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相続税の2割加算とは?対象者と計算方法をわかりやすく解説!

2024-12-15
目次

相続で財産を受け取る人によっては、相続税が2割も増えてしまう「相続税額の2割加算」という制度があるのをご存知ですか?例えば、亡くなった方(被相続人)の兄弟姉e>が相続すると対象になります。知らないと思わぬ負担増になってしまうかもしれないこの制度について、誰が対象で、どう計算するのか、具体例を交えながら優しく解説していきますね。

そもそも相続税の2割加算とは?

相続税の2割加算とは、亡くなった方の配偶者や親子(一親等の血族)以外の人が、相続や遺言によって財産を受け取った場合に、その人が納める相続税額が2割増しになる制度のことです。亡くなった方と近い関係にある人に比べて、税金の負担を少し重くすることで、公平性を保つ目的があります。

なぜ2割加算の制度があるの?

どうして、財産をもらう人によって税額が変わるのでしょうか?これには主に2つの理由があると言われています。

一つ目は、亡くなった方と関係が近い配偶者や子どもは、その財産を生活の基盤としていることが多いのに対し、兄弟姉妹や友人などが財産を受け取るのは、ある意味で偶然性が高いと考えられるためです。そこで、税負担のバランスをとるためにこの制度が設けられました。

二つ目は、相続税の課税を一度免れることへの調整です。通常、財産は「親→子→孫」と二世代にわたって相続され、その都度、相続税がかかります。しかし、もし親から孫へ直接財産を渡す(一代飛ばし)と、子への相続が一回なくなるため、課税の機会が一度減ってしまいます。この税負担の差を調整するために、孫への相続には原則として2割加算が適用されるのです。

死亡保険金なども対象になるの?

はい、対象になります。亡くなったことによって受け取る死亡保険金や死亡退職金は、もともと故人の財産ではありませんが、相続税法上は「みなし相続財産」として扱われ、相続税の課税対象となります。そして、このみなし相続財産を受け取った人が2割加算の対象者であれば、同様に相続税額が2割増しになります。

【一覧表】相続税の2割加算の対象になる人・ならない人

では、具体的にどのような人が2割加算の対象になるのでしょうか。基本的には、「亡くなった方の配偶者」と「一親等の血族」以外の人が対象です。ここでいう「一親等の血族」とは、亡くなった方の「父母」と「子」を指します。これを踏まえて、対象になる人・ならない人を一覧で見ていきましょう。

2割加算の対象に「ならない」人

以下の人たちは、亡くなった方と非常に近い関係にあるため、2割加算の対象にはなりません。

関係性 解説
配偶者 法律上の婚姻関係にある夫または妻です。税制上、最も優遇されています。
子・父母(一親等の血族) 実子だけでなく、養子も含まれます。ただし、例外として「孫養子」は加算対象です。
代襲相続人となった孫 本来相続人である子が先に亡くなっている場合に、その子に代わって相続する孫のことです。子の立場を引き継ぐため、加算の対象外です。

2割加算の対象に「なる」人

一方で、以下のような人たちが財産を受け取ると、2割加算の対象となります。

関係性 解説
兄弟姉妹・祖父母 亡くなった方から見て二親等の血族にあたるため、加算対象です。
甥・姪 三親等の血族にあたるため、加算対象です。兄弟姉e>が代襲相続する場合も含まれます。
孫(代襲相続以外) 遺言によって財産を受け取った孫や、孫を養子にした「孫養子」の場合です。
内縁の妻や友人など第三者 遺言によって財産を受け取った血族関係のない人も、もちろん加算対象となります。

【要注意】孫が相続する場合の判断

お孫さんが財産を受け取るケースは、状況によって2割加算の扱いが変わるため特に注意が必要です。

孫養子の場合:2割加算の対象になります
節税対策としてお孫さんを養子にすることがありますが、相続税法上、孫養子は2割加算の対象となります。これは、先ほど説明した「一代飛ばし」による課税の公平性を保つためのルールです。

代襲相続人となる孫の場合:2割加算の対象になりません
亡くなった方の子ども(孫から見て親)がすでに亡くなっている場合、お孫さんは「代襲相続人」として財産を相続します。この場合は、亡くなった親の代わりに相続するという立場なので、2割加算の対象外となります。

相続税の2割加算の計算方法

「2割も増える」と聞くと計算が複雑に思えるかもしれませんが、計算式自体はとてもシンプルです。ご自身の相続税額がわかっていれば、簡単に計算できます。

2割加算の計算式

2割加算される金額は、以下の式で求められます。

加算される税額 = 各人の税額控除前の相続税額 × 0.2(20%)

例えば、兄弟が相続し、計算された相続税額が500万円だった場合、500万円 × 0.2 = 100万円が加算され、合計で600万円を納付することになります。

具体的な計算の流れ【シミュレーション】

相続税は、遺産の総額からいきなり税率を掛けるわけではありません。以下のステップで計算され、その途中で2割加算が適用されます。

  1. 課税遺産総額の計算
    遺産総額から基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)などを差し引きます。
  2. 相続税の総額の計算
    課税遺産総額を、法定相続分で分割したと仮定して、各人の税額を算出し、それらを合計します。
  3. 各人の相続税額の計算
    相続税の総額を、実際に財産を取得した割合に応じて各人に割り振ります。
  4. 2割加算と税額控除
    ここで2割加算の対象者であれば、ステップ3で計算した税額に20%を加算します。その後、配偶者控除などの各種税額控除を適用し、最終的な納税額が決まります。

