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葬儀費用の相場はいくら?内訳と費用を抑える方法をわかりやすく解説

2026-01-23
目次

大切なご家族が亡くなられたとき、悲しみに暮れる間もなく葬儀の準備を進めなければなりません。その中で多くの方が不安に感じるのが「葬儀費用」ではないでしょうか。この記事では、葬儀費用の相場や内訳、そして費用の負担を少しでも軽くするための具体的な方法について、専門的な知識がなくてもわかるように優しく解説していきます。

葬儀費用は主に3つの要素で構成されます

「葬儀費用」と一言で言っても、実はいくつかの費用が合わさってできています。何にどれくらいかかるのかを知ることで、費用の全体像がぐっと分かりやすくなります。主に「葬儀一式費用」「飲食接待費」「寺院費用」の3つに分けられますので、それぞれ見ていきましょう。

葬儀一式費用

これは、お通夜から告別式、火葬まで、葬儀そのものを執り行うための基本的な費用です。祭壇や棺、骨壺、遺影、そしてご遺体を運ぶ霊柩車や火葬場の利用料などが含まれます。葬儀費用の中でも最も大きな割合を占めることが多く、葬儀の規模や内容によって金額が変動します。一般的な相場としては、約30万円から140万円ほどが目安となります。

飲食接待費

お通夜の後に振る舞われる「通夜振る舞い」や、火葬後に行われる「精進落とし」など、参列してくださった方々へのおもてなしにかかる費用です。お食事や飲み物の代金のほか、会葬御礼品や香典返しといった返礼品の費用もここに含まれます。この費用は参列者の人数に比例して変動するのが特徴で、約30万円から70万円が一般的な相場です。

寺院費用

葬儀でお経をあげていただく僧侶にお渡しするお礼のことで、主に「お布施」や「戒名料」などが含まれます。これは読経や故人様への戒名授与に対する感謝の気持ちを表すもので、金額が明確に決まっているわけではありません。お寺との関係性によっても変わりますが、相場としては約20万円から100万円と幅があります。

葬儀の形式で費用は大きく変わります

ひと昔前までは葬儀といえば形式がある程度決まっていましたが、最近では故人様やご遺族の意向に合わせて、さまざまな形式が選ばれるようになりました。どのような形でお見送りをするかによって、かかる費用も大きく変わってきます。ここでは代表的な4つの葬儀形式と、それぞれの費用相場をご紹介します。

一般葬

ご家族やご親族だけでなく、故人様と生前ご縁のあったご友人、会社関係の方、ご近所の方々など、広く参列者を招いて行う、昔ながらの一般的なお葬式です。多くの方に故人様とのお別れをしていただけるという利点があります。費用相場は約100万円~200万円と高めですが、いただく香典で費用の一部を補うことができる場合もあります。

家族葬

ご家族やご親族、特に親しかったご友人など、参列者を限定して行う小規模なお葬式です。大人数への対応に追われることなく、近しい人たちだけでゆっくりと故人様を偲ぶ時間を過ごせるのが特徴です。費用相場は約30万円~100万円と、一般葬に比べて負担を抑えることができます。

一日葬

お通夜は行わず、告別式と火葬を1日で執り行う形式の葬儀です。儀式が1日で終わるため、ご遺族や遠方から駆けつける参列者の身体的な負担を軽減できるというメリットがあります。費用相場は約50万円~100万円ほどです。

直葬(火葬式)

お通夜や告別式といった儀式を行わず、火葬のみで故人様をお見送りする、最もシンプルな形式です。費用を大幅に抑えることができ、相場は約20万円~50万円です。ごく近しい方だけで静かにお見送りをしたい場合に選ばれます。

葬儀の形式 費用相場
一般葬 約100万円~200万円
家族葬 約30万円~100万円
一日葬 約50万円~100万円
直葬(火葬式) 約20万円~50万円

葬儀費用の負担を軽くする4つの方法

大切な方とのお別れは心残りなく行いたいものですが、費用の心配は尽きないものです。ここでは、葬儀費用の負担を少しでも軽減するための具体的な方法を4つご紹介します。知っているだけで、いざという時の助けになりますよ。

適切な葬儀形式を選ぶ

先ほどご紹介したように、葬儀の形式によって費用は大きく異なります。故人様がどのようなお見送りを望んでいたか、ご遺族がどれくらいの規模を想定しているかを考え、無理のない範囲で最適な形式を選ぶことが費用を抑える第一歩です。

複数の葬儀社から相見積もりを取る

葬儀社によって、料金プランやサービス内容は様々です。病院から紹介された1社にそのまま決めてしまうのではなく、時間があれば複数の葬儀社から見積もりを取り、内容をしっかり比較検討することをおすすめします。生前のうちに葬儀の事前相談をしておくと、いざという時に落ち着いて最適な葬儀社を選ぶことができます。

公的な補助制度を利用する

故人様が加入していた公的な健康保険から、葬儀費用の一部が補助される制度があります。例えば、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者であれば「葬祭費」として3万円~7万円、会社などの健康保険の加入者であれば「埋葬料」として一律5万円が支給されます。これらは自動的に支払われるものではないため、忘れずに申請手続きを行いましょう。

