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7号文書とは?印紙代4,000円は高い?2号文書との違いを解説

2025-12-23
目次

ビジネスシーンで「この契約書は7号文書ですね」なんて会話を聞いたことはありませんか?特に、継続的な取引で使われる契約書なのですが、「印紙代が4,000円もかかる」と聞いて、少し戸惑ってしまう方も多いかもしれません。この記事では、そんな7号文書とは一体何なのか、よく似ている2号文書との違い、そして気になる印紙代について、わかりやすく解説していきますね。

そもそも7号文書ってどんな契約書?

7号文書とは、印紙税法で定められている課税文書の一種で、正式には「継続的取引の基本となる契約書」と呼ばれています。特定の相手と、何度も繰り返し同じような取引を続けるときに、その取引全般に共通する基本的なルールを決めておくための契約書のことです。毎回契約書を作る手間を省き、スムーズに取引を進めるために使われます。

7号文書に当てはまる具体的な契約書

「継続的取引の基本となる契約書」と言われても、少しイメージしにくいかもしれませんね。具体的には、以下のような契約書が7号文書に当てはまることが多いです。

  • 売買取引基本契約書
  • 業務委託基本契約書
  • 代理店契約書
  • 特約店契約書
  • 貨物運送基本契約書
  • 下請基本契約書

このように、「基本」や「約定書」といった名前がついていることが多いのが特徴です。

7号文書になるための5つの要件

ただし、上記のような名前の契約書がすべて7号文書になるわけではありません。7号文書に該当するには、原則として次の5つの要件をすべて満たす必要があるんです。

要件1 営業者同士の契約であること
要件2 売買、運送、請負など特定の取引に関するものであること
要件3 2回以上継続して取引を行うための契約であること(契約期間が3ヶ月以内で更新の定めがないものは除く)
要件4 目的物の種類、単価、支払方法など取引条件のうち1つ以上を定めていること
要件5 電気またはガスの供給に関する契約ではないこと

これらの条件をすべて満たすと、その契約書は7号文書として扱われます。

7号文書の印紙代はいくら?

さて、一番気になるところかもしれない印紙代についてです。7号文書の印紙税額は、契約書に書かれている金額にかかわらず、一律4,000円です。契約金額が100万円でも1億円でも、同じ4,000円の収入印紙を貼る必要があります。

なぜ一律4,000円なの?

個別の取引で作成される契約書(例えば2号文書)は、契約金額によって印紙代が変わります。それに対して、7号文書はこれから行われる多くの取引の「基本」となる、とても重要な契約書です。そのため、個々の取引金額ではなく、契約そのものの重要性から、高めの一律料金が設定されていると考えられています。

印紙を貼り忘れたらどうなる?

もし収入印紙を貼り忘れてしまうと、ペナルティとして「過怠税(かたいぜい)」が課せられます。税務調査などで指摘された場合、本来貼るべきだった印紙税額とその2倍の金額、つまり合計で3倍の金額を納めなければなりません。4,000円の印紙を貼り忘れると、12,000円を支払うことになってしまいます。自主的に貼り忘れを申し出た場合は、1.1倍に軽減されますが、貼り忘れには十分に注意したいですね。

よく間違える!2号文書との違いは?

7号文書と非常によく似ていて混同されやすいのが、「請負に関する契約書」である2号文書です。特に、システムの保守契約や清掃業務委託契約などでは、どちらに該当するのか判断が難しいケースがあります。この2つの違いをしっかり理解することが、正しい印紙税額を納めるための重要なポイントになります。

判断の決め手は「契約金額が計算できるか」

7号文書2号文書を見分ける最大のポイントは、「契約書から契約金額の総額が計算できるかどうか」です。契約書に「月額〇円で、契約期間は1年間」のように書かれていて、掛け算などで総額を算出できる場合は2号文書に該当します。一方で、契約期間の定めがなかったり、「自動更新」となっていたりして総額がはっきりしない場合は7号文書になります。

具体例で見てみよう

言葉だけだと少し難しいので、具体的な例で見てみましょう。どちらも「月額5万円のエレベーター保守契約」だとします。

ケースA 「契約期間は2024年4月1日から1年間とする」と記載。
→ 月額5万円 × 12ヶ月 = 60万円と契約金額が計算できるため、2号文書に該当します。
ケースB 「契約期間の定めはない」または「契約は1年ごとに自動更新とする」と記載。
→ 契約の総額が計算できないため、7号文書に該当します。

2号文書の印紙代は?

