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高額介護サービス費と高額療養費の違いとは?分かりやすく解説

2026-04-20
目次

ご家族の介護や医療が長引くと、毎月の費用の負担がどうしても心配になりますよね。実は、皆さんの負担を軽くしてくれる国のありがたい制度があるんです。その代表的なものが、「高額介護サービス費」と「高額療養費」です。この2つの制度は似ているようでいて、対象となる費用や仕組みが少し違います。この記事では、それぞれの制度の違いや、具体的な上限額、そして両方を合わせて負担を減らすことができる制度について、分かりやすく解説していきます。

高額介護サービス費と高額療養費の基本的な違い

医療や介護の費用が家計の重荷にならないよう、毎月の自己負担には上限が決められています。まずは、この2つの制度がどのようなものなのか、基本的な違いについて見ていきましょう。

高額介護サービス費とは?

高額介護サービス費は、1か月に利用した「介護サービス」の自己負担額が、決められた上限額を超えた場合に、その超えた分の金額が払い戻される制度です。例えば、デイサービスや訪問介護などをたくさん利用して自己負担額が大きくなっても、この制度があれば負担が抑えられるので安心です。

高額療養費とは?

一方、高額療養費は、1か月に支払った「医療費」の自己負担額が上限を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。病院での治療費や手術代、薬局で処方されたお薬代などが対象になります。急な入院などで医療費が高額になってしまったときに、とても助かる仕組みです。

2つの制度の違いを比較

2つの制度は、「何に対する費用か」が一番の大きな違いです。分かりやすく表にまとめましたので、参考にしてみてください。

制度の名前 対象となる費用
高額介護サービス費 介護保険のサービス利用料
高額療養費 医療保険の治療費やお薬代

高額介護サービス費の具体的な上限額と要件

それでは、高額介護サービス費について、具体的な金額や対象にならない費用について詳しく見ていきましょう。

所得ごとの負担上限額

高額介護サービス費の1か月の上限額は、皆さんの所得によって細かく分かれています。令和7年8月からの最新の基準を含めた具体的な上限額は以下の通りです。

所得区分 1か月の上限額(世帯)
課税所得690万円以上(年収約1,160万円以上) 140,100円
課税所得380万円以上〜690万円未満 93,000円
住民税課税〜課税所得380万円未満 44,400円
住民税非課税世帯など 24,600円
生活保護受給者・老齢年金収入80.9万円以下など 15,000円(個人)

払い戻しの対象にならない費用

気をつけたいのは、すべての介護費用が払い戻しの対象になるわけではない点です。例えば、施設に入居している際の食費や居住費、ベッドや車椅子などの福祉用具の購入費、手すりをつけるなどの住宅改修費は対象外となりますので注意してください。

申請方法と注意点

高額介護サービス費を受け取るためには、お住まいの市区町村の窓口で申請をする必要があります。ただし、一度申請をして口座を登録すれば、次からは上限を超えた月に自動的に指定した口座へ振り込まれるようになります。最初の申請だけは忘れないように気をつけてください。

高額療養費の具体的な上限額と要件

次に、医療費が高額になった場合に使える高額療養費について解説します。

年齢と所得ごとの負担上限額

高額療養費の上限額も、年齢や所得によって決まっています。ここでは、70歳以上の方の具体的な金額を見てみましょう。

所得区分(70歳以上) 1か月の上限額(世帯)
年収約1,160万円以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
年収約770万〜1,160万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
年収約370万〜770万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
一般(年収約156万〜370万円) 57,600円
住民税非課税世帯 24,600円

払い戻しの対象にならない費用

高額療養費でも、対象外となる費用があります。入院中の食事代や差額ベッド代、先進医療の費用、保険が適用されない自由診療などは払い戻しの計算には含まれませんので、事前に確認しておくことが大切です。

申請方法と注意点

高額療養費は、ご自身が加入している健康保険の窓口に申請します。事前に「限度額適用認定証」をもらって病院の窓口で見せれば、最初から上限額までの支払いだけで済む便利な制度もありますので、入院などが決まったら早めに手続きをするのがおすすめです。

両方の負担が重いなら高額医療・高額介護合算制度

医療費と介護費、両方の費用がかかっているご家庭には、さらに負担を減らす制度が用意されています。

高額医療・高額介護合算制度とは?

