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先進医療保険は必要?メリット・デメリットと選ぶ際の注意点を解説

2025-01-03
目次

医療保険やがん保険を検討するとき、「先進医療特約」という言葉をよく耳にしませんか?「つけた方がいいのかな?」「そもそも先進医療って何?」と疑問に思う方も多いかもしれません。この記事では、先進医療保険(特約)の基本的な仕組みから、加入するメリット・デメリット、そして選ぶときの注意点まで、わかりやすく解説していきます。いざという時に後悔しないために、正しい知識を身につけていきましょう。

先進医療とは?公的医療保険との違いを解説

まず、先進医療保険を理解するために、「先進医療」そのものについて知っておきましょう。私たちの医療は、公的医療保険が使える「保険診療」が基本です。しかし、中にはまだ保険適用が認められていない新しい治療法や技術もあります。その一つが先進医療です。

先進医療は、厚生労働大臣が認めた高度な医療技術のことで、将来的に公的医療保険の対象にするかを評価している段階の治療法です。そのため、先進医療にかかる技術料は全額自己負担となりますが、診察料や入院料など、通常の治療と共通する部分は公的医療保険が適用されます。このように、保険診療と保険外の診療を併用できるのが大きな特徴です。

先進医療の種類

先進医療には、有効性や安全性の評価段階に応じて「先進医療A」と「先進医療B」の2つに分類されています。2023年3月時点で、先進医療Aは29種類、先進医療Bは58種類が定められています。

代表的なものには、がん治療で用いられる「陽子線治療」や「重粒子線治療」などがあります。これらの技術は常に専門家会議で見直されており、有効性や安全性が確立されたものは保険診療に移行したり、逆に有効性が認められず先進医療から削除されたりすることもあります。

先進医療にかかる費用は全額自己負担

先進医療の最大のポイントは、その技術料が全額自己負担になる点です。治療法によっては非常に高額になるケースも少なくありません。公的な「高額療養費制度」も、この先進医療の技術料部分には適用されないため、経済的な負担は大きくなります。

以下は、代表的な先進医療にかかる費用の目安です(令和3年度実績報告より)。

技術名 1件あたりの平均費用
陽子線治療 約265万円
重粒子線治療 約319万円

先進医療費以外の費用は公的保険が使える

先進医療の技術料は全額自己負担ですが、それ以外の費用(診察、検査、投薬、入院料など)は公的医療保険が適用されます。例えば、総医療費が400万円で、そのうち先進医療の技術料が300万円だった場合を考えてみましょう。

自己負担額の計算例(70歳未満・年収約370~約770万円の場合)

  • 先進医療の技術料:300万円(全額自己負担)
  • 通常の治療費(保険適用部分):100万円
  • 保険適用部分の自己負担(3割):30万円

この場合、保険適用部分の30万円には高額療養費制度が使えます。自己負担限度額(この年収区分では約87,430円)を超えた分は払い戻されるため、実際の自己負担額は「300万円(先進医療費) + 約87,430円(高額療養費適用後の自己負担額) = 約308万7,430円」となります。

先進医療保険(特約)とは?

このように高額になりがちな先進医療の自己負担に備えるのが、先進医療保険(特約)です。一般的には、医療保険やがん保険のオプション(特約)として月々数百円程度の保険料で付加することができます。この特約をつけておくことで、先進医療を受けた際に、その技術料と同額の給付金を受け取ることができます。

保障内容と保障範囲

先進医療特約の主な保障内容は、先進医療にかかった技術料の実費を保障するものです。多くの保険商品では、通算で2,000万円までといった上限が設定されています。

ただし、注意点として、保障の対象となるのは「療養を受けた時点で厚生労働大臣が定める先進医療」に該当するものです。保険に加入した時には対象だった治療法が、実際に治療を受ける時点では先進医療から外れ、公的保険適用になっていた場合、特約からの給付は受けられません。

先進医療保険(特約)の保険料

先進医療特約の保険料は、月々100円~500円程度と非常に手頃な価格設定になっていることがほとんどです。これは、実際に先進医療を受ける人の割合がまだ少ないため、保険金の支払い実績が低いことが理由です。少ない負担で万が一の高額な出費に備えられるのが、この特約の魅力と言えます。

先進医療保険(特約)に加入するメリット

では、先進医療特約に加入すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを2つご紹介します。

経済的な負担を気にせず治療の選択肢が広がる

最大のメリットは、治療費を理由に最善の治療を諦めずに済むことです。もし医師から先進医療を提案されたとき、数百万円という費用が壁となり、治療を断念せざるを得ない状況は避けたいものです。先進医療特約があれば、経済的な心配をせずに、ご自身やご家族にとって最良と思われる治療法を選択しやすくなります。

貯蓄を切り崩さずに済む

十分な貯蓄があれば先進医療費を支払えるかもしれませんが、それは本来、老後の生活資金や子どもの教育費など、別の目的のために準備していたお金かもしれません。先進医療特約を利用することで、大切な貯蓄を守りながら治療に専念することができます。もしもの時のための保険が、将来のライフプランを守ることにも繋がるのです。

