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おすすめの生命保険は?20代・30代の選び方と平均保険料を徹底解説

2025-04-05
目次

「そろそろ生命保険を考えなきゃ…」と思いつつも、種類が多くて何から手をつければ良いか分からない、という方も多いのではないでしょうか。特に20代や30代は、就職、結婚、出産などライフステージが大きく変化する大切な時期です。将来の漠然とした不安を解消するためにも、自分に合った保険の選び方を知っておくことはとても重要です。この記事では、おすすめの生命保険の考え方や、あなたの状況にぴったりの保険を見つけるためのヒントを、具体的なデータと一緒に優しく解説していきますね。

そもそも生命保険って、みんな入ってるの?

生命保険の必要性を考えるとき、他の人がどうしているのか気になりますよね。まずは20代・30代の加入率や、毎月どれくらいの保険料を支払っているのか、客観的なデータを見ていきましょう。

20代・30代の生命保険加入率

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、生命保険(個人年金保険を除く)の加入率は、20代で男性が46.4%、女性が57.1%となっています。そして30代になると男性81.5%、女性82.8%と、ぐっと加入率が上がります。このデータから、30代になると約8割以上の人が何らかの生命保険に加入し、将来のリスクに備えていることがわかります。20代のうちから検討を始めている人も、決して少なくないんですよ。

みんなは保険料をいくら払ってる?年代別の平均保険料

次に、気になる毎月の保険料を見てみましょう。同調査によると、年代・性別ごとの年間の平均払込保険料は以下のようになっています。月額に換算すると、具体的なイメージが湧きやすいかもしれませんね。

年代・性別 年間平均保険料(月額換算)
20代男性 11.9万円(約9,900円/月
20代女性 9.6万円(約8,000円/月
30代男性 19.9万円(約16,600円/月
30代女性 14.0万円(約11,700円/月

もちろん、これはあくまで平均値です。ご自身の収入やライフプランに合わせて、無理のない範囲で保険料を決めることが大切です。

どんな保障に加入しているの?

多くの人が加入しているのは、病気やケガによる入院・手術に備える医療保険や、がんに特化した保障が受けられるがん保険です。特に医療保障は、万が一のときの経済的な負担を軽くするために、早い段階から備えておきたいと考える人が多いようです。死亡したときに家族にお金を残す死亡保障は、家族構成によって必要性が大きく変わってきます。

なぜ若いうちから生命保険に入るのがおすすめなの?

「まだ若いし健康だから、保険はまだ先でいいかな」と思うかもしれません。ですが、実は若いうちに加入するからこその大きなメリットがあるんです。主なメリットを4つご紹介しますね。

メリット1:保険料が安く抑えられる

生命保険の保険料は、加入するときの年齢や健康状態で決まるのが一般的です。年齢が若いほど病気になるリスクが低いと判断されるため、同じ保障内容でも月々の保険料を安く抑えることができます。例えば、30歳で加入するのと40歳で加入するのとでは、生涯で支払う保険料の総額に大きな差が出ることがあります。将来的に加入を考えているなら、早めの検討がお得につながります。

メリット2:保険の選択肢が広がる

年齢を重ねると、健康診断で気になる数値が出たり、持病ができてしまったりと、健康上のリスクが高まることがあります。そうなると、加入できる保険の種類が限られたり、特定の病気は保障の対象外になるなどの条件が付いたりすることがあります。健康な20代・30代のうちなら、たくさんの保険商品の中から自分に合ったプランを自由に選びやすいというメリットがあります。

メリット3:将来の資産形成にもつながる

生命保険には、万が一の保障だけでなく、貯蓄の機能を持つ「貯蓄型保険」という種類もあります。代表的なものに「終身保険」や「個人年金保険」があります。毎月の保険料の一部が積み立てられていき、解約したときには「解約返戻金」として、満期には「満期保険金」としてまとまったお金を受け取れます。早くから始めるほど、長期間の運用で返戻率が高くなる傾向があるため、将来の教育資金や老後資金の準備としても活用できます。

メリット4:税金の負担が軽くなる(生命保険料控除)

支払った生命保険料は、年末調整や確定申告で「生命保険料控除」という制度の対象になります。これは、年間の払込保険料に応じて所得から一定額が控除され、結果的に所得税や住民税の負担が軽くなるという、とても嬉しい制度です。2012年1月1日以降の契約の場合、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3つの区分で、それぞれ所得税で最大4万円、住民税で最大2.8万円の控除が受けられます。

【目的別】あなたにおすすめの生命保険の種類はこれ!

