士に依頼するのが最も安く、費用相場は5万円から10万円程度です。
Q.実家を相続する場合、誰に依頼すべきですか?
A.不動産の名義変更(相続登記)もまとめてお願いできる司法書士に依頼するのがおすすめです。
Q.相続人同士で喧嘩になっている場合でも行政書士にお願いできますか?
A.いいえ、揉め事がある場合の交渉や仲裁は弁護士しか対応できないため、弁護士にご相談ください。
Q.士業への報酬以外にどのような費用がかかりますか?
A.戸籍謄本は1通450円、印鑑証明書は1通300円などの役所への手数料や郵送費などの実費が別途かかります。
Q.自分で戸籍を集めれば士業への依頼費用は安くなりますか?
A.はい、書類収集の代行費用が省かれるため、3万円から5万円ほど費用を抑えられることが多いです。
Q.遺産分割協議書がないとどうなりますか?
A.銀行の預金解約や不動産の名義変更といった手続きができず、財産を受け取ることができません。