先進医療保険(特約)のデメリットと不要論

一方で、先進医療特約にはデメリットや「いらない」と言われる理由も存在します。加入を判断するためには、こちらの側面もきちんと理解しておくことが大切です。

利用する確率が低い

最も大きなデメリットは、利用する確率が決して高くないという点です。厚生労働省の報告によると、令和2年7月1日から令和3年6月30日までの1年間に先進医療を受けた患者数は、全体で5,843人でした。これは、確率としては非常に低い数字です。このため、「使うかどうかわからないものに保険料を払うのはもったいない」と考える方もいます。

誰でも受けられる治療ではない

先進医療は、希望すれば誰でも受けられるわけではありません。病状や進行度など、それぞれの先進医療ごとに定められた基準を満たし、医師がその必要性と合理性を認めた場合にのみ行われます。また、実施できる医療機関は全国でも限られており、お住まいの地域によっては遠方の病院まで行かなければならないという物理的なハードルもあります。

保障対象外になる可能性がある

前述の通り、先進医療の対象となる技術は常に見直されています。過去に先進医療として多くの実績があった「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術(白内障の手術)」は、2020年4月から保険適用となり、先進医療特約の対象外となりました。このように、将来的に保障の対象外となる可能性があることもデメリットの一つです。

先進医療保険(特約)を選ぶ際の注意点

もし先進医療特約に加入するなら、いくつか確認しておきたいポイントがあります。契約してから後悔しないように、以下の点をチェックしましょう。

保障の上限金額を確認する

先進医療特約には、給付金を受け取れる通算の上限額が定められています。一般的には「通算2,000万円」が主流ですが、中には1,000万円のプランもあります。高額な治療にしっかり備えるためにも、上限額はいくらになっているか確認しましょう。

保障期間(更新型か終身型か)

特約の保障期間には、10年ごとに更新が必要な「更新型」と、保障が一生涯続く「終身型」があります。主契約の医療保険が終身保障でも、先進医療特約だけは更新型というケースも少なくありません。更新型は、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、年齢が上がると保険料も高くなる可能性があります。保障がいつまで続き、保険料がどう変わるのかをしっかり確認しましょう。

給付金の支払い方法

先進医療の費用は、一旦ご自身で医療機関に支払う必要があります。しかし、数百万円もの費用を一時的に立て替えるのは大変です。保険会社によっては、医療機関へ給付金を直接支払ってくれるサービスを提供している場合があります。このようなサービスがあると、自己負担なく治療を受けられるため非常に安心です。支払い方法についても事前に確認しておきましょう。

がん保険の特約は保障範囲が限定される場合がある

先進医療特約は医療保険だけでなく、がん保険にも付加できます。ただし、がん保険に付加する先進医療特約の場合、保障の対象が「がん」に関連する先進医療のみに限定されることがあります。がん以外の病気で先進医療を受ける可能性も考慮するなら、保障範囲が広い医療保険の特約を選ぶのがおすすめです。

まとめ

先進医療保険(特約)は、利用する確率は低いものの、万が一の際には経済的な負担を大きく軽減し、治療の選択肢を広げてくれる心強い備えです。特に、十分な貯蓄がない方や、お金の心配をせずに最善の治療を受けたいと考える方にとっては、月々数百円で加入できるお守りとして、非常に価値のある特約と言えるでしょう。
メリットとデメリットを正しく理解した上で、ご自身のライフプランや価値観に合わせて、必要かどうかをじっくり検討してみてください。

参考文献

厚生労働省「先進医療の各技術の概要」

厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」

厚生労働省「令和3年度 先進医療の実績報告」

国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」

先進医療保険のよくある質問まとめ

Q. そもそも先進医療とは何ですか?

A. 公的医療保険の対象外で、厚生労働大臣が認めた高度な医療技術のことです。技術料は全額自己負担となりますが、診察や入院費など通常の治療と共通する部分は公的保険が適用されます。

Q. 先進医療保険はなぜ必要なのでしょうか?

A. 先進医療の技術料は数百万円など高額になることがあり、全額自己負担となるためです。先進医療保険に加入していれば、その高額な費用負担を気にせず治療の選択肢を広げることができます。

Q. 先進医療保険のメリットは何ですか?

A. 比較的安価な保険料で、高額になりがちな先進医療の技術料に備えられる点です。経済的な心配を軽減し、最善の治療法を選択しやすくなることが大きなメリットです。

Q. 先進医療保険のデメリットや注意点はありますか?

A. デメリットは、先進医療を受けなければ保険金が支払われず、保険料が掛け捨てになる点です。また、保障対象は治療を受けた時点で「先進医療」として認められている技術に限られる点に注意が必要です。

Q. 高額療養費制度は先進医療にも使えますか?

A. いいえ、使えません。高額療養費制度は公的保険が適用される医療費が対象です。先進医療の技術料は保険適用外のため、この制度の対象外となり全額自己負担です。

Q. 先進医療の保障は、特約と単独の保険どちらが良いですか?

A. 一般的には、医療保険やがん保険に付加する「先進医療特約」が主流で保険料も割安です。ご自身の加入状況や必要な保障内容に応じて、単独の保険と比較検討することをおすすめします。

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