生命保険と一言でいっても、目的によって様々な種類があります。ここでは、代表的な保険の種類と、どんな人におすすめなのかを分かりやすく解説します。

万が一の死亡に備える「死亡保険」

被保険者が亡くなった場合や、高度障害状態になった場合に、遺された家族に保険金が支払われる保険です。主に3つのタイプがあります。

保険の種類 特  徴
定期保険 10年、20年、60歳までなど保障期間が決まっている掛け捨てタイプ。保険料が割安なので、子育て期間中など、一定期間だけ手厚い保障が欲しい方におすすめです。
終身保険 保障が一生涯続くタイプ。貯蓄性があり、解約返戻金があるので、お葬式代の準備や資産形成も兼ねたい方に向いています。
収入保障保険 万が一の際、保険金を一括ではなくお給料のように毎月分割で受け取るタイプ。保険期間が経つにつれて受け取る総額が減っていくため、保険料が非常に合理的です。お子さんが独立するまでの生活費を確実に確保したい方におすすめです。

病気やケガの治療費に備える「医療保険」

病気やケガで入院したり、手術を受けたりしたときに給付金が受け取れる保険です。日本の公的医療保険は非常に優れており、「高額療養費制度」によって医療費の自己負担には上限が設けられています。しかし、差額ベッド代や先進医療の技術料、入院中の食事代などは自己負担となります。医療保険は、こうした公的保険ではカバーしきれない費用に備えるための保険です。ほとんどすべての方におすすめできる基本的な保険と言えるでしょう。

がん治療に特化して備える「がん保険」

その名の通り、がんと診断されたときや、がんの治療で入院・手術・通院をしたときに給付金が受け取れる、がんに特化した保険です。がんは治療が長期化しやすく、先進医療など高額な治療を選択する可能性もあります。医療保険に上乗せする形で、がんへの備えを手厚くしたいと考える方におすすめです。診断された時点でまとまった一時金が受け取れるタイプが人気です。

働けなくなった時の収入減に備える「就業不能保険」

病気やケガが原因で長期間働けなくなったときに、毎月お給料のように給付金を受け取れる保険です。会社員や公務員の方には、傷病手当金という公的な保障がありますが、支給期間は最長1年6ヶ月です。それ以降も働けない状態が続いた場合や、傷病手当金がない自営業・フリーランスの方にとっては、生活を支えるための非常に重要な保険となります。

【ライフステージ別】生命保険の選び方ガイド

必要な保障は、あなたの今の状況によって大きく変わります。ここでは、3つのライフステージ別に、おすすめの保険の組み合わせをご紹介します。

20代・30代独身の方

独身の方の場合、扶養する家族がいないため、高額な死亡保障の必要性は低いかもしれません。まず優先したいのは、自分自身の病気やケガに備えることです。

  • 医療保険:急な入院や手術で貯蓄を大きく取り崩さずに済むように、基本的な保障として加入しておくと安心です。日額5,000円~10,000円の入院保障が一般的です。
  • 就業不能保険:特に自営業の方や、貯蓄がまだ少ない方は、働けなくなったとき収入が途絶えるリスクに備えておくと心強いでしょう。
  • 死亡保険:ご両親に心配をかけないよう、ご自身のお葬式代として200万円~300万円程度の終身保険に加入しておく、という考え方もあります。

結婚したばかりの夫婦(子どもなし)

夫婦二人暮らしの場合は、自分だけでなく、遺されるパートナーの生活も考える必要があります。共働きか、どちらかが専業主婦(主夫)かによって必要な保障は変わってきます。

  • 医療保険:お互いのために、それぞれ加入しておくのが基本です。
  • 死亡保険:万が一のことがあった場合、遺されたパートナーの生活費や、住宅ローンの返済などを考慮して保障額を決めます。共働きなら少額でも良いかもしれませんが、専業主婦(主夫)の家庭では、一家の大黒柱に手厚い保障が必要です。
  • がん保険:夫婦どちらかががんになった場合、治療に専念できるよう、経済的な備えとして検討する価値は高いです。

