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高額介護サービス費とは?上限額や申請方法をわかりやすく解説

2026-04-19
目次

介護保険サービスを利用していく中で、「毎月の自己負担額が高くて大変…」と感じていませんか?実は、1ヶ月の自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度があるんです。ここでは、高額介護サービス費とはどのような制度なのか、対象となる費用や申請の手順まで、分かりやすくお話ししていきます。

高額介護サービス費とはどんな制度?

高額介護サービス費とは、同じ月内に利用した介護保険サービスの自己負担額(1割、2割、または3割)の合計が、所得に応じた一定の上限額を超えた場合に、その超えた金額が後から支給される制度のことです。在宅での介護サービスでも、施設での介護サービスでも対象になります。

対象となる介護サービスと対象外の費用

この制度の対象になるのは、訪問介護やデイサービス、特別養護老人ホームなどの介護保険サービスを利用した際の自己負担額です。ただし、すべての費用が対象になるわけではありません。対象外となる費用をまとめたので参考にしてください。

区分 費用の具体例
対象になる費用 訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホームなどの介護保険サービス費用の1割〜3割の自己負担分
対象外になる費用 福祉用具購入費、住宅改修費、施設の食費・居住費(滞在費)・日常生活費、支給限度額を超えた利用分

医療費控除との関係と注意点

介護保険のサービス費用は、条件を満たせば所得税の確定申告で医療費控除の対象になります。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設サービスのほか、訪問看護などの居宅サービスも対象です。ただし、高額介護サービス費として払い戻しを受けた金額は、支払った医療費の総額から差し引いて計算しなければなりませんので、確定申告の際は注意してください。

高額医療・高額介護合算制度との違い

よく似た名前の制度に「高額医療・高額介護合算制度」があります。高額介護サービス費は「介護保険のみ」の1ヶ月の負担を軽減するものですが、合算制度は1年間(毎年8月1日から翌年7月31日まで)の「医療保険と介護保険の両方」の自己負担額を合算し、基準額を超えた分が払い戻される仕組みです。両方を知っておくと、より家計の負担を減らすことができます。

所得ごとの自己負担上限額(月額)について

高額介護サービス費で払い戻しを受けるための基準となる上限額は、皆さんの所得区分によって細かく分かれています。令和3年8月に制度が改正され、現役並み所得者の方の負担上限額が細分化されました。また、令和7年8月からは年金収入額等の基準が一部変更されます。ご自身がどの区分に当てはまるか確認してみましょう。

現役並み所得者・住民税課税世帯の上限額

住民税が課税されている世帯の場合、同じ世帯の65歳以上の方の課税所得金額によって、負担上限額が140,100円、93,000円、44,400円の3段階に分かれています。

所得区分 自己負担上限額(月額・世帯)
課税所得690万円以上(年収約1,160万円以上) 140,100円
課税所得380万円〜690万円未満(年収約770万円〜1,160万円未満) 93,000円
住民税課税世帯〜課税所得380万円未満(年収約770万円未満) 44,400円

住民税非課税世帯・生活保護受給者の上限額

世帯全員が住民税非課税の場合や、生活保護を受給している場合は、さらに負担の上限額が低く設定されています。令和7年8月利用分からは、非課税世帯のうち所得要件の基準額が80万9千円になります。

所得区分 自己負担上限額(月額)
住民税非課税世帯(合計所得金額等が80万9千円超) 24,600円(世帯)
住民税非課税世帯(合計所得金額等が80万9千円以下、または老齢福祉年金受給者) 24,600円(世帯)および15,000円(個人)
生活保護を受給している方 15,000円(個人)

高額介護サービス費の申請方法と手順

上限額を超えたからといって、最初は勝手にお金が振り込まれるわけではありません。対象となった場合は、必ずお住まいの市区町村へ申請手続きを行う必要があります。ここでは、具体的な手続きの流れをご紹介します。

市区町村から届く支給申請書の確認

対象となる方には、サービスを利用した月の約2〜3ヶ月後に、市区町村の介護保険担当窓口から「高額介護(介護予防)サービス費支給申請書」という書類が郵送されてきます。このお知らせがご自宅に届いたら、ご自身が支給対象になっている証拠ですので、大切に保管して早めに手続きを進めましょう。

