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市街化区域の土地相続、相続税評価額はどうなる?知らないと損する評価方法を解説

2025-09-13
目次

親から土地を相続することになったけれど、その土地が「市街化区域」にあると聞いて、「それってどういう意味?」「もしかして相続税が高くなるの?」と不安に感じていませんか?市街化区域は、街として積極的に発展させていくエリアのこと。そのため、土地の価値が高く評価され、相続税にも大きく影響することがあります。この記事では、市街化区域の基本から、相続税評価額の計算方法、そして評価額を抑えるためのポイントまで、専門用語をできるだけ使わずに、わかりやすく解説していきますね。

市街化区域とは?市街化調整区域との違い

まずは「市街化区域」がどのような場所なのか、基本から押さえておきましょう。土地の評価額を理解する上でとても大切なポイントになります。

市街化区域のキホン

市街化区域とは、都市計画法という法律に基づいて「すでに市街地を形成している区域」または「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」として定められたエリアのことです。簡単に言うと、「これからもっと街として発展させていきましょう!」と行政がお墨付きを与えている場所なんですね。そのため、家やお店を建てやすく、道路や水道、公園などのインフラ整備も積極的に行われるのが特徴です。

「市街化調整区域」との明確な違い

市街化区域とセットでよく耳にするのが「市街化調整区域」です。こちらは市街化区域とは正反対で、「市街化を抑制すべき区域」、つまり、むやみに建物を建てたり開発したりしないようにしましょう、と定められたエリアです。主に農地や森林などを保全することが目的で、原則として住宅や商業施設を建てることはできません。この違いが、土地の価値や相続税評価額に大きく影響してくるんです。

市街化区域の比較
項目 市街化区域
目的 積極的に市街化(街づくり)を進める
建物の建築 原則として自由に建てられる(用途地域などの制限はあり)
インフラ 道路、上下水道などが優先的に整備される
資産価値 高い傾向にある
固定資産税 高い傾向にあり、都市計画税も課税される
市街化調整区域の比較
項目 市街化調整区域
目的 市街化を抑制し、自然環境などを保全する
建物の建築 原則として建てられない(例外あり)
インフラ 整備は積極的には行われない
資産価値 低い傾向にある
固定資産税 低い傾向にあり、都市計画税は課税されない

相続した土地の区域を調べる方法

ご自身の土地がどちらの区域に属しているか分からない場合は、その土地がある市区町村の役所(都市計画課など)に問い合わせることで確認できます。また、自治体のウェブサイトで公開されている「都市計画図」を見ることでも調べられますよ。毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されていることもあるので、一度確認してみてくださいね。

市街化区域にある土地の相続税評価額の計算方法

では、本題である市街化区域の土地の相続税評価額について見ていきましょう。市街化区域にある土地は、多くの場合「路線価方式」という方法で評価されます。

基本となる「路線価方式」

路線価方式とは、道路(路線)に面する宅地の1平方メートルあたりの価格(これを「路線価」といいます)を基に土地の評価額を計算する方法です。路線価は、国税庁が毎年7月頃に公表しており、「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で誰でも確認することができます。

計算式は以下のようになります。

相続税評価額 = 路線価 × 各種補正率 × 土地の面積(地積)

土地の個性で評価額が変わる「各種補正率」

土地は一つとして同じものはありませんよね。奥行きが長すぎたり、形がいびつだったり、角地だったりと、様々な個性があります。そうした土地の使いやすさや価値の違いを評価額に反映させるのが「各種補正率」です。代表的なものをいくつかご紹介します。

主な画地補正率
補正率の種類 内容
奥行価格補正率 奥行きが標準的な長さに比べて長すぎたり短すぎたりする場合に評価額を減額します。
間口狭小補正率 道路に接している部分(間口)が狭い場合に評価額を減額します。
不整形地補正率 土地の形が正方形や長方形でなく、いびつな形をしている場合に評価額を減額します。
側方路線影響加算率 角地など、正面と側方の2つの道路に面している場合に評価額を増額します。

これらの補正率を正しく適用することで、土地の実態に合った適切な評価額を算出することができます。

路線価がない地域は「倍率方式」

郊外など、すべての道路に路線価が設定されているわけではありません。路線価がない地域では、「倍率方式」という別の方法で評価します。これは、その土地の固定資産税評価額に、国税庁が定める一定の「倍率」を掛けて計算するシンプルな方法です。

相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率

市街化調整区域の土地はどう評価される?

比較のために、市街化調整区域の土地の評価方法も見ておきましょう。こちらは建築制限などがあるため、市街化区域の土地よりも評価額が低くなるのが一般的です。

宅地以外の評価方法

市街化調整区域内の土地は、その土地が宅地か、それとも農地や山林、雑種地かによって評価方法が変わります。宅地の場合は、市街化区域と同様に路線価方式や倍率方式が用いられることもありますが、建築制限が考慮されます。

農地や山林、雑種地といった宅地以外の土地の評価は、さらに複雑になります。基本的には、その土地と状況が似ている近隣の土地の価額を基に評価します。

建築制限などを考慮する「しんしゃく割合」

市街化調整区域の大きな特徴は、開発や建築が厳しく制限されている点です。この利用上の不便さを評価額に反映させるため、「しんしゃく割合(減価率)」というものが適用されることがあります。これは、近隣の宅地の価額などを基に算出した評価額から、一定の割合を減額するものです。