お子さんがいるご家庭

お子さんがいるご家庭では、万が一のことがあっても、子どもが経済的に困窮することなく成長できる環境を守ることが最優先課題です。

  • 死亡保険(特に収入保障保険):家計を支える方に万が一のことがあった場合、お子さんが独立するまでの生活費や教育費をカバーできる、十分な保障額が必要です。保険料が手頃で合理的な収入保障保険が特におすすめです。
  • 医療保険:入院などで親の収入が減ると、家計に直接響きます。夫婦ともにしっかり備えておきましょう。
  • 学資保険・終身保険:保障と同時に、計画的に教育資金を準備する方法として有効です。大学進学など、まとまったお金が必要になる時期に合わせて準備を進めましょう。

生命保険を選ぶときの注意点

自分に合った保険を見つけるために、最後に3つの大切な注意点をお伝えします。

無理なく続けられる保険料を設定しよう

保障内容を手厚くすれば、もちろん安心感は増しますが、その分保険料は高くなります。保険は長期間にわたって支払いを続けるものです。家計を圧迫して途中で解約してしまっては元も子もありません。一般的に、保険料の目安は手取り収入の5%程度と言われていますが、まずはご自身の収支をしっかり把握し、無理なく継続できる金額を設定しましょう。

公的保障でカバーできる範囲を理解しよう

日本の社会保険制度は、世界的に見ても手厚いと言われています。病気やケガをしたときの「高額療養費制度」や、会社員が働けなくなったときの「傷病手当金」、家族を亡くしたときの「遺族年金」など、様々な公的保障があります。まずは公的保障でどれくらいカバーされるのかを理解し、それでも足りない部分(自助努力が必要な部分)を民間の生命保険で補うという考え方が、賢い保険選びの基本です。

定期的な見直しを忘れずに

一度加入したら終わり、ではありません。生命保険は、ライフステージの変化に合わせて見直すことが非常に重要です。独身時代に加入した保険も、結婚したり、子どもが生まれたり、家を購入したりしたタイミングで、必要な保障は変わってきます。少なくとも5年に一度、あるいは大きなライフイベントがあったときには、保障内容が今の自分に合っているか、専門家に相談するなどして確認する習慣をつけましょう。

まとめ

おすすめの生命保険は、一人ひとりの年齢や家族構成、収入、そして将来の夢によって全く異なります。誰かにとって最高の保険が、あなたにとっても最高とは限らないのです。大切なのは、まず「何のために保険に入るのか」という目的をはっきりさせること。そして、公的な保障も踏まえたうえで、今の自分に必要な保障を、無理のない保険料で準備することです。この記事が、あなたの未来を守るための一歩を踏み出すきっかけになれば、とても嬉しいです。分からないことがあれば、保険のプロに相談してみるのも良い方法ですよ。

参考文献

国税庁 No.1140 生命保険料控除

生命保険選びのよくある質問まとめ

Q. そもそも生命保険はなぜ必要ですか?

A. 万が一のことがあった際に、残された家族の生活費や子どもの教育費などを経済的に支えるためです。また、自身の病気やケガによる収入減少に備える目的もあります。

Q. 生命保険にはどんな種類がありますか?

A. 大きく分けて、一定期間を保障する「定期保険」、一生涯の保障が続く「終身保険」、保障と貯蓄性を兼ね備えた「養老保険」などがあります。それぞれ特徴が異なるため、ご自身の目的に合わせて選ぶことが大切です。

Q. 「掛け捨て型」と「貯蓄型」はどちらを選べばいいですか?

A. 「掛け捨て型」は保険料が割安で大きな保障を得やすい一方、解約返戻金などはありません。「貯蓄型」は保険料が割高ですが、将来のためにお金を貯めながら保障も備えられます。ご自身の目的や予算に応じて選びましょう。

Q. 生命保険はいつから入るのがベストですか?

A. 一般的に、若くて健康なうちに入る方が保険料は安くなります。就職、結婚、出産など、ライフステージが変化するタイミングで検討を始める方が多いです。

Q. 毎月の保険料はいくらくらいが目安ですか?

A. 保険料の目安は年齢、収入、家族構成などによって大きく異なります。一般的には手取り月収の5%〜10%程度が無理のない範囲と言われていますが、ご自身のライフプランに合わせて設定することが重要です。

Q. 一度入った生命保険はずっとそのままで良いのでしょうか?

A. いいえ、ライフステージの変化に合わせて保障内容を見直すことをおすすめします。結婚、出産、住宅購入などのタイミングで必要な保障額が変わることがあるため、定期的な確認が大切です。

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対応責任者
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