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生命保険金と一緒に入るお金、相続税の非課税になる?ならない?徹底解説

2024-12-03
目次

生命保険金が振り込まれる際、一緒に入金されるお金があることをご存知ですか?実は、そのお金の種類によって相続税がかかるかどうかが変わってきます。大切なご家族がのこしてくれたお金を正しく受け取るために、今回は相続税の非課税になるもの、ならないものを分かりやすく解説します。

生命保険金と一緒に振り込まれるお金って何があるの?

生命保険金が支払われるとき、実は死亡保険金だけでなく、他の給付金などが一緒に振り込まれることがあります。これらは契約内容によって異なりますが、主に以下のようなものが考えられます。それぞれ税金の扱いが違うので、しっかり確認することが大切ですよ。

未請求だった入院給付金や手術給付金

被相続人(亡くなった方)が生前に入院や手術をしていて、まだ請求していなかった給付金です。亡くなった後に家族が請求して、死亡保険金と一緒に振り込まれるケースがあります。これは本来、被相続人自身が受け取るべきお金だったと考えられるため、相続財産として扱われます。

特約還付金

特定の条件を満たした場合に、払い込んだ保険料の一部が戻ってくるお金です。例えば、「三大疾病保険料払込免除特約」などで、亡くなった原因がそれに該当した場合、すでに払い込んだ保険料の一部が還付されることがあります。これも死亡保険金とは別に考え、本来の相続財産として扱われます。

配当金

保険会社の運用実績が良かった場合に、契約者に分配されるお金です。契約内容によっては、死亡時に死亡保険金と一緒に支払われることがあります。これを「死亡時配当金」と呼んだりします。これも被相続人の財産の一部と見なされることが多いです。

【重要】相続税の非課税になるもの

相続税には、残された家族の生活を守るための特別な非課税制度があります。特に生命保険金は、その代表例です。どんなお金が非課税になるのか、具体的な金額と一緒に見ていきましょう。

死亡保険金の非課税枠

相続人が受け取る死亡保険金には、「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠があります。これは、残された家族の生活保障という大切な役割を考慮した、税制上の優遇措置です。例えば、法定相続人が妻と子供2人の合計3人なら、500万円 × 3人 = 1,500万円までが非課税になります。

死亡退職金の非課税枠

死亡保険金と似た非課税枠が、死亡退職金にもあります。こちらも「500万円 × 法定相続人の数」までが非課税です。会社から支給される死亡退職金や功労金などがこれにあたります。生命保険金の非課税枠とは別々に計算できるのがポイントです。

相続税の非課税にならないもの(課税対象になるもの)

一方で、死亡保険金と一緒に振り込まれても、非課税枠が使えず、相続税の対象になってしまうものがあります。うっかり申告漏れにならないよう、しっかり確認しておきましょう。

死亡保険金の非課税枠を超える部分

先ほどご説明した「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠。もし受け取った死亡保険金がこの金額を超える場合、その超えた部分は相続税の課税対象になります。例えば、法定相続人が3人で非課税枠が1,500万円のところに2,000万円の保険金を受け取ったら、500万円分が課税対象です。

未請求の入院給付金や配当金など

死亡保険金と一緒に振り込まれることが多い、未請求だった入院給付金や手術給付金、配当金、特約還付金などは、残念ながら死亡保険金の非課税枠の対象外です。これらは被相続人が本来受け取るべき財産だったと考えられるため、「本来の相続財産」として他の預貯金などと同じように扱われ、相続税の計算に含まれます。

相続人以外が受け取る死亡保険金

死亡保険金の非課税枠が使えるのは、法定相続人が受け取った場合のみです。例えば、孫や内縁の妻など、法定相続人ではない人が受取人に指定されている場合、その人が受け取った死亡保険金には非課税枠が適用されず、全額が課税対象となりますので注意が必要です。(※孫が代襲相続人になる場合など、例外もあります。)