国税庁の質疑応答事例によると、土地の状況に応じて30%から50%程度の減額が認められるケースがあります。例えば、周辺に宅地がほとんどなく、農地や山林に囲まれているような場所にある雑種地などは、50%の減価が認められる可能性があります。

市街化区域の土地を相続するメリットとデメリット

市街化区域の土地を相続することは、良い面もあれば注意すべき面もあります。両方を理解しておきましょう。

メリット

一番のメリットは、資産価値が高いことです。インフラが整っていて利便性が高いため、需要があり、売却する際も買い手が見つかりやすい傾向にあります。また、アパートや駐車場を経営するなど、土地活用の選択肢が豊富なのも魅力ですね。

デメリット

一方、デメリットは税金の負担が大きくなりやすいことです。資産価値が高い分、相続税評価額も高くなります。また、毎年の固定資産税や都市計画税も、市街化調整区域に比べて高額になるのが一般的です。

相続税の負担を軽減するための特例制度

「やっぱり相続税が高くなりそう…」と心配になった方もいるかもしれません。でも、ご安心ください。一定の要件を満たせば、評価額を大幅に減額できる特例制度があります。

最大の節税策「小規模宅地等の特例」

小規模宅地等の特例」は、亡くなった方(被相続人)が住んでいた土地や、事業をしていた土地などを相続した場合に、土地の評価額を最大で80%も減額できる、非常に強力な制度です。

小規模宅地等の特例の概要
宅地の種類 限度面積と減額割合
特定居住用宅地等(自宅の敷地) 330㎡まで評価額を80%減額
特定事業用宅地等(事業用の敷地) 400㎡まで評価額を80%減額
貸付事業用宅地等(アパート等の敷地) 200㎡まで評価額を50%減額

例えば、評価額が5,000万円の自宅の土地(330㎡以下)を相続した場合、この特例を使えれば評価額は1,000万円(5,000万円 × 20%)まで下がります。適用には同居の有無など細かい要件があるので、ご自身が当てはまるか専門家に確認することをおすすめします。

農地を相続した場合の「納税猶予の特例」

市街化区域内にも、生産緑地などに指定された農地が存在します。もし相続した土地が農地で、相続人が今後も農業を続けていく場合には、「農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例」を利用できる可能性があります。これは、一定の要件のもと、本来納めるべき相続税の納税が猶予され、最終的には免除されることもある制度です。

まとめ

今回は、市街化区域とは何か、そして土地の相続税評価額にどう影響するのかを解説しました。ポイントをまとめますね。

市街化区域は、街づくりを積極的に進めるエリアで、資産価値が高く評価されやすい。

・相続税評価額は、主に「路線価方式」で計算され、土地の形状などによって補正が加えられる。

市街化調整区域は、開発が抑制されているため、評価額は低くなる傾向があり、「しんしゃく割合」で減額されることもある。

・相続税の負担は、「小規模宅地等の特例」などを活用することで大幅に軽減できる可能性がある。

土地の相続は、評価方法が複雑で、どの特例が使えるかによって納税額が大きく変わってきます。ご自身で判断するのが難しいと感じたら、無理をせず、相続に詳しい税理士などの専門家に相談してみてくださいね。正しい知識を持って、大切な資産を次の世代へと引き継いでいきましょう。

参考文献

国税庁: No.4604 路線価方式による宅地の評価

国税庁: No.4606 倍率方式による土地の評価

国税庁: No.4628 市街化調整区域内の雑種地の評価

国税庁: No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

市街化区域と相続税評価額のよくある質問まとめ

Q.市街化区域とは何ですか?

A.市街化区域とは、都市計画法に基づき「すでに市街地を形成している区域」または「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」として定められたエリアです。住宅や商業施設などが建てやすく、インフラ整備も進められます。

Q.相続した土地が市街化区域か調べる方法はありますか?

A.はい、あります。土地が所在する市区町村の役所(都市計画課など)で確認できます。また、自治体のウェブサイトで公開されている「都市計画図」をオンラインで閲覧することでも確認が可能です。

Q.市街化区域にある土地は、相続税評価額が高くなりますか?

A.はい、その傾向があります。市街化区域は利便性が高く、土地の利用価値が高いと判断されるため、建物の建築が制限される市街化調整区域などに比べて相続税評価額(路線価)は高くなることが一般的です。

Q.市街化区域の土地の相続税評価額はどのように計算されますか?

A.主に「路線価方式」で評価されます。これは国税庁が定める道路ごとの1㎡あたりの価格(路線価)に、土地の面積を掛けて計算する方法です。土地の形状などに応じて評価額の補正が行われることもあります。

Q.市街化調整区域との違いは何ですか?評価額も変わりますか?

A.市街化調整区域は市街化を抑制する区域で、原則として建物の建築が制限されます。一方、市街化区域は市街化を促進する区域です。この利用価値の違いから、一般的に市街化調整区域の土地は市街化区域に比べて相続税評価額が低くなります。

Q.市街化区域の土地の相続税評価額を抑える方法はありますか?

A.はい、いくつか方法があります。例えば、土地の上にアパートなどを建てて「貸家建付地」として評価額を下げたり、「小規模宅地等の特例」の適用を検討したりする方法が考えられます。適用には詳細な条件があるため注意が必要です。

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