税理士法人プライムパートナーズ

高額所得者の節税対策とは?手取りを増やす効果的な方法を徹底解説

2025-11-27
目次

毎日お仕事を頑張って収入が増えても、税金が引かれて手元に残るお金が思ったより少ないと感じることはありませんか。日本の税制では収入が上がるほど税率が高くなるため、高額所得者の方にとって節税対策は非常に大切です。この記事では、すぐに始められる方法から特定の条件で使える方法まで、具体的な節税のコツをわかりやすくお伝えします。

なぜ高額所得者には節税対策が必要なのか

累進課税制度により収入の半分近くが税金になるから

日本の所得税は、課税される所得金額が増えるほど税率が上がる「累進課税制度」を取り入れています。例えば、課税所得が900万円を超えると所得税率は33%に跳ね上がります。さらに住民税が一律10%かかるため、合計で43%もの税金が差し引かれることになります。課税所得が4000万円を超えると所得税45%と住民税10%で最大55%にもなります。稼いだお金の半分以上が税金として納められるため、高額所得者の節税対策は生活を豊かにするために欠かせません。

課税される所得金額 所得税の税率
900万円以下 23%
900万円超~1800万円以下 33%
1800万円超~4000万円以下 40%
4000万円超 45%

生活レベルが上がり手元にお金が残りにくいから

収入が増えると、家賃や住宅ローンの返済、お子様の教育費など、生活にかかる支出も自然と増えがちです。また、児童手当などの公的な支援制度には所得制限が設けられていることが多く、高額所得者の方は手当を受け取れないケースもあります。収入が高くても支出が多く、公的サポートも少ないとなれば、手取り額を少しでも増やす工夫が必要です。だからこそ、税金の仕組みを正しく理解し、賢く対策することが求められます。

すぐに始められる基本的な節税対策

配偶者控除・扶養控除の活用

ご家族がいる方は、控除を正しく申告することで税金を減らすことができます。例えば、配偶者の給与収入が103万円以下であれば、最大38万円の配偶者控除を受けられます。ただし、ご自身の合計所得金額が1000万円を超える場合は配偶者控除を受けられない点には注意が必要です。また、16歳以上のお子様やご両親を養っている場合は扶養控除が適用されます。特定の年齢(19歳以上23歳未満)のお子様なら、控除額が63万円に増えるため、漏れなく申告しましょう。

対象者の要件 控除額
一般の控除対象扶養親族(16歳以上) 38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 63万円

生命保険料控除・地震保険料控除

民間の生命保険や地震保険に加入している場合、支払った保険料の一部を所得から差し引くことができます。新制度の生命保険料控除では、一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険の3種類について、それぞれ最大4万円、合計で最大12万円の所得控除が受けられます。地震保険料控除も、支払った保険料に応じて最大5万円の控除が可能です。年末調整や確定申告で証明書を提出するだけで手続きが完了するため、忘れずに行いましょう。

保険の種類(新制度) 所得税の最大控除額
一般の生命保険料 4万円
介護医療保険料 4万円
個人年金保険料 4万円

ふるさと納税による寄附金控除

応援したい自治体に寄附をすることで、自己負担額の2000円を超える部分について所得税や住民税から控除される制度です。税金そのものが減るわけではありませんが、寄附のお礼として地域のお肉や海鮮などの特産品を受け取ることができるため、実質的にとてもお得な制度です。高額所得者の方は寄附できる上限額も大きいため、ふるさと納税を活用することで、家計の食費や日用品代を大きく節約する効果が期待できます。

NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)

資産形成と節税を同時に行うなら、NISAとiDeCoがおすすめです。2024年から始まった新NISAは、年間最大360万円、生涯で1800万円までの投資に対する利益がずっと非課税になります。一方、iDeCoは毎月積み立てる掛金の全額が所得控除の対象となるため、今年の税金を直接減らす効果があります。例えば、毎月2.3万円(年間27.6万円)を積み立てた場合、税率が33%の方なら年間で約9万円の節税になります。将来への備えとして、ぜひ取り入れてみてください。

制度名 主な節税メリット
NISA 投資で得た運用益や配当金が全額非課税
iDeCo 掛金が全額所得控除され、今年の税金が減る

医療費控除とセルフメディケーション税制

1年間に支払った家族全員の医療費が10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた場合、最大200万円まで所得から控除できるのが医療費控除です。通院の交通費や、治療のための歯列矯正なども対象になります。また、医療費が10万円に満たなくても、対象の市販薬を年間1万2000円以上購入した場合、最大8万8000円まで控除できるセルフメディケーション税制があります。どちらか一方しか選べないため、ご家庭の状況に合わせて有利な方を選んで申告してください。