【例】遺産9,000万円を、配偶者と故人の弟が半分ずつ相続した場合(法定相続人は配偶者と弟の2人)

  • 基礎控除額:3,000万円 + (600万円 × 2人) = 4,200万円
  • 課税遺産総額:9,000万円 – 4,200万円 = 4,800万円
  • 相続税の総額:約650万円(法定相続分で仮計算)
  • 各人の相続税額:650万円 × 1/2 = 325万円
  • 弟の納税額:325万円 + (325万円 × 0.2) = 390万円
  • 配偶者の納税額:配偶者の税額軽減により0円

このように、弟は2割加算の対象となるため、本来の税額より65万円多く納めることになります。

相続放棄をしたら2割加算はどうなる?

相続放棄をした場合でも、死亡保険金などを受け取れるケースがあります。その際の2割加算の扱いはどうなるのでしょうか。

一親等の血族が相続放棄した場合

例えば、亡くなった方の子どもが相続放棄をして、死亡保険金だけを受け取ったとします。この場合、相続放棄をしても「子どもである」という関係は変わりません。そのため、2割加算の対象にはなりません

代襲相続人の孫が相続放棄した場合

代襲相続人である孫が2割加算の対象外となるのは、「相続人であること」が前提です。もし、そのお孫さんが相続放棄をして死亡保険金などを受け取った場合、「相続人」ではなくなってしまうため、残念ながら2割加算の対象になってしまいます

2割加算を考慮した生前対策

2割加算は避けられない場合もありますが、事前に知っておくことで対策を考えることができます。

あえて「一代飛ばし相続」を選ぶメリット

相続税は2割加算されてしまいますが、子を飛ばして孫に財産を渡す「一代飛ばし」が有効なケースもあります。特に相続財産が高額な場合、「親→子」「子→孫」と2回分の相続税を払うよりも、孫が2割加算された相続税を1回払う方が、結果的に手元に残る財産が多くなる可能性があるのです。

生前贈与の活用

相続ではなく、元気なうちに財産を渡す「生前贈与」であれば、相続税の2割加算の対象にはなりません。暦年贈与(年間110万円まで非課税)などを計画的に活用することで、税負担を抑えながら財産を移すことができます。ただし、亡くなる前7年以内(※)の贈与は相続財産に加算されるルールがあるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
※令和6年1月1日以降の贈与から、加算期間が3年から7年へ段階的に延長されています。

まとめ

最後に、相続税の2割加算のポイントを振り返ってみましょう。

  • 相続税の2割加算は、亡くなった方の配偶者と一親等の血族(子・父母)以外の人が財産を受け取った場合に、相続税が2割増しになる制度です。
  • 代表的な対象者は、兄弟姉e>、甥・姪、そして「孫養子」です。
  • 亡くなった子に代わって相続する「代襲相続人」の孫は、2割加算の対象外です。
  • 計算式は「各人の相続税額 × 20%」で、これを本来の税額に上乗せします。
  • 誰に財産を遺したいか、そしてその人が2割加算の対象になるのかを事前に把握し、生前贈与などの対策を早めに検討することが大切です。

相続税の計算は複雑で、2割加算が絡むとさらに難しくなります。ご自身のケースで不安な点があれば、一度税理士などの専門家に相談してみてくださいね。

参考文献

国税庁 No.4157 相続税額の2割加算

国税庁 No.4152 相続税の計算

相続税の2割加算に関するよくある質問まとめ

Q.相続税の2割加算とは何ですか?

A.被相続人(亡くなった方)の配偶者と一親等の血族(子や父母)以外の方が財産を相続した場合に、本来の相続税額に2割が上乗せされる制度のことです。

Q.相続税の2割加算の対象になるのは誰ですか?

A.被相続人の兄弟姉妹、甥・姪、代襲相続人ではない孫、内縁の妻、友人など、配偶者と一親等の血族(子・父母)以外の方が対象者となります。

Q.孫が相続した場合、必ず2割加算の対象になりますか?

A.いいえ、必ずではありません。亡くなった子の代わりに相続する「代襲相続」の場合は対象外です。しかし、遺言によって孫が直接財産を取得した場合は2割加算の対象となります。

Q.なぜ相続税の2割加算という制度があるのですか?

A.配偶者や親子間の相続に比べて、兄弟姉妹や孫への相続は偶然性が高いと考えられることや、世代を飛ばした相続による税負担を調整する目的で設けられています。

Q.相続税の2割加算はどのように計算しますか?

A.対象となる相続人が計算した各人の相続税額に20%(0.2)を掛けて加算します。例えば、算出された相続税額が500万円の場合、100万円(500万円×0.2)が加算され、納税額は600万円になります。

Q.相続税の2割加算を避ける方法はありますか?

A.生前に贈与しておく方法があります。ただし、亡くなる前一定期間内の贈与は相続財産に加算されるため注意が必要です。また、生命保険の死亡保険金を活用し、非課税枠を利用することも有効な対策です。

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