2号文書の印紙代は、7号文書と違って契約金額に応じて変わります。先ほどのケースA(契約金額60万円)の場合、印紙代は200円です。7号文書の4,000円と比べると、大きな差がありますよね。だからこそ、どちらの文書に当たるのかを正しく判断することが大切なんです。

第2号文書の印紙税額(主なもの)
契約金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1,000円

印紙代4,000円を節約する方法

取引のたびに発生するわけではありませんが、やはり4,000円という金額は少しでも節約したいものですよね。実は、合法的に印紙税を節約する方法があるんです。

契約期間を3ヶ月以内にする

7号文書の要件の一つに、「契約期間が3ヶ月を超えること」というものがありました。これを逆手にとって、契約期間を3ヶ月以内にし、かつ更新の定めを設けない契約書にすれば、7号文書には該当しなくなります。ただし、これは取引の実態に合っている場合に限られますので、注意が必要です。

電子契約に切り替える

最も効果的で、最近増えているのがこの方法です。印紙税は、そもそも「紙の文書」に対して課税される税金です。そのため、PDFなどのデータで契約を取り交わす「電子契約」であれば、印紙税は一切かかりません。つまり、印紙代は0円になります。コスト削減だけでなく、契約書を郵送する手間や時間が省けたり、保管場所が不要になったりと、業務効率化の面でも大きなメリットがあります。

契約書にまつわる注意点

最後に、契約書を作成したり、受け取ったりする際の注意点をいくつかお伝えします。

どちらの文書か迷ったら?

自分で判断するのが難しい、不安だという場合は、自己判断で進めずに、管轄の税務署税理士などの専門家に相談することをおすすめします。誤って納付すると、後からペナルティが発生する可能性もあるため、確実な方法で確認しましょう。

変更契約書にも印紙は必要?

元の契約書の内容を変更するために作成する「覚書」や「変更契約書」も、その変更内容が印紙税法上の「重要な事項」にあたる場合は、新たに印紙を貼る必要があります。例えば、契約金額や支払方法などを変更する際には注意が必要です。この場合も、元の契約書が何号文書か、どの事項を変更するかによって判断が変わるため、迷ったら専門家に相談しましょう。

まとめ

今回は、7号文書について詳しく見てきました。ポイントをまとめると以下のようになります。

  • 7号文書は「継続的取引の基本となる契約書」で、印紙代は一律4,000円
  • 2号文書との大きな違いは「契約金額の総額が計算できるか」どうか。
  • 契約金額が計算できる場合は2号文書となり、印紙代が安くなることが多い。
  • 印紙代を節約するには、電子契約への切り替えが最も効果的。

契約書と印紙税の関係は少し複雑ですが、基本的なルールを知っておくことで、無駄なコストを削減し、安心して取引を進めることができます。ぜひ、今回の内容を今後のビジネスにお役立てくださいね。

参考文献

国税庁 No.7104 継続的取引の基本となる契約書

国税庁 No.7102 請負に関する契約書

国税庁 印紙税額の一覧表

7号文書や印紙代に関するよくある質問

Q. 7号文書とは、簡単に言うとどんな書類ですか?

A. 特定の相手と継続的に取引を行う際に、その取引の共通ルールを定めておく「基本契約書」のことです。例えば、売買取引基本契約書や業務委託基本契約書などが該当します。

Q. 7号文書の印紙代は必ず4,000円ですか?

A. はい、契約書に記載された契約金額にかかわらず、一律で4,000円の印紙税がかかります。

Q. 業務委託契約書はいつも7号文書になりますか?

A. いいえ、必ずしも7号文書になるとは限りません。契約期間と報酬額から契約総額が計算できる場合は「2号文書」に、契約総額が計算できない継続的な取引の基本契約であれば「7号文書」に該当します。

Q. 契約書を電子化すれば、本当に印紙代はかからないのですか?

A. はい、かかりません。印紙税は「紙の文書」に課される税金のため、PDFなどの電子データでやり取りする電子契約は課税対象外となり、印紙は不要です。

Q. 収入印紙を貼り忘れたら、契約は無効になりますか?

A. いいえ、契約の効力自体には影響ありません。ただし、税法上の義務違反となり、本来の印紙税額の3倍の過怠税が課されるペナルティがあります。

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