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個人事業主とは?かかる税金の種類と計算方法をわかりやすく解説!

2025-07-18
目次

これから個人事業主としての一歩を踏み出そうと考えている方や、独立したばかりで税金のことがよくわからない…と不安に感じていませんか?「個人事業主って会社員と何が違うの?」「どんな税金を、いつ、いくら払うの?」そんな疑問を解消するために、この記事では個人事業主の基本から、納めるべき税金の種類、具体的な計算方法、そして賢い節税のポイントまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読めば、税金への不安が軽くなるはずですよ。

個人事業主ってどんな働き方?

まずは、「個人事業主」がどういうものなのか、基本的なところから確認していきましょう。法人との違いや、よく耳にする「フリーランス」との関係性を知ることで、ご自身の立ち位置がより明確になりますよ。

個人事業主と法人の違い

個人事業主とは、株式会社などの「法人」を設立せず、個人の名前で事業を営む人のことを指します。税務署に「開業届」を提出することで、正式に個人事業主となります。法人設立に比べて手続きが簡単で、少ない元手で始められるのが大きな魅力です。一方で、事業の責任はすべて個人が負うことになるという特徴もあります。

項目 個人事業主
設立手続き 税務署に開業届を提出するだけで簡単
社会的信用 法人に比べるとやや低い傾向
税金 所得に対して「所得税」がかかる(累進課税)
責任の範囲 無限責任(事業上の負債は個人の資産で返済)

フリーランス・自営業との違いは?

「フリーランス」や「自営業」という言葉もよく使われますが、これらは個人事業主とどう違うのでしょうか。実は、これらの言葉は指しているものが少しずつ違います。
フリーランスは、特定の企業に所属せず、案件ごとに契約を結んで仕事をする「働き方」を指す言葉です。一方、個人事業主は、税務署に開業届を提出して事業を営む「税法上の区分」を指します。そのため、フリーランスとして働きながら、税務上は個人事業主である、という方がほとんどです。
自営業は、会社員ではない働き方を広く指す言葉で、個人事業主も法人経営者も含まれることがあります。基本的には、「税務署に開業届を出しているかどうか」が、個人事業主を定義する一番のポイントだと覚えておくと分かりやすいでしょう。

個人事業主にかかる4つの主な税金

個人事業主になると、会社員時代のように給料から天引きされるのではなく、自分で税金を計算して納める必要があります。主に納めることになる税金は、次の4種類です。それぞれの税金がどんなものなのか、概要を見ていきましょう。

所得税

所得税は、1月1日から12月31日までの1年間の「所得」に対してかかる国税です。所得とは、売上(収入)から必要経費を差し引いた金額のこと。この所得額をもとに税額が計算され、翌年に確定申告を行って納税します。所得が多ければ多いほど税率が高くなる「累進課税」が採用されています。

住民税

住民税は、お住まいの都道府県や市区町村に納める地方税です。前年の所得をもとに計算され、所得に応じて課税される「所得割」と、所得にかかわらず一定額が課税される「均等割」の2つから成り立っています。確定申告をすれば、その情報が自治体に送られ、税額が計算された納税通知書が送られてきます。

個人事業税

個人事業税は、法律で定められた特定の事業(法定業種)を行っている個人事業主に対して課される地方税です。すべての個人事業主が対象ではなく、また、年間の事業所得が290万円を超えた場合にのみ課税されます。この税金は、事業を行う上で利用する道路や港湾などの公共サービスにかかる経費を一部負担するという意味合いを持っています。

消費税

消費税は、商品やサービスの提供に対して課される税金です。個人事業主の場合、基本的には2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合に、消費税を納める義務がある「課税事業者」となります。それ以外の場合は「免税事業者」となり、消費税の納税は免除されます。ただし、2023年10月から始まったインボイス制度への対応のために、あえて課税事業者を選択するケースも増えています。

税金の計算方法を詳しく見てみよう!

ここからは、それぞれの税金が具体的にどのように計算されるのかを見ていきましょう。計算式や税率を知っておくことで、ご自身の納税額を大まかに把握できるようになりますよ。

所得税の計算方法

所得税の計算は、以下のステップで行います。

1. 所得金額の計算:総収入金額 − 必要経費 = 事業所得
2. 課税所得の計算:事業所得 − 各種所得控除 = 課税所得金額
3. 所得税額の計算:課税所得金額 × 所得税率 − 税額控除 = 所得税額

所得税率は、課税所得金額に応じて5%から45%までの7段階に分かれています。下の速算表を使うと簡単に計算できます。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 20%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万円超 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

例えば、課税所得が400万円の場合、税率は20%です。計算式は「400万円 × 20% − 427,500円(控除額) = 372,500円」となります。さらに、この所得税額に加えて、2037年までは「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)も合わせて納付します。

住民税の計算方法

住民税は、「所得割」と「均等割」の合計額です。

  • 所得割:前年の課税所得金額 × 税率10%(都道府県民税4% + 市区町村民税6%)
  • 均等割:所得にかかわらず定額で課税されます。自治体によって多少異なりますが、おおむね年間5,000円程度です。

確定申告をすれば税務署から自治体へ情報が共有されるため、自分で計算する必要はありません。毎年6月頃に納税通知書が届きます。

個人事業税の計算方法

個人事業税は、以下の計算式で算出されます。
(事業所得など − 事業主控除290万円) × 税率(3%〜5%)

