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相続した土地が準都市計画区域に!評価額への影響を徹底解説

2025-08-21
目次

ご家族から大切な土地を相続したとき、その土地が「準都市計画区域」という聞き慣れない場所にあったら、「これって相続税にどう影響するの?」と不安になりますよね。都市計画区域とは少し違うこの区域、実は土地の相続税評価額を計算する上で、知っておくべき大切なポイントがあるんです。この記事では、準都市計画区域とはどんな場所なのか、そして相続税評価額にどう関わってくるのかを、できるだけ専門用語を避けて、やさしく解説していきますね。

そもそも「準都市計画区域」ってどんな場所?

土地の評価について知る前に、まずはその土地がどんなルールのもとにあるのか、場所の性質を理解することが大切です。都市計画法という法律では、日本全国の土地をいくつかの種類に分けて、まちづくりのルールを定めています。準都市計画区域もその一つなんですよ。

都市計画法上の区域区分を理解しよう

土地は、大きく分けて以下の3つの区域のどれかに属しています。それぞれの特徴をみてみましょう。

区域の種類 特  徴
都市計画区域 すでに市街地になっている場所や、これから計画的に市街地にしていく場所です。多くの人が住んでいる街の中心部などがこれにあたります。さらに「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き都市計画区域」に分かれます。
準都市計画区域 都市計画区域ではないけれど、このまま放っておくと将来、無秩序な開発が進んでしまいそうな場所です。例えば、高速道路のインターチェンジ周辺など、開発の可能性があるエリアが指定されます。
都市計画区域外 上記のどちらでもない区域です。山林や原野など、市街地から離れた場所が多く含まれます。

ポイントは、準都市計画区域は「都市計画区域の外」にあるということです。これから発展するかもしれないけれど、まだ本格的な市街地ではない、いわば「都市の卵」のような場所とイメージすると分かりやすいかもしれません。

準都市計画区域の目的と特徴

準都市計画区域が指定される一番の目的は、将来の無秩序な開発を防ぎ、環境を守ることです。何もルールがないと、工場や住宅がバラバラに建ってしまい、道路や下水道の整備が追い付かなくなってしまうかもしれません。そうなる前に、ある程度の建築ルール(例えば、建物の用途や大きさなど)を定めて、計画的な土地利用を促すのがこの区域の役割です。そのため、都市計画区域ほど厳しくはありませんが、一定の開発行為(例えば、3,000平方メートル以上の土地の造成など)には都道府県知事の許可が必要になります。

自分の土地がどの区域か調べる方法

相続した土地がどの区域に属しているか分からない場合は、その土地がある市区町村役場の都市計画担当課(部署名は自治体によって異なります)で確認することができます。「都市計画図」という地図を見せてもらうか、窓口で住所を伝えれば教えてくれますよ。最近では、自治体のホームページで都市計画図を公開しているところも多いので、「〇〇市 都市計画図」といったキーワードで検索してみるのも良い方法です。

準都市計画区域にある土地の相続税評価額の基本

さて、いよいよ本題の相続税評価額の話です。土地の相続税評価額は、国税庁が定めたルールに基づいて計算しますが、その基本的な方法は準都市計画区域であっても大きくは変わりません。主に「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方法が使われます。

評価方法は「路線価方式」?それとも「倍率方式」?

どちらの方法で評価するかは、その土地の場所に「路線価」が定められているかどうかで決まります。路線価とは、主要な道路に面した土地1平方メートルあたりの価格のことで、国税庁が毎年公表しています。
準都市計画区域は都市部から少し離れていることが多いですが、道路沿いに路線価が設定されている地域もあります。まずは国税庁のホームページにある「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、相続した土地の場所を確認してみましょう。

  • 路線価が定められている地域 → 路線価方式
  • 路線価が定められていない地域 → 倍率方式

路線価方式での評価方法

路線価方式では、以下の計算式で評価額を算出します。
評価額 = 路線価 × 各種補正率 × 土地の面積(地積)

「各種補正率」とは、土地の形が不整形だったり、角地だったり、奥行きが長すぎたり短すぎたりする場合に、評価額を調整するためのものです。土地の個性を評価額に反映させるための大切なステップですね。

倍率方式での評価方法

路線価が定められていない地域では、倍率方式で評価します。こちらは比較的シンプルな計算です。
評価額 = その土地の固定資産税評価額 × 評価倍率

「固定資産税評価額」は、毎年市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されています。「評価倍率」は、路線価図と同様に国税庁のホームページで確認できます。

【重要】地積規模の大きな宅地の評価と準都市計画区域

ここからが特に重要なポイントです。準都市計画区域にあるような、比較的広い土地をお持ちの場合、「地積規模の大きな宅地の評価」という特例が使える可能性があり、これを使うと相続税評価額を大幅に引き下げられることがあるんです。

「地積規模の大きな宅地の評価」とは?

これは、一定の面積を超える広大な土地について、その広さゆえに売却しにくいといった市場性を考慮して、評価額を減額してくれる制度です。適用できる土地の面積要件は以下の通りです。

地域 面積要件
三大都市圏 500平方メートル以上
それ以外の地域 1,000平方メートル以上

この特例では、「規模格差補正率」という補正率を使って評価額を計算し、最大で20%も評価額を下げることができます。相続税額に与えるインパクトは非常に大きいですよね。

準都市計画区域は適用対象になるの?