高額医療・高額介護合算制度は、1年間(毎年8月1日から翌年7月31日まで)にかかった医療費と介護費の自己負担額を合計して、決められた上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。月ごとの上限に届かなくても、1年間トータルで計算すると払い戻しが受けられることがあるんです。

年間の自己負担限度額

この制度の年間の自己負担限度額も、所得や年齢によって設定されています。70歳以上の方の場合の金額を見てみましょう。

所得区分(70歳以上) 年間(8月〜翌7月)の限度額
年収約1,160万円以上 212万円
年収約770万〜1,160万円 141万円
年収約370万〜770万円 67万円
一般(年収約156万〜370万円) 56万円
住民税非課税世帯 31万円

申請のタイミングと方法

毎年7月31日の時点で加入している医療保険の窓口に申請します。対象になりそうな方には、市区町村や健康保険からお知らせが届くことが多いです。もしお知らせが来なくても、ご自身で条件に当てはまりそうだと思ったら、忘れずに窓口へ相談してみてください。

医療費控除との併用でさらに負担を軽減

確定申告で行う「医療費控除」と組み合わせることで、税金の負担も軽くすることができます。

医療費控除の対象となる費用

実は、医療費だけでなく、一部の介護サービス費用も医療費控除の対象になります。例えば、訪問看護や介護老人保健施設の利用料、おむつ使用証明書がある場合のおむつ代などが該当します。確定申告の際に申告すると、支払った所得税が一部戻ってきたり、翌年の住民税が安くなったりしますよ。

払い戻しを受けた場合の計算方法

ここでひとつ注意点があります。高額介護サービス費や高額療養費で払い戻しを受けた金額は、実際に支払った費用から差し引いて申告しなければなりません。手元に戻ってきたお金は、最終的な自己負担ではないからです。計算を間違えないように気をつけてください。

まとめ

いかがでしたか。高額介護サービス費と高額療養費は、どちらも私たちの生活を守ってくれる大切な制度です。毎月の負担を軽くしてくれるだけでなく、1年間の合算制度や医療費控除を上手に活用することで、家計の負担をさらに減らすことができます。まずはご自身やご家族がどの区分に当てはまるのかを確認し、必要な申請を忘れずに行うようにしてください。

参考文献

厚生労働省ホームページ
国税庁:医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
国税庁:医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価

高額介護サービス費と高額療養費に関するよくある質問まとめ

Q.高額介護サービス費と高額療養費の最大の違いは何ですか?

A.高額介護サービス費は「介護保険のサービス利用料」、高額療養費は「医療保険の治療費や薬代」が上限を超えた際に払い戻される制度です。

Q.高額介護サービス費の対象外となる費用はありますか?

A.はい、施設での食費や居住費、福祉用具の購入費や住宅改修費などは払い戻しの対象にはなりません。

Q.高額医療・高額介護合算制度とはどのような制度ですか?

A.1年間にかかった医療費と介護費を合わせて計算し、設定された上限額を超えた分が払い戻される制度です。

Q.高額介護サービス費は毎月申請が必要ですか?

A.初回のみ市区町村の窓口で申請すれば、次回以降は指定した口座に自動的に振り込まれるようになります。

Q.高額療養費の払い戻しを受けた場合、医療費控除はどうなりますか?

A.確定申告で医療費控除を受ける際は、支払った医療費から高額療養費で払い戻された金額を差し引いて計算する必要があります。

Q.夫婦で医療保険が異なる場合、費用の合算はできますか?

A.高額医療・高額介護合算制度では、同じ世帯でも加入している医療保険が異なる場合は合算して計算することはできません。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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