ポイントは、年間290万円の事業主控除があることです。つまり、所得が290万円以下であれば個人事業税はかかりません。また、所得税の計算で使える青色申告特別控除は、個人事業税の計算では適用されないため、計算時には所得に足し戻す必要があります。税率は事業の種類によって異なります。

事業区分 税率
第1種事業(物品販売業、飲食店業、コンサルタント業など37業種) 5%
第2種事業(畜産業、水産業など3業種) 4%
第3種事業(医業、弁護士業、デザイン業、理容業など30業種) 5%
第3種事業(あんま・マッサージ業など) 3%

消費税の計算方法

課税事業者になった場合、消費税の計算方法は「原則課税」と「簡易課税」の2種類から選べます。基本的な計算式は以下の通りです。
売上げで預かった消費税 − 仕入れや経費で支払った消費税 = 納付する消費税額

2年前の課税売上高が5,000万円以下の場合、「簡易課税制度」を選択することもできます。これは、業種ごとに定められた「みなし仕入率」を使って、支払った消費税額を簡易的に計算する方法で、経理の手間を簡略化できるメリットがあります。

個人事業主の納税スケジュール

それぞれの税金をいつ納めるのか、年間のスケジュールを把握しておくことはとても大切です。納付期限を過ぎると延滞税がかかってしまうので、しっかり確認しておきましょう。

税金の種類 納付時期
所得税・復興特別所得税(確定申告) 原則として、翌年の2月16日〜3月15日
所得税・復興特別所得税(予定納税) 第1期:7月31日まで、第2期:11月30日まで
住民税(普通徴収) 6月、8月、10月、翌年1月の年4回(または6月に一括)
個人事業税 第1期:8月末、第2期:11月末
消費税・地方消費税 原則として、翌年の3月31日

※予定納税は、前年の所得税額が15万円以上だった場合に発生します。

今日からできる!個人事業主の節税対策

税金の仕組みを理解したら、次は節税です。知っているだけで手元に残るお金が変わってきますので、ぜひ活用してください。

青色申告で最大65万円の特別控除

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、節税を考えるなら断然青色申告がおすすめです。事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要がありますが、以下のような大きなメリットがあります。

  • 青色申告特別控除:所得から最大で65万円を差し引くことができます。(※電子申告(e-Tax)を利用した場合)
  • 赤字の繰越し:事業が赤字になった場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の黒字と相殺できます。
  • 家族への給与を経費に:生計を共にする家族に支払った給与を「青色事業専従者給与」として全額経費にできます。

経費を漏れなく計上する

所得は「収入 − 経費」で計算されるため、事業に関わる支出を漏れなく経費として計上することが節税の基本です。例えば、仕事で使うパソコンや文房具代、打ち合わせの交通費や飲食代、オフィスの家賃などが経費になります。自宅を事務所として使っている場合は、家賃や光熱費の一部を「家事按分」という考え方で経費にすることも可能です。日頃から領収書やレシートをきちんと保管しておく習慣をつけましょう。

各種所得控除をフル活用する

所得税の計算では、所得から差し引ける「所得控除」がたくさん用意されています。これらを活用することで課税所得を抑え、税額を減らすことができます。

  • 社会保険料控除:支払った国民年金や国民健康保険の保険料は全額が控除対象です。
  • 生命保険料控除:生命保険や医療保険、個人年金保険の保険料の一部が控除されます。
  • 小規模企業共済等掛金控除:個人事業主の退職金制度である「小規模企業共済」や、私的年金制度の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の掛金は、全額が所得控除の対象となります。節税しながら将来に備えられる、とても有効な方法です。

まとめ

今回は、個人事業主の基本的な知識と、かかる税金の種類や計算方法、そして節税のポイントについて解説しました。会社員とは違い、自分で税金を管理・納付するのは少し大変に感じるかもしれませんが、仕組みをきちんと理解すれば、決して難しいことではありません。特に青色申告経費の計上、各種控除の活用は、手元に残るお金に直結する大切な知識です。この記事を参考に、計画的に税金と向き合い、安心して事業に集中できる環境を整えていきましょう。

参考文献

国税庁 タックスアンサー No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)

国税庁 タックスアンサー No.2070 青色申告制度

東京都主税局 個人事業税

個人事業主と税金のよくある質問まとめ

Q.個人事業主とは何ですか?

A.法人を設立せず、個人で事業を行う人のことです。税務署に「開業届」を提出することで個人事業主となります。

Q.個人事業主がかかる税金の種類は何ですか?

A.主に「所得税」「住民税」「消費税」「個人事業税」の4つです。所得や売上に応じて納付額が決まります。

Q.開業届は必ず提出しないといけないのですか?

A.事業を開始した日から1ヶ月以内に税務署へ提出することが所得税法で定められています。節税メリットの大きい「青色申告」をするためにも提出は必須です。

Q.青色申告のメリットは何ですか?

A.最大65万円の特別控除を受けられる、赤字を3年間繰り越せる、家族への給与を経費にできるなど、大きな節税効果があります。

Q.個人事業主の経費はどこまで認められますか?

A.事業に関連する支出であれば経費として認められます。例えば、事務所の家賃、仕入れ代、交通費、消耗品費などです。家事按分を利用すれば、自宅の家賃や光熱費の一部も経費にできます。

Q.所得税はどのように計算されますか?

A.1年間の売上から経費を差し引いた「所得」を計算し、そこから各種控除を引いた「課税所得」に所得税率を掛けて計算します。所得が多いほど税率が高くなる累進課税が適用されます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。