非課税になるもの・ならないもの一覧表

ここまでのお話を、分かりやすく表にまとめてみました。生命保険金と一緒に振り込まれるお金が、どちらに分類されるかチェックしてみてくださいね。

非課税枠が「使える」もの

種類 非課税限度額
死亡保険金(相続人が受取人) 500万円 × 法定相続人の数
死亡退職金(相続人が受取人) 500万円 × 法定相続人の数

非課税枠が「使えない」もの

種類 税金の扱い
死亡保険金の非課税枠超過分 相続税の課税対象
未請求の入院・手術給付金 相続税の課税対象(本来の相続財産)
配当金・特約還付金 相続税の課税対象(本来の相続財産)
相続人以外が受け取る死亡保険金 相続税の課税対象(非課税枠適用なし)

こんなケースは要注意!非課税にならない具体例

非課税になるかどうかは、契約内容や受取人によって変わります。特に注意が必要なケースをいくつかご紹介します。

受取人が相続を放棄した場合

相続人が家庭裁判所で「相続放棄」の手続きをしても、死亡保険金は受け取ることができます。なぜなら、死亡保険金は受取人固有の財産だからです。ただし、相続人ではなくなってしまうため、死亡保険金の非課税枠は使えなくなってしまいます。全額が課税対象となるので、大きな違いが出ることがあります。

契約者・被保険者・受取人の関係

死亡保険金にかかる税金は、契約者(保険料を払う人)、被保険者(保険の対象の人)、受取人(保険金をもらう人)の関係で決まります。相続税の対象となり、非課税枠が使えるのは「契約者=被保険者」の場合だけです。例えば、「契約者:妻、被保険者:夫、受取人:子」のような契約だと、贈与税の対象となり、相続税の非課税枠は使えません。契約内容をしっかり確認することが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。生命保険金と一緒に振り込まれるお金には、相続税の非課税枠が使えるものと使えないものがあります。
死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という大きな非課税枠がありますが、これは相続人が受け取った場合に限られます。
入院給付金や配当金などは、非課税枠の対象外で、本来の相続財産として扱われます。
契約形態や受取人が誰かによって、税金の扱いが大きく変わるため、事前に保険証券を確認しておくことがとても重要です。
もし不明な点があれば、保険会社や税理士などの専門家に相談してみてくださいね。正しい知識で、大切な財産をしっかり守りましょう。

参考文献

国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金

国税庁 No.4108 相続税がかからない財産

国税庁 No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金

生命保険金と相続税のよくある質問まとめ

Q.生命保険金と一緒に「配当金」が振り込まれました。これも相続税の非課税の対象になりますか?

A.いいえ、配当金は生命保険金とは別のものとして扱われ、相続税の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)の対象にはなりません。本来の相続財産として課税対象になります。

Q.保険金の支払いが遅れたため「遅延利息」が加算されていました。この利息に相続税はかかりますか?

A.遅延利息は相続人が受け取る所得とみなされるため、相続税ではなく「所得税(一時所得)」の課税対象となります。相続財産には含まれません。

Q.故人が入院していた分の「入院給付金」も一緒に振り込まれました。これは相続税の対象ですか?

A.故人が受け取るはずだった入院給付金は、本来の相続財産として相続税の課税対象になります。生命保険金の非課税枠は適用されません。

Q.「リビング・ニーズ特約」で生前に受け取った保険金が残っています。これは相続税の対象になりますか?

A.はい、リビング・ニーズ特約で受け取った保険金の残額は、被相続人の財産(預貯金など)として相続税の課税対象となります。死亡保険金ではないため、非課税枠は使えません。

Q.「前納保険料」の未経過分が返還されました。これにも相続税がかかりますか?

A.はい、前納保険料の未経過分の返還金は、保険契約に関する権利として相続財産に含まれ、相続税の課税対象となります。

Q.死亡保険金は全額非課税になるのですか?

A.いいえ、全額ではありません。「500万円 × 法定相続人の数」で計算される金額までが非課税となります。この非課税枠を超える部分については、相続税の課税対象となります。

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