特定の状況で使える節税対策

株式投資などで損失が出た場合の損益通算

もし上場株式の取引で損失を出してしまった場合、他の株式の配当金や売却益と相殺する「損益通算」が可能です。これにより、利益にかかる税金を減らすことができます。さらに、その年に引ききれなかった損失は、確定申告をすることで翌年以降3年間にわたって繰り越すことができる「繰越控除」という制度もあります。投資で損をしてしまったときこそ、しっかりと申告をして税金を取り戻す工夫が大切です。

災害や盗難に遭った際の雑損控除

万が一、台風や地震などの自然災害、あるいは空き巣などの盗難によって住宅や家財に損害を受けた場合、「雑損控除」という制度を利用できます。生活に必要な資産が被害を受けた場合に、一定の計算式に基づいて計算された金額を所得から差し引くことができます。また、被害額が大きい場合は、その年の所得税が軽減・免除される「災害減免法」を選ぶことも可能です。いざというときのために、こうした救済措置があることを覚えておきましょう。

高額所得者に効果的な不動産投資

不動産投資で節税ができる仕組み

課税所得が900万円を超えるような高額所得者の節税対策として、よく選ばれるのが不動産投資です。不動産を購入すると、建物の購入代金を数年間に分けて経費にする「減価償却費」を計上できます。実際にはお金が出ていかないのに帳簿上の経費を作ることができるため、不動産所得を赤字にして給与所得と相殺(損益通算)することで、全体の所得金額を小さくし、納める税金を大幅に減らすことが可能です。

節税効果を高める物件選びのポイント

不動産投資で節税効果をしっかり出すには、物件選びがとても重要です。特に、築年数の古い木造アパートなどは、減価償却できる期間(耐用年数)が短く計算されるため、1年あたりに計上できる経費の額が大きくなります。例えば、築22年以上の木造物件なら、たった4年で建物の価値を経費にすることができます。ただし、修繕費用がかさんだり空室が続いたりするリスクもあるため、利回りと節税額のバランスを慎重に見極めることが大切です。

法人化(プライベートカンパニー)による節税

法人税率と所得税率の差を活かす

個人事業主や副業での収入が多くなってきた場合、新しく会社を設立して法人化することで税金を抑えられることがあります。個人の所得税は最大45%(住民税と合わせて55%)まで上がりますが、法人税の実効税率は中小企業であれば高くても30%前後です。一定の利益を超える場合、個人のまま税金を納めるよりも、法人として税金を納めるほうが手元に残るお金が多くなるケースが多々あります。

家族への給与支払いによる所得分散

法人を作ると、事業を手伝ってくれるご家族を役員や従業員にして給与を支払うことができます。これを「所得分散」と呼びます。例えば、ご自身だけで1500万円の利益を受け取るよりも、ご自身と配偶者、お子様などに分けて給与を支払うことで、一人ひとりの所得税率を低く抑えられます。さらに、給与を受け取る側は「給与所得控除」という非課税の枠を使えるため、世帯全体で納める税金を大きく減らす効果が期待できます。

まとめ

お給料が増えれば増えるほど税金も高くなる日本において、高額所得者の節税対策は手取りを守るための必須の知識です。まずは配偶者控除やiDeCo、ふるさと納税といった身近な制度から取り入れてみてください。そして、さらに収入が増えてきたら、不動産投資や法人化など、より効果の大きい方法も検討してみましょう。税金の仕組みを優しく味方につけて、ゆとりある豊かな生活を実現してくださいね。

参考文献

国税庁 No.2260 所得税の税率

国税庁 No.1199 基礎控除

国税庁 No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

高額所得者の節税対策に関するよくある質問まとめ

Q.高額所得者が節税対策をしないとどうなりますか?

A.日本の所得税は累進課税のため、何もしないと稼いだお金の半分近くが税金として引かれ、手取りが増えにくくなります。

Q.すぐに始められる節税対策は何がありますか?

A.ふるさと納税やiDeCo、NISA、生命保険料控除など、書類の提出や簡単な手続きで始められるものがおすすめです。

Q.ふるさと納税は節税になりますか?

A.税金自体が減るわけではありませんが、実質2000円の負担で地域の特産品を受け取ることができるため、家計の節約につながります。

Q.不動産投資が節税になると言われるのはなぜですか?

A.建物の購入費用を減価償却費として経費計上し、不動産所得の赤字と給与所得を相殺することで、全体の課税所得を減らせるからです。

Q.サラリーマンでも経費を申告して節税できますか?

A.特定支出控除という制度を使えば、仕事に関わる通勤費や資格取得費などが一定額を超えた場合に経費として申告できることがあります。

Q.法人化する目安の収入はどれくらいですか?

A.課税所得が900万円を超えると所得税と住民税の合計が43%になるため、このラインが法人化を検討する一つの目安と言われています。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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