結論から言うと、準都市計画区域にある土地も、要件を満たせば「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象になります。

この特例には、適用できない除外地域が定められています。具体的には、

  • 市街化調整区域(一部を除く)
  • 工業専用地域
  • 指定容積率が400%(東京23区は300%)以上の地域

などです。
ご覧の通り、準都市計画区域は除外地域に含まれていません。したがって、相続した土地が準都市計画区域内にあり、上記の面積要件などを満たしていれば、この有利な特例を適用できる可能性があるのです。これは絶対に知っておきたいポイントです。

準都市計画区域内の土地の種類別評価ポイント

土地には「宅地」の他にも「農地」や「雑種地」など、さまざまな種類(地目)があります。地目によって評価の考え方が少し変わるので、簡単に触れておきますね。

宅地の場合

これまでご説明してきた通り、路線価方式または倍率方式で評価します。そして、面積が広い場合は「地積規模の大きな宅地の評価」が使えないか、必ず検討することが大切です。

農地の場合

準都市計画区域内にある農地は、都市計画区域内の市街地農地とは異なり、多くの場合「純農地」や「中間農地」として評価されます。これらの農地の評価は、宅地のように複雑な計算はせず、基本的に倍率方式(固定資産税評価額 × 倍率)で評価されることがほとんどです。

雑種地の場合

駐車場や資材置き場などに使われている雑種地は、その土地の状況に最も近い地目の評価方法に準じて評価します。例えば、周りが宅地ばかりの場所にある駐車場であれば、その土地が宅地だとしたらいくらになるかを基準に評価する「宅地比準方式」が用いられることが多いです。ただし、建物の建築に制限がある場合などは、その分を考慮して評価額が減額されます。

土地評価で損しないための注意点

土地の評価は、一つとして同じものがなく、専門的な知識が求められます。特に評価額を大きく左右する特例の適用判断を誤ると、本来払う必要のない税金を納めてしまうことにもなりかねません。

役所調査は必須

土地を正しく評価するためには、その土地にかけられている法的な規制を正確に把握することが不可欠です。準都市計画区域に指定されているかどうかに加え、建ぺい率や容積率、前面道路の種類など、評価に必要な情報はたくさんあります。これらの情報は、市区町村の役所で詳しく調査する必要があります。

土地評価に詳しい税理士に相談しよう

準都市計画区域にある土地の評価や、「地積規模の大きな宅地の評価」のような特例の適用は、非常に専門的で複雑です。ご自身で判断するのは難しく、リスクも伴います。相続税の申告、特に土地の評価が含まれる場合は、相続案件や土地評価に詳しい税理士に相談することを強くおすすめします。専門家であれば、役所調査から正確な評価額の計算、そして適用できる特例を漏れなく見つけ出し、適正な相続税申告をサポートしてくれますよ。

まとめ

今回は、準都市計画区域にある土地の相続税評価額について解説しました。最後にポイントを振り返ってみましょう。

  • 準都市計画区域は、都市計画区域の外にあり、将来の無秩序な開発を防ぐための区域です。
  • 土地の評価方法は、他の地域と同じく、基本的には路線価方式倍率方式で計算します。
  • 最も重要なポイントは、面積要件などを満たせば、評価額を大きく下げられる可能性がある「地積規模の大きな宅地の評価」を適用できることです。
  • 土地の評価は専門性が高いため、正確な評価と節税のためには、役所調査をしっかりと行い、土地評価に精通した税理士に相談することが安心への近道です。

聞き慣れない言葉が出てくると不安になるかもしれませんが、一つひとつ正しく理解すれば、適切な対応ができます。大切な資産を守るためにも、ぜひ専門家の力を借りてくださいね。

参考文献

準都市計画区域と相続税評価額のよくある質問まとめ

Q.準都市計画区域とは、どのような地域ですか?

A.準都市計画区域とは、将来的に市街化が進む可能性がある地域や、そのまま放置すると将来のまちづくりに支障が生じる恐れのある地域で、無秩序な開発を抑制するために指定される区域のことです。

Q.準都市計画区域にある土地は、相続税評価額が高くなりますか?

A.必ずしも高くなるわけではありませんが、建築制限が都市計画区域外の土地より緩和されているため、開発の可能性があり、その分、周辺の土地より評価額が高くなる傾向があります。

Q.準都市計画区域内の土地の相続税評価はどのように行われますか?

A.基本的には、都市計画区域内の土地と同じく「路線価方式」または「倍率方式」によって評価されます。土地の利用価値や周辺の状況が評価額に影響します。

Q.準都市計画区域と都市計画区域では、相続税評価にどのような違いが出ますか?

A.都市計画区域の方が、より積極的な市街化が予定されているため、一般的に土地の利用価値が高く評価される傾向にあります。準都市計画区域はそれに準ずる区域として評価されますが、具体的な評価額は個々の土地の状況によって異なります。

Q.相続した土地が準都市計画区域内にあるか確認する方法はありますか?

A.はい、土地が所在する市区町村の役所(都市計画担当課など)に問い合わせるか、自治体のホームページで公開されている都市計画図で確認することができます。

Q.準都市計画区域内の土地の評価で注意すべき点はありますか?

A.建ぺい率や容積率などの建築規制が土地の評価額に大きく影響します。また、道路への接道状況や土地の形状なども評価の重要なポイントとなるため、専門家による正確な評価が推奨されます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
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電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。