サウナブームの裏側で、「サウナで死亡」なんて聞くと、少し怖くなってしまいますよね。でも、正しい知識さえあれば、サウナはとても安全で心と体を癒してくれる最高の時間になります。この記事では、公的なデータをもとに、サウナで起こりうる事故の実態と、誰でも今日から実践できる安全な楽しみ方を、優しくわかりやすく解説していきますね。
サウナでの死亡事故、本当に起きているの?
「サウナは気持ちいいけど、死亡事故なんて本当に起きるの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら、サウナでの死亡事故はゼロではありません。ですが、その詳しい内容を知ることで、過度に怖がる必要はないということもわかっていただけるはずです。
日本でのサウナ関連事故の現状
消費者庁の報告によると、2014年4月から2024年4月までの10年間で、サウナに関連する事故は78件ありました。そのうち、死亡事故は2件報告されています。特に近年は事故が増える傾向にあり、2022年度と2023年度はそれぞれ10件の事故が起きています。事故の内容は、やけどや転倒によるケガが多いですが、めまいや意識障害といった危険な状態に陥るケースもあります。
サウナ先進国フィンランドのデータから見るリスク
サウナの本場であるフィンランドの研究データを見てみましょう。ヘルシンキ大学の研究によると、フィンランドでのサウナ中の死亡率は、年間10万人あたり2人未満という結果でした。これは、日本の交通事故による死亡率(年間10万人あたり約2人)とほぼ同じ水準です。一方で、家庭のお風呂での溺死などを含む入浴事故(年間10万人あたり約15人)と比較すると、サウナのリスクは格段に低いことがわかります。
| 事故の種類 | 10万人あたりの年間死亡率 |
|---|---|
| サウナでの死亡(フィンランド) | 2人未満 |
| 交通事故死(日本) | 約2人 |
| 入浴事故死(日本) | 約15人 |
「年間1万人以上が死亡」という情報の真実
「サウナで年間1万人以上が死亡している」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは少し誤解を含んだ情報です。この数字は、サウナだけでなく、冬場の暖かい部屋から寒い脱衣所やお風呂場へ移動した際に起こりやすいヒートショックによる死亡者数全体を指していることが多いのです。サウナだけが原因で亡くなる方は、先ほどのデータが示すように、実際にはごく少数なんですよ。
なぜサウナで死亡事故が起きてしまうのか?主な原因
死亡事故につながるケースには、いくつかの共通した原因があります。その原因を知ることが、安全なサウナ利用への第一歩です。一体どんな危険が潜んでいるのか、一緒に見ていきましょう。
最大の原因「ヒートショック」
ヒートショックは、急激な温度差によって血圧が乱高下し、心臓や血管に大きな負担をかける現象です。80℃以上の高温サウナ(血管が広がり血圧が下がる)から、15℃前後の冷たい水風呂(血管が急に縮んで血圧が上がる)へ移動する時が最も危険です。この急激な変化が、めまいや失神、さらには心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因となってしまうのです。
気づかぬうちに進行する「脱水症状」
サウナでは、気持ちよく汗をかきますが、想像以上に多くの水分が失われています。研究によっては、10分間のサウナで約500mlもの汗をかくことがあると言われています。水分補給を怠ると脱水症状になり、血液がドロドロになってしまいます。これが血栓を作りやすくし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。また、脱水による立ちくらみから転倒し、頭を打つなどの二次的な事故につながることもあります。
絶対にNG!飲酒後のサウナ
フィンランドの研究では、サウナ関連の死亡事故の半数以上にアルコールが関わっていたという衝撃的なデータがあります。アルコールを飲むと血管が広がり血圧が下がりやすくなります。その状態で高温のサウナに入ると、血圧がさらに低下し、意識を失ってしまう危険性が非常に高まります。また、アルコールの利尿作用によって脱水症状も進みやすくなり、まさに危険のオンパレードです。飲んだら入らない、これは絶対のルールです。
設備の不備や間違った利用法
多くはありませんが、過去には設備のトラブルも報告されています。例えば、サウナ室のドアの取っ手が壊れて外に出られなくなり、熱中症で亡くなったという悲しい事故もありました。また、過度な減量目的で長時間利用したり、サウナの熱さを競い合ったりするような無理な使い方は、体に大きな負担をかけ、命に関わる事態を招きかねません。
誰でもできる!サウナ死亡リスクを激減させる5つの安全対策
少し怖い話が続きましたが、ご安心ください。これからお話しする5つのポイントを守るだけで、サウナのリスクはぐっと減り、安全に楽しむことができます。どれも簡単なことばかりなので、ぜひ覚えていってくださいね。
【対策1】水分補給は「前・中・後」で合計500ml以上
脱水を防ぐために、水分補給は計画的に行いましょう。目安として、サウナに入る30分前にコップ1杯(約200ml)、サウナ後の休憩中に1杯、そして完全に終わった後にもう1杯というように、こまめに水分を摂ることが大切です。合計で500mlから1L程度の水分を補給することを心がけましょう。お水や麦茶、ミネラルも補給できるスポーツドリンクなどがおすすめです。
【対策2】サウナは1回10〜15分、無理は禁物
