税理士法人プライムパートナーズ

遺産分割協議書の作成費用はいくら?誰が作る?専門家への依頼相場を解説

2025-04-13
目次

ご家族が亡くなられて相続が発生すると、遺産の分け方を決めるために「遺産分割協議」が必要になることがあります。その話し合いで合意した内容をきちんと書面に残したものが「遺産分割協議書」です。でも、「これって誰が作るの?」「専門家に頼むと費用はいくらかかるの?」といった疑問が浮かびますよね。この記事では、遺産分割協議書の作成について、誰が作るのか、費用はどのくらいかかるのか、そして専門家に依頼するメリットなどを分かりやすく解説していきます。

遺産分割協議書は誰が作るの?

遺産分割協議書は、法律で「この人が作らなければならない」という決まりはありません。そのため、相続人ご自身で作成することも、専門家に依頼することも可能です。それぞれの方法について、メリットや注意点を見ていきましょう。

自分で作成する

相続人の方がご自身で遺産分割協議書を作成する方法です。費用を抑えられるのが一番のメリットですが、法律的な知識が必要だったり、書類に不備があると法的な効力が認められず、銀行での預貯金解約や不動産の名義変更などの手続きが進まないリスクもあります。特に不動産の情報など、正確な記載が求められる点には注意が必要です。

専門家に依頼する

弁護士、司法書士、税理士、行政書士といった専門家に作成を依頼する方法です。費用はかかりますが、法的に有効な書類を確実に作成してもらえ、手続きもスムーズに進むという大きなメリットがあります。相続財産が多かったり、相続人同士の関係が複雑な場合には、専門家に相談するのが安心です。

専門家別!遺産分割協議書の作成費用と依頼できること

遺産分割協議書の作成を依頼できる専門家はいくつかありますが、それぞれ得意分野や費用が異なります。ご自身の状況に合わせて、どの専門家にお願いするのがベストか考えてみましょう。

弁護士に依頼する場合の費用

弁護士は、相続トラブルの交渉や代理ができる唯一の専門家です。もし相続人同士で意見が対立している、いわゆる「争族」の状態であれば、弁護士に依頼するのが最適です。費用は、依頼者が受け取る経済的利益(遺産の額)によって変動するのが一般的です。

依頼内容 費用相場(税別)
遺産分割協議書の作成のみ 10万円~30万円程度
遺産分割の交渉代理 着手金(20万円~)+成功報酬(経済的利益の10%~16%程度)

司法書士に依頼する場合の費用

司法書士は、不動産の相続登記(名義変更)の専門家です。相続財産に土地や建物が含まれている場合、遺産分割協議書の作成から登記手続きまで一括で依頼できるので非常にスムーズです。費用は、不動産の数や評価額によって変わります。

依頼内容 費用相場(税別)
遺産分割協議書の作成 3万円~8万円程度
相続登記(不動産の名義変更) 7万円~15万円程度(1件あたり、登録免許税などの実費は別途)

税理士に依頼する場合の費用

相続税の申告が必要な場合は、税理士に依頼するのが一般的です。税理士は、相続税の計算や申告手続きのプロです。遺産分割協議書は相続税申告にも必要な書類なので、申告とセットで作成を依頼することが多いです。費用は、遺産総額に応じて決まります。

依頼内容 費用相場(税別)
相続税申告(遺産分割協議書作成を含む) 遺産総額の0.5%~1.0%程度

例えば、遺産総額が5,000万円の場合、25万円~50万円が目安になります。

行政書士に依頼する場合の費用

行政書士は、官公署に提出する書類作成の専門家です。相続人同士で争いがなく、相続税申告や不動産登記も必要ない場合に、遺産分割協議書の作成だけを依頼するのに適しています。比較的費用を抑えられるのが特徴です。

依頼内容 費用相場(税別)
遺産分割協議書の作成のみ 3万円~5万円程度
相続人調査や財産調査を含む場合 5万円~10万円程度

どの専門家に依頼するのがベスト?ケース別解説

「自分はどの専門家にお願いすれば良いんだろう?」と迷ってしまいますよね。具体的なケースで考えてみましょう。

相続人同士で揉めている場合

この場合は、迷わず弁護士に相談しましょう。相続人間の交渉や、万が一、家庭裁判所での調停や審判になった場合にも代理人として対応できるのは弁護士だけです。他の専門家は、法律上、争いがある案件に関わることはできません。

不動産を相続する場合

遺産に土地や家などの不動産が含まれているなら、司法書士への依頼がおすすめです。遺産分割協議書の作成から、その後の不動産の名義変更(相続登記)までワンストップでお願いできます。2024年4月1日から相続登記は義務化されていますので、確実な手続きのためにも専門家に任せると安心です。

相続税の申告が必要な場合

相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、相続税の申告が必要です。この場合は、税理士に相談しましょう。どの財産を誰が相続するかによって相続税額が変わることもあるため、節税のアドバイスを受けながら遺産分割協議書を作成してもらえます。

トラブルがなく、手続きを安く済ませたい場合

相続人同士の関係が良好で、相続税申告も不動産登記も必要ない、というシンプルなケースであれば、行政書士に依頼すると費用を抑えられます。預貯金の解約手続きなどに必要な遺産分割協議書を作成してもらえます。

遺産分割協議書作成の費用は誰が負担するの?

