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防衛特別法人税・防衛特別所得税とは?仕組みと計算方法を解説

2026-04-14
目次

令和7年度の税制改正により、国の防衛力を強化するための財源として「防衛特別法人税」と「防衛特別所得税」が新設されました。法人にも個人にも影響がある新しい税金ですが、いつから始まり、いくら負担が増えるのかご不安な方も多いのではないでしょうか。この記事では、それぞれの税金の仕組みや具体的な計算方法、申告の手続きについて、わかりやすく丁寧に解説いたします。

防衛特別法人税とは?制度の概要と適用時期

まずは、法人が納めることになる防衛特別法人税の基本的な仕組みについて確認していきましょう。すべての法人が対象になるわけではなく、一定の基礎控除が設けられているのが特徴です。

防衛特別法人税の対象となる法人

防衛特別法人税の納税義務者は、各事業年度の所得に対して法人税を納める法人です。ただし、課税標準となる基準法人税額から年500万円の基礎控除を差し引くことができるため、法人税額が年間500万円以下の法人は実質的に負担が発生しません。具体的には、大企業や比較的規模の大きな利益を出している中小企業が主な対象となります。

適用される時期と対象事業年度

防衛特別法人税は、令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。3月決算の法人の場合、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの事業年度から対象となります。当面の間実施されるとされており、長期的な制度となる見込みです。

項目 詳細
適用開始時期 令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度
対象法人 各事業年度の所得に対する法人税を課される法人

基準となる法人税額と基礎控除(500万円)

税額を計算するベースとなるのは「基準法人税額」です。これは、所得税額控除や外国税額控除などの一部の控除を適用する前の法人税額を指します。この基準法人税額から、年500万円(事業年度が12カ月の場合)の基礎控除額を差し引いた金額が課税標準となります。事業年度が1年未満の場合は、月割りで基礎控除額が計算されます。

防衛特別法人税の計算方法と税率

対象となる法人がいくら納める必要があるのか、具体的な計算式や税率について詳しく見ていきましょう。

税率は4%が上乗せされます

防衛特別法人税の税率は、課税標準に対して4%です。つまり、法人税額から500万円を引いた残りの金額に4%を掛けた金額が、追加で納めるべき防衛特別法人税となります。

具体的な税額の計算手順

計算手順は以下の通りです。
1. 基準法人税額を計算する
2. 基準法人税額から年500万円の基礎控除を差し引く(課税標準)
3. 課税標準に税率4%を掛ける
例えば、基準法人税額が1,000万円の場合、1,000万円から500万円を引き、残りの500万円に4%を掛けた20万円が防衛特別法人税額となります。

計算ステップ 内容
1. 課税標準の算出 基準法人税額 - 基礎控除(年500万円)
2. 税額の算出 課税標準 × 税率4%

外国税額控除などの特例措置

法人税や地方法人税において外国税額控除の適用を受ける場合、控除しきれない金額があれば、防衛特別法人税の枠内でも外国税額控除の適用を受けることができます。二重課税を防ぐための特例措置がしっかりと用意されています。

防衛特別所得税とは?個人の負担はどうなる?

法人のみならず、個人の所得に対しても防衛特別所得税が新設されます。私たちの給与や事業の収入にどのような影響があるのかを解説します。

防衛特別所得税の仕組みと適用時期

防衛特別所得税は、個人の基準所得税額に対して1%の税率を上乗せするものです。令和9年(2027年)1月1日から開始される予定です。給与所得者や個人事業主など、所得税を納めるすべての方が対象となります。

復興特別所得税との関係性

現在、東日本大震災の復興財源として、基準所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が課されています。防衛特別所得税が導入されるタイミングで、この復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に引き下げられます。結果として、1%の減少と1%の増加が相殺されるため、当面の負担割合は合計2.1%のままで変わらない見通しです。

税目 今後の税率の推移
復興特別所得税 2.1%から1.1%へ引き下げ(1%減)
防衛特別所得税 新設として1%を上乗せ(1%増)