故人の遺産から支払う

葬儀費用は、必ずしも喪主が全額を自己資金で負担しなければならないわけではありません。故人様が残された預貯金などの遺産から支払うことも認められています。ただし、相続人全員の同意を得ておくことや、金融機関での手続きが必要になる点には注意が必要です。

葬儀費用は相続税の計算でマイナスできます

もし相続する財産が多く、相続税の申告が必要になる場合には、支払った葬儀費用を遺産総額から差し引くことができます。これを「債務控除」といい、相続税の負担を軽くするためにとても重要なポイントです。ただし、葬儀に関連するすべての費用が対象になるわけではないので注意しましょう。

遺産から差し引くことができる費用

相続税の計算上、控除の対象となるのは、葬儀そのものに直接かかった費用です。具体的には、お通夜や告別式にかかった費用、火葬や埋葬、納骨にかかった費用、お寺へのお布施や読経料などが該当します。領収書は必ず保管しておきましょう。

遺産から差し引くことができない費用

一方で、葬儀に関連して支払ったものでも、控除の対象外となる費用があります。代表的なものは、香典返しの費用です。これは、いただいた香典(贈与)に対するお返しとみなされるため、控除できません。また、墓石や墓地の購入費用、初七日や四十九日といった法要にかかる費用も、葬儀とは別のものとして扱われるため、控除の対象にはなりません。

控除できる費用の例 控除できない費用の例
お通夜、告別式の費用(会場費など) 香典返しの費用
火葬料、埋葬料、納骨費用 墓石や墓地の購入・借入費用
お布施、読経料、戒名料 初七日、四十九日などの法要費用
遺体の運搬費用(霊柩車など) 遺体の解剖などにかかった費用

葬儀費用の支払いに関する注意点

葬儀が終わって一息つく間もなく、費用の支払いが待っています。いざという時に慌てないように、支払いに関する基本的な知識も押さえておきましょう。誰が、いつまでに、どのように支払うのか、事前に家族で話し合っておくと安心です。

誰が支払うのが一般的?

法律で「この人が支払う」と決められているわけではありませんが、一般的には葬儀の主催者である喪主が支払うケースが多いです。ただし、喪主が一人で全額を負担する義務はなく、他の相続人(例えば兄弟姉妹など)と話し合って分担することも全く問題ありません。

故人の預貯金から支払う場合

故人様の預貯金から葬儀費用を支払うことは可能ですが、注意が必要です。金融機関は名義人の死亡を知った時点で口座を凍結するため、原則としてお金の引き出しができなくなります。しかし、2019年の民法改正で「預貯金の仮払い制度」が創設され、他の相続人の同意がなくても、一つの金融機関につき「相続開始時の預金残高 × 1/3 × 法定相続分」の金額(ただし上限150万円)までなら、引き出しが可能になりました。葬儀費用の支払いに充てるために、この制度を利用することも検討しましょう。

まとめ

今回は、葬儀費用の相場やその内訳、そして費用を賢く抑えるための方法について解説しました。葬儀にかかる費用は、形式や規模によって大きく変わりますが、全国的な平均は約110万円前後が一つの目安です。何よりも大切なのは、故人様とご遺族の気持ちに寄り添い、後悔のないお別れの時間を過ごすことです。そのためにも、生前から情報を集め、複数の葬儀社を比較検討しておくことが重要になります。また、公的な補助制度や相続税の控除といった、知っておくことで負担を軽減できる制度もありますので、ぜひ上手に活用してくださいね。

参考文献

国税庁 No.4129 相続財産から控除できる葬式費用

葬儀費用の相場に関するよくある質問まとめ

Q.葬儀費用の全国的な相場はいくらくらいですか?

A.葬儀全体の費用相場は約180万円前後と言われていますが、これはあくまで平均値です。葬儀の形式(一般葬、家族葬、火葬式など)や地域、参列者の人数によって費用は大きく変動します。

Q.葬儀費用にはどのようなものが含まれますか?

A.主に「①葬儀一式費用(祭壇・棺・人件費など)」「②飲食接待費(通夜振る舞い・精進落としなど)」「③寺院費用(お布施・戒名料など)」の3つに分けられます。葬儀社からの見積もりには②や③が含まれていない場合があるので確認が必要です。

Q.葬儀費用を安く抑える方法はありますか?

A.家族葬や火葬式(直葬)といった小規模な形式を選ぶ、公営斎場を利用する、不要なオプションは削る、複数の葬儀社から見積もりを取って比較検討する、などの方法で費用を抑えることができます。

Q.最近よく聞く「家族葬」の費用相場はどのくらいですか?

A.家族葬の費用相場は、参列者の人数にもよりますが、一般的に30万円〜100万円程度です。参列者が少ないため、飲食接待費や返礼品費を抑えられる傾向にあります。

Q.お布施の相場がわかりません。

A.お布施は読経や戒名に対するお礼の気持ちであり、明確な金額は決まっていません。一般的な目安として15万円〜50万円程度ですが、菩提寺との関係性や地域差も大きいため、直接お寺に尋ねてみても失礼にはあたりません。

Q.見積もり以外に追加で料金が発生することはありますか?

A.はい、発生する可能性があります。例えば、ご遺体の安置日数が延びた場合の追加料金、ドライアイスの追加費用、想定より参列者が増えた場合の飲食費などが考えられます。事前にどこまでが見積もりに含まれるか確認することが重要です。

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