専門家に支払う費用を誰が負担するかは、気になるところですよね。これには明確なルールはありませんが、一般的なケースをご紹介します。

弁護士に依頼した場合

弁護士に依頼する場合は、依頼した本人が費用を負担するのが基本です。なぜなら、弁護士は特定の依頼者の利益を守るために活動するからです。もし複数の相続人がそれぞれ弁護士を立てた場合は、各自が自分の弁護士費用を支払います。

弁護士以外の専門家に依頼した場合

司法書士や税理士、行政書士に依頼する場合は、相続人全員のための手続きとして依頼することが多いです。そのため、相続人全員で話し合って負担方法を決めるのが一般的です。例えば、相続分に応じて費用を分けたり、相続財産の中から支払ったり、代表者が一旦立て替えたりと、様々な方法が考えられます。

自分で遺産分割協議書を作成する場合の流れと費用

費用を抑えるために、自分で遺産分割協議書を作成することももちろん可能です。その場合の流れと費用について見ていきましょう。

自分で作成した場合の費用

自分で作成する場合、専門家への報酬はかかりませんが、必要書類の取得費用などの実費はかかります。戸籍謄本(1通450円)や除籍謄本(1通750円)、印鑑証明書(1通300円程度)、不動産の登記事項証明書(1通600円)などを集めるのに、数千円から1万円程度の費用がかかるのが一般的です。

自分で作成する流れ

自分で作成する際の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 相続人の確定:亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取り寄せ、誰が相続人になるのかを法的に確定させます。
  2. 相続財産の調査:預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もすべてリストアップし、財産目録を作成します。
  3. 遺産分割協議:相続人全員で、誰がどの財産をどれだけ相続するのかを話し合います。全員の合意が必要です。
  4. 遺産分割協議書の作成:話し合いで合意した内容を、書面にまとめます。財産の情報は正確に記載しましょう。
  5. 署名・押印:作成した遺産分割協議書に、相続人全員が自署し、実印を押印します。そして、全員分の印鑑証明書を添付します。

特に財産の記載方法には注意が必要です。例えば不動産は登記簿謄本通りに、預貯金は銀行名・支店名・預金種別・口座番号まで正確に記載しないと、その後の手続きに使えない場合がありますので、慎重に進めましょう。

まとめ

遺産分割協議書の作成は、ご自身で行うこともできますが、相続財産の内容や相続人間の関係性によっては専門家に依頼する方がスムーズで安心です。誰に依頼するかは、ご自身の状況によって異なります。

こんな時はこの専門家! 概 要
弁護士 相続人同士で揉めている、交渉してほしい
司法書士 不動産の名義変更(相続登記)がある
税理士 相続税の申告が必要
行政書士 争い事がなく、費用を抑えて書類作成だけ頼みたい

費用は依頼する専門家や依頼内容によって大きく変わります。まずはご自身の状況を整理し、どの専門家が適しているかを見極めることが大切です。相続は手続きが複雑で、期限があるものも多いです。もし不安な点があれば、まずは無料相談などを利用して専門家のアドバイスを受けてみることをお勧めします。

参考文献

国税庁:No.4202 相続税の申告のために必要な準備

国税庁:No.4158 配偶者の税額の軽減

法務省:相続登記の申請の義務化について

遺産分割協議書の作成と費用に関するよくある質問まとめ

Q.遺産分割協議書は誰が作成するのですか?

A.法律上の決まりはなく、相続人自身で作成することも可能です。ただし、内容に不備があると無効になる可能性があるため、行政書士や弁護士などの専門家に依頼するのが一般的です。

Q.遺産分割協議書の作成を専門家に依頼した場合の費用はいくらですか?

A.依頼する専門家や遺産の内容によって異なりますが、一般的に数万円から数十万円が相場です。相続人の間で争いがなく書類作成のみであれば比較的安価ですが、交渉が必要な場合は高額になる傾向があります。

Q.自分で遺産分割協議書を作成することはできますか?

A.はい、可能です。相続人全員の合意があれば、ご自身で作成できます。ただし、法的に有効な書類にするためには、相続人全員の署名と実印の押印、印鑑証明書の添付など、定められた要件を満たす必要があります。

Q.遺産分割協議書は必ず作成しないといけないのですか?

A.法律で作成が義務付けられているわけではありません。しかし、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約手続きで必要となるため、ほとんどの場合で作成が必要です。後々のトラブルを防ぐためにも作成をおすすめします。

Q.遺産分割協議書の作成費用を安く抑える方法はありますか?

A.ご自身で作成するのが最も費用を抑えられます。インターネット上のひな形(テンプレート)を参考に作成することもできますが、内容に不安がある場合は、専門家に最終チェックだけを依頼すると費用を抑えつつ正確性を高められます。

Q.遺産分割協議書の作成は、どの専門家に依頼すれば良いですか?

A.目的によって依頼先が異なります。単純な書類作成であれば行政書士、不動産の相続登記もセットなら司法書士、相続人間で争いがある場合は弁護士への依頼が適しています。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。