必要な持ち物と提出書類

窓口へ郵送または持参する際に必要な書類は、以下の通りです。最近はマイナンバーの記入が求められることが多いため、忘れずに準備しておきましょう。

必要な書類など 備考
支給申請書 市区町村から郵送されてくる指定の用紙に必要事項を記入します。
振込先口座がわかるもの 通帳の写しなど、銀行名・支店名・口座番号が確認できるものを用意しましょう。
マイナンバーカード等 手続き時の本人確認や個人番号確認のために必要となります。

一度申請すれば次回以降は自動で振り込み

初回にお知らせが届いた際に申請書と口座情報を提出してしまえば、同じ口座に変更がない限り、次回からの手続きは原則不要です。上限額を超えた月があれば、市区町村が自動的に計算をして、登録した口座へ振り込んでくれるようになります。とても便利ですので、最初の手続きを確実に行うようにしてください。

施設入所者の負担を減らす受領委任払い制度

特別養護老人ホームなどの介護保険施設に入所している場合、受領委任払いという便利な仕組みを利用できる市区町村があります。これは、あらかじめ手続きをしておくことで、施設へ直接支払う金額を最初から自己負担上限額までにおさえることができる制度です。

受領委任払いのメリット

通常は一旦施設へ全額(1〜3割負担分)を支払い、数ヶ月後に上限を超過した分が戻ってくる形になります。しかし、受領委任払いを利用すれば、立て替え払いの必要がなくなります。一時的に手元の資金が減ってしまう経済的な負担を大きく軽減できるのが最大のメリットです。

対象となる施設と手続き方法

受領委任払いの対象となるのは、原則として指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護医療院などの介護保険施設です。利用するには、事前に施設の同意を得たうえで、市区町村の窓口へ「受領委任払承認及び支給申請書」を提出して承認を受ける必要があります。

制度を利用する際のよくある注意点

高額介護サービス費を利用するにあたって、いくつか気を付けておきたいポイントがあります。せっかくの負担軽減の制度を正しく活用するために、あらかじめ確認しておきましょう。

申請期限(時効)は2年以内

高額介護サービス費の支給を受ける権利には時効が存在します。サービスを利用した月の翌月の1日から起算して2年を経過すると、時効により申請できなくなってしまいます。お知らせの申請書が届いたら、後回しにせず、忘れないうちにすぐ提出するよう心がけてください。

介護保険料の滞納がある場合の影響

もし介護保険料を長期間滞納していると、ペナルティとして高額介護サービス費の支給が差し止められたり、一時的に自己負担割合が引き上げられたりする給付制限を受けることがあります。介護の負担軽減制度をしっかり利用できるよう、日頃から保険料はきちんと納めましょう。

まとめ

高額介護サービス費とは、毎月の介護費用の負担を大きく和らげてくれる大切な制度です。対象となるサービス費用や対象外となる費用、ご自身の所得区分による上限額をしっかり把握しておくことが大切です。市区町村から支給申請書のお知らせが届いた際は、時効になる前に忘れずに申請を行いましょう。一度手続きをすれば次回からは自動的に振り込まれるので、まずは初回の手続きを確実に行うことがポイントです。

参考文献

国税庁 No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価

国税庁 No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価

高額介護サービス費のよくある質問まとめ

Q.高額介護サービス費とはどのような制度ですか?

A.1ヶ月間に支払った介護保険サービスの自己負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合に、その超過分が後から払い戻される制度です。

Q.施設での食費や居住費は高額介護サービス費の対象になりますか?

A.いいえ、対象になりません。食費、居住費、日常生活費、福祉用具購入費、住宅改修費などはサービスの対象外となります。

Q.申請書はいつ頃届くのでしょうか?

A.サービスを利用した月の約2〜3ヶ月後に、対象となる方へ市区町村から支給申請書が郵送で届きます。

Q.毎月申請の手続きをする必要がありますか?

A.いいえ、初回に申請書と振込先口座を登録すれば、次回以降は自動的に計算され、指定口座に振り込まれます。

Q.高額介護サービス費として戻ってきたお金は医療費控除に影響しますか?

A.はい、影響します。確定申告で医療費控除を受ける際、支払った医療費の総額から、高額介護サービス費として払い戻された金額を差し引いて計算する必要があります。

Q.申請の期限はいつまでですか?

A.サービスを利用した月の翌月1日から起算して2年以内です。期限を過ぎると時効となり受け取れなくなるのでご注意ください。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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