給与所得者や個人事業主への影響

前述の通り、復興特別所得税の引き下げとセットで行われるため、令和9年以降すぐに個人の手取りが大きく減るわけではありません。ただし、復興特別所得税の課税期間が延長される形となるため、長期的な視点で見ると税負担の期間が延びることになります。毎月の給与計算や確定申告時の計算様式が一部変更される見込みです。

確定申告と納付の注意点

税金が新設されることで、確定申告の手続きにも変更が生じます。特に法人の手続きには注意が必要です。

法人の申告書の様式と提出方法

防衛特別法人税の申告書は、法人税および地方法人税の申告書と一体の様式で作成します。別表一の次葉に、新しく防衛特別法人税の記載欄が追加されます。提出期限は原則として、各課税事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。

基準法人税額が0円でも申告が必要なケース

赤字などで所得金額がマイナスになり、基準法人税額が0円となる場合や、基礎控除の500万円を差し引いて課税標準が0円となる場合でも、防衛特別法人税確定申告書の提出は必要です。申告書の防衛特別法人税額の欄に「0」と記載して提出を忘れないようにしましょう。

中間申告の要否について

令和9年(2027年)4月1日以後に開始する事業年度において、法人税の中間申告を行う義務がある法人は、防衛特別法人税についても中間申告書の提出と納付が必要となります。中間納付の資金準備もあらかじめ計画しておくことが大切です。

実務上の対策と今後のスケジュール

制度開始に向けて、企業や個人事業主はどのような準備をしておくべきか、実務的なポイントをまとめました。

令和8年(2026年)に向けた準備

法人の場合は令和8年4月以降の事業年度から適用が始まるため、会計システムや給与計算ソフトのアップデート対応が必要になります。税制改正の施行に合わせて、システム会社からの案内を確認し、早めに切り替えの準備を進めましょう。

税金の種類 開始時期(予定)
防衛特別法人税 令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度
防衛特別所得税 令和9年(2027年)1月1日

納税額のシミュレーションと資金繰り

法人税額が年間500万円を超える法人は、法人税額(500万円控除後)の4%分だけ実質的な税負担が増加します。事業計画を策定する際には、この新たな税負担を織り込んだ上で、キャッシュフローのシミュレーションを行っておくことが安全な経営に繋がります。

まとめ

今回は、新たに導入される「防衛特別法人税」と「防衛特別所得税」について解説しました。法人は令和8年4月以降の事業年度から、法人税額から500万円を控除した額に対して4%の負担が発生します。個人は令和9年1月から所得税に対して1%が上乗せされますが、復興特別所得税の引き下げと同時に行われるため、当面の負担増は抑えられる仕組みです。制度開始に向けて、計算方法や申告の要件をしっかり理解し、適切な資金準備とシステム対応を進めていきましょう。

防衛特別法人税と防衛特別所得税のよくある質問まとめ

Q.防衛特別法人税はいつから始まりますか?

A.令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

Q.防衛特別法人税はすべての法人が払うのですか?

A.基準法人税額から年500万円の基礎控除が引かれるため、法人税額が500万円以下の場合は実質的な負担はありません。

Q.防衛特別法人税の税率は何パーセントですか?

A.課税標準(基準法人税額から500万円を引いた額)に対して4%です。

Q.赤字で法人税が0円の場合、防衛特別法人税の申告は必要ですか?

A.基準法人税額や課税標準が0円であっても、申告書の防衛特別法人税額欄に「0」と記載して提出する必要があります。

Q.防衛特別所得税はいつから始まりますか?

A.令和9年(2027年)1月1日から開始される予定です。

Q.防衛特別所得税によって個人の手取りはすぐに減りますか?

A.復興特別所得税が2.1%から1.1%に下がり、防衛特別所得税が1%上乗せされるため、当面の合計税率は2.1%で変わらず、すぐに手取りが減るわけではありません。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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