サウナ室にいる時間は、1回あたり10分から15分を目安にしましょう。大切なのは、時間よりも自分の体の声を聞くことです。「ちょっと苦しいな」「心臓がドキドキしすぎるな」と感じたら、我慢せずにサウナ室を出ましょう。周りの人が長く入っていても、自分のペースを守ることが安全につながります。
【対策3】水風呂は「かけ水」で体を慣らしてからゆっくりと
ヒートショックを防ぐため、サウナから出たら、まずシャワーで汗を流しましょう。そして、水風呂に入る前には、必ず「かけ水」をしてください。心臓から遠い足先や手先から始め、ゆっくりと体に水をかけて慣らしていきます。いきなり全身で飛び込むのは絶対にやめましょう。水風呂に浸かる時間も30秒〜2分程度で十分効果があります。
【対策4】体調が悪い時、飲酒後は利用しない
これはサウナを楽しむ上での大前提です。少しでも熱があったり、寝不足で疲れていたり、気分が優れないときは、勇気を持ってお休みしましょう。そして、何度もお伝えしますが、飲酒後のサウナは絶対に禁止です。楽しいお酒の席の後にサウナに行きたくなる気持ちもわかりますが、命を守るために絶対にやめましょう。
【対策5】一人での利用はなるべく避ける
特にサウナに慣れていないうちは、友人や家族と一緒に行くことをおすすめします。もし万が一、サウナで気分が悪くなったり意識が朦朧としたりしても、誰かがそばにいればすぐに対応してもらえます。自宅サウナや貸切サウナなど、一人で利用する際は、家族に一声かけておくなど、万が一の際に気づいてもらえるような工夫をするとより安心です。
サウナを避けるべき人、特に注意が必要な人
ほとんどの健康な方にとってサウナは安全ですが、中には利用を控えたり、事前に医師に相談したりした方が良い方もいらっしゃいます。ご自身の体を守るために、確認しておきましょう。
| 注意・相談が必要な方 | その理由 |
|---|---|
| 心臓病、高血圧、糖尿病など持病のある方 | 急激な血圧の変動や脱水が、病状を悪化させる危険性があります。 |
| 妊娠中の方 | 深部体温の過度な上昇が、胎児に影響を与える可能性が指摘されています。 |
| 発熱している、体調がすぐれない方 | 体力をさらに消耗させ、脱水症状を悪化させる可能性があります。 |
| お酒を飲んだ後の方 | 血圧の急低下や不整脈など、深刻な事故につながるリスクが非常に高いです。 |
これらの条件に当てはまる方は、自己判断でサウナに入るのではなく、かかりつけのお医者様に相談してからにしてくださいね。
正しい知識があればサウナは最高の健康法に
ここまでリスクについて詳しくお話ししてきましたが、正しく利用すれば、サウナは私たちの健康にとって素晴らしい効果をもたらしてくれます。
実際にフィンランドで行われた大規模な研究では、週に4〜7回サウナを利用する人は、ほとんど利用しない人と比べて、心血管疾患による死亡リスクが50%も減少し、突然死のリスクは63%減少したという驚きの結果が報告されています。その他にも、ストレスの軽減、自律神経のバランス調整、睡眠の質の向上、免疫力アップなど、数えきれないほどのメリットが期待できるのです。
まとめ
今回は「サウナで死亡」という、少しドキッとするテーマでお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。サウナでの死亡事故は実際にありますが、そのリスクは飲酒や無理な入り方など、特定の原因によるものがほとんどです。
安全に楽しむための大切なポイントを、最後にもう一度おさらいしましょう。
- 水分補給はサウナの前後と休憩中に合計500ml以上を徹底する
- 1回の利用は10分〜15分を目安にし、絶対に無理はしない
- 水風呂に入る前は必ず汗を流し、かけ水をしてからゆっくり入る
- 体調が悪い時やお酒を飲んだ後は、絶対に入らない
これらの簡単なルールを守るだけで、サウナはあなたの心と体を癒してくれる、最高のパートナーになってくれます。正しい知識を身につけて、これからも安全で快適なサウナライフを送ってくださいね。
参考文献
消費者庁「サウナ浴での事故に注意-体調に合わせて無理せず安全に-」
サウナでの死亡事故に関するよくある質問
Q.サウナで死亡事故が起きる主な原因は何ですか?
A.主な原因は、ヒートショックによる心筋梗塞や脳卒中、脱水症状、持病の悪化などです。特に飲酒後や体調不良時の利用は危険性を高めます。
Q.サウナに入るのが危険なのはどんな人ですか?
A.高血圧、心臓病などの持病がある方、体調が優れない方、飲酒後や満腹・空腹時の方、睡眠不足の方は危険性が高まるため注意が必要です。
Q.サウナでヒートショックを防ぐにはどうすればいいですか?
A.サウナ室に入る前にかけ湯で体を慣らし、サウナ後の水風呂は心臓に遠い手足からゆっくり入ることが重要です。急激な温度変化を避けましょう。
Q.サウナで気分が悪くなったらどうすればいいですか?
A.めまいや吐き気、動悸などを感じたら、すぐにサウナ室から出て涼しい場所で休憩してください。無理をせず、症状が改善しない場合は助けを呼びましょう。
Q.サウナに入る前に飲酒するのはなぜ危険なのですか?
A.アルコールには利尿作用と血管拡張作用があり、脱水症状や急激な血圧低下を引き起こしやすくなります。意識が朦朧とし、重大な事故につながるため非常に危険です。
Q.安全にサウナを楽しむためのポイントは何ですか?
A.①体調が良い時に入る、②水分補給をこまめに行う、③無理せず自分のペースで短時間から始める、④サウナ前後の飲酒は避